災害対策基本法 第108条の5
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- 第百五条の規定による災害緊急事態の布告があつたときは、特定非常災害の被害者の権利利益の保全等を図るための特別措置に関する法律(平成八年法律第八十五号。以下この条において「特定非常災害法」という。)第二条の規定により、当該災害を特定非常災害として指定し、当該災害が発生した日を特定非常災害発生日として定め、及び当該特定非常災害に対し適用すべき措置として特定非常災害法第三条から第六条までに規定する措置を指定する政令が定められたものとみなして、特定非常災害法第三条から第六条まで(特定非常災害法第四条第一項を除く。)の規定を適用する。この場合において、次の表の上欄に掲げる特定非常災害法の規定中同表の中欄に掲げる字句は、それぞれ同表の下欄に掲げる字句とする。
- 2.第百五条の規定による災害緊急事態の布告が発せられる前に特定非常災害法第二条第一項の規定により当該災害を特定非常災害として指定する政令が定められたときは、前項の規定は、適用しない。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 災害対策基本法第108条の5は、日本の災害対策基本法に含まれる条文です。
- 災害対策基本法第108条の5の条文原文は「第百五条の規定による災害緊急事態の布告があつたときは、特定非常災害の被害者の権利利益の保全等を図るための特別措置に関する法律(平成八年法律第八十五号。」で始まります。
- 災害対策基本法第108条の5は第九章に置かれています。
- 災害対策基本法の公布日は昭和36年11月15日です。
- 災害対策基本法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月22日時点では廃止情報はありません。
- 災害対策基本法第108条の5の前の条は災害対策基本法第108条の4です。
- 災害対策基本法第108条の5の次の条は災害対策基本法第109条です。
- 災害対策基本法第108条の5には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
災害対策基本法(昭和三十六年法律第二百二十三号)第108条の5 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/336AC0000000223 - 本サイト収録
災害対策基本法(昭和三十六年法律第二百二十三号)第108条の5(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月22日)https://lawplayer.com/jp/article/336AC0000000223/108_5
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点災害対策基本法108条の5は、災害緊急事態の布告時に特定非常災害法3条から6条(4条1項を除く)を政令なしで自動適用する規定。先に指定政令があれば適用されない。
Q · 災害緊急事態が布告されたら、相続放棄や免許の期限は自動で延びるの?
救済措置は自動適用されるが、具体的な期日は窓口で確認が必要
災害対策基本法108条の5により、105条の災害緊急事態の布告があると、特定非常災害法の指定政令があったものとみなされ、同法3条から6条まで(4条1項を除く)が自動で適用されます。許認可の満了日延長、債務超過を理由とする法人破産の特例、相続の熟慮期間の延長などです。ただし、どの許認可がいつまで延びるかは各行政庁の告示等で決まる部分があるため、所管窓口や家庭裁判所での確認が欠かせません。
解説
日本の災害法制には、まだ一度も引かれたことのないレバーがある。災害対策基本法105条の「災害緊急事態の布告」である。阪神・淡路大震災でも東日本大震災でも、このレバーは引かれなかった。本条は、そのレバーが引かれた瞬間に、被災者を守る別の法律が政令を待たずに自動で動き出すことを定める。別の法律とは、特定非常災害の被害者の権利利益の保全等を図るための特別措置に関する法律(以下「特定非常災害法」)である。平時の手順では、内閣がまず政令で「特定非常災害」に指定し(同法2条)、どの救済措置を使うかを選ぶ。本条はこの政令が出されたものとみなし、同法3条から6条まで(4条1項を除く)を一括で適用する。具体的には、運転免許や営業許可のような期限付き許認可(行政上の権利利益)の満了日の延長(3条)、債務超過を理由とする法人の破産手続開始決定の特例(5条)、相続を承認するか放棄するかを決める期間(熟慮期間)の延長(6条)である。ただし、布告の前にすでに特定非常災害の指定政令が出ていれば、本条は使われない(2項)。救済が二重に走ったり食い違ったりしないための整理である。被災直後のあなたにとって大事なのは、どの法律が根拠かではない。期限が延びているかどうかを、役所の窓口で自分から確かめる必要があるという点である。
法的な位置づけ
災害対策基本法108条の5は、災害緊急事態の布告と特定非常災害法とを連結する規定である。布告があった場合、特定非常災害の指定、発生日の決定および適用措置の指定を内容とする政令が定められたものとみなし、特定非常災害法3条から6条まで(4条1項を除く)を読替えのうえ適用する。布告前に指定政令が定められたときは適用されない。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.布告・指定の有無を確認する 首相官邸・内閣府防災の発表や官報で、災害緊急事態の布告(災害対策基本法105条)または特定非常災害の指定政令が出ているかを確認する
- 2.期限のある許認可を棚卸しする 運転免許、営業許可、在留資格など手持ちの許認可の満了日を一覧にし、延長対象かどうかを各所管窓口に問い合わせる
- 3.相続の熟慮期間を家庭裁判所で確認する 被災中に相続が発生した場合、特定非常災害法6条による熟慮期間延長の対象か、延長後の期日はいつかを家庭裁判所で確認し、その間に財産調査を進める
- 4.法人の債務超過は弁護士と再建計画を立てる 会社が災害で債務超過に陥った場合、特定非常災害法5条の破産特例期間中に、弁護士と再建計画や債権者との交渉方針を固める
よくある質問 AI による整理
Q1災害緊急事態の布告とは何ですか?
