災害対策基本法 第49条の12(名簿情報を提供する場合における配慮)
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市町村長は、前条第二項又は第三項の規定により名簿情報を提供するときは、地域防災計画の定めるところにより、名簿情報の提供を受ける者に対して名簿情報の漏えいの防止のために必要な措置を講ずるよう求めることその他の当該名簿情報に係る避難行動要支援者及び第三者の権利利益を保護するために必要な措置を講ずるよう努めなければならない。
この条文の基本情報
名簿情報を提供する場合における配慮とは何ですか?
定義名簿情報を提供する場合における配慮とは、災害対策基本法第49条の12に定められた規定で、「市町村長は、前条第二項又は第三項の規定により名簿情報を提供するときは、地域防災計画の定めるところにより、名簿情報の提供を受ける者に対して名簿情報の漏えいの防止の…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 災害対策基本法第49条の12(名簿情報を提供する場合における配慮)は、日本の災害対策基本法に含まれる条文です。
- 災害対策基本法第49条の12の条文原文は「市町村長は、前条第二項又は第三項の規定により名簿情報を提供するときは、地域防災計画の定めるところにより、名簿情報の提供を受ける者に対して名簿情報の漏えいの防止の…」で始まります。
- 災害対策基本法第49条の12は第三節に置かれています。
- 災害対策基本法の公布日は昭和36年11月15日です。
- 災害対策基本法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月22日時点では廃止情報はありません。
- 災害対策基本法第49条の12の前の条は災害対策基本法第49条の11です。
- 災害対策基本法第49条の12の次の条は災害対策基本法第49条の13です。
- 災害対策基本法第49条の12には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
災害対策基本法(昭和三十六年法律第二百二十三号)第49条の12 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/336AC0000000223 - 本サイト収録
災害対策基本法(昭和三十六年法律第二百二十三号)第49条の12(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月22日)https://lawplayer.com/jp/article/336AC0000000223/49_12
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点災害対策基本法49条の12は、市町村長が要支援者名簿を提供する際、受領者に漏えい防止措置を求めるなど、本人と第三者の権利利益を守る措置を講ずる努力義務を定める。
Q · 市役所が町内会に渡す要支援者名簿、漏れないように誰が守る決まりになっているの?
渡す市町村に、受領者へ漏えい防止を求める努力義務がある
災害対策基本法49条の12により、市町村長は要支援者名簿を提供するとき、地域防災計画の定めに従い、受け取る町内会・民生委員・消防団などに漏えい防止措置を求めるなど、本人と第三者の権利利益を守る措置を講ずるよう努めなければなりません。努力義務のため具体的な措置は自治体ごとに異なり、受け取った側には別途49条の13の秘密保持義務がかかります。
解説
町内会の役員を引き受けると、市役所から一冊の名簿が届くことがある。中身は近所に住む「一人では逃げられない人」のリストで、氏名、住所、連絡先に加えて、支援が必要な理由まで書かれている(49条の10第2項)。家族にも話していない身体の弱さが、地域の誰かの手元に紙で置かれるわけだ。災害対策基本法49条の12は、名簿を渡す市町村長に義務を課している。受け取る側に漏えいを防ぐ措置を求めることなど、本人と第三者の権利利益を守る手を打つ義務である。ただし「努めなければならない」と書かれた努力義務(やらなければ即違法とまではいえないが、手を抜いてよいわけではない義務)で、具体的な中身は各市町村の地域防災計画に委ねられている。ここが要点になる。名簿を預かる側なら、保管・複製・返却のルールを確認しないまま受け取ってはいけない。名簿に載る側なら、誰に渡り、どんな約束のもとで管理されるのかを市に尋ねる根拠がこの条文にある。
法的な位置づけ
災害対策基本法49条の12は、市町村長が同法49条の11第2項又は第3項に基づき避難行動要支援者名簿の情報を提供する場合に、地域防災計画に従い、提供先に対する漏えい防止措置の要求その他、避難行動要支援者及び第三者の権利利益を保護するための措置を講ずる努力義務を定めた規定である。
手順
- 1.受領前に管理ルールを市に確認する 名簿を受け取る前に、市町村の防災担当課に保管場所の基準、複製・撮影の可否、閲覧できる人の範囲、役員交代時と災害後の返却・廃棄方法を確認する
- 2.受領記録と保管場所を決める 受け取った日、件数、保管場所を手帳や記録簿に残し、施錠できる場所に保管する。家族や来客の目に触れる場所には置かない
- 3.共有は必要最小限・複製なしで行う 班長などと情報を共有する必要がある場合は、市のルールの範囲内で、担当区域の必要部分だけを口頭や閲覧で伝える。SNSへの投稿や撮影による共有はしない
- 4.交代・災害後に返却し記録を残す 役員交代や災害対応の終了時に、市の定める方法で名簿を返却または廃棄し、日付と方法を記録する。紛失に気付いた場合は直ちに市に報告する
よくある質問 AI による整理
Q1避難行動要支援者名簿の情報管理とは?
