警察法 第65条(現行犯人に関する職権行使)
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警察官は、いかなる地域においても、刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第二百十二条に規定する現行犯人の逮捕に関しては、警察官としての職権を行うことができる。
この条文の基本情報
現行犯人に関する職権行使とは何ですか?
定義現行犯人に関する職権行使とは、警察法第65条に定められた規定で、「警察官は、いかなる地域においても、刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第二百十二条に規定する現行犯人の逮捕に関しては、警察官としての職権を行うことができる…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 警察法第65条(現行犯人に関する職権行使)は、日本の警察法に含まれる条文です。
- 警察法第65条の条文原文は「警察官は、いかなる地域においても、刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第二百十二条に規定する現行犯人の逮捕に関しては、警察官としての職権を行うことができる…」で始まります。
- 警察法第65条は第五章 警察職員に置かれています。
- 警察法の公布日は昭和29年6月8日です。
- 警察法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年4月5日時点では廃止情報はありません。
- 警察法第65条の前の条は警察法第64条です。
- 警察法第65条の次の条は警察法第66条です。
- 警察法第65条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
警察法(昭和二十九年法律第百六十二号)第65条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/329AC0000000162 - 本サイト収録
警察法(昭和二十九年法律第百六十二号)第65条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年4月5日)https://lawplayer.com/jp/article/329AC0000000162/65
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点警察法65条は、刑事訴訟法212条の現行犯人を逮捕する場合に限り、警察官が管轄区域外を含むいかなる地域でも警察官としての職権を行えると定める。
Q · 他県の警察官が、旅行先で現行犯の犯人を警察官として逮捕できるの?
現行犯に限り、全国どこでも警察官として逮捕できる
警察法65条により、警察官は刑事訴訟法212条の現行犯人を逮捕する場面に限り、管轄区域外でも警察官としての職権を行えます。都道府県警察の警察官は管轄区域内で職権を行うのが原則です(警察法64条)が、現行犯逮捕はその例外です。警察官による逮捕なので、逮捕に伴う令状なしの捜索・差押え(刑事訴訟法220条)も可能になります。一方、時間が経った事件の逮捕や令状を要する捜査には本条は及びません。
解説
制服を着た警察官が何でもできるのは、自分の都道府県の中だけである。警察法64条は、都道府県警察の警察官は原則としてその管轄区域内で職権を行うと定めている。福岡県警の巡査は、東京では本来「警察官」として動けない。ただし例外がある。それが本条だ。刑事訴訟法212条の現行犯人(目の前で罪を行っている人、行い終わった直後の人)を逮捕する場面に限れば、警察官は日本中どこでも警察官としての職権を行える。「現行犯なら一般人でも逮捕できるのだから同じではないか」と思うかもしれない。実は大きく違う。私人(一般人)の逮捕は身柄を確保して引き渡すところまでだ。これに対して警察官の逮捕なら、刑事訴訟法220条に基づき、令状なしでその場の捜索や差押え(持ち物を調べたり証拠を押収したりすること)ができる。条文にあるのは「現行犯」の一語だけで、「犯人らしい人」は含まれない。この線引きを知っていれば、旅先で起きた逮捕劇が適法かどうかを、自分の目で判断できる
法的な位置づけ
警察法65条は、警察官の職権行使の地域的範囲に関する特則であり、刑事訴訟法212条に規定する現行犯人の逮捕に限って、警察官が所属する都道府県警察の管轄区域にかかわらず、いかなる地域においても警察官としての職権を行使できる旨を定める。管轄区域内での職権行使を原則とする同法64条の例外に位置付けられる。
よくある質問 AI による整理
Q1警察法65条とは?
現行犯人の逮捕に限り、警察官が全国どこでも警察官としての職権を行えると定めた規定です。管轄区域内が原則とする警察法64条の例外にあたります。
Q2非番の警察官は逮捕できる?
現行犯であれば逮捕できます。本条は場所の制限を外す規定で、勤務中かどうかや制服か私服かは要件になっていません。
Q3警察官の管轄外での職務質問は違法?
本条が管轄外で認めるのは現行犯逮捕に関する職権だけです。それ以外の職権行使は、警察法61条などの別の根拠があるかどうかで判断されます。
Q4現行犯逮捕 いつまで現行犯と言える?
