宅地建物取引業法 第86条
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第二十二条の二第六項若しくは第七項、第三十五条第四項又は第七十五条の規定に違反した者は、十万円以下の過料に処する。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 宅地建物取引業法第86条は、日本の宅地建物取引業法に含まれる条文です。
- 宅地建物取引業法第86条の条文原文は「第二十二条の二第六項若しくは第七項、第三十五条第四項又は第七十五条の規定に違反した者は、十万円以下の過料に処する。」で始まります。
- 宅地建物取引業法第86条は第八章 罰則に置かれています。
- 宅地建物取引業法の公布日は昭和27年6月10日です。
- 宅地建物取引業法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 宅地建物取引業法第86条の前の条は宅地建物取引業法第85条の2です。
- 宅地建物取引業法第86条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
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- 正式書式
宅地建物取引業法(昭和二十七年法律第百七十六号)第86条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/327AC1000000176 - 本サイト収録
宅地建物取引業法(昭和二十七年法律第百七十六号)第86条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/327AC1000000176/86
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点宅地建物取引業法86条は、宅地建物取引士証の返納・提出・提示義務に違反した者に十万円以下の過料を科す。過料は刑罰ではなく秩序罰で、前科はつかない。
Q · 宅建士証を返し忘れただけで、本当に十万円取られるんですか?
前科はつきません。過料は刑罰ではなく行政上の秩序罰です。
宅地建物取引業法86条は、宅地建物取引士証の返納義務(22条の2第6項)、事務禁止処分に伴う提出義務(同第7項)、重要事項説明時の提示義務(35条4項)等の違反に対し、十万円以下の過料を定めています。「以下」であるため必ず十万円ではなく、裁判所が事情に応じて決定します。過料は刑罰ではないため前科はつきませんが、義務を怠った事実は監督官庁の記録に残り、68条の事務の禁止処分や登録の消除を判断する際の材料になります。金額よりも記録のほうが重い、というのが実務感覚です。
解説
十万円以下の過料。金額だけを見れば軽い。だが86条が拾い上げているのは金額ではなく、「資格の外形を管理できない人物である」という記録のほうだ。条文が並べる違反類型のうち三つは、宅地建物取引士証にまつわる手続である。登録が消除されたり証が失効したのに返納しない(22条の2第6項)、事務禁止処分を受けたのに提出しない(同第7項)、重要事項説明の際に提示しない(35条4項)。ここで決定的なのは、過料が刑罰ではないという一点だ。罰金でも科料でもないため前科はつかず、検察官が起訴するのでもない。非訟事件手続法に従い、裁判所が決定で科す。つまり、あなたが頭に描いている刑事弁護の作法は、この場面ではほとんど使えない。争い方も、履行のタイミングの意味も、まるで別の世界にある。
法的な位置づけ
宅地建物取引業法86条は、宅地建物取引士証の返納義務・提出義務・提示義務および同法75条の規定に違反した者に対し、十万円以下の過料を科す規定である。過料は刑法9条の刑の種類に含まれない行政上の秩序罰であり、前科を生じさせず、非訟事件手続法に基づき裁判所が決定で科す。
よくある質問 AI による整理
Q1宅建業法86条の過料はいくらですか?
十万円以下です。「以下」なので必ず十万円ではなく、違反の内容や遅れた期間などの事情に応じて裁判所が決定で金額を定めます。刑罰ではないため罰金・科料とは別枠の制裁です。
Q2宅地建物取引士証の返納はいつまでにすればいいですか?
条文上は「速やかに」であり、日数の定めはありません。登録の消除や取引士証の失効という原因が生じた時点で義務が発生し、遅れた期間の長さがそのまま監督処分での評価対象になります。
Q3事務禁止処分を受けたら宅建士証はどこに提出するのですか?
取引士証の交付を受けた都道府県知事に、速やかに提出します(22条の2第7項)。返納と違い、処分期間が満了すれば返還される性質のものです。
Q4宅建士証を紛失したときはどうすればいいですか?
