災害対策基本法 第90条の5(台帳情報を提供する場合における配慮)
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市町村長は、前条第一項第四号の規定により台帳情報を提供するときは、地域防災計画の定めるところにより、台帳情報の提供を受ける者に対して台帳情報の漏えいの防止のために必要な措置を講ずるよう求めることその他の当該台帳情報に係る被災者及び第三者の権利利益を保護するために必要な措置を講ずるよう努めなければならない。
この条文の基本情報
台帳情報を提供する場合における配慮とは何ですか?
定義台帳情報を提供する場合における配慮とは、災害対策基本法第90条の5に定められた規定で、「市町村長は、前条第一項第四号の規定により台帳情報を提供するときは、地域防災計画の定めるところにより、台帳情報の提供を受ける者に対して台帳情報の漏えいの防止のため…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 災害対策基本法第90条の5(台帳情報を提供する場合における配慮)は、日本の災害対策基本法に含まれる条文です。
- 災害対策基本法第90条の5の条文原文は「市町村長は、前条第一項第四号の規定により台帳情報を提供するときは、地域防災計画の定めるところにより、台帳情報の提供を受ける者に対して台帳情報の漏えいの防止のため…」で始まります。
- 災害対策基本法第90条の5は第七章に置かれています。
- 災害対策基本法の公布日は昭和36年11月15日です。
- 災害対策基本法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月22日時点では廃止情報はありません。
- 災害対策基本法第90条の5の前の条は災害対策基本法第90条の4です。
- 災害対策基本法第90条の5の次の条は災害対策基本法第90条の6です。
- 災害対策基本法第90条の5には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
災害対策基本法(昭和三十六年法律第二百二十三号)第90条の5 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/336AC0000000223 - 本サイト収録
災害対策基本法(昭和三十六年法律第二百二十三号)第90条の5(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月22日)https://lawplayer.com/jp/article/336AC0000000223/90_5
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点災害対策基本法90条の5は、被災者台帳の情報を外部へ提供する市町村長に、受け手へ漏えい防止措置を求めるなど、権利利益を保護する措置を講ずる努力義務を課す。
Q · 被災者台帳に載った自分の情報、支援団体に勝手に渡されることはあるの?
外部提供はありうるが、市町村長には漏えい防止を求める努力義務がある
災害対策基本法90条の4第1項第4号により、被災者台帳の情報は援護に必要な限度で外部の受け手に提供されることがあります。その際、同法90条の5は、市町村長に対し、地域防災計画に従って受け手に漏えい防止措置を求めるなど、被災者と第三者の権利利益を守る措置を講ずるよう求めています。ただし努力義務で罰則はないため、提供先や措置の内容は市町村への照会や個人情報保護法76条の開示請求で確認できます。
解説
罹災証明を申請した時点から、あなたの氏名・住所・家の壊れ具合・援護の実施状況は、市町村の「被災者台帳」に記録されていく(災害対策基本法90条の3)。この台帳は、役所の中だけで使われるとは限らない。前条(90条の4)第1項第4号の規定による提供では、地域防災計画の定めに従い、役所の外の受け手へ渡ることがある。そのとき本条は、渡す側の市町村長に二つの義務を課す。受け手に漏えい防止の措置を求めること、そして被災者と第三者(同居家族など)の権利利益を守る措置を講じることだ。ただし文言は「努めなければならない」である。つまり努力義務(やるべきだが、やらなくても直ちに違法・無効とはならない義務)であり、本条自体には罰則もない。だから、あなた自身が動けることを知っておく意味がある。自分の情報がどこへ、どんな約束付きで渡ったのかは、市町村に尋ねられる。保有個人情報の開示請求(個人情報の保護に関する法律76条)という正式な手段もある。何も聞かなければ、誰が自宅の被害状況を握っているのか分からないままになる。
法的な位置づけ
災害対策基本法90条の5は、被災者台帳情報の外部提供時における配慮義務を定める規定である。市町村長が同法90条の4第1項第4号に基づき台帳情報を提供する場合、地域防災計画の定めに従い、提供先に漏えい防止のための必要な措置を求めることその他、被災者及び第三者の権利利益を保護する措置を講ずるよう努めることを求める。
よくある質問 AI による整理
Q1被災者台帳とは何ですか?
市町村が被災者の氏名・住所・住家の被害状況・援護の実施状況などを一元的に記録する台帳です。災害対策基本法90条の3が作成の根拠です。
Q2被災者台帳の情報は誰に提供されますか?
