国民年金法 第42条
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- 遺族基礎年金の受給権を有する子が二人以上ある場合において、その子のうち一人以上の子の所在が一年以上明らかでないときは、その子に対する遺族基礎年金は、他の子の申請によつて、その所在が明らかでなくなつた時にさかのぼつて、その支給を停止する。
- 2.前項の規定によつて遺族基礎年金の支給を停止された子は、いつでも、その支給の停止の解除を申請することができる。
- 3.第三十九条の二第二項の規定は、第一項の規定により遺族基礎年金の支給が停止され、又は前項の規定によりその停止が解除された場合に準用する。この場合において、同条第二項中「増減を生じた日」とあるのは、「支給が停止され、又はその停止が解除された日」と読み替えるものとする。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 国民年金法第42条は、日本の国民年金法に含まれる条文です。
- 国民年金法第42条の条文原文は「遺族基礎年金の受給権を有する子が二人以上ある場合において、その子のうち一人以上の子の所在が一年以上明らかでないときは、その子に対する遺族基礎年金は、他の子の申請…」で始まります。
- 国民年金法第42条は第四節 遺族基礎年金に置かれています。
- 国民年金法の公布日は昭和34年4月16日です。
- 国民年金法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 国民年金法第42条の前の条は国民年金法第41条の2です。
- 国民年金法第42条の次の条は国民年金法第43条です。
- 国民年金法第42条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
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下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
国民年金法(昭和三十四年法律第百四十一号)第42条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/334AC0000000141 - 本サイト収録
国民年金法(昭和三十四年法律第百四十一号)第42条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/334AC0000000141/42
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点国民年金法42条は、遺族基礎年金の子が二人以上いる場合、一人以上の所在が一年以上不明なら、他の子の申請でその子への支給を所在不明時にさかのぼり停止すると定める。
Q · 兄弟の一人が行方不明のとき、その人の遺族基礎年金は自動的に止まりますか?
止まりません。他の子が申請して初めて停止されます
国民年金法42条1項は、遺族基礎年金の受給権を有する子が二人以上あり、そのうち一人以上の所在が一年以上明らかでないとき、他の子の申請によって、所在が明らかでなくなった時にさかのぼり支給を停止すると定めます。年金機構が自動的に処理する仕組みではなく、完全な申請主義です。停止は受給権の消滅(40条の失権)ではないため、本人はいつでも解除を申請でき(2項)、停止・解除いずれの場合も39条の2第2項の準用により、その日の属する月の翌月分から残る子の年金額が改定されます(3項)。
解説
兄弟姉妹で受け取っている遺族基礎年金は、頭数で割られている。国民年金法39条の2により、子が受給権者となる遺族基礎年金は子の数で等分され、各自の口座に分けて振り込まれる。ここで一人の兄弟が家を出て一年以上どこにいるか分からなくなったとき、あなたの取り分は一円も増えない。行方不明の子の分も、権利としては生きたまま口座に滞留し続けるからだ。42条はその膠着を破る唯一のスイッチである。所在が一年以上明らかでない子がいるとき、他の子が申請すれば、その子への支給は所在が分からなくなった時点にさかのぼって止まる。そして3項が39条の2第2項を準用することで、停止の効力が及ぶ日の属する月の翌月から、残る子の年金額が改定される。ここで押さえるべき一点は、この制度が完全な申請主義だということだ。年金機構は行方不明を自動では検知しない。装置が動くのは、あなたが紙を一枚出したときだけである。
法的な位置づけ
国民年金法42条は、遺族基礎年金の受給権を有する子が二人以上ある場合における、所在不明の子に対する支給停止を定める規定である。他の子の申請を要件とする申請主義を採り、停止の効力は所在が明らかでなくなった時にさかのぼる。受給権自体は消滅せず、失権を定める40条とは区別され、停止された子はいつでも解除を申請できる。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.所在不明の起算点を資料で固める 最後に連絡が取れた日を特定し、メッセージやメールのスクリーンショット、宛先不明で返送された郵便物、送金記録などを日付順に並べる。42条の遡及効は「所在が明らかでなくなった時」を基準とするため、この起算点の主張が遡及範囲そのものを左右する
- 2.行方不明者届を提出し公的な疎明を作る 警察署に行方不明者届を提出し、受理番号を控える。住民票が職権消除されている場合は市区町村で除票を取得する。これらは所在が一年以上明らかでないことの中核的な疎明資料になる
- 3.年金事務所で42条1項の支給停止を申請する 年金事務所または市区町村の国民年金窓口で、他の子として支給停止を申請する。行方不明の本人の同意は不要である。窓口で「所在が分からないと手続きできない」と言われた場合は、42条1項が所在不明を前提とする規定であることを示して再度求める
- 4.決定通知書で遡及日と額改定月を確認する 停止決定後、通知書に記載された支給停止の始期(所在不明時への遡及日)と、39条の2第2項準用による額改定の年月を確認する。遡及の始期と増額の開始月にはずれが生じうるため、想定と異なる場合はその場で根拠を書面で求める
- 5.不服があれば審査請求の期限内に動く 決定内容に納得できない場合、社会保険審査官へ審査請求を行う。期間制限があるため、通知書を受け取った日を記録し、口頭説明を鵜呑みにせず必ず書面で根拠条文と決定日を確認しておく
よくある質問 AI による整理
Q1遺族基礎年金の支給停止とは何ですか?