名簿を地域の支援者に渡す際、漏えいや目的外利用を防ぐための保管・複製・返却などのルールです。災害対策基本法49条の12が市町村に措置を求めています。
Q2要支援者名簿 保管方法 どうすればいい?
鍵のかかる場所での保管、複製・撮影の禁止、閲覧者の限定が基本です。具体的なルールは市町村の地域防災計画や受領時の誓約書で定められます。
Q3要支援者名簿 返却 いつまで?
法律に一律の期限はなく、役員交代時・名簿更新時・災害対応終了後などの返却や廃棄のタイミングは各市町村のルールで定められます。受領時に確認が必要です。
Q4要支援者名簿 誓約書 必要?
法律上の必須様式ではありませんが、多くの自治体が本条の漏えい防止措置として受領者に誓約書の提出を求めています。提出の有無は市町村ごとに異なります。
Q5要支援者名簿 LINE共有 違法?
受領者は49条の13の秘密保持義務を負うため、グループへの画像共有は義務違反となりえます。市のルールで複製禁止とされていれば、なおさら問題です。
Q6要支援者名簿 漏えい 責任は誰?
漏らした受領者は秘密保持義務違反として民法709条の賠償責任を問われえます。市町村も措置の不備を理由に国家賠償法1条の請求を受ける可能性があります。
Q7災害対策基本法49条の12罰則 ある?
本条は市町村長の努力義務を定める規定で、違反に対する罰則はありません。具体的な措置の内容は地域防災計画に委ねられています。
Q8自治会 名簿 受け取り 断れる?
受領を法的に強制する規定はありません。管理に不安がある場合は、保管体制や返却方法を市と調整したうえで受け取るかどうかを判断できます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1母が要支援者名簿に載ってるらしいんだけど、勝手に近所に配られてるの?
平常時に地域の支援者へ渡すには、本人の同意が原則である(49条の11第2項)。ただし条例に特別の定めがあれば同意なしで提供できるほか、災害が迫ったときは同意なしでも提供できる(同条3項)。渡す際には、本条によって漏えい防止措置を求める努力義務が市にかかる。実務のポイント:提供先の一覧と誓約書の有無は、市に聞けば答えてもらえることが多い。同意の撤回や記載範囲の調整にも、多くの自治体が応じている
Q2民生委員で名簿を預かってるけど、もし落としたら罰金とかあるの?
名簿を受け取った人には秘密保持義務がある(49条の13)。ただし災害対策基本法そのものには、この義務違反を直接処罰する規定は置かれていない(最新の改正状況をご確認ください)。一方で、民生委員には民生委員法15条の守秘義務があり、漏えいで損害が出れば民事上の賠償責任を問われうる。実務のポイント:受領時に誓約書を出しているなら、その文言が責任の範囲を決める物差しになる。受け取った日、保管場所、返却した日を手帳に残しておくと、万一の場面で自分を守る記録になる
Q3「努めなければならない」って、結局やらなくてもいいってことでしょ?
努力義務なので、措置が不十分だったことだけで直ちに違法とはいいにくい。ただし本条は「地域防災計画の定めるところにより」としているため、計画に書いた措置を市が実行していなければ話は別になる。漏えい事故の国家賠償請求(国家賠償法1条)で、その点がどこまで考慮されるかは実務上、解釈が分かれている。実務のポイント:地域防災計画は公開文書である。名簿の章を読めば、市が自分で約束した措置が分かり、それが交渉の基準になる
間違えやすい点 AI による整理
- 名簿を預かる町内会長や民生委員は「頼まれて預かっているだけ」と感じている。しかし法律から見れば、名簿を受け取った時点で秘密保持義務を負う当事者である(49条の13)。善意で動いているかどうかと、漏えいしたときの責任は別の問題で、その落差が受け取った人を追い込む
- 「個人情報なのだから地域に共有するべきではない」という議論は、問いの立て方がずれている。2013年の制度創設は、情報が共有されずに要支援者が逃げ遅れた反省から出発した。問うべきなのは共有するかどうかではなく、共有した後にどう守るかであり、本条はその「どう守るか」を担う規定である
- 漏えいで傷つくのは名簿に載った本人だけだと思われがちだ。実際には、条文が「第三者の権利利益」も保護対象に挙げている。名簿から「高齢の独居世帯」と分かれば、空き巣や特殊詐欺の標的選びに使われうる。同居家族や緊急連絡先として書かれた親族も巻き込まれる。漏えいの深刻さは、紙一枚という見た目よりはるかに大きい
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律の対象 | 49条の12:名簿を提供する市町村長 | 49条の11:名簿の利用・提供そのもの(平常時の同意原則、災害時の同意不要提供) 49条の13:名簿情報の提供を受けた者 |
| 義務の性質 | 保護措置を講ずる努力義務(「努めなければならない」) | 提供できる場面と要件を定める授権・制限規定 正当な理由なく秘密を漏らしてはならない義務 |
| 具体化の方法 | 地域防災計画の定めるところによる | 本人同意・条例の特別の定め・災害時の必要性で区別 受領者個人・団体の役職員に直接かかる |
他国ではどう定めているか 1 か国
台湾では弱者の避難支援は災害防救計画の枠組みで行われ、情報の提供・利用は個人資料保護法の一般規律による。日本のような名簿提供時の専用保護規定の有無は要確認
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 自主防災会の役員になった翌月、市から封筒が届いた。中身は近所の要支援者32人分の名簿で、「人工透析」「視覚障害」といった支援理由まで書かれている。孫も出入りする居間の棚に入れておいて、本当に大丈夫なのだろうか?