災害対策基本法90条の4第1項が定める場合に限られます。第4号による外部提供では、地域防災計画の定めに従い援護に必要な範囲で提供されます。
Q3災害対策基本法90条の5に罰則はありますか?
ありません。本条は「努めなければならない」と定める努力義務で、違反しても直ちに違法・無効や刑事罰につながる規定ではありません。
Q4被災者台帳の提供先は確認できる?
市町村の防災・福祉担当に照会できます。正式には個人情報保護法76条に基づく保有個人情報の開示請求で、提供の記録を確認する方法があります。
Q5被災者台帳の情報が漏えいしたら損害賠償できる?
受け手には民法709条、市町村には国家賠償法1条による請求が考えられます。市町村が措置を求めていたかが注意義務の判断材料になりえます。
Q6罹災証明の申請で個人情報はどこまで記録される?
氏名・住所・住家の被害の程度などが被災者台帳に記載されえます。記載事項は災害対策基本法90条の3と内閣府令で定められています。
Q7支援団体が台帳情報をSNSで共有するのは違法?
市町村が求めた漏えい防止措置や利用目的に反する共有は、提供条件違反として問題になり、漏えいで損害が出れば不法行為責任を問われえます。
Q8被災者台帳の訂正や利用停止はできる?
個人情報保護法90条の訂正請求、違法な取扱いが疑われる場合は同法98条の利用停止請求を市町村に行うことが考えられます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1知らないボランティア団体から電話が来たんだけど、なんでうちの住所や被害のこと知ってるの?
市町村が災害対策基本法90条の4に基づき、被災者台帳の情報を支援者に提供した可能性がある。その場合、市町村長は本条により、受け手に漏えい防止措置を求めるよう努める義務を負う。まず市町村に提供先と提供の根拠を確認するとよい。実務のポイント:どんな者に提供しうるかは地域防災計画に書かれており、計画は公表されている。役所に聞く前に読んでおくと、質問の精度が一気に上がる
Q2DVで住所を隠してるんだけど、被災者台帳から漏れたりしない?
本条は被災者だけでなく「第三者」の権利利益の保護も求めており、所在を秘匿すべき事情は配慮の対象となる。ただし、市町村がその事情を把握していなければ配慮のしようがない。台帳登録や罹災証明の窓口で、はっきり申し出ることが大切である。実務のポイント:住民基本台帳の支援措置を受けていても、それが災害関係のすべての名簿に自動で反映されるとは限らない。災害対応の窓口で改めて伝えるのが確実である
Q3支援団体に自分の情報を渡すのを、そもそも断ることはできるの?
本条は断る権利を直接定めた規定ではない。提供できる場面は90条の4が定めており、第4号による提供で本人の意向をどう扱うかは、地域防災計画と市町村の運用次第となる。違法な提供が疑われる場合は、個人情報の保護に関する法律98条の利用停止請求という手段がある(最新の改正状況をご確認ください)。実務のポイント:登録時に「提供を希望しない」と書面で残しておくと、運用の現場で実際に尊重されやすくなる
間違えやすい点 AI による整理
- 「災害時は非常事態だから、個人情報保護は一時停止される」と思われがちだが、そうではない。台帳情報の提供には災害対策基本法90条の4の要件があり、提供する場合も本条の配慮義務がかかる。個人情報の保護に関する法律による規律も適用されなくなるわけではない
- 努力義務と聞いて「守らなくても何も起きない条文」と片付ける人は、その重さを見誤っている。漏えいで被害が出て国家賠償(国家賠償法1条)が争われれば、市町村が受け手に措置を求めていたかどうかが、注意義務を尽くしたかの判断材料になりうる。どこまで重く見られるかは、実務上解釈が分かれている
- 被災者から見れば、支援団体は善意の味方である。しかし法律の目から見ると、受け手は台帳情報を手にする「外部の第三者」であり、漏えいリスクの点では業者と変わらない。善意の団体だから大丈夫という思い込みが、名簿をLINEグループへ貼り付けるような事故を生む
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律の対象 | 90条の5:台帳情報を外部提供する際の配慮(漏えい防止措置の要求等) | 90条の4:台帳情報を利用・提供できる場面と要件 49条の12:避難行動要支援者名簿情報を提供する際の配慮 |
| 義務の主体 | 市町村長 | 市町村長(提供の可否を判断) 市町村長 |
| 義務の強さ | 努力義務(「努めなければならない」)、罰則なし | 要件を満たす場合に限り提供可(提供の限界を画する) 本条と同型の配慮規定 |
