災害対策基本法 第109条の2
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- 災害緊急事態に際し法律の規定によつては被災者の救助に係る海外からの支援を緊急かつ円滑に受け入れることができない場合において、国会が閉会中又は衆議院が解散中であり、かつ、臨時会の召集を決定し、又は参議院の緊急集会を求めてその措置を待ついとまがないときは、内閣は、当該受入れについて必要な措置をとるため、政令を制定することができる。
- 2.前条第三項から第七項までの規定は、前項の場合について準用する。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 災害対策基本法第109条の2は、日本の災害対策基本法に含まれる条文です。
- 災害対策基本法第109条の2の条文原文は「災害緊急事態に際し法律の規定によつては被災者の救助に係る海外からの支援を緊急かつ円滑に受け入れることができない場合において、国会が閉会中又は衆議院が解散中であり…」で始まります。
- 災害対策基本法第109条の2は第九章に置かれています。
- 災害対策基本法の公布日は昭和36年11月15日です。
- 災害対策基本法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月22日時点では廃止情報はありません。
- 災害対策基本法第109条の2の前の条は災害対策基本法第109条です。
- 災害対策基本法第109条の2の次の条は災害対策基本法第110条です。
- 災害対策基本法第109条の2には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
災害対策基本法(昭和三十六年法律第二百二十三号)第109条の2 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/336AC0000000223 - 本サイト収録
災害対策基本法(昭和三十六年法律第二百二十三号)第109条の2(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月22日)https://lawplayer.com/jp/article/336AC0000000223/109_2
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点災害対策基本法109条の2は、災害緊急事態で国会が開けず法律上海外支援を受け入れられない場合、内閣が受入れのための政令を制定できると定める。国会の事後承認が必要。
Q · 国会が開けないときに大災害が起きたら、政府は海外の救助隊をすぐ受け入れられるの?
要件を満たせば政令で可能。ただし国会の事後承認が必須
災害対策基本法109条の2により、災害緊急事態の布告中に、現行法では海外からの救助支援を緊急かつ円滑に受け入れられず、国会が閉会中または衆議院が解散中で臨時会・緊急集会を待ついとまがない場合、内閣は受入れのための政令を制定できます。同条2項は109条3項から7項を準用するため、内閣は直ちに国会の承認を求める必要があり、承認が得られなければ政令は将来に向かって効力を失います。
解説
1995年の阪神・淡路大震災では、海外から救助隊や医療チームの申し出が相次いだ。ところが救助犬は検疫、外国人医師は日本の医師免許という壁にぶつかったと伝えられている。善意はあっても、平時の法律が受け入れを阻んだのである。本条はその反省を踏まえた非常口だ。災害緊急事態(内閣総理大臣が布告する国家レベルの非常事態)の最中に、現行法では海外からの救助支援を緊急かつ円滑に受け入れられないとする。しかも国会が閉会中か衆議院が解散中で、臨時会の召集や参議院の緊急集会を待つ余裕もない。この条件がそろったときに限り、内閣は国会を通さずに政令(内閣が定める命令)で受入れのための措置をとれる。ただし白紙委任ではない。前条109条の手続が準用され、内閣は直ちに国会の事後承認を求めなければならず、承認されなければ政令は将来に向かって効力を失う。109条と違い、罰則を設ける規定は準用されていない。押さえておきたいのは、この条文が想定する災害緊急事態の布告が、東日本大震災でも一度も出されていないという事実だ。あなたが知るべきなのは、条文の存在よりも「使われてこなかった理由」である。
法的な位置づけ
災害対策基本法109条の2は、災害緊急事態において海外からの救助支援を受け入れるための緊急政令を定める規定である。国会の閉会中または衆議院の解散中で、臨時会の召集や参議院の緊急集会を待ついとまがない場合に限り、内閣が法律に代わる措置を政令で定めることを認め、109条の事後承認・失効手続を準用する。
よくある質問 AI による整理
Q1災害緊急事態とは何ですか?
著しく異常かつ激甚な非常災害が発生した場合に、内閣総理大臣が閣議にかけて布告する国家レベルの非常事態です(災害対策基本法105条)。本条発動の前提となります。
Q2災害緊急事態はこれまで布告されたことがありますか?
布告された例はありません。東日本大震災でも布告は見送られ、現行法の運用や通知で対応したとされています。
Q3緊急政令とはどういうものですか?
国会が開けない非常時に、内閣が法律に代わる措置を政令で定める仕組みです。災害対策基本法109条と109条の2に規定があり、国会の事後承認が必要です。
Q4衆議院解散中に大災害が起きたらどうなりますか?
原則は参議院の緊急集会(憲法54条2項)で対応します。緊急集会を待ついとまもない場合に限り、本条の緊急政令が使える可能性があります。
Q5海外の救助犬は災害時に検疫なしで入国できますか?
平時は狂犬病予防法の輸入検疫が必要です。本条の緊急政令は、こうした手続上の壁を一時的に越える手段の一つとして想定されています。
Q6緊急政令に国会の承認は必要ですか?
必要です。本条2項が準用する109条の規定により、内閣は政令制定後、直ちに国会の承認を求める措置をとらなければなりません。
Q7日本の法律に緊急事態条項はありますか?