- 町内会長のあなたは、班長全員が見られるように名簿をスマホで撮り、町内会のLINEグループに貼った。善意のつもりだったが、グループには転出した元住民も残っていた。秘密保持義務(49条の13)の問題になるうえ、市の側も、どんな漏えい防止措置を求めていたのかを問われる
- 独居の父の名前と「歩行困難」の文字が、見知らぬ業者の訪問リストに載っていた。名簿がどこから漏れたのか、市に経路の確認を求められる
- 台風の暴風域に入るまであと3時間。市は避難指示を出し、本人の同意を取っていない人の分まで消防団に名簿を渡した(49条の11第3項)。緊急時なので提供は適法である。ただ、地域防災計画が定める保護措置は災害時でも本条の対象になる。嵐が過ぎた後、その紙を誰が回収するのかを決めていなかった地域は少なくない
取るべき行動
被害を受けた側:1. 名簿情報が漏れた疑いがあれば、いつ、どこで、何が見られたのかを記録し、チラシや着信履歴などの証拠を保存する2. 市町村の防災担当課に、提供先の一覧と、提供先に求めた漏えい防止措置(誓約書、保管ルール)の内容を書面で照会する3. 地域防災計画の名簿に関する章(市町村のサイトで公開)を確認し、市がどの措置を約束していたかを把握する4. 損害が生じていれば、提供先個人への民法709条の請求や、市への国家賠償法1条の請求を弁護士と検討する。名簿への掲載同意の撤回や記載内容の変更も市に相談できる
訴えられた側:1. 名簿を紛失・漏えいしたと気付いたら、すぐ市の担当課に報告する。隠すと被害が広がり、責任も重くなる2. 受領時の誓約書や保管ルールの文書を探し、自分がどの措置を守っていたかを整理する3. LINEなどで共有してしまった場合は、投稿の削除と、受け取った人への削除依頼を即日行い、その経緯も記録する4. 自治体職員の立場であれば、提供先にどの措置を求めたのかを記録した文書があるかを確認する。努力義務の履行状況が後で問われる
時効(請求できる期限):本条自体に特定の時効はなく、一般消滅時効(民法166条、債権5年または10年)の枠組みによる。名簿の漏えいによる損害賠償を不法行為として請求する場合は、損害及び加害者を知った時から3年(生命・身体の侵害は5年)、不法行為時から20年(民法724条、724条の2)。国家賠償請求にもこの規定が準用される(国家賠償法4条)
改正沿革 AI による整理
- 平成25年(2013年)改正 東日本大震災で高齢者や障害者の犠牲が多かった反省から、避難行動要支援者名簿制度(49条の10から49条の13)の一部として新設された
- 令和3年(2021年)改正 個別避難計画制度が追加され、計画情報の提供についても並行する配慮規定が設けられた。本条の文言変更の有無は人的検証が必要
改正の年表
- 1.平成25年(2013年) 新設:東日本大震災で高齢者・障害者の犠牲が多かった教訓を踏まえた災害対策基本法改正により、避難行動要支援者名簿制度(49条の10から49条の13)の一部として新設された
- 災害対策基本法 第49条の10避難行動要支援者名簿の作成義務と記載事項
- 災害対策基本法 第49条の11名簿情報の平常時・災害時の提供根拠
- 災害対策基本法 第49条の13名簿情報を受けた者の秘密保持義務
- 災害対策基本法 第49条の16個別避難計画情報の提供時の並行配慮規定(現行効力を要確認)
- 災害対策基本法 第42条措置内容を定める市町村地域防災計画
- 個人情報の保護に関する法律 第69条行政機関等の保有個人情報の利用提供制限(現行効力を要確認)
- 民生委員法 第15条名簿を受け取る民生委員の守秘義務
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