受給権はそのまま残したまま、金銭の支払だけを一時的に止める措置です。国民年金法42条1項が根拠で、権利を消滅させる失権(40条)とは別の制度です。
Q2遺族年金は家族が行方不明になって何年で止められますか?
所在が一年以上明らかでないことが要件です。一年を経過すれば他の子が申請でき、停止の効力は所在が明らかでなくなった時までさかのぼります。
Q3所在不明の疎明にはどんな書類が必要ですか?
警察に提出した行方不明者届の受理番号、宛先不明で返送された郵便物、住民票の職権消除を示す除票などです。本人の居場所を示す必要はありません。
Q4遺族基礎年金の支給停止は誰が申請できますか?
同じ遺族基礎年金の受給権を持つ他の子です。行方不明の本人の同意は不要で、親族一般や第三者が申請できる仕組みではありません。
Q5支給停止と失権はどう違いますか?
失権(40条)は受給権そのものが消滅し復活しません。42条の支給停止は権利を残したまま支払を止めるだけで、本人が解除を申請すれば再開されます。
Q6支給停止の申請に期限はありますか?
42条に申請期限の定めはありません。ただし年金給付を受ける権利は5年で時効消滅するため(102条1項)、過去分の受領には実質的な限界があります。
Q7配偶者が所在不明の場合も同じ条文ですか?
違います。配偶者の所在不明による支給停止は41条の2が規律します。42条は受給権者である子が二人以上いる場面に限定された規定です。
Q8支給停止の決定に不服がある場合はどうすればいいですか?
社会保険審査官への審査請求ができます。期間制限があるため、決定通知書を受け取った日を必ず記録し、通知書は原本のまま保管してください。
この条文についての質問 AI による整理
Q1行方不明の兄の年金を止めたら、その分がそのまま自分の口座に入ってくるんですか?
そのまま移るわけではない。42条1項で兄への支給が止まり、42条3項が39条の2第2項を準用することで、受給権者の数が変動した場合と同じ扱いとして年金額が改定される。結果として残る子一人当たりの額は上がるが、増額が始まるのは停止の効力が及ぶ日の属する月の翌月分からである。実務のポイント:さかのぼって止まる過去分と、増額が始まる月の間にはずれが生じうる。通知書の改定年月は必ず確認すること、窓口は聞かれない限り説明しない。
Q2兄が数年後に戻ってきたら、止めていた分を私が返すことになりますか?
あなたが返す構造ではない。42条2項により兄は自ら停止の解除を申請でき、42条3項の準用によって解除された日を基準に再び額が改定される。停止中に他の子へ支払われた額は、その時点の正当な受給権に基づくものとして扱われるのが原則である。実務のポイント:実際にもめるのは法律ではなく家族の側だ。申請前に他の兄弟へ経緯と根拠条文を書面で共有しておくと、後の相続の場面で蒸し返されにくくなる。
間違えやすい点 AI による整理
- 行方不明の家族の年金が止まること自体は知っていても、それが「さかのぼって」止まる重さを理解している人は少ない。所在不明になった時点以降に支払われた分は過払いとして扱われ、後に本人が現れたときの精算対象になりうる。あなたの申請は、単に自分の取り分を増やす手続ではなく、兄弟に対して過去に向かう清算関係を発生させる行為でもある
- 「どうすれば行方不明の兄弟の年金を自分に移せるか」という問いの立て方そのものが誤っている。42条は受給権の移転ではなく、支給の一時停止にすぎない。兄弟の受給権は消滅せず、本人はいつでも解除を申請できる(2項)。あなたが手にするのは所有権ではなく、鍵の一時的な預かりである。失権(40条)と支給停止を混同したまま親族間で話を進めると、後で必ずこじれる
- 一年以上連絡が取れなければ役所の側で自動的に処理が始まると思われがちだが、42条は徹頭徹尾の申請主義である。他の子が申請しない限り、十年放置されても行方不明の子への支給は続き、残った子の額も上がらない
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 効果の性質 | 42条:支給の停止(受給権は存続、可逆的) | 40条:失権(受給権が消滅、不可逆) 41条の2:配偶者の所在不明による支給停止 |
| 対象者 | 受給権を有する子が二人以上いる場合の所在不明の子 | 死亡・婚姻・年齢到達等の事由に該当した受給権者 遺族基礎年金の受給権を有する配偶者 |
| 発動の契機 | 他の子の申請(完全な申請主義、本人の同意不要) | 法定事由の発生により当然に生じる 子の申請(同型の申請主義) |