登録している都道府県知事に再交付を申請します。紛失したままでは重要事項説明時の提示義務(35条4項)を履行できず、説明を行えば86条の過料の対象になり得ます。
Q5過料を払わないとどうなりますか?
確定した過料の裁判は検察官の命令によって執行され、財産に対する強制執行が可能です。刑事手続ではないため労役場留置はありませんが、支払わずに済むものではありません。
Q6宅建業法86条の過料は会社が代わりに払えますか?
事実上立て替えることはできても、義務の名宛人は宅地建物取引士個人です。返納・提出・提示はいずれも個人に課された行為であり、勤務先が履行を肩代わりすることはできません。
Q7登録を他の都道府県に移したら古い取引士証はどうなりますか?
登録移転により従前の取引士証は効力を失うため、返納の対象になります。新しい証を受け取った安心感で返し忘れが起きやすく、数年後の監督処分の場面で指摘されることがあります。
Q8過料を科されると宅建士の登録は消除されますか?
過料が直ちに登録消除を招くわけではありません。ただし義務違反の事実は都道府県知事の手元に残り、68条の事務の禁止処分や登録の消除を検討する際の資料として参照されます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1過料って前科になるんですか?
なりません。過料は行政上の秩序罰で、刑法9条が定める刑の種類に含まれない。罰金や科料と違って検察官が起訴するのでもなく、非訟事件手続法に基づいて裁判所が決定で科す。前科調書にも載らない。実務のポイント:実務で怖いのは過料そのものではなく、68条の事務禁止処分や登録消除を検討するときに「手続を守らない人」の記録が参照されることだ。同じ違反でも、返納が一週間遅れた人と一年放置した人では次の扱いが変わる
Q2取引士証を「返納」するのと「提出」するのは何が違うんですか?
返納は22条の2第6項、登録が消除されたり取引士証が効力を失った場合で、証は戻ってこない。提出は同第7項、事務禁止処分を受けた場合で、処分期間が満了すれば返還される。どちらも怠れば86条の過料の対象になる。実務のポイント:事務禁止期間中に証を手元へ残しておくと、うっかり提示した一回が処分違反の証拠として残る。手元に置かないこと自体が身を守る手段になる
Q3重要事項説明で取引士証を見せてもらえなかったら、その説明は無効になりますか?
説明が当然に無効になるわけではない。35条4項の提示義務違反は86条の過料と、宅地建物取引業者・宅地建物取引士に対する監督処分の対象になり、契約の効力とは別の軌道で処理される。実務のポイント:提示を求めた事実を日付入りで記録しておくと、後に説明内容を争うとき「手続すら守らなかった相手」という文脈が効く。争点は説明内容だが、心証は手続の履行状況でつくられる
間違えやすい点 AI による整理
- 過料が刑罰ではないことは知っている人もいる。だが深刻度を取り違えている。本当の問題は十万円ではなく、返納や提出を怠った事実が都道府県知事の手元に残り、68条の事務禁止処分や登録消除を判断するときの材料になることだ。同じ違反でも、一週間遅れた人と一年放置した人では、次の処分での扱いが変わる
- あなたから見れば「証を出し忘れただけ」の一件である。法律から見れば、事務禁止処分の実効性を担保する装置が空回りしたという事態だ。処分を受けた者が証を持ったまま現場に立てるなら、処分そのものが形骸化する。この落差の大きさが、後の監督処分の重さを決める
- 会社が払ってくれる、あるいは会社が処理してくれると思われがちだが、86条が名宛人にしているのは義務を負う本人である。返納・提出・提示はいずれも宅地建物取引士個人に課された行為であり、勤務先が代わりに履行できるものではない
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 制裁の種類 | 86条:過料(行政上の秩序罰) | 83条:罰金刑(刑事罰) 79条:懲役を含む刑事罰(無免許営業・不正な免許取得・名義貸し等) |
| 前科の有無 | 刑法9条の刑に含まれないため前科はつかない | 刑罰であるため前科がつく 刑罰であるため前科がつく |
| 科す手続 | 非訟事件手続法により裁判所が決定で科す | 検察官の起訴を経た刑事裁判 検察官の起訴を経た刑事裁判 |
