要点宅地建物取引業法 41 条の 2 は、業者が自ら売主となる完成物件の売買で、保全措置を講じた後でなければ手付金等を受領できないと定める。代金の十分の一以下なら免除される。
Q · 新築の契約で手付金を払う前に、保全措置がされているか確認しなくていいの?
保全措置がなければ、手付金等は支払わなくてよい
宅地建物取引業法 41 条の 2 により、業者が自ら売主となる完成物件の売買では、銀行等の保証、保証保険、または指定保管機関への寄託と質権設定を講じた後でなければ手付金等を受領できません。所有権移転登記済みの場合、または手付金等が代金の十分の一以下かつ政令で定める額(1000 万円)以下の場合は義務が外れます。措置が講じられないときは、同条 5 項により買主は手付金等を支払わないことができ、支払わなくても履行遅滞にはなりません。
新築マンションの契約書に押印し、手付金500万円を振り込む。鍵を受け取るのは半年後。その半年間、あなたの500万円はどこにあるのか。答えは売主業者の口座であり、実務上はすでに次の現場の土地代に消えている。宅地建物取引業法41条の2は、業者が自ら売主となる完成物件の売買について、銀行等の保証、保証保険、または指定保管機関への寄託と質権設定、このいずれかを講じるまで手付金等を受領してはならないと命じる。ただし法は最初から穴を開けている。代金の十分の一以下かつ政令で定める額(1000万円)以下なら保全は不要。5000万円の物件なら、あなたは500万円までを丸腰で預けることになる。そして本条5項は、保全措置が講じられないとき買主は手付金等を支払わないことができると定める。払わなくても契約違反にならない。この一項を知って契約の席に着く買主は、ほとんどいない。
宅地建物取引業法 41 条の 2 は、完成物件の売買における手付金等の保全措置を定める規定である。宅地建物取引業者が自ら売主となる場合、銀行等の保証、保証保険、または指定保管機関との手付金等寄託契約と質権設定契約を講じた後でなければ手付金等を受領できない。所有権移転登記がされた場合、および手付金等が代金の十分の一以下かつ政令で定める額以下の場合は、義務が免除される。
売主業者が倒産しても買主が前払金を回収できるよう、銀行等の保証、保証保険、または指定保管機関への寄託と質権設定のいずれかを講じる制度です。宅地建物取引業法 41 条・41 条の 2 が定めます。
完成物件は代金の十分の一以下かつ政令で定める額(1000 万円)以下、未完成物件は代金の 5 パーセント以下かつ 1000 万円以下です。既に受領した手付金等を合算した額で判定します。
国土交通大臣が指定し、業者に代理して手付金等を受領・保管する機関です(41 条の 2 第 1 項 1 号)。この寄託方式は完成物件の売買でのみ利用でき、未完成物件では使えません。
保全措置があれば保証した銀行や保険会社から回収でき、質権が設定されていれば他の債権者に優先します。措置がなければ一般債権となり、配当が数パーセントに留まることもあります。
不要です。宅地建物取引業法 78 条 2 項により、買主も宅地建物取引業者である取引には本条は適用されません。節税目的の法人名義購入でこの保護が消えることがあります。
免許行政庁による指示処分または業務停止処分の対象となります(宅地建物取引業法 65 条)。監督処分歴は免許更新のたびに審査で追いかけてきます。
対象です。契約締結後・引渡し前に支払われ代金に充当される金銭はすべて「手付金等」に含まれます。手付金と中間金を合算した額が閾値を超えた瞬間に義務が発動します。
不要になります。買主への所有権移転の登記がされたとき、または買主が所有権の登記をしたときは、本条ただし書により保全措置の義務が外れます。買主が物権を握るためです。
書面の記載だけでは足りません。実際に銀行等の保証委託契約、保証保険契約、または指定保管機関との手付金等寄託契約と質権設定契約が締結され、その証書が買主に交付されている必要があります(本条1項各号)。重要事項説明書の記載は予告にすぎません。業界裏話ヒント:保証書や保険証券は必ず日付を見る。手付金を振り込んだ日より後の日付なら、その間は無保全だった動かぬ証拠になります
違います。未完成物件は41条で代金の5%以下かつ1000万円以下、完成物件は本条で10%以下かつ1000万円以下が保全不要のラインです。さらに指定保管機関による保管制度は完成物件でしか使えません。業界裏話ヒント:完成か未完成かは契約時点で判定します。契約時に未完成なら、引渡し時に建物が完成していても5%基準のまま。この判定日を取り違えている現場は実際にあります
諦める必要はありません。本条5項は、保全措置が講じられないとき買主は手付金等を支払わないことができると定めています。支払わなくても履行遅滞にはならず、手付放棄や違約金の根拠にもなりません。業界裏話ヒント:この5項を口に出した瞬間、担当者の態度が変わることが多い。分かっている買主だと認識されると、社内で保全措置の手配に動きます
契約締結後に代金へ充当されるものは「手付金等」に含まれます(41条1項)。契約前の純粋な預り金は対象外ですが、充当された時点で合算対象になります。業界裏話ヒント:申込みを撤回したのに預り金の返還を拒むことは、宅地建物取引業法とその施行規則が定める禁止行為に当たります。返さないと言われたら、その場で免許行政庁への相談を口にすると流れが変わります
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 対象物件 | 宅建業法 41 条の 2:契約時に完成している宅地・建物 | — |
| 保全不要となる閾値 | 代金の十分の一以下かつ政令で定める額(1000 万円)以下 | — |
| 利用できる措置 | 銀行等の保証、保証保険、指定保管機関への寄託+質権設定の三択 | — |
| 違反した場合の買主の対抗手段 | 5 項により手付金等の支払を拒絶できる(履行遅滞にならない) | — |
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