第十六条の八第一項の規定に違反した者は、一年以下の拘禁刑又は百万円以下の罰金に処する。
要点宅地建物取引業法 80 条の 2 は、指定試験機関の役職員や試験委員が試験事務上の秘密を漏らした場合に、1 年以下の拘禁刑または 100 万円以下の罰金を科す。親告罪ではない。
Q · 宅建業法 80 条の 2 で罰せられるのは、誰ですか?
宅建業者ではなく、試験を運営する側の人です
宅地建物取引業法 80 条の 2 の名宛人は、指定試験機関の役員・職員・試験委員、およびこれらの職にあった者です。16 条の 8 第 1 項の秘密保持義務に違反して試験事務上の秘密を漏らすと、1 年以下の拘禁刑または 100 万円以下の罰金に処せられます。退職者も対象であり、被害者の告訴を要しない非親告罪です。金銭の授受があれば 16 条の 8 第 2 項のみなし公務員規定により、刑法の収賄罪が別途成立し得ます。
宅建試験の問題を作っているのは、国土交通大臣でも都道府県知事でもない。指定試験機関、つまり民間の財団法人の職員と、そこから選任された試験委員である。毎年20万人前後が挑むあの試験の中身を、彼らは本番の数か月前から手元に抱えている。宅地建物取引業法80条の2は、その手元から一言でも漏れた瞬間に刑事罰を用意する。1年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金。ここで比べてほしいのは、宅建業者があなたの資産状況や家族事情を漏らした場合(45条違反)の罰則が、83条で50万円以下の罰金どまりで、しかも告訴がなければ起訴できない親告罪だという事実だ。片や自由刑つきで誰でも告発でき、片や罰金のみで被害者が動かなければ何も起きない。同じ「秘密を守れ」でも、守っている対象が個人の秘密か制度の信用かで、法が構える重さは倍以上変わる。
宅地建物取引業法 80 条の 2 は、指定試験機関の役員、職員、試験委員およびこれらの職にあった者が、試験事務に関して知り得た秘密を漏らした場合の罰則を定める規定である。義務の本体は 16 条の 8 第 1 項にあり、本条はその違反に対して 1 年以下の拘禁刑または 100 万円以下の罰金を定める身分犯の処罰規定である。
指定試験機関の役員・職員・試験委員が試験事務上の秘密を漏らしたときの罰則規定です。義務の本体は 16 条の 8 第 1 項にあり、本条は 1 年以下の拘禁刑または 100 万円以下の罰金を定めます。
試験を運営する側の人が漏らせば違法です。宅建業法 80 条の 2 により 1 年以下の拘禁刑または 100 万円以下の罰金。未遂処罰規定はありませんが、伝えた時点で既遂になります。
国土交通大臣の指定を受けて宅建試験の事務を代行する民間法人です。公務員ではありませんが、16 条の 8 第 2 項により刑法上は公務員とみなされます。
16 条の 8 第 2 項により、指定試験機関の役職員は刑法その他の罰則の適用について公務員とみなされます。金銭を受け取れば収賄罪(刑法 197 条)が別途成立し得ます。
法定刑が 1 年以下の拘禁刑であるため、公訴時効は 3 年です(刑事訴訟法 250 条)。起算点は秘密を漏らした時点で、退職後の漏洩ならその日から進行します。
科されません。両罰規定である 84 条の列挙に 80 条の 2 は含まれていないため、処罰されるのは漏らした個人のみです。法人には行政上の監督処分が及ぶにとどまります。
できます。本罪は親告罪ではないため、被害者を名乗る人がいなくても刑事訴訟法 239 条 1 項により何人でも告発できます。45 条違反(83 条)とはこの点が決定的に異なります。
秘密漏示の罰則は指定試験機関側を対象としますが、講習機関が業務停止命令に違反すれば 80 条の 3 により同じく 1 年以下の拘禁刑に問われる立場にあります。
あります。16条の8第1項は「これらの職にあつた者」と明記しており、退職後の漏洩も80条の2の対象です。時効は漏らした日から3年(刑事訴訟法250条)。業界裏話ヒント:退職時に書かされる守秘義務誓約書は民事上の賠償の根拠にすぎず、刑事責任は誓約書の有無と無関係に条文だけで成立します。誓約書を書かされなかったから安全、という理屈は通りません
80条の2の主体は役職員・元役職員・試験委員に限られる身分犯なので、受験生が正犯になることはありません。ただし唆せば教唆犯(刑法61条)、金銭を渡せば16条の8第2項のみなし公務員規定により贈賄罪(刑法198条)が成立し得ます。業界裏話ヒント:刑事より先に効くのは17条です。合格が取り消されたうえ、情状により3年以内の受験禁止が付き、業界内での再起がその期間まるごと止まります
45条が守るのは個々の顧客の秘密なので、告訴がなければ起訴できない親告罪です(83条2項)。80条の2が守るのは資格試験制度そのものの信用で、被害者を特定できないため非親告罪です。業界裏話ヒント:同じ1年以下でも、80条(47条2号違反)は拘禁刑と罰金を併科できるのに、80条の2は「又は」で併科できません。立法者は、この類型では自由刑か財産刑のどちらか一方で足りると判断しています
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 名宛人 | 80 条の 2:指定試験機関の役員・職員・試験委員および元役職員 | — |
| 保護法益 | 資格試験制度そのものの信用 | — |
| 法定刑 | 1 年以下の拘禁刑または 100 万円以下の罰金(併科なし) | — |
| 訴追要件・法人処罰 | 非親告罪。両罰規定 84 条の列挙外で法人は処罰されない | — |
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