宅地建物取引業法 第75条の3(宅地建物取引業者の使用人等の秘密を守る義務)
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宅地建物取引業者の使用人その他の従業者は、正当な理由がある場合でなければ、宅地建物取引業の業務を補助したことについて知り得た秘密を他に漏らしてはならない。宅地建物取引業者の使用人その他の従業者でなくなつた後であつても、また同様とする。
この条文の基本情報
宅地建物取引業者の使用人等の秘密を守る義務とは何ですか?
定義宅地建物取引業者の使用人等の秘密を守る義務とは、宅地建物取引業法第75条の3に定められた規定で、「宅地建物取引業者の使用人その他の従業者は、正当な理由がある場合でなければ、宅地建物取引業の業務を補助したことについて知り得た秘密を他に漏らしてはならない。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 宅地建物取引業法第75条の3(宅地建物取引業者の使用人等の秘密を守る義務)は、日本の宅地建物取引業法に含まれる条文です。
- 宅地建物取引業法第75条の3の条文原文は「宅地建物取引業者の使用人その他の従業者は、正当な理由がある場合でなければ、宅地建物取引業の業務を補助したことについて知り得た秘密を他に漏らしてはならない。」で始まります。
- 宅地建物取引業法第75条の3は第七章 雑則に置かれています。
- 宅地建物取引業法の公布日は昭和27年6月10日です。
- 宅地建物取引業法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 宅地建物取引業法第75条の3の前の条は宅地建物取引業法第75条の2です。
- 宅地建物取引業法第75条の3の次の条は宅地建物取引業法第75条の4です。
- 宅地建物取引業法第75条の3には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
宅地建物取引業法(昭和二十七年法律第百七十六号)第75条の3 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/327AC1000000176 - 本サイト収録
宅地建物取引業法(昭和二十七年法律第百七十六号)第75条の3(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/327AC1000000176/75_3
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点宅地建物取引業法75条の3は、宅建業者の従業者に守秘義務を課す規定。正当な理由がなければ業務上知り得た秘密を漏らせず、退職後も義務は続き、違反は50万円以下の罰金となる。
Q · 不動産会社を辞めた元社員が、在職中に知った顧客の情報を話すのは違法ですか?
違法になりえます。退職後も守秘義務は続きます
宅地建物取引業法75条の3は、宅建業者の使用人その他の従業者に対し、正当な理由がある場合を除き、業務を補助して知り得た秘密を他に漏らすことを禁じています。後段が「従業者でなくなつた後であつても、また同様とする」と明記しているため、退職や会社の廃業によって義務は消えません。違反した場合は50万円以下の罰金(83条)の対象となり、会社側には指示処分(65条)のリスクが生じます。金銭的な回復は民法709条の損害賠償で別途請求します。
解説
不動産屋の窓口で、あなたは驚くほど多くを差し出している。年収、勤務先、貯金額、離婚したばかりであること、親が施設に入ったこと。宅地建物取引業法45条は、その秘密を漏らしてはならない義務を宅地建物取引業者に課す。だが業者は法人であり、実際にあなたの話を聞いたのは窓口の派遣社員かもしれない。その隙間を埋めるのが75条の3である。使用人その他の従業者、つまり営業担当だけでなく事務員もアルバイトも、業務を補助した者すべてが名宛人になる。そして条文の後段が本体だ。「従業者でなくなつた後であつても、また同様とする」。退職しても、その会社が潰れても、義務は消えない。破れば50万円以下の罰金(83条)。あなたを守っているのは今の担当者の口だけではなく、五年前に辞めていった元担当者の口でもある。
法的な位置づけ
宅地建物取引業法75条の3は、宅地建物取引業者の使用人その他の従業者を名宛人とする守秘義務規定である。業務を補助したことについて知り得た秘密は、正当な理由がある場合を除き他に漏らしてはならず、この義務は従業者の地位を失った後も存続する。業者自身の守秘義務を定める45条と対をなす構造をとる。
手順
- 1.漏えいの事実を時系列で記録する 漏れた情報の内容、それを聞いた相手、時期、伝わった経路を書き出す。伝聞であっても発言者と経路を残す。スクリーンショット、メール、LINE の履歴があれば日付ごとに保存する
- 2.業者へ書面で社内調査と回答を求める 口頭ではなく書面で、当該情報を閲覧した従業者の範囲、社内調査の結果、再発防止策の回答を求める。従業者名簿(48条)に基づく特定を明示的に要求すると、回答の具体性が上がる
- 3.免許行政庁へ申し出る 免許を出した都道府県知事または国土交通大臣へ申し出る。個別クレームと異なり指示処分(65条)と免許更新に直結するため、業者側の対応は組織的なものへ切り替わる。個人データの流出なら個人情報保護委員会にも並行して申告する
- 4.金銭的回復は民事で別に請求する 罰金は国庫に入るため、損害の回復は民法709条・710条のプライバシー侵害として別途請求する。請求は損害および加害者を知った時から3年(民法724条)の期間制限にかかるため、記録を残した段階で早めに弁護士へ相談する
よくある質問 AI による整理
Q1宅建業法75条の3とは何ですか?
