警察法 第79条(苦情の申出等)
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- 都道府県警察の職員(第六十一条の三第四項に規定する都道府県警察の警察官を除く。)の職務執行について苦情がある者は、都道府県公安委員会に対し、国家公安委員会規則で定める手続に従い、文書により苦情の申出をすることができる。
- 2.第六十四条第一項に規定する警察庁の警察官及び第六十一条の三第四項に規定する都道府県警察の警察官の当該職務執行について苦情がある者は、国家公安委員会に対し、国家公安委員会規則で定める手続に従い、文書により苦情の申出をすることができる。
- 3.都道府県公安委員会又は国家公安委員会は、前二項の申出があつたときは、法令又は条例の規定に基づきこれを誠実に処理し、処理の結果を文書により申出者に通知しなければならない。ただし、次に掲げる場合は、この限りでない。
- 一申出が警察の事務の適正な遂行を妨げる目的で行われたと認められるとき。
- 二申出者の所在が不明であるとき。
- 三申出者が他の者と共同で苦情の申出を行つたと認められる場合において、当該他の者に当該苦情に係る処理の結果を通知したとき。
この条文の基本情報
苦情の申出等とは何ですか?
定義苦情の申出等とは、警察法第79条に定められた規定で、「都道府県警察の職員(第六十一条の三第四項に規定する都道府県警察の警察官を除く。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 警察法第79条(苦情の申出等)は、日本の警察法に含まれる条文です。
- 警察法第79条の条文原文は「都道府県警察の職員(第六十一条の三第四項に規定する都道府県警察の警察官を除く。」で始まります。
- 警察法第79条は第七章 雑則に置かれています。
- 警察法の公布日は昭和29年6月8日です。
- 警察法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年4月5日時点では廃止情報はありません。
- 警察法第79条の前の条は警察法第78条です。
- 警察法第79条の次の条は警察法第80条です。
- 警察法第79条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
警察法(昭和二十九年法律第百六十二号)第79条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/329AC0000000162 - 本サイト収録
警察法(昭和二十九年法律第百六十二号)第79条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年4月5日)https://lawplayer.com/jp/article/329AC0000000162/79
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点警察法79条は、警察官の職務執行に苦情がある人が公安委員会へ文書で申し出る制度を定める。公安委員会は誠実に処理し、結果を文書で通知する義務を負う。
Q · 警察官の対応がひどかったとき、正式に苦情を出すにはどこに出せばいいの?
都道府県公安委員会に文書で出せば、処理と書面回答の義務が生じる
警察法79条1項により、都道府県警察の職員の職務執行に苦情がある者は、都道府県公安委員会に文書で苦情を申し出ることができます。警察庁の警察官(64条1項)や61条の3第4項の警察官の職務執行については、国家公安委員会が宛先です(同条2項)。申出を受けた公安委員会は誠実に処理し、結果を文書で通知する義務を負います(同条3項)。ただし妨害目的、所在不明、共同申出で他の者に通知済みの場合は通知義務の例外です。
解説
交番で怒鳴られた。被害届を出しに行ったら「事件にならない」と追い返された。そんなとき、多くの人は署の受付で文句を言うか、ネットに書いて終わる。だが警察法79条には、正式な苦情のルートが用意されている。宛先は警察署ではなく都道府県公安委員会(警察を外から管理する、民間出身の委員による合議体)だ。文書で申し出れば、公安委員会は法令に基づいて誠実に処理し、結果を文書で通知しなければならない。窓口での口頭の抗議は、担当者がその場で聞き流しても違法にはならない。一方、79条の申出は、処理と書面での回答が法律上の義務になる。例外は、業務妨害が目的の場合、申出者の所在が分からない場合、共同申出で代表者に通知済みの場合の三つだけだ。さらに、警察庁が自ら職務を行う警察官(64条1項)や61条の3第4項の警察官の職務執行については、国家公安委員会が宛先になる。同じ怒りでも、宛先と形式を知っているかどうかで、記録が残るかどうかが決まる。
法的な位置づけ
警察法第79条の苦情申出制度は、警察職員の職務執行に不満を持つ者が、公安委員会に対し文書で苦情を申し出る法定手続である。申出を受けた公安委員会は法令又は条例に基づき誠実に処理し、処理結果を文書で申出者に通知する義務を負う。ただし、妨害目的の申出、申出者の所在不明、共同申出で他の者に通知済みの場合は通知義務の例外とされる。
手順
- 1.出来事の直後に事実をメモする 帰宅したらすぐに、日時、場所、警察官の人数と特徴、発言の具体的な文言、自分が求めた対応を時系列で書き出す。録音、写真、同行者の連絡先もあわせて確保する
- 2.宛先の公安委員会を確認する 都道府県警察の職員の対応なら都道府県公安委員会、警察庁の警察官(64条1項)や61条の3第4項の警察官の対応なら国家公安委員会が宛先になる。提出方法や様式は各公安委員会の案内で確認する
- 3.苦情申出書を作成して提出する 事実を時系列で記載し、論点を一つに絞った申出書を作成する。氏名と連絡先を明記する(所在不明の場合は通知義務の例外になる)。控えをとったうえで提出する。文書作成が難しい場合は公安委員会の窓口に援助を相談する
- 4.処理結果の通知書を保管し次の手段を検討する 公安委員会から届いた処理結果の通知書は保管する。金銭的な救済を求める場合は、通知書の内容も材料にしながら、国家賠償法1条による請求を弁護士と検討する
よくある質問 AI による整理
Q1警察 苦情 どこに言う?
