警察法 第64条(警察官の職権行使)
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- 第五条第四項第十六号に掲げるものに係る事務に関して必要な職務を行う警察庁の警察官は、この法律に特別の定めがある場合を除くほか、当該職務に必要な限度で職権を行うものとする。
- 2.都道府県警察の警察官は、この法律に特別の定めがある場合を除くほか、当該都道府県警察の管轄区域内において職権を行うものとする。
この条文の基本情報
警察官の職権行使とは何ですか?
定義警察官の職権行使とは、警察法第64条に定められた規定で、「第五条第四項第十六号に掲げるものに係る事務に関して必要な職務を行う警察庁の警察官は、この法律に特別の定めがある場合を除くほか、当該職務に必要な限度で職権を行うも…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 警察法第64条(警察官の職権行使)は、日本の警察法に含まれる条文です。
- 警察法第64条の条文原文は「第五条第四項第十六号に掲げるものに係る事務に関して必要な職務を行う警察庁の警察官は、この法律に特別の定めがある場合を除くほか、当該職務に必要な限度で職権を行うも…」で始まります。
- 警察法第64条は第五章 警察職員に置かれています。
- 警察法の公布日は昭和29年6月8日です。
- 警察法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年4月5日時点では廃止情報はありません。
- 警察法第64条の前の条は警察法第63条です。
- 警察法第64条の次の条は警察法第65条です。
- 警察法第64条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
警察法(昭和二十九年法律第百六十二号)第64条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/329AC0000000162 - 本サイト収録
警察法(昭和二十九年法律第百六十二号)第64条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年4月5日)https://lawplayer.com/jp/article/329AC0000000162/64
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点警察法64条2項は、都道府県警察の警察官は原則として管轄区域内で職権を行うと定める。ただし61条・65条など同法の特別の定めにより区域外でも職権を行える。
Q · 他の県の警察官が、自分の住んでいる県に来て逮捕することはできるの?
捜査に必要な場合や現行犯なら可能です
警察法64条2項により、都道府県警察の警察官は原則として自分の県警の管轄区域内で職権を行います。ただし同項は「この法律に特別の定めがある場合を除く」としており、61条により犯罪の鎮圧・捜査や被疑者の逮捕などに必要な限度で管轄区域外にも権限を及ぼせます。また65条により、現行犯人の逮捕はいかなる地域でも行えます。県境は捜査を止める壁ではありません。
解説
県境まで逃げ切ればパトカーは追ってこない。ネットで何度も語られてきたこの都市伝説は、半分だけ本当で、残りの半分はまったくの誤りである。警察法64条2項は、都道府県警察の警察官は原則として自分の県警の管轄区域内で職権を行う、と定めている。職権とは、職務質問や逮捕、捜索のように警察官だけに認められた強い権限のことである。ここで効いてくるのが「この法律に特別の定めがある場合を除くほか」という一句だ。61条は、犯罪の鎮圧や捜査、被疑者の逮捕などに必要な限度で管轄区域外にも権限を及ぼせると定めている。65条は、現行犯人の逮捕であればどの地域でも警察官として職権を行えると定めている。つまり県境はバリアではなく、原則と例外を分ける線にすぎない。1項は令和4年(2022年)改正で加わったもので、重大サイバー事案を担当する警察庁の警察官にも職権行使の枠組みを与えた。都道府県ごとに分かれた警察の境界を乗り越えるための規定である。攻撃者は県境など気にせず、ネット越しにどこからでも侵入してくるからだ。
法的な位置づけ
警察法64条は警察官の職権行使の地域的範囲を定める規定であり、2項は都道府県警察の警察官が同法に特別の定めがある場合を除き当該都道府県警察の管轄区域内で職権を行う旨を、1項は重大サイバー事案に係る事務を行う警察庁の警察官が当該職務に必要な限度で職権を行う旨を規定する。
よくある質問 AI による整理
Q1警察法64条とは何ですか?
警察官が職権を行える地域的範囲を定めた条文です。都道府県警察の警察官は原則として自県の管轄区域内で、警察庁の警察官は重大サイバー事案の職務に必要な限度で職権を行います。
Q2警察官の職権とは何を指しますか?
職務質問、逮捕、捜索、差押えなど、法律により警察官に認められた強制力を伴う権限を指します。一般の公務員や市民には認められていない権限です。
Q3警察の管轄区域はどう決まりますか?
都道府県警察は各都道府県ごとに置かれ(警察法36条)、原則としてその都道府県の区域が管轄区域になります。区域内の事件はその県警が担当するのが基本です。
Q4他県で起きた事件の被害届は地元の警察に出せる?
相談・受理自体は地元の警察でも可能な場合が多く、県警間の共助の仕組みで事件地の県警と連携します。ただし担当がどこになるかで事情聴取の移動負担が変わります。
Q5他県の警察から呼び出しを受けたら応じないといけない?
任意の出頭要請であれば法的な出頭義務はありません。ただし61条により他県警も捜査のために管轄外で権限を行使できるため、逮捕状が出れば住所地で執行されえます。
Q6重大サイバー事案とは何ですか?