憲法にはありませんが、災害対策基本法の災害緊急事態や緊急政令(109条・109条の2)など、法律レベルの緊急事態規定は存在します。
Q8災害対策基本法109条と109条の2の違いは?
109条は物資配給や価格統制など国内の経済秩序維持の政令、109条の2は海外からの救助支援受入れの政令です。109条の2には罰則規定が準用されません。
この条文についての質問 AI による整理
Q1大地震が起きたら、外国のお医者さんって日本でそのまま治療できるんですか?
原則としてできません。医師法17条により、日本の医師免許がない者の医業は禁止されています。本条の緊急政令はこの壁を一時的に越える手段の一つですが、災害緊急事態の布告など厳しい要件があります。実務のポイント:実務では、緊急政令を使わずに行政の通知や解釈運用で対応した例が語られています。法律を変えずに運用で乗り切る手法の方が政治的コストは低いが、現場の医師が後で責任を問われないかという法的な不安定さは残ります
Q2内閣が勝手に作った政令って、あとで国会が否定したらどうなるんですか?
本条2項が準用する109条の手続により、内閣は政令制定後直ちに国会の承認を求めなければならず、不承認なら政令は将来に向かって効力を失います。過去に遡って無効になるわけではありません。実務のポイント:「将来に向かって」という一句が肝で、承認前に受け入れた海外支援や、それに基づく行為が遡って違法になるわけではありません。現場の救援を不安定にしないための設計です(細かな経過措置は最新の条文をご確認ください)
間違えやすい点 AI による整理
- 「大災害が起きれば政府は何でも政令で決められる」と思われがちだが、要件は四重に絞られている。災害緊急事態の布告、現行法では受け入れられないこと、国会が閉会中または衆議院が解散中であること、臨時会や緊急集会を待つ時間がないこと。一つでも欠ければ、本条は発動できない
- 問題は「なぜ東日本大震災で使わなかったのか」ではない。正しい問いは「布告なしでどう乗り切ったのか」である。実際には災害緊急事態の布告はされず、現行法の解釈運用や行政の通知などで海外支援の受け入れに対応してきたとされる。非常口があることと、それを開ける政治的コストは別の話だ
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 政令で定められる事項 | 109条の2:被災者の救助に係る海外からの支援の受入れに必要な措置 | 109条:生活必需物資の配給・価格統制・金銭債務の支払延期など 105条:政令ではなく災害緊急事態の布告そのもの |
| 発動の前提 | 災害緊急事態+法律上受入れ不能+国会閉会中・衆院解散中+臨時会・緊急集会を待ついとまなし | 災害緊急事態+国会閉会中・衆院解散中+臨時会・緊急集会を待ついとまなし 著しく異常かつ激甚な非常災害の発生 |
| 罰則 | 罰則規定は準用されない | 政令に罰則を設けることができる 該当なし |
| 国会の統制 | 109条3項から7項を準用、事後承認と不承認時の将来失効 | 国会の事後承認、不承認なら将来に向かって失効 布告について国会の承認(106条) |
他国ではどう定めているか 3 か国
台湾は憲法レベルで総統の緊急命令を認め、発布後10日以内に立法院の追認を要する。日本は憲法に規定を置かず、法律で場面を限定する点が対照的
韓国も憲法上、国会の集会を待ついとまがない場合の緊急命令を認め、国会の承認を要する。要件構造は本条と類似
米国は大統領の災害宣言に基づき連邦支援を発動する法律体系で、議会不在を前提とする緊急立法の仕組みではない
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- もし首都直下地震が衆議院解散中に起き、海外の医療チームが羽田に着いたとしたら、誰が彼らに医療行為を許すのか? 医師法17条の壁を一時的に越える手段の一つが、本条の緊急政令である。ただし前提として災害緊急事態の布告が必要で、ここが政治判断の最初の関門になる
- 大学のゼミで「日本に緊急事態条項はあるか」と問われ、あなたは「憲法にはない」と即答した。間違いではないが、法律レベルでは本条や109条のような緊急政令の仕組みがすでに存在する。改憲論議を見るとき、法律にある仕組みと憲法に置こうとしている仕組みの違いを区別できるかで、議論の解像度が変わる
学説
合憲説(多数的理解):緊急政令は法律自体の委任に基づき、適用場面と要件が限定され、国会の事後承認と不承認時の失効が担保されているため、憲法41条の国会中心立法の原則に反しないとする見解
違憲疑義説:憲法は明治憲法の緊急勅令を意図的に廃止しており、法律に代わる効力を持つ政令を法律で認めることは、憲法が予定しない緊急立法権を内閣に与えるものではないかと疑問を呈する見解
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和36年(1961年) 新設:災害対策基本法制定。災害緊急事態と109条の緊急政令(物資配給・価格統制等)が置かれる
- 2.平成7年(1995年) 新設:阪神・淡路大震災を受けた法改正で、海外からの救助支援受入れのための緊急政令として109条の2が追加されたとされる
- 災害対策基本法 第105条災害緊急事態の布告、本条発動の前提
- 災害対策基本法 第106条布告に対する国会の承認手続
- 災害対策基本法 第109条緊急政令の本体規定、3項から7項を準用
- 医師法 第17条外国人医師の医業を阻む免許の壁
- 狂犬病予防法 第7条救助犬の入国を阻む輸入検疫の壁
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