受講中の講座ブックマーク無料で登録

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)e-Gov法令検索出典公布 収録時点 令和8年7月4日読了 8 分8 分8 分

宅地建物取引業法 第84条

クイックジャンプ
  1. 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、次の各号に掲げる規定の違反行為をしたときは、その行為者を罰するほか、その法人に対して当該各号に定める罰金刑を、その人に対して各本条の罰金刑を科する。
  2. 一第七十九条又は第七十九条の二一億円以下の罰金刑
  3. 二第八十条又は第八十一条から第八十三条まで(同条第一項第三号を除く。)各本条の罰金刑

この条文の基本情報

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)

  1. 宅地建物取引業法第84条は、日本の宅地建物取引業法に含まれる条文です。
  2. 宅地建物取引業法第84条の条文原文は「法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、次の各号に掲げる規定の違反行為をしたときは、その行為者を罰するほか、…」で始まります。
  3. 宅地建物取引業法第84条は第八章 罰則に置かれています。
  4. 宅地建物取引業法の公布日は昭和27年6月10日です。
  5. 宅地建物取引業法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
  6. 宅地建物取引業法第84条の前の条は宅地建物取引業法第83条の2です。
  7. 宅地建物取引業法第84条の次の条は宅地建物取引業法第85条です。
  8. 宅地建物取引業法第84条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。

この条文を引用する

下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。

  • 正式書式宅地建物取引業法(昭和二十七年法律第百七十六号)第84条
  • 官報・e-Gove-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/327AC1000000176
  • 本サイト収録宅地建物取引業法(昭和二十七年法律第百七十六号)第84条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/327AC1000000176/84
裁判例 1件に引用されています

関連度の高い1件を表示しています

わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です

要点宅地建物取引業法84条は両罰規定で、従業者が業務に関し79条・79条の2に違反すると、行為者のほか法人にも1億円以下の罰金刑が科される。

Q · 社員が名義貸しをしたら、会社にも罰金が来るんですか?

来ます。最大1億円、しかも免許取消につながります

宅地建物取引業法84条は両罰規定です。従業者が業務に関し79条(無免許営業・名義貸し・不正な免許取得等)や79条の2(不当に高額な報酬の要求)に違反すると、行為者本人を各本条で罰したうえ、法人にも1億円以下の罰金刑が科されます。80条から83条までの違反では法人に各本条と同額の罰金刑。さらに罰金刑が確定すると5条1項の免許欠格事由に該当し、免許取消と5年間の再取得禁止へ連鎖します。

解説

宅建業者の営業マンが無免許営業や不正な免許取得に手を染めたとき、罰を受けるのは本人だけだと思っているなら、その理解は会社を吹き飛ばす。宅地建物取引業法84条は両罰規定と呼ばれ、行為者本人を各本条で処罰した上で、さらに法人にも別途罰金を科す。しかも79条(無免許営業、名義貸し、不正手段による免許取得等)と79条の2(不当に高額な報酬の要求)に該当すると、法人への罰金は最大1億円。行為者個人の罰金上限が100万円や300万円であるのに対し、法人だけが桁違いの金額を背負う構造になっている。あなたが宅建業を営む会社の経営者なら、従業者一人の暴走が会社の年間利益を丸ごと消し飛ばす可能性を、この一条が作り出している。そして罰金刑を受けた法人は免許欠格事由(宅建業法5条1項)に触れ、免許取消と5年間の再取得禁止という営業そのものの死につながる

法的な位置づけ

宅地建物取引業法84条は両罰規定であり、法人の代表者または法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人または人の業務に関し所定の違反行為をした場合に、行為者を各本条で処罰するほか、業務主である法人または人に対しても独立に罰金刑を科す旨を定める規定である。

よくある質問 AI による整理

Q1両罰規定とは何ですか?

違反行為をした個人を罰するだけでなく、その業務主である法人や個人事業主にも罰金刑を科す規定です。宅建業法では84条がこれにあたります。

Q2宅建業法で法人に1億円の罰金が科されるのはどの違反ですか?

79条(無免許営業、名義貸し、不正手段による免許取得等)と79条の2(不当に高額な報酬の要求)に限られます。それ以外は各本条の罰金額です。

Q3宅建業法84条の対象になる従業者の範囲は?

法人の代表者、法人または人の代理人、使用人その他の従業者です。契約の名目より実質的な指揮監督関係と業務関連性で判断されます。

Q4会社は知らなかったと言えば免責されますか?

できません。両罰規定は選任監督上の過失を根拠としており、判例上、法人側が相当の注意を尽くしたことを立証しなければ免責されないと解されています。

Q5宅建業者が罰金刑を受けると免許はどうなりますか?

宅建業法5条1項の免許欠格事由に該当し、免許は取り消され、その後5年間は再取得できません。罰金の支払いで終わりにはなりません。

Q6法人と行為者はどちらか一方だけ処罰されるのですか?