災害対策基本法105条に基づき、内閣総理大臣が閣議にかけて発する国家的非常事態の宣言です。国会の承認(106条)が必要で、現行法下で発せられた例はありません。
Q2特定非常災害とは何ですか?
著しく異常かつ激甚な非常災害として、特定非常災害法2条に基づき政令で指定される災害です。阪神・淡路大震災、東日本大震災、熊本地震、能登半島地震などが指定されました。
Q3被災したら運転免許の更新期限は延びますか?
特定非常災害の指定や本条の自動適用があれば、許認可の満了日延長(特定非常災害法3条)の対象になり得ます。延長の有無と期日は公安委員会に確認が必要です。
Q4被災者の相続放棄の期限はいつまで延びますか?
特定非常災害法6条の適用で被災相続人の熟慮期間は延長されます。延長後の期日は政令や読替規定で決まるため、家庭裁判所で具体的に確認してください。
Q5災害で債務超過になった会社はすぐ破産しますか?
特定非常災害法5条が適用されると、一定期間、債務超過のみを理由とする法人の破産手続開始決定がされない特例があります。支払不能が理由の場合は別です。
Q6災害緊急事態の布告で借金の返済は止まりますか?
本条だけでは止まりません。金銭債務の支払延期などは災害対策基本法109条の緊急政令が別途必要です。自己判断で支払を止めると遅延損害金が生じ得ます。
Q7災害緊急事態の布告は過去に出たことがありますか?
ありません。東日本大震災でも布告は見送られ、救済は特定非常災害法2条の政令指定という通常ルートで実施されました。
Q8布告と特定非常災害の政令指定が両方ある場合はどうなる?
布告前に指定政令が出ていれば、本条2項により本条のみなし適用は行われず、先行する政令の内容が基準になります。救済の二重適用を避ける調整規定です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1災害緊急事態って、コロナの緊急事態宣言と同じものですか?
別物である。コロナの宣言は新型インフルエンザ等対策特別措置法に基づくもので、災害緊急事態は災害対策基本法105条の布告である。後者が出されると、本条によって特定非常災害法3条から6条まで(4条1項を除く)が自動で適用される。実務のポイント:105条の布告はこれまで一度も出ておらず、実務家の多くも本条の発動を実際に見たことがない。実際の大災害では、特定非常災害法2条の政令指定が救済の主役になってきた
Q2被災して親の相続放棄の期限が過ぎちゃったんですが、もう無理ですか?