法律上の苦情申出の宛先は、警察署ではなく都道府県公安委員会です(警察法79条1項)。文書で出すことが要件で、処理結果は文書で通知されます。
Q2警察への苦情申出書の書き方は?
日時、場所、関わった警察官の人数や特徴、言われた言葉、求めた対応を時系列で具体的に書きます。感情的な評価より、確認できる事実を中心にまとめるのが効果的です。
Q3警察への苦情は電話や口頭でもできる?
電話や窓口での抗議自体はできますが、79条の申出は文書が要件です。口頭の抗議には法律上の処理・書面回答の義務がありません。電子的な提出方法は各公安委員会に確認してください。
Q4公安委員会の回答はいつまでに来る?
警察法79条には回答期限の定めがありません。事実調査の内容によって期間は変わるため、申出書の控えを残し、必要に応じて処理状況を問い合わせるのが現実的です。
Q5警察庁の警察官への苦情はどこに出す?
警察庁の警察官(警察法64条1項)や61条の3第4項の警察官の職務執行については、都道府県公安委員会ではなく国家公安委員会が宛先です(79条2項)。
Q6被害届を受理してもらえないときの苦情は?
相談や被害届への対応も「職務執行」に当たるため、79条の苦情の対象になり得ます。相談日、担当者、言われた理由、求めた対応を記録して公安委員会に文書で申し出ます。
Q7警察への苦情が「妨害目的」とされるのはどんな場合?
警察の事務の適正な遂行を妨げる目的と認められる場合です(79条3項1号)。回数が多いというだけでは直ちに該当せず、個別の事情で判断されます。
Q8警察の不祥事は誰がチェックしている?
都道府県警察は都道府県公安委員会が管理し(警察法38条)、公安委員会は監察について警察本部長に指示できます(43条の2)。市民の苦情申出はその判断材料になります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1警察に苦情を出したら、逆に目をつけられたりしませんか?
制度上、申出を理由とする不利益な扱いは想定されていないし、処理は公安委員会の管理下で行われる(警察法79条3項)。不安なら申出書に事実だけを淡々と書き、控えを残すこと。実務のポイント:報復を恐れて匿名で出す人がいるが、所在不明の申出は通知義務の例外(同項2号)に当たる。回答という最大の成果を自分から手放すことになる
Q2苦情の結果に納得できなかったら、裁判で争えますか?
処理結果の通知は行政処分ではないため、取消訴訟や審査請求の対象にならないと一般に解されている。争えるのは、元の職務執行が違法だったとして国に代わる県などに賠償を求める国家賠償請求(国家賠償法1条)である。実務のポイント:回答書に書かれた「事実確認の結果」は、後の国賠訴訟で警察側の主張と食い違えば、そのまま矛盾を突く証拠になる。だから回答書は捨てずに保管する
Q3警察官の態度が悪かったけど、違反切符は正しかった。それでも苦情って出せるんですか?
出せる。79条の対象は「職務執行」全般で、違反の成否とは別に、言葉遣いや説明の仕方も対象になる。ただし苦情で反則金が取り消されることはない。実務のポイント:苦情の申出書に「違反自体も不当だ」と混ぜて書くと、処理側は違反の正当性の説明に紙幅を割き、肝心の態度の問題がぼやけやすい。論点は一つに絞るほうが、的確な回答を得やすい
間違えやすい点 AI による整理
- 「警察の苦情は警察署に言えばいい」と思われているが、79条の法定苦情の宛先は公安委員会である。署長宛てに文句を言っても、それは法律上の苦情申出にはならず、書面回答の義務も発生しない
- 苦情を出せば問題の警察官が処分されると期待する人は多いが、制度の役割はそこではない。公安委員会の義務は「誠実に処理して結果を通知する」ことまでで、懲戒処分の有無や内容まで知らされるとは限らない。そして通知された処理結果は行政処分(役所があなたの権利義務を直接決める決定)ではないため、取消訴訟や審査請求で争うこともできないと一般に解されている。お金の回復を求めるなら国家賠償請求という別の道になる
- 「公安委員会は第三者機関だから、警察とは無関係に調べてくれる」という見方と、「どうせ身内だから無駄」という見方。どちらも実態からずれている。委員は民間出身者だが、事務局と実際の事実調査を担うのは警察本部(主に監察・総務部門)である。つまり「身内が調べ、外部の目が結論を確認する」構造だ。だからこそ、申出書の段階で具体的な事実と証拠を出し切った人の案件ほど、調査が甘くなりにくい
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 手続を動かす人 | 警察法79条:苦情がある市民が文書で申し出る | 警察法43条の2:都道府県公安委員会が自ら警察本部長に監察を指示 国家賠償法1条:損害を受けた者が国・公共団体に請求 |
| 宛先 | 都道府県公安委員会または国家公安委員会 | 警察本部長(公安委員会からの指示) 国または都道府県(賠償責任の主体) |