併科です。条文は「その行為者を罰するほか」と定めており、行為者個人の処罰と法人への罰金刑は択一関係にありません。

Q7宅建業法84条の公訴時効は何年ですか?

法人に科されるのは罰金刑のみのため、公訴時効は3年です(刑事訴訟法250条2項6号)。起算点は犯罪行為が終わった時点です。

Q8個人事業主の宅建業者も84条の対象ですか?

対象です。条文は「その人に対して各本条の罰金刑を科する」と定め、法人でない個人業者も従業者の違反行為について業務主として処罰されます。

この条文についての質問 AI による整理

Q1社員が勝手にやったことでも、本当に会社が罰金を払うんですか?

払います。84条は行為者を罰するほか法人にも罰金刑を科すと定めており、両者は併科です。判例上、法人は選任監督について相当の注意を尽くしたことを立証できなければ免責されないと解されています。実務のポイント:この立証で決定的なのは研修をやったという事実ではなく、記録が残っているかです。実施日、受講者名簿、テスト結果、未受講者への追跡。この四点セットがない研修は、法廷ではやっていないのと同じ扱いになる

Q21億円というのはどんなときに出てくる金額なんですか?

79条(無免許営業、免許の不正取得、名義貸し等)または79条の2(不当に高額な報酬の要求)の違反に限られます。それ以外の80条から83条の違反では、法人には各本条の罰金刑、つまり行為者と同額が科されます。実務のポイント:1億円の枠が設けられたのは、行為者個人の罰金上限では大手業者にとって経済的抑止にならないためです。逆に言えば、無免許・名義貸し・法外報酬の三類型だけは、規模の大きい会社ほど重く見られていると読める

Q3罰金を払えば、それで終わりですよね?

終わりません。宅地建物取引業法5条1項の免許欠格事由により、本法違反で罰金刑に処せられた法人は免許を取り消され、その後5年間は再取得できません。罰金額より事業停止のダメージの方がはるかに大きい。実務のポイント:だからこそ実務では、罰金の減額交渉よりも起訴自体を回避する不起訴獲得に全力を注ぎます。起訴された時点で、有罪率を考えれば免許はほぼ失われると計算する弁護士が多い

Q4業務委託の外部パートナーがやらかした場合はどうなりますか?

条文は代理人、使用人その他の従業者と定めており、契約書の名目より実質的な指揮監督関係と業務関連性で判断されます。日常的に指示を出し、自社の名で取引させていれば、業務委託でも適用される可能性が高い。実務のポイント:捜査で真っ先に押収されるのはチャットツールの履歴です。細かい指示を毎日送っていた記録が、そのまま指揮監督関係の証拠になる

間違えやすい点 AI による整理

  • 「両罰規定は法人が悪いことをしたときの規定」と理解されているが、問いの立て方が誤っている。法人は物理的に行為できない。ここで問われているのは、法人が行為者の選任・監督について相当の注意を尽くしたかであり、判例上、この点について法人側に無過失の立証責任があると解されている。つまり会社は「知らなかった」ではなく「防ぐ体制を作っていた」ことを証明する側に立たされる
  • 行為者を処罰すれば法人は免責されると考えがちだが、条文は「その行為者を罰するほか」と書いている。両者は択一ではなく併科。従業者が有罪になったこと自体が、法人処罰の前提事実として機能する
  • 1億円という金額の重さは知られているが、その先の深刻度が見落とされている。宅建業者が罰金刑に処せられると、宅地建物取引業法5条1項の免許欠格事由に該当し、免許は取り消され、その後5年間は再取得できない。罰金を払って終わりではなく、事業そのものが停止する
  • 「うちは従業者ではなく業務委託だから84条の対象外」という整理をしている会社があるが、条文は代理人、使用人その他の従業者と幅広く定めており、実質的な指揮監督関係があれば形式的な契約名目では逃げられない
比較の観点この条文ほかの条文
処罰の対象84条:行為者に加えて業務主(法人・人)を処罰79条:違反行為をした行為者本人を処罰
5条1項:処罰ではなく免許の欠格事由
法人に科される額79条・79条の2違反は1億円以下、80条〜83条違反は各本条の罰金刑行為者個人の罰金は各本条の法定額
金銭的制裁ではなく免許取消・5年間の再取得禁止
免責の可否選任監督につき相当の注意を尽くした立証で免責の余地行為者の故意・過失の有無で判断
罰金刑の確定という客観的事実で自動的に該当
実務上の主戦場研修記録・内部監査・承認フローなど監督体制の証拠行為の外形と違反該当性の争い
免許更新・事業継続スキームの再設計

他国ではどう定めているか 4 か国

台湾
不動產經紀業管理條例第32條、行政罰法第15条

台湾は不動産仲介業の違反について、行為者処罰と経紀業者への処罰を併置する構造をとる。ただし中心は刑事罰ではなく行政罰(罰鍰)であり、日本の両罰規定より行政制裁色が濃い