罪を行っている最中か、行い終わった直後が現行犯です(刑訴212条1項)。追跡中など一定の場合は準現行犯として扱われる余地があります。
Q5他県の警察官に逮捕されたら取り調べはどこで?
逮捕後の捜査は、事件が起きた場所を管轄する都道府県警察に引き継がれるのが実務上の通例です。取調べも原則として現地の警察署で行われます。
Q6現行犯逮捕で令状なしに持ち物を調べられる?
警察官など捜査機関による逮捕なら、逮捕の現場で令状なしの捜索・差押えができます(刑訴220条)。私人による逮捕ではできません。
Q7警察官を名乗る人に捕まったら何を確認すべき?
警察手帳の提示、所属と氏名、逮捕の理由の三点を確認し記録しておくことが重要です。後で逮捕の適法性を争う際の材料になります。
Q8新幹線の中で起きた犯罪はどこの警察が担当?
列車内の事案は警察法66条の移動警察の規定などで扱いが定められています。現行犯であれば、乗り合わせた警察官が本条により逮捕することもできます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1他県の警察官が現行犯で捕まえた人って、結局どこの警察が扱うんですか?
本条で認められているのは、警察官として現行犯逮捕を行う権限です。その後の捜査は、事件が起きた場所を管轄する都道府県警察に引き継がれるのが実務上の通例です(警察法64条の管轄原則)。実務のポイント:引き継ぎのとき、逮捕した警察官が現場の状況をどう記録したかが、後の公判で現行犯の要件を立証する材料になる。弁護人はまず、この逮捕時の書類の記載を細かく確認する
Q2私服でプライベート中の警察官が逮捕するのは、ずるくないですか?
本条が定めているのは場所の制限を外すことで、服装や勤務時間の話ではありません。現行犯人は誰でも逮捕できる(刑事訴訟法213条)ので、逮捕そのものは一般人でも可能です。警察官が逮捕する意味は、逮捕に伴う捜索・差押え(同220条)ができる点にあります。実務のポイント:現行犯と言えるかどうかは、逮捕した人自身が犯行を目の前で見ていたか、犯行とどれだけ時間的に近かったかで判断されやすい。人から聞いた話だけで逮捕した場合は、要件を満たすかどうかが争点になりやすい
間違えやすい点 AI による整理
- 「警察官なら全国どこでも警察官として何でもできる」と思われがちだが、原則は逆である。都道府県警察の警察官が職権を行うのは管轄区域内が基本だ(警察法64条)。区域外で権限を広げられるのは、61条の必要限度や本条の現行犯逮捕といった、法律が定めた場面に限られる
- 「区域外の警察官が逮捕しても、一般人の逮捕と同じだろう」という疑問は、立て方の前提が少しずれている。問うべきなのは、逮捕できるかどうかではない。「逮捕した後に何ができるか」だ。一般人も現行犯逮捕はできる(刑事訴訟法213条)。しかし、令状なしで捜索や差押えをできるのは、警察官など捜査機関の逮捕の場合だけである(同220条)
- 現行犯なら軽い違反でも必ず逮捕できると思われている。しかし、30万円以下の罰金、拘留または科料にあたる軽微な罪については、犯人の住居・氏名が分からない場合や逃亡のおそれがある場合に限って現行犯逮捕できる(刑事訴訟法217条)。この制限は、本条で動く警察官にもそのままかかる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規定の役割 | 警察法65条:現行犯逮捕に限り地域を問わず職権行使可(例外) | 警察法64条:管轄区域内で職権を行う(原則) 警察法61条:必要な限度で管轄区域外にも権限を及ぼす |
| 主体 | 個々の警察官 | 都道府県警察の警察官 都道府県警察(組織) |
| 区域外で動ける場面 | 刑事訴訟法212条の現行犯人の逮捕に関する場面のみ | 法律に特別の定めがある場合を除き不可 管轄区域の関係者の保護や管轄区域内の犯罪捜査等に必要な限度 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾の警察は全国単一の組織体系のため、日本のような都道府県単位の管轄問題は生じにくい。現行犯は何人も逮捕でき、司法警察官による逮捕時には附帯捜索が認められる
