被扶養配偶者に対する年金たる保険給付に関しては、第三章に定めるもののほか、被扶養配偶者を有する被保険者が負担した保険料について、当該被扶養配偶者が共同して負担したものであるという基本的認識の下に、この章の定めるところによる。
要点厚生年金保険法 78 条の 13 は、被扶養配偶者が保険料を共同して負担したという基本的認識を定め、3 号分割の土台となる規定である。対象は 2008 年 4 月以後の第 3 号被保険者期間に限られる。
Q · 離婚したら、専業主婦だった期間の年金は自動で半分になるの?
保険料は夫婦が共同負担したと認める、3 号分割の土台の条文です
厚生年金保険法 78 条の 13 は、被扶養配偶者を有する被保険者が納めた保険料を、その被扶養配偶者が共同して負担したものとする基本的認識を定めます。この認識を土台に 78 条の 14 以下の 3 号分割が置かれ、2008 年 4 月 1 日以後の第 3 号被保険者期間については、相手方の同意も家庭裁判所の手続も要らず、単独請求で標準報酬記録が一律 2 分の 1 に分割されます。2008 年 3 月以前の期間は 78 条の 2 の合意分割となり、按分割合の交渉が必要です。
離婚のとき年金は話し合って分けるもの、そう思われている。だが、この一条はそこに楔を打ち込む。被扶養配偶者を有する被保険者が納めた保険料は、その被扶養配偶者が共同して負担したものである、という基本的認識。厚生年金保険法第3章の3、いわゆる3号分割の土台がここに置かれている。この認識が据えられた結果、あなたが国民年金第3号被保険者(会社員や公務員に扶養されていた配偶者)だった期間については、相手の同意も、家庭裁判所の決定も、按分割合の交渉も要らなくなった。あなた一人で年金事務所に請求すれば、その期間の相手の標準報酬記録は一律2分の1に割れる。ただし射程は2008年4月1日以後の第3号被保険者期間に限られる。それ以前は第3章の2の合意分割、つまり相手と交渉する世界に戻る。同じ婚姻期間でも、2008年4月を境に難易度が真っ二つに割れている。
厚生年金保険法 78 条の 13 は、第 3 章の 3(離婚等をした場合における被扶養配偶者みなし被保険者期間の特例)の冒頭に置かれた趣旨規定であり、被扶養配偶者を有する被保険者が負担した保険料を、当該被扶養配偶者が共同して負担したものであるという基本的認識を宣言する。この認識は、78 条の 14 以下に定める 3 号分割の請求および標準報酬の改定を正当化する根拠として機能する。
2008 年 4 月 1 日以後の第 3 号被保険者期間について、相手方の同意なく単独請求で標準報酬記録を一律 2 分の 1 に分割できる制度です。78 条の 13 の共同負担の認識が土台になっています。
原則として離婚等をした日の翌日から起算して 2 年です。相手方が死亡した場合は請求できる期間がさらに短縮される取扱いがあるため、直ちに年金事務所へ確認してください。
合意分割(78 条の 2)は相手方の同意または家庭裁判所の手続が必要で按分割合を交渉します。3 号分割は 2008 年 4 月以後の第 3 号期間に限り、同意不要で一律 2 分の 1 です。
年金事務所または街角の年金相談センターで請求します。離婚前でも単独で請求でき、婚姻期間のうち第 3 号被保険者だった月数と分割対象期間が確認できます。
第 3 号被保険者として認定されていた期間があれば、その事実婚関係の解消時に 3 号分割を請求できます。婚姻届の有無ではなく、第 3 号被保険者だったかどうかが分岐点です。
なりません。自動的に半分になるのは 2008 年 4 月 1 日以後の第 3 号被保険者期間だけです。それ以前の期間は合意分割の領域に残り、按分割合の交渉が必要になります。
対象外です。分割されるのは厚生年金の報酬比例部分に対応する標準報酬の記録のみで、基礎年金、企業年金、iDeCo は含まれません。
減ります。分割は対象期間の標準報酬記録を移す仕組みのため、分割した側の記録はその分低下し、将来の報酬比例部分の年金額も下がります。
2008年4月1日以後の第3号被保険者期間については、同意は要らない。あなた一人の請求で一律2分の1に分割される(78条の13、78条の14)。それ以前の期間は合意分割(78条の2)となり、同意か家庭裁判所の手続が必要になる。業界裏話ヒント:実務では3号分割と合意分割を同時に手続するのが通常だが、交渉の場では「争いのない部分」と「争う部分」を明確に分けて話す方が相手の抵抗は弱まる。全部を一括で要求すると、確定している部分まで人質に取られる
増えるのは年金額の半分ではなく、対象期間の標準報酬記録の半分から計算し直した額である。対象期間が数年程度なら月額数千円台にとどまることも珍しくない。業界裏話ヒント:年金分割のための情報通知書は離婚前でも単独で請求でき、50歳以上または障害厚生年金の受給権者であれば分割後の年金見込額まで出してもらえる。この数字を持っているかどうかで、財産分与全体の組み立て方が変わる
消えない。分割が実行されると標準報酬の記録はあなた自身のものとして改定・決定される(78条の15)ため、その後の相手の生死は影響しない。逆に請求前に相手が死亡すると、請求できる期間が大きく短縮される。業界裏話ヒント:離婚が成立していない段階で相手が死亡した場合は、分割ではなく遺族厚生年金の問題に切り替わり、結論が正反対になることがある。離婚のタイミングと相手の健康状態は、年金の観点では無関係ではない
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 対象期間 | 78 条の 13:3 号分割の趣旨規定(2008 年 4 月 1 日以後の第 3 号被保険者期間が射程) | — |
| 相手方の同意 | 共同負担の認識により同意を不要とする根拠を提供 | — |
| 分割割合 | 一律 2 分の 1 という設計の理念的根拠 | — |
| 条文の性格 | 趣旨規定(直接の請求権を生じさせない) | — |
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