| 元に戻せるか | 本人がいつでも解除を申請できる(42条2項) | 戻せない。再度受給権を取得することはない 解除申請が可能(同型の可逆構造) |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も遺族年金を同一順位の遺族間で調整する構造を持つが、所在不明を理由とする支給停止に特化した独立条文は確認できない
受給権者が複数で一部の所在が一定期間不明な場合に、他の受給権者の申請で支給を停止する点は日本42条と同型の設計である
ドイツは遺族年金の給付要件を SGB VI で定め、行方不明者の法的地位は Verschollenheitsgesetz が別途規律する二層構造をとる
米国は子の遺族給付を family maximum の枠内で按分する仕組みで、所在不明を理由とする申請ベースの停止という日本型の装置とは発想が異なる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 一年以上音信不通の弟の口座に振り込まれ続けている遺族基礎年金は、放っておいたらどうなるのか? 答えは、何も起きない。父の死から二年、弟が高校を中退して家を出たまま住民票も動かさず一年半が過ぎても、支給は淡々と続く。申請できる状態になった時点から今日までの半年分、あなたの増額分は取り戻せないまま流れていく。所在不明の起算点をどこと主張するかで、さかのぼれる範囲そのものが変わってくる
- 連絡を絶っていた側にも言い分はある。数年ぶりに口座を確認したら年金が止まっており、しかも過去分まで消えていた。42条2項の解除申請を出せば将来に向けた流れは戻るが、止まっていた期間の扱いはまったく別の交渉になる
- 年金事務所の窓口で「お兄さんの所在が分からないなら手続きできません」と言われて引き返した人がいる。だが42条が想定しているのは、まさに所在が分からない状況そのものである。求められるのは兄の居場所ではなく、一年以上明らかでないことの疎明だ。警察への行方不明者届の受理番号、宛先不明で返送された郵便物、住民票の職権消除の記録、これらが揃えば申請は成り立つ
取るべき行動
被害を受けた側:1. 所在不明の起算点を固める。最後の連絡日のメッセージ・メール・返送された郵便物を日付順に並べる2. 警察に行方不明者届を提出し受理番号を控える。住民票の職権消除があれば除票を取得3. 年金事務所または市区町村の国民年金窓口で、42条1項に基づく支給停止の申請を行う。申請者はあなた(他の子)であり、行方不明の本人の同意は不要4. 停止決定後、42条3項が準用する39条の2第2項による額改定が何月分から反映されているか、通知書の改定年月欄で確認する
訴えられた側:1. 入金が止まっていたら、まず年金事務所で停止の根拠条文と決定日を確認する2. 42条2項により解除の申請はいつでも可能で、失踪の理由の当否は問われない。所在が明らかになった事実を示せば足りる3. 停止されていた期間の未払分の扱いは事案ごとに異なるため、通知書を必ず書面で保管し、口頭説明を鵜呑みにしない4. 決定内容に不服があれば社会保険審査官へ審査請求。期限があるので通知書を受け取った日を必ず記録する
時効(請求できる期限):42条自体に申請期限の定めはない。所在が一年以上明らかでない状態が続く限り、他の子はいつでも申請でき、停止の解除申請(2項)にも期限はない。ただし年金給付を受ける権利は支給すべき事由が生じた日から5年で時効消滅する(国民年金法102条1項)ため、過去分の受領には実質的な期限がある。支給停止決定への審査請求は、処分があったことを知った日の翌日から起算して3か月以内(社会保険審査官及び社会保険審査会法)。(最新の改正状況をご確認ください)
学説
条文構造上の一般的理解:42条の支給停止は受給権を消滅させる失権(40条)と峻別され、権利の器を残したまま金銭の流れのみを止める可逆的措置と解される。2項が期限の定めなく解除申請を認めること、3項が停止と解除を同一の額改定ルールで扱うことが、この可逆性を条文上裏づけている。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和34年(1959年) 新設:国民年金法制定(昭和34年法律第141号)。全国民を対象とする公的年金制度の枠組みが設けられた
- 2.昭和60年(1985年) 改正:基礎年金制度の導入により給付体系が再編され、遺族給付は遺族基礎年金として位置づけられた(施行は昭和61年4月)
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