宅建業者の使用人その他の従業者に守秘義務を課す規定です。正当な理由がなければ業務を補助して知り得た秘密を漏らせず、退職後も義務が続きます。
Q2不動産屋のアルバイトにも守秘義務はありますか?
あります。条文の名宛人は「使用人その他の従業者」で、営業担当に限りません。書類をコピーした事務員も、業務を補助して秘密を知った時点で対象になります。
Q3宅建業法の守秘義務に違反するとどうなりますか?
50万円以下の罰金(83条)の対象です。会社側は指示処分や業務停止処分(65条)を受ける可能性があり、被害者からは民法709条の損害賠償を請求されます。
Q4守秘義務の「正当な理由」とはどんな場合ですか?
法令に基づく開示、本人の承諾がある場合、35条の重要事項説明など他の法的義務の履行が典型です。この三類型に当たらなければ、量の多寡を問わず違反側に落ちます。
Q5不動産屋に個人情報を漏らされたらどこに相談できますか?
免許を出した都道府県知事または国土交通大臣(免許行政庁)への申出が効果的です。個人データの流出であれば個人情報保護委員会も窓口になります。
Q6従業者名簿には誰が載りますか?
宅建業に従事する者が記載対象で、48条と施行規則が根拠です。名簿と従業者証明書は「誰が業務を補助したか」を後から確定する資料になります。
Q7退職時の秘密保持誓約書にサインは必要ですか?
守秘義務は75条の3により法律上すでに負っています。誓約書で交渉すべきなのは上乗せ部分、つまり競業避止や違約金の条項です。
Q8情報を漏らされた場合、慰謝料は請求できますか?
民法709条・710条のプライバシー侵害として請求します。罰金は国庫に入るため被害者には渡りません。金銭回復は民事の別ルートです。
この条文についての質問 AI による整理
Q1不動産屋の担当が、私の年収を大家さんにペラペラ話していたんですが、これって違法ですか?
入居審査のために必要な範囲で貸主へ伝えるのは「正当な理由」に当たりうるので、それだけでは違反と言い切れない。問題は範囲を超えた部分、たとえば離婚の事情や病歴を雑談として添えた場合で、ここは75条の3に触れる。実務のポイント:業者が最も嫌がるのは個別クレームではなく免許行政庁への申出である。免許更新と指示処分(65条)に響くため、宛先を変えるだけで回答の質が変わる
Q2辞めた会社の顧客情報、書類は返したけど頭の中に残ってるものは使っていいですよね?
使えない。75条の3の後段は「従業者でなくなつた後であつても、また同様とする」と明記しており、記憶に残ったものも業務を補助して知り得た秘密である以上、対象になる。営業に流用すれば不正競争防止法の営業秘密侵害も重なる。実務のポイント:秘密保持誓約書にサインしていないから自由だと考える人が多いが、順序が逆で、法律上の義務が先にあり誓約書はその上乗せにすぎない
Q3前の住人が自殺した部屋だと知っています。黙っているのが守秘義務じゃないんですか?
逆になる。買主や借主への告知は35条の重要事項説明を含む法的義務の履行であり、守秘義務における「正当な理由」の典型である。黙っていた側が責任を問われる構図だ。実務のポイント:国土交通省の人の死の告知に関するガイドライン(令和3年10月)では、賃貸で自然死や日常生活上の不慮の死はおおむね告げなくてよく、他殺や自殺はおおむね3年が一つの目安、売買は期間の区切りを置いていない。社会的影響の大きい事案は年数に関係なく告知が要る
Q4漏らされた側が訴えたら、50万円の罰金は私がもらえるんですか?