警察法5条4項16号に掲げる事務の対象となるサイバー事案で、国の重要機能や社会に重大な影響を及ぼすものなどが想定されています。具体的な範囲は同条の定めによります。
Q7警察庁の警察官は逮捕できますか?
64条1項により、重大サイバー事案に係る事務を行う警察庁の警察官は、その職務に必要な限度で職権を行えます。それ以外の警察庁の警察官が一般の事件を捜査する規定ではありません。
Q8都道府県警察の応援派遣は違法ではない?
違法ではありません。警察法60条は、他の都道府県警察に援助を求め、派遣された警察官が援助を求めた県の区域内で職権を行える仕組みを定めています。
この条文についての質問 AI による整理
Q1県境を越えたら、パトカーはもう追いかけてこれないって本当?
本当ではない。64条2項は職権を行う範囲を原則として管轄区域内としているが、61条により、犯罪の鎮圧や捜査、被疑者の逮捕に必要な限度で管轄区域外にも権限を及ぼせる。実務のポイント:実務では追跡中に隣の県警へ無線で連絡し、県境付近で連携して待ち構えることも多い。境界線は逃げ道ではなく、連携が始まる地点である
Q2非番の警察官が旅行先で犯人を捕まえたら、それって違法にならないの?
違法にはならない。65条は、警察官はいかなる地域でも刑事訴訟法212条の現行犯人の逮捕について職権を行えると定めている。そもそも現行犯なら一般人でも逮捕できる(刑事訴訟法213条)。実務のポイント:逮捕した後の身柄と捜査はその地域の県警に引き継がれる。管轄外の警察官は、逮捕はできてもその事件の担当者にはならないのが通常である
間違えやすい点 AI による整理
- 「県境を越えれば逃げ切れる」と思われがちだが、64条2項の「特別の定めがある場合を除く」という一句が、61条と65条への扉になっている。捜査や被疑者の逮捕に必要であれば、管轄外への権限行使は日常的に行われている
- 管轄の問題を「どの警察が来るか」の問題だと思っているなら、問いの立て方がずれている。実務で重要なのは、どの県警が事件を受理して捜査の主担当になるかである。被害届を出した先の県警が遠いと、事情聴取のたびにあなたが移動する負担を負いうる。管轄は警察の縄張りの話であると同時に、あなたの手間の話でもある
- 警察庁は通常、自ら捜査を行わない司令塔だと理解している人が多い。その理解は基本的に正しいが、令和4年(2022年)改正以降、重大サイバー事案については警察庁の警察官が職権を行う仕組みが入った。国家警察と自治体警察の役割分担に、戦後初めて風穴を開けた改正とも評されている
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 職権を行える地域 | 64条2項:原則として所属する都道府県警察の管轄区域内 | 61条:管轄区域外にも権限を及ぼせる 65条:いかなる地域でも可 |
| 発動の要件 | 特になし(原則ルールそのもの) | 犯罪の鎮圧・捜査、被疑者の逮捕などに必要な限度 刑事訴訟法212条の現行犯人の逮捕に限る |
| 条文上の位置づけ | 原則規定(「特別の定め」の留保付き) | 64条2項に対する例外(広域捜査の通路) 64条2項に対する例外(現行犯の通路) |
| 実務上の典型場面 | 自県内での職務質問・捜索・逮捕 | 他県在住の被疑者宅での逮捕状執行 旅行先でのひったくり犯の取り押さえ |
他国ではどう定めているか 3 か国
台湾では警察法が中央と地方の警察権限を分配する。現行犯人は何人も逮捕できる点で日本の刑訴法213条と共通する
ドイツも警察は州(Land)単位であり、逃走者を追跡して他州の区域内で逮捕することを明文で認める。日本の61条・65条と同種の県境例外
米国は州ごとの警察権が基本で、緊急追跡(fresh pursuit)の場合に州境を越えた逮捕を認める統一州法を多くの州が採用している
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 隣の県で万引きをして、車で地元に戻ってきた。もう向こうの県警は手出しできない? そんなことはない。事件を担当する県警の捜査員は、61条を根拠にあなたの住所地まで来て捜査し、逮捕状を執行できる。
- 旅行先の神奈川で、休日の埼玉県警の警察官が目の前のひったくりを取り押さえた。管轄外でも現行犯人の逮捕なら、65条により警察官として動ける。
- あなたの会社のサーバーがランサムウェアに暗号化され、地元県警に相談したところ、警察庁のサイバー部門が乗り出してきた。国の機関が直接捜査に入るのは、64条1項と5条が組み合わさって用意された回路があるからだ。
改正沿革 AI による整理
- 令和4年(2022年)改正 重大サイバー事案に係る事務を担う警察庁の警察官の職権行使に関する規定を1項として追加し、従来の都道府県警察の警察官に関する規定を2項とした。改正の経緯と施行日は要確認
改正の年表
- 1.昭和29年(1954年) 新設:現行警察法の制定により、都道府県警察の警察官が原則として管轄区域内で職権を行う旨の規定が置かれた
- 2.令和4年(2022年) 改正:重大サイバー事案に係る事務を行う警察庁の警察官の職権行使に関する規定を1項として追加し、従来の規定を2項とした。施行日は要確認
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