| 典型的な違反行為 | 取引士証の返納・提出・提示義務の懈怠 | 業務に関する各種義務違反 免許制度の根幹を害する行為 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も経紀人証書の管理義務違反を罰鍰(行政秩序罰)で処理し、刑事罰とは別系統に置く点で日本の過料と構造が近い
韓国も資格証・中介事務所に関する手続的義務違反を과태료(秩序罰)で処理し、刑事罰と区別する
ドイツは不動産仲介業を営業法上の許可制とし、手続的義務違反は Ordnungswidrigkeit として過料(Geldbuße)で処理する
米国は州ごとの免許法により、免許証の掲示・返還義務違反等を州不動産委員会の行政制裁(罰金・免許停止)で処理する
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 事務禁止処分の通知が届いて三日。処分期間の日数ばかり読み返して、取引士証をどこにしまったか思い出せない。22条の2第7項の提出義務は、処分を受けたときに速やかに発生している。ここで放置すれば、事務禁止という本体の処分の上に、過料という二枚目の記録が重なる。残り時間は、監督官庁があなたの誠実さを測る目盛りそのものだ
- 登録を他県に移した後、古い取引士証を財布に入れたままだったとしたら? 移転前の証はすでに効力を失っており、返納しないままの状態が続いている。新しい証を受け取って安心した瞬間こそ、最も返し忘れが起きる。数年後、監督処分の場面で「返納の記録がない」と指摘されて初めて気付く
- 重要事項説明の当日、取引士証を自宅に忘れた。相手から求められなくても、提示は義務である。説明を始めた時点で35条4項違反が成立する。
- 買主として重要事項説明を受けたが、担当者は名刺を出しただけで取引士証を見せなかった。名刺の提示は取引士証の提示にならない。あなたはその場で提示を求めることができ、応じなければ、業者と担当者の記録に残る種をあなたが握ることになる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 重要事項説明の場で取引士証の提示がなければ、その場で求める(35条4項)。2. 提示された証の氏名・有効期間・写真を確認し、説明している本人かどうか照合する。3. 拒まれたら日時と担当者名を記録し、免許を出した都道府県または国土交通省の宅地建物取引業担当窓口へ情報提供する。4. 過料は裁判所が科すもので、あなたが請求できる金銭ではない。実効性があるのは監督処分の申告ルートのほうだと理解しておく
訴えられた側:1. 返納または提出の義務が発生した日付を特定する。「速やかに」という要件は、遅れた期間の長さで評価される。2. 未履行ならまず履行する。手続が始まる前の自発的な履行は、後の監督処分の判断で意味を持つ。3. 裁判所から過料の裁判の告知を受けたら、不服は即時抗告で争う。刑事裁判ではないため手続の作法が異なる。4. 同時に68条の事務禁止・登録消除の可能性を弁護士に確認する。本体のリスクはそちらにある
時効(請求できる期限):86条自体に期間の定めはない。返納・提出の義務は「速やかに」であり、履行が遅れた期間そのものが評価対象になる。過料は刑罰ではないため公訴時効の適用はなく、非訟事件手続法により裁判所が決定で科す。過料の裁判の告知を受けた後の即時抗告は原則1週間以内(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:過料は行政上の秩序罰であって刑罰ではないため、同一の事実について刑罰と併科しても憲法39条の二重処罰の禁止には反しないと解されている。制裁の軽さは、背後に控える監督処分の重さによって機能的に補われる。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和27年(1952年) 新設:宅地建物取引業法の制定。免許制度と併せて罰則章が置かれ、刑事罰と秩序罰である過料が段階的に配置された
- 2.平成26年(2014年) 改正:「宅地建物取引主任者」を「宅地建物取引士」に改称する改正(平成27年4月1日施行)。これに伴い取引士証の返納・提出・提示義務の条文表記も改められた
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