もらえない。罰金(83条)は国庫に入る刑事罰で、被害者への支払ではない。金銭的な回復を求めるなら、プライバシー侵害として民法709条、710条の損害賠償を別に起こす必要がある。実務のポイント:守秘義務違反の罪は親告罪とされており、告訴がなければ検察は起訴できない。つまり刑事のスイッチを入れるかどうかの決定権があなた側にあり、この一点が示談交渉での交渉力になる(最新の改正状況をご確認ください)
間違えやすい点 AI による整理
- 不動産屋に守秘義務があることは知られている。だが射程の広さは知られていない。義務を負うのは会社と営業担当だけではなく、申込書をコピーした事務員、掃除中に書類を見たアルバイト、そして昨日辞めた元社員まで含む。「担当者ではないので関係ありません」という言い訳は、条文上そもそも成り立たない
- 「どこまで話していいのか」という問いの立て方自体がずれている。条文が用意しているのは範囲の目盛りではなく、「正当な理由があるか」という一つの関門だ。法令に基づく場合、本人の承諾がある場合、35条の説明義務など他の法的義務を果たす場合。この三つに当てはまらなければ、量の多寡を問わず違反側に落ちる
- あなたから見れば、同僚とのただの雑談である。法律から見れば、それは「他に漏らす」という完成した行為だ。聞いた相手が一人でも、その相手が口の堅い人でも、被害が現実化していなくても成立する。この落差を知らないまま働き続けることが、従業者にとって最大のリスクになる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 義務を負う者 | 75条の3:使用人その他の従業者(事務員・アルバイトを含む) | 45条:宅地建物取引業者本人(法人・個人業者) 35条:宅地建物取引業者(説明は宅地建物取引士が実施) |
| 内容の方向 | 秘密を漏らしてはならない(不作為義務) | 秘密を漏らしてはならない(不作為義務) 重要事項を説明しなければならない(作為義務) |
| 地位を失った後 | 従業者でなくなった後も存続 | 宅地建物取引業を営まなくなった後も存続 契約締結前の一回的義務で、継続性の問題は生じない |
| 違反時の帰結 | 50万円以下の罰金(83条)+民事賠償 | 50万円以下の罰金(83条)+指示処分(65条) 指示・業務停止処分+説明義務違反の損害賠償 |
他国ではどう定めているか 5 か国
台湾も経紀人員個人を名宛人とする守秘義務を置き、業務上知り得た他人の秘密の無故洩漏を禁じる。業者法人と従業者を分けて規律する構造は日本の45条・75条の3と近い
韓国は開業公認仲介士とその従業者に秘密準守義務を課し、業務を離れた後も継続すると明記する。退職後も義務が続く点で日本の75条の3後段と同一の設計
中国は部門規章のレベルで不動産仲介機構と従業者の守秘義務を規定する。法律ではなく行政規章に置かれている点が日本と異なる
ドイツには宅建業法に相当する仲介業者専用の守秘義務条文がなく、契約上の付随義務と GDPR による個人データ保護が機能を代替する。刑法203条の秘密漏示罪は不動産仲介業者を対象としない
米国は代理法上の忠実義務から守秘義務を導く。加えて各州の免許制度と REALTORS® 倫理綱領が実務を規律し、代理関係終了後も秘密保持義務は存続すると解される
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 賃貸の入居審査で申込書に書いた勤務先と年収が、なぜか職場の同僚の耳に入っていたとしたら? 大家への提供は審査に必要な範囲なら正当な理由になりうるが、そこから先の雑談は75条の3が禁じる領域に入る。追及の第一歩は、担当者以外に誰がその申込書を見たのかを業者に書面で問うこと
- 退職した元営業のあなたが、同業者の飲み会で「前の会社で扱った駅前のビルのオーナー、実は相続で揉めててね」と口を滑らせる。相手は一人、場は居酒屋。それでも「他に漏らした」は成立する
- 転職先への入社まであと10日。前の職場の顧客リストを自分のスマホに転送したまま持っている。宅地建物取引業法75条の3に触れるだけでなく、不正競争防止法の営業秘密侵害にもなりうる。入社前に消去し、消去した記録を自分で残しておくかどうかで、後日疑われたときの弁明の重みがまるで違ってくる
- 友人が「不動産屋に離婚の事情を話したら、別の客との世間話のネタにされていた」と怒っている。あなたは、宅建業者への苦情は消費生活センターより先に免許を出した都道府県知事または国土交通大臣へ申し出るほうが効く、と説明できる
- 前の入居者が室内で亡くなった部屋を仲介する立場になった。遺族からは「絶対に言わないでほしい」と頼まれている。それでも次の借主に告げなければ35条の重要事項説明義務の側で責任を問われうる。守秘義務が告知義務に道を譲る場面があり、その境界線は国土交通省のガイドラインに書かれている
取るべき行動
被害を受けた側:1. 漏れた情報の内容、聞いた相手、時期を書き出し、伝聞であっても発言者と経路を記録する2. 業者へ書面で、当該情報を閲覧した従業者の範囲と社内調査結果の回答を求める3. 並行して免許行政庁(都道府県知事または国土交通大臣)へ申出、必要なら65条の指示処分につながる4. 金銭的な回復は罰則ではなく民法709条の損害賠償で別途請求する。プライバシー侵害の慰謝料は事案により数万円から数十万円が中心
訴えられた側:1. 「誰に、何を、いつ」の三点を時系列で確認し、そもそも業務上知り得た秘密に当たるか、既に公知の情報ではないかを検討する2. 法令に基づく開示、本人の承諾、35条の説明義務の履行など「正当な理由」に当てはまらないかを洗う3. 会社の懲戒手続と刑事の話は別軌道なので、社内ヒアリングでの供述内容が後に不利に働く点に注意する4. データを持ち出した疑いがあるなら、消去記録とアクセスログを自分でも保全する
時効(請求できる期限):本条自体に特定の時効はない。刑事面では50万円以下の罰金(83条)にとどまるため公訴時効は3年(刑事訴訟法250条2項)。民事の損害賠償は損害および加害者を知った時から3年、行為時から20年(民法724条)。なお守秘義務違反の罪は親告罪とされており、その場合は犯人を知った日から6か月の告訴期間が加わる(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:「正当な理由」は、法令に基づく開示、本人の承諾がある場合、他の法的義務の履行という三類型に整理される。取引相手方への重要事項説明(35条)は第三類型に当たり、守秘義務は告知義務に劣後すると理解される。
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