要点厚生年金保険法78条の34は、二以上の種別の期間を持つ者の離婚時年金分割で、一の期間の請求を他の期間の請求と同時に行うことを義務づける。按分割合は合算ベースで決まる。
Q · 元配偶者の共済期間だけを年金分割してもらうことはできますか?
できません。全期間をまとめて同時に請求する必要があります
厚生年金保険法78条の34第1項により、二以上の種別の厚生年金被保険者期間を持つ者については、一の期間に係る標準報酬改定請求は他の期間に係る請求と同時に行う必要があります。共済期間だけを選ぶつまみ食いはできません。同条第2項により全期間を合算して一の期間とみなして按分割合を決めるため、上限2分の1は合算総額に対する2分の1です。ただし実際の標準報酬の改定は各号の期間ごとに行われるため、請求は一本でも結果は実施機関ごとに分かれて届きます。請求期限は離婚等をしたときから2年(78条の2第1項ただし書)です。
役所勤めが10年、その後に民間企業で15年。この経歴の配偶者と離婚するとき、多くの人はまず「共済の方が手厚いらしいから、そちらだけ分けてもらおう」と考える。制度はそれを許していない。第78条の34第1項は、第1号から第4号の厚生年金被保険者期間(順に民間、国家公務員、地方公務員、私学教職員)を複数持つ者について、一の期間に係る請求は他の期間に係る請求と同時に行わなければならないと定める。つまみ食いは不可、全部か無かである。第2項はさらに効く。全期間を合算して一つの期間とみなしたうえで按分割合を決めるため、上限2分の1は合算総額に対する2分の1になる。ところが実際の標準報酬(保険料と年金額の計算のもとになる、給与を段階で区切った値)の改定は、種別ごとに別々に行われる。請求は一本、結果は分かれて届く。この非対称を知らずに協議書へ数字を書き込むと、想定していた受給額とずれる。
厚生年金保険法78条の34は、二以上の種別の厚生年金被保険者期間を有する者の離婚時年金分割について、請求の同時性と期間の合算を定める適用調整規定である。第1項は一の期間に係る標準報酬改定請求を他の期間に係る請求と同時に行うことを義務づけ、第2項は全期間を合算して一の期間とみなして78条の2および78条の3を適用しつつ、改定自体は各号の期間ごとに行うものとする。
AI 輔助整理,以條文原文為準
共済と厚年など二以上の種別の厚生年金被保険者期間を持つ人の離婚時年金分割について、全期間の同時請求を義務づけ、按分割合を合算ベースで決めることを定めた適用調整の条文です。
年金事務所または共済組合に「年金分割のための情報提供請求」を行うと交付されます。婚姻期間と対象期間標準報酬総額が記載され、按分割合を協議する前提資料になります。
上限は2分の1です(78条の3)。78条の34第2項により全期間を合算して一の期間とみなすため、種別ごとに2分の1ずつではなく、合算総額に対する2分の1が上限になります。
対象になります。被用者年金一元化により私学教職員は第4号厚生年金被保険者となり、他の種別の期間と同時に請求する必要があります。改定は種別ごとに行われます。
分割は標準報酬の記録の改定なので、実際に金額が変わるのは自分が年金を受給する年齢になってからです。すでに受給中なら請求の翌月分から改定されるのが原則です。
できません。分割の対象は厚生年金の標準報酬記録だけです。基礎年金、企業型・個人型の確定拠出年金、退職金などは対象外で、民法の財産分与で別に扱います。
改定後の標準報酬は自分自身の記録になるため、元配偶者の死亡や再婚によって失われることはありません。逆に相手の記録が回復することもありません。
合意分割では按分割合について当事者の合意が必要で、合意できなければ家庭裁判所の調停・審判で定めます。第3号被保険者期間の3号分割(78条の14)は相手の同意が不要です。
できない。第78条の34第1項が、一の期間に係る請求は他の期間に係る請求と同時に行うことを義務づけている。全期間を合算して一つの期間とみなし(同条第2項)、按分割合も合算ベースで決まる。業界裏話ヒント:合算されると、高い共済記録が低い民間記録で薄まる場合がある。請求する側は情報通知書の合算総額を見てから割合を詰める。順番を逆にすると、交渉で使える数字を持たないまま座ることになる
請求自体は全期間一体だが、実際の標準報酬の改定は各号の厚生年金被保険者期間ごとに行われる(第78条の34第2項、第78条の6)。そのため受給段階では、実施機関(日本年金機構や各共済組合など、記録を管理し年金を支払う主体)から別々に支払われる。業界裏話ヒント:一元化後は手続の窓口がまとめられている(最新の取扱いをご確認ください)。通知が複数届くのが正常なので、枚数が足りないと感じたら記録の照合を頼む
原則として請求できない(第78条の2第1項ただし書)。ただし2年内に按分割合を定める調停・審判を申し立てていて、確定が2年経過後になった場合は、確定日の翌日から6か月以内に請求できる特例がある(最新の改正状況をご確認ください)。業界裏話ヒント:この特例は期限内に申し立てていたことが前提。協議が長引きそうなら、まとまる前に調停を申し立てて時計を止めておく。弁護士が早めに調停を勧める理由の一つがこれである
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 条文の役割 | 78条の34:二以上の種別の期間がある場合の適用調整(同時請求+期間合算) | — |
| 相手方の同意 | 78条の2を前提とするため合意または裁判所の決定が必要 | — |
| 対象となる期間 | 第1号から第4号の厚生年金被保険者期間の全部(合算して一の期間とみなす) | — |
| つまみ食いの可否 | 不可。一の期間の請求は他の期間の請求と同時でなければ成立しない | — |
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