韓国も現行犯は何人も令状なしで逮捕できる。警察組織は国家警察を基本とし、地域的管轄の例外規定の必要性は日本より小さい
ドイツは州警察制度のため日本と構造が近い。州の警察官が逃走者を追跡して他州の領域で逮捕できる旨を定めた、州境越えの追跡逮捕(Nacheile)規定がある
米国は州ごとに警察権限が分かれ、多くの州が統一法に基づいて州境を越えた追跡逮捕(fresh pursuit)を認めている
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 旅行中の大阪府警の警察官が、渋谷駅のホームで財布を抜き取る瞬間を目撃した。警視庁の警察官が駆けつけるのを待たずに、警察官としてその場で逮捕し、ポケットの中を調べることもできる。根拠は本条と刑事訴訟法220条である
- もし他県の警察官を名乗る人物に、繁華街で「現行犯だ」と腕をつかまれたら、どうなる? 本条が認める権限は現行犯逮捕だけだ。数日前の事件を理由にする場合や、「怪しいから同行しろ」という要求には、本条の効力は及ばない。まず警察手帳の提示を求め、所属と氏名を記録すること
- あなたは深夜のコンビニで、客が店員を殴るのを見た。その場にいた別の客が「自分は隣県の警察官だ」と言って犯人を押さえた。警察官が逮捕したのか、私人が逮捕したのか。その違いで、その後の身柄の扱いと、その場で所持品を調べられるかどうかが変わる
- 犯人は走って逃げ、300メートル先の路地で追いつかれた。間がないうちに捕まっていれば、準現行犯(刑事訴訟法212条2項)として扱われる余地がある。見失ってから1時間後に街で見つけた場合は、もう現行犯ではない
取るべき行動
被害を受けた側:1. 被害の直後に居合わせた人物が他県の警察官を名乗った場合は、警察手帳の所属と氏名を確認して記録する2. 犯人の特徴、時刻、場所、逃げた方向をすぐにメモし、110番で現地の警察にも通報する3. 被害品やスマホの動画など、証拠になるものは自分の手元で保全する4. 後日の事情聴取は現地の警察が担当するのが通例なので、連絡先を必ず控えておく
訴えられた側:1. 抵抗せず、相手に警察手帳の提示と所属・氏名を求め、逮捕の理由をはっきり聞く2. 犯行から時間が経っている、または犯行を見ていない人物による逮捕なら、現行犯の要件を満たしていない可能性がある。その点を弁護人に伝える3. 当番弁護士を呼び、取調べでは黙秘権を使い、供述調書の内容は確認してから署名する4. 軽微な罪なら、住居と氏名を明らかにしていたかどうかが刑事訴訟法217条との関係で重要になる
時効(請求できる期限):警察官が逮捕した場合、48時間以内に検察官へ送致し(刑事訴訟法203条)、検察官は受け取ってから24時間以内に勾留を請求するか釈放しなければならない(同205条)。逮捕の違法を争う実務上の勝負どころは、この合計最大72時間である
学説
一般的理解:本条の意義は、現行犯逮捕そのものを可能にする点ではなく(私人も刑訴213条で可能)、管轄区域外での逮捕を警察官の職務行為と位置付け、逮捕に伴う捜索・差押え(刑訴220条)を可能にする点にあると解される
改正沿革 AI による整理
- 昭和29年(1954年) 現行警察法(昭和29年法律第162号)の制定時から置かれている規定とみられる。その後に文言が改正されたかどうかは、人による検証が必要である
改正の年表
- 1.昭和29年(1954年) 新設:現行警察法(昭和29年法律第162号)の制定により、都道府県警察制度の下での管轄区域外における現行犯逮捕の職権行使を定める規定として置かれた。その後の文言改正の有無は要検証
- 警察法 第64条管轄区域内での職権行使の原則
- 警察法 第61条管轄区域外への権限拡張の限度
- 警察法 第60条の3境界周辺事案での職権行使の特則
- 警察法 第66条列車等の移動警察での職権行使
- 刑事訴訟法 第212条現行犯人・準現行犯人の定義
- 刑事訴訟法 第220条逮捕に伴う令状なし捜索・差押え
- 刑事訴訟法 第217条軽微事件の現行犯逮捕の制限
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