警察法 第60条(援助の要求)
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- 都道府県公安委員会は、警察庁又は他の都道府県警察に対して援助の要求をすることができる。
- 2.前項の規定により都道府県公安委員会が他の都道府県警察に対して援助の要求をしようとするときは、あらかじめ(やむを得ない場合においては、事後に)必要な事項を警察庁に連絡しなければならない。
- 3.第一項の規定による援助の要求により派遣された警察庁又は都道府県警察の警察官は、援助の要求をした都道府県公安委員会の管理する都道府県警察の管轄区域内において、当該都道府県公安委員会の管理の下に、職権を行うことができる。
この条文の基本情報
援助の要求とは何ですか?
定義援助の要求とは、警察法第60条に定められた規定で、「都道府県公安委員会は、警察庁又は他の都道府県警察に対して援助の要求をすることができる。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 警察法第60条(援助の要求)は、日本の警察法に含まれる条文です。
- 警察法第60条の条文原文は「都道府県公安委員会は、警察庁又は他の都道府県警察に対して援助の要求をすることができる。」で始まります。
- 警察法第60条は第四節 都道府県警察相互間の関係等に置かれています。
- 警察法の公布日は昭和29年6月8日です。
- 警察法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年4月5日時点では廃止情報はありません。
- 警察法第60条の前の条は警察法第59条です。
- 警察法第60条の次の条は警察法第60条の2です。
- 警察法第60条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
警察法(昭和二十九年法律第百六十二号)第60条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/329AC0000000162 - 本サイト収録
警察法(昭和二十九年法律第百六十二号)第60条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年4月5日)https://lawplayer.com/jp/article/329AC0000000162/60
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点警察法60条は、都道府県公安委員会が警察庁や他の都道府県警察に援助を要求できると定める。派遣された警察官は要求側公安委員会の管理下で職権を行う。
Q · 他県から応援に来た警察官にも、こちらの県で職務質問や交通規制をする権限はあるの?
ある。受け入れ側の公安委員会の管理下で職権を行える
警察法60条1項により、都道府県公安委員会は警察庁又は他の都道府県警察に援助を要求できます。この要求で派遣された警察官は、同条3項により、要求した公安委員会が管理する県の管轄区域内で、その公安委員会の管理の下に職権を行うことができます。つまり応援部隊の職務執行は正規の権限に基づくもので、指揮系統上の責任は受け入れ側にあります。なお他県警察への要求には、警察庁への事前連絡(やむを得ない場合は事後)が必要です(同条2項)。
解説
広島サミットの警備現場では、大阪、愛知、北海道など、よその県警の制服警官が全国から集められていた。都道府県警察は本来、自分の県の中でしか動けない。その壁を越えさせる正式な手続が本条である。援助を求めるのは都道府県公安委員会(県警を管理する合議制の機関)だ。求める先は警察庁か他の都道府県警察で、他県警に頼む場合は警察庁へ事前に連絡しなければならない。緊急時に限り、連絡は事後でもよい。見落とされがちなのは第3項である。派遣された警察官は、援助を求めた側の公安委員会の管理の下で職権を行う。他県ナンバーのパトカーに止められても、その職務質問は正規の権限に基づいている。一方で、指揮系統の責任は受け入れた側の県にある。この構図を知っているかどうかで、苦情や責任追及の窓口を間違えずに済む
法的な位置づけ
警察法60条は、都道府県警察の権限が原則として自県の管轄区域に限られることの例外として、都道府県公安委員会が警察庁又は他の都道府県警察に援助を要求する手続を定める規定である。他の都道府県警察への要求には警察庁への事前連絡(やむを得ない場合は事後)を要し、派遣された警察官は要求した公安委員会の管理の下、その管轄区域内で職権を行使する。
よくある質問 AI による整理
Q1警察の援助要求とは何ですか?
都道府県公安委員会が、警察庁や他の都道府県警察に人員などの応援を正式に求める手続です。根拠は警察法60条1項です。
Q2他県の警察官は管轄外で逮捕できる?
援助要求で派遣された場合は、派遣先の県内で職権を行えます(警察法60条3項)。そのほか61条などの個別規定でも管轄区域外の権限が認められます。
Q3援助要求は警察庁の許可が必要?
許可ではなく「連絡」です。他県警察への要求には警察庁への事前連絡が必要で、やむを得ない場合は事後連絡でも足ります(60条2項)。
Q4応援の警察官は誰の指揮で動く?
援助を要求した都道府県公安委員会の管理の下で職権を行います(60条3項)。派遣元の県ではなく、受け入れ側の管理体制に組み込まれます。
Q5サミット警備で全国から警察官が集まるのはなぜ?
開催県の公安委員会が警察法60条に基づき他県警察へ援助を要求するためです。一県の人員では大規模警備をまかなえないことが背景にあります。
Q6広域緊急援助隊の法的根拠は?
被災県の公安委員会による援助要求(警察法60条)の仕組みの上で派遣されます。阪神・淡路大震災を受けて1995年に創設されました。
Q7応援部隊への苦情はどこに出す?