諦めるのは早い。災害が特定非常災害に指定されていれば、指定政令によって、または本条のみなし規定によって、特定非常災害法6条が適用され、被災した相続人の熟慮期間は延長される。実務のポイント:延長の対象になるかは住所地や被災状況などの要件で決まる。家庭裁判所の窓口で「特定非常災害の熟慮期間延長の対象か」と具体的に聞くと、話が一気に早く進む
間違えやすい点 AI による整理
- 「大災害なら当然、災害緊急事態が布告されている」と思われがちだが、105条の布告は現行法の下で一度も発せられていない。実際の大災害では、特定非常災害法2条の政令指定という手動回路で救済が動いてきた(阪神・淡路、東日本、熊本、能登半島地震など)。本条の自動適用は、それ以上の国家的非常事態のための備えである
- 期限の延長は知っていても、それが自動ではなく窓口で確認すべきものだという点は見落とされやすい。特定非常災害法の措置が適用されても、どの許認可がいつまで延びるかは、各行政庁の告示や個別の取扱いで決まる部分がある。何もしないまま「延びているはず」と放置し、延長期日も過ぎてしまえば、救済の外に出る
- あなたから見れば「国が非常事態を宣言したのだから、借金も税金も全部止まる」。法律から見れば、本条が自動で動かすのは特定非常災害法3条から6条まで(4条1項を除く)に限られる。金銭債務の支払延期などは、別途109条の緊急政令が必要である。この差を知らないまま支払を止めれば、遅延損害金や信用情報への登録があなたに返ってくる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 発動の要件 | 108条の5:105条の災害緊急事態の布告 | 109条:災害緊急事態下で国会閉会中等、臨時会の召集を待てないとき 特定非常災害法2条:内閣が政令で特定非常災害を指定 |
| 効果 | 特定非常災害法3条〜6条(4条1項除く)を自動適用 | 金銭債務の支払延期等を内閣が緊急政令で定める 適用する救済措置を政令で個別に選択 |
| 内閣の個別判断 | 不要(政令が定められたものとみなす) | 必要(緊急政令の制定) 必要(指定政令の閣議決定) |
| 競合時の扱い | 布告前に指定政令があれば適用しない(2項) | 本条とは別系統で併存し得る 先行していれば本条より優先 |
他国ではどう定めているか 3 か国
台湾には布告に連動して権利保全措置を自動適用する一括規定はなく、大災害時は総統の緊急命令や個別の特別条例で期限延長等を定めてきた
韓国は特別災害地域の宣布により支援措置を講じるが、相続熟慮期間の延長などの私法上の特例を一括適用する仕組みは日本ほど体系化されていない
米国は大統領の重大災害宣言で連邦支援が発動する。期限延長は IRS の税務申告期限延長など各機関の個別措置で行われる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 大地震で自宅が全壊した。避難所にいる間に、亡くなった父に多額の借金があったと分かる。相続放棄の期限は通常、相続を知った時から3か月(民法915条)。もし災害緊急事態が布告されていたら、その期限はどう扱われる? 本条によって特定非常災害法6条が適用され、被災した相続人の熟慮期間は延長される。延長後の期日は、家庭裁判所か弁護士に必ず確認すること
- 被災地で飲食店を営む会社の経営者であるあなた。店舗が流され、帳簿上は債務超過に陥った。債権者から破産を申し立てられても、本条により特定非常災害法5条が適用されれば、裁判所は一定期間、債務超過だけを理由とした破産手続開始の決定をしないことができる。再建の時間はこうして確保される
- 避難生活の途中で、運転免許の更新期限が過ぎていたことに気付いた。失効だと諦める前に、満了日延長の対象になっていないか、公安委員会に確認する
取るべき行動
被害を受けた側:1. 首相官邸や内閣府の発表で、災害緊急事態の布告または特定非常災害の指定があるかを確認する2. 手持ちの許認可(免許、営業許可、在留資格など)の満了日を書き出し、所管窓口に延長対象かを問い合わせる3. 相続が絡む場合は、延長後の熟慮期間を家庭裁判所に確認し、その間に財産調査を進める4. 会社が債務超過に陥ったら、破産特例の期間中に弁護士と再建計画を立てる
訴えられた側:事業者や債権者側として:1. 被災した取引先への破産申立ては、特定非常災害法5条の特例期間中だと債務超過を理由とする開始決定が見送られうることを前提に、回収策を組み直す2. 行政庁の担当者であれば、延長対象となる許認可を早期に洗い出し、告示や個別通知で周知する3. 本条2項により、先行する指定政令がある場合は本条でなくその政令の内容が基準になるため、根拠を取り違えない
時効(請求できる期限):本条自体に時効はない。延長の終期は特定非常災害法の各条と本条の読替表で定まる(最新の改正状況をご確認ください)。相続の熟慮期間は原則として相続を知った時から3か月(民法915条)。被災した相続人は特定非常災害法6条によって延長される
改正沿革 AI による整理
- 平成25年(2013年)改正(要人的検証) 東日本大震災を踏まえた災害緊急事態の措置拡充に伴い、特定非常災害法の自動適用規定が整備されたとみられる。新設年、改正年と条番号の変遷は未確認
- 災害対策基本法 第105条本条を発動させる災害緊急事態の布告
- 災害対策基本法 第106条布告についての国会の承認
- 災害対策基本法 第109条金銭債務の支払延期などを定める緊急政令
- 特定非常災害の被害者の権利利益の保全等を図るための特別措置に関する法律 第2条指定政令の制定がみなされる根拠
- 特定非常災害の被害者の権利利益の保全等を図るための特別措置に関する法律 第5条債務超過による破産手続開始決定の特例
- 民法 第915条延長の対象となる相続の熟慮期間
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