韓国
공인중개사법 제50조(양벌규정)

韓国も日本と同様の양벌규정を持ち、法人・個人業務主に罰金刑を科す。ただし憲法裁判所の決定を受け、免責事由(相当の注意と監督を怠らなかった場合)を条文上明記する改正が広く行われている点が日本と異なる

ドイツ
OWiG § 30、§ 130

ドイツは法人自体を刑事罰の主体とせず、秩序違反法上の団体過料(Verbandsgeldbuße)と監督義務違反(Aufsichtspflichtverletzung)で対応する。刑事罰ではなく過料である点が日本の両罰規定と構造的に異なる

アメリカ
New York Central & Hudson River R.R. v. United States, 212 U.S. 481 (1909)

米国は respondeat superior 法理により、従業員が職務範囲内で会社の利益のために行った犯罪について法人自体が刑事責任を負う。監督体制(compliance program)は免責事由ではなく主に量刑上の考慮要素として機能する

AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です

想定される場面と対応 AI による整理

こんなときに使う

  • 支店の営業課長が、免許を持たない知人の不動産ブローカーに自社の免許証を貸し、そのブローカーが独自に取引を回していた。名義貸しは79条違反、課長個人は懲役または罰金、そして84条により会社にも最大1億円の罰金が請求される。「一支店の暴走で本社は関係ない」という理屈は通らない
  • もし新入社員が、成約を焦って売主から法定上限を大きく超える報酬を強く要求していたとしたら? 79条の2の不当な報酬要求にあたる可能性がある。会社は「知らなかった」と言いたくなるが、両罰規定で問われるのは選任監督上の注意義務であって、認識ではない
  • 行政書士に免許申請を任せていたら、実務経験や事務所要件について虚偽の書類が提出されていた。不正手段による免許取得は79条違反。会社にも罰金刑が科され、有罪確定と同時に免許取消の連鎖が始まる
  • 従業者が重要事項説明を故意に怠り、35条違反で83条の罰金対象になった。この場合、法人には各本条の罰金刑、つまり行為者と同額の罰金が科される。1億円ではないが、有罪判決を受けた法人という事実そのものが免許更新審査で効いてくる
  • 検察から会社宛に呼出しが来た。あと2週間で担当者の供述調書が固まる。この段階で「従業者の選任監督に相当の注意を尽くしていた」ことを示す研修記録・内部規程・チェック体制の証拠を出せるかどうかで、法人の起訴・不起訴が分かれる

取るべき行動

被害を受けた側:1. 宅建業者の従業者から無免許者の介在や法外な報酬要求を受けた場合、契約書・重要事項説明書・LINE やメールのやり取りを日付入りで保全する2. 都道府県知事または国土交通大臣(免許権者)に対して監督処分の申出を行い、並行して警察への告発を検討する3. 刑事責任の追及と別軌道で、損害があれば民法709条による賠償請求を組む4. 法人にも罰金刑が及ぶことを交渉の場で示すと、会社側は個人任せをやめて組織として和解に動きやすくなる

訴えられた側:1. まず自社が法人として捜査対象かを弁護人経由で確認、行為者個人の弁護人と法人の弁護人は利益相反になりうるので分ける2. 選任監督上の相当の注意を尽くしたことを示す資料(採用時審査、研修記録、業務マニュアル、内部監査記録、報酬計算の承認フロー)を時系列で整理3. 当該従業者の行為が業務に関しなされたものかを検討、純粋な私的行為であれば両罰規定の適用外を主張できる4. 罰金刑確定後の免許欠格(5条1項)を見据え、事業継続の選択肢を早期に法務と経営で協議する

時効(請求できる期限):罰金刑のみを定める本条の法人に対する公訴時効は3年(刑事訴訟法250条2項6号)。ただし行為者に科される各本条の法定刑が懲役刑(拘禁刑)を含む場合、その行為者に対する時効はより長い。起算点は犯罪行為が終わった時(同253条)。監督処分の期間制限は別途行政手続の枠組みで判断される(最新の改正状況をご確認ください)

学説

通説(過失推定説):両罰規定における業務主の処罰根拠は、従業者の選任・監督についての過失にあり、条文上明示がなくても過失が推定される。業務主が相当の注意を尽くしたことを立証すれば免責される点で、無過失責任とは区別される

実務的理解(免許制度連動説):宅建業法の両罰規定は罰金刑の威嚇にとどまらず、5条1項の免許欠格事由・66条の免許取消と連動することで、実質的な制裁の中心が刑事罰ではなく営業資格の剥奪にあると理解される

ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。

宅地建物取引業法の全文を見る所属する編章節を開く:第八章 罰則

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)。AI による解説は理解の補助であり、法的効力は条文原文が基準です。

次に調べる

判例を探す:条文単位の判例の紐づけは準備中です。上のカードから法令名で検索できます。裁判所「裁判例検索」で探す ›