応援部隊は受け入れ側公安委員会の管理下にあるため、苦情申出(警察法79条)は受け入れ側の公安委員会へ文書で行うのが筋です。
Q8都道府県警察の権限は県外に及ぶ?
原則は自県の管轄区域内に限られます。例外として援助要求による派遣(60条)、境界周辺の事案(60条の2)、関連する必要限度の権限(61条)があります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1よその県の警察官に職務質問されたんですけど、断れないんですか?
援助要求で派遣された警察官であれば、派遣先の県内で職権を行えます(警察法60条3項)。任意の職務質問を断れるかどうかは、地元の警察官が相手の場合と同じ基準で判断されます。実務のポイント:応援部隊は現地の地理や事情に詳しくないことが多いです。所属と氏名を丁寧に尋ね、やり取りを記録しておくと、双方が冷静になりやすい。記録は後日の苦情申出(79条)の土台にもなります
Q2応援に来た警官ともめたら、苦情はどこに言えばいいんですか?
派遣された警察官は、援助を求めた都道府県公安委員会の管理下で職務を行います(60条3項)。そのため、苦情の申出(79条)は受け入れ側の公安委員会に文書で行うのが筋です。賠償責任を派遣元と受け入れ側のどちらが負うかは、実務上、解釈が分かれています。実務のポイント:苦情の文書には、日時、場所、相手の所属県、警備の名目(サミット警備、災害対応など)を必ず書き添えます。どの援助要求に基づく派遣だったかを特定しやすくなり、回答が早まります
間違えやすい点 AI による整理
- 「警察は国の組織だから、どこの警官も全国どこでも同じ権限を持っている」と思われがちだが、前提から違う。日本の警察官の大半は都道府県の職員であり、権限は原則として自分の県の管轄区域内に限られる。県外で動くには、本条の援助要求か、61条などの個別の根拠が要る
- 他県からの応援部隊がいることは知っていても、その部隊が誰の指揮で動いているかまでは意識されない。本条3項により、派遣された警察官は援助を求めた都道府県公安委員会の管理の下に置かれる。不適切な職務執行があったとき、派遣元の県だけを責めても空振りに終わりかねない
- 住民から見れば「他県の警官」でも、法律から見れば、派遣先の県の警察権を一時的に担う者である。服装や所属の表示が違うことを理由に指示を無視すると、地元の警官の指示を無視したのと同じ評価を受けうる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 県外で権限を行う根拠 | 警察法60条:公安委員会の援助要求による派遣 | 警察法60条の2:隣接・近接県警察の協議による境界周辺区域の事案処理 警察法61条:自県の住民保護・犯罪捜査等に関連して必要な限度 |
| 発動の起点 | 受け入れ側の都道府県公安委員会の要求 | 関係都道府県警察相互の事前協議 自県警察の職務上の必要(要求は不要) |
| 権限行使時の管理 | 要求した公安委員会の管理の下で職権を行う | 協議で定めた区域・事案の範囲内で権限を及ぼす 自県警察として必要な限度で管轄外に権限を及ぼす |
他国ではどう定めているか 3 か国
台湾は内政部・警政署が全国警察を指揮監督する中央集権型で、県市間の応援も警政署の調整で行われる。日本のような公安委員会による要求手続とは構造が異なる
ドイツも警察は州の権限であり、災害時等に州が他州の警察力を要請できる点で日本と構造が近い
米国は州間協定により災害時の人員・資源の相互援助を行う。法執行官の権限の扱いは協定と州法に委ねられる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 被災地の避難所で、見慣れない県名の腕章をつけた警察官から身分確認を求められた。応援の警官にそんな権限があるのか? 援助要求で派遣された警察官は、派遣先の県内で職権を行える(本条3項)。拒むより先に、所属と氏名を確認して記録しておくほうが得策である
- 大規模イベントの警備で、他県から来た応援部隊の対応が高圧的だった。抗議しようとして自分の地元の県警に電話したら、「うちの管轄外の話では」と言われかけた。応援部隊は受け入れ側の公安委員会の管理下にある。つまり、苦情の宛先は受け入れ側の公安委員会になる
- 選挙の街頭演説が一週間後に迫り、要人の来訪で近隣県から応援が来るという。演説会場周辺の交通規制も、応援の警察官が実際に担う。規制に従う義務が生じる根拠は、本条を経由した権限の付与にある
学説
一般的理解:戦後の都道府県警察を基本とする自治の枠組みを維持しつつ、県境を越える事態に対応するための調整規定と位置づけられる。援助の要否は受け入れ側公安委員会が判断し、派遣警察官もその管理下に置くことで、自治と機動力を両立させている。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和29年(1954年) 新設:現行警察法の制定により、市町村警察と国家地方警察の二本立てから都道府県警察へ一本化。都道府県警察間の援助要求の規定が置かれた
- 警察法 第59条都道府県警察相互の協力義務
- 警察法 第60条の2管轄区域の境界周辺の事案の権限
- 警察法 第61条管轄区域外における権限の例外
- 警察法 第71条緊急事態の布告による国の統制
- 警察法 第79条職務執行への苦情申出の手続
- 国家賠償法 第1条派遣警察官の違法行為の賠償主体(解釈が分かれる)
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