| 得られる結果 | 誠実な処理と、処理結果の文書による通知 | 監察の実施と公安委員会への報告 違法な職務執行による損害の金銭賠償 |
| 裁判での争い方 | 処理結果の通知は行政処分ではなく、取消訴訟の対象外と一般に解される | 市民が直接起動・争訟する手続ではない 民事訴訟として裁判所で請求できる |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾では行政機関一般への陳情制度があり、警察の職権行使についてはその場で異議を述べる手続も設けられている。公安委員会のような警察専用の外部管理機関宛ての苦情制度とは構造が異なる
韓国は行政機関一般の民願処理法で苦情を扱う。警察専用の外部機関への文書申出制度とは設計が異なる
ドイツでは請願権を基盤に、一部の州が警察専門のオンブズマン(Polizeibeauftragte)を置いている。制度の有無と権限は州ごとに異なる
米国では市レベルの市民審査委員会が警察官への苦情を受け付ける例が多い。連邦統一の制度はなく、権限の強さは自治体ごとに大きく異なる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- ストーカー被害を三回相談したのに、生活安全課は毎回「様子を見ましょう」で終わった。署の窓口で抗議しても、同じ担当者のところに戻るだけ。県の公安委員会宛てに、相談日時・担当者の言葉・自分が求めた対応を時系列で書いた苦情申出書を出せば、組織として処理し、書面で回答する義務が生じる
- もし職務質問で、理由も告げられずにカバンの中身を路上にぶちまけられたら、どうなる? 所持品検査は原則として任意であり、その場の対応が適切だったかは79条の苦情の対象になる。日時・場所・警察官の人数・言われた言葉を、その晩のうちにメモしておくこと
- あなたは県警本部の総務担当者だ。同じ人物から、ほぼ同じ文面の苦情が20通届いた。警察の事務の適正な遂行を妨げる目的と認められれば、書面で通知する義務は外れる(3項1号)。だが「しつこい」だけでは妨害目的にならない。安易にこの例外を使うと、それ自体が新たな苦情と国家賠償請求の火種になる
- 交通違反の取締りで、警察官に「どうせ払うんだろ」と吐き捨てられた。納得がいかない反則金の納付期限まで、あと8日。ただし知っておくべきは、苦情の申出と違反の成否はまったく別の手続だということ。態度の問題は79条で公安委員会へ、違反そのものを争うなら反則金を納付せず刑事手続で争う。二つを混ぜると、どちらも失敗する
取るべき行動
被害を受けた側:1. 出来事の直後に、日時・場所・警察官の人数と特徴・発言の具体的な文言・自分の求めた対応をメモする2. 録音や写真、同行者の証言があれば確保する3. 都道府県公安委員会宛てに、事実を時系列で書いた申出書を郵送する(書面が難しい場合の援助の仕組みもあるので、公安委員会の窓口に問い合わせる) 4. 回答書を保管する。金銭的な損害や精神的苦痛の賠償を求めるなら、国家賠償法1条による請求を別途弁護士と検討する
訴えられた側:申し出を受けた側(警察職員・担当部署)の視点:1. 苦情を受けたこと自体は懲戒ではない。当日の職務記録と報告書を正確に整理する2. 調査で求められた事実は、記憶と記録を分けて説明する3. 処理担当者は、3項の例外(妨害目的・所在不明・共同申出)を適用する場合、その判断根拠を記録に残す。安易な例外適用は処理の誠実性を疑われ、新たな苦情や訴訟の火種になる
時効(請求できる期限):苦情申出自体に法定の期限はない。ただし記録の保存期間の関係から、早いほど調査の実効性が高い。損害賠償を求める場合は国家賠償法4条により民法が適用され、損害と加害者を知った時から3年(生命・身体の侵害は5年、民法724条、724条の2)、行為時から20年で消滅する
学説
一般的な理解:苦情申出に対する処理結果の通知は、申出者の権利義務を直接形成するものではないため行政処分に当たらず、取消訴訟や審査請求の対象にならないと一般に解されている。金銭的救済は国家賠償請求によることになる
改正沿革 AI による整理
- 平成12年(2000年) 警察刷新会議の提言を受けた警察法改正で、都道府県公安委員会に対する文書による苦情申出制度が新設された
- 令和4年(2022年) 警察庁が重大サイバー事案に自ら対処する体制の整備に伴い、警察庁の警察官等の職務執行について国家公安委員会に苦情を申し出る第2項が加えられたとみられる(条文番号・改正経緯は要確認)
改正の年表
- 1.平成12年(2000年) 新設:警察刷新会議の提言を受けた警察法改正により、都道府県公安委員会に対する文書による苦情申出制度が設けられた
- 2.令和4年(2022年) 改正:警察庁が重大サイバー事案に対処する体制の整備に伴い、警察庁の警察官等の職務執行について国家公安委員会に苦情を申し出るルートが整備された
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