| 受け手の秘密保持 | 本条自体は受け手に直接の義務を課さず、市町村長が措置を求める構造 | 受け手の利用目的は援護の実施に限定される 名簿情報は別条(49条の13)で受け手の秘密保持義務を明定 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾では災害時の公務機関による個人資料の利用・提供は主に個人資料保護法の目的外利用の例外規定で処理され、受災者名簿提供時の配慮を個別に定めた規定は確認できていない
韓国では個人情報保護法が災害時の公共機関による情報提供の可否を規律し、災害法側と組み合わせて運用される
ドイツでは災害対応は州法の管轄で、個人データの提供は DSGVO の適法性根拠と処理委託(Auftragsverarbeitung)の枠組みで規律される
米国では FEMA が保有する被災者データの外部共有は Privacy Act の routine use 公示に基づき行われ、受け手との情報共有協定で管理措置を定める運用がある
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- もし避難所で回覧された支援名簿に、あなたの「要介護・一人暮らし」まで載っていたら、どうなる? その情報が被災者台帳から出たものなら、市町村が受け手にどんな管理を求めていたかが問われる
- あなたは災害ボランティア団体の事務局担当。市から台帳情報を受け取り、仮設住宅の見守り訪問を割り振っている。便利だからとスプレッドシートを全メンバーに共有した瞬間、市が求めた漏えい防止措置を、あなたの団体が自分で崩したことになる
- 元夫に知られないよう、引っ越し先を隠して暮らしていた。被災後、支援者の名簿に新しい住所が載っていた。
- 豪雨から3日目。市の担当者は殺到する支援の申し出に押され、五つの団体へ台帳を一括でメール送付しようとしている。送信ボタンを押す前に、地域防災計画の提供要件と受け手への措置要求を確認する時間は、あと数分しかない
- 親が被災した友人から相談を受けた。「知らない業者が、うちの屋根の被害の程度まで知っていた」。情報がどこから漏れたのかをたどる最初の手がかりは、市町村が誰に台帳情報を提供したかである
取るべき行動
被害を受けた側:1. 市町村の防災・福祉担当へ、自分の台帳情報を提供した先、提供した項目、受け手に求めた漏えい防止措置の内容を照会する2. 回答が曖昧なら、個人情報の保護に関する法律76条の開示請求で提供記録を確認する。誤りは訂正請求(同法90条)、違法な提供が疑われれば利用停止請求(同法98条)を検討する3. DV等の事情があれば、直ちに窓口へ申し出て記録に残してもらう4. 実害が出た場合、受け手には民法709条、市町村には国家賠償法1条での請求を弁護士と検討する
訴えられた側:提供を受けた団体側の場合:1. 受領時に、市町村から求められた措置(閲覧者の限定、目的外利用の禁止、終了後の廃棄など)を文書で確認する2. 共有範囲を担当者だけに絞り、クラウド共有やSNSへの転載を禁止する内規を作る3. 漏えいが起きたら隠さず、即日市町村へ報告して被害拡大の防止に協力する。市町村職員の場合は、提供の根拠、相手方、措置要求の内容を記録に残しておくことが最大の防御になる
時効(請求できる期限):特定の時効はないが、一般消滅時効(民法166条、債権5年または10年)が適用される。漏えいによる損害を不法行為または国家賠償で請求する場合は、損害及び加害者を知った時から3年、不法行為の時から20年(民法724条、国家賠償法4条により民法を適用)。最新の改正状況をご確認ください
学説
一般的理解:本条は提供自体を禁止せず、提供時の保護措置を市町村長の努力義務とする。保護の具体的内容は地域防災計画と各市町村の運用に委ねられ、実効性は運用に左右されると理解されている
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.平成25年(2013年) 新設:東日本大震災の教訓を踏まえた災害対策基本法改正により、被災者台帳の作成・利用・提供に関する規定(90条の3以下)とともに新設
- 災害対策基本法 第90条の3被災者台帳の作成と記載事項
- 災害対策基本法 第90条の4台帳情報の利用・提供の根拠と要件
- 災害対策基本法 第49条の12避難行動要支援者名簿の提供時配慮、同型規定(現行効力を要確認)
- 災害対策基本法 第90条の6台帳に関する細目の内閣府令委任(現行効力を要確認)
- 個人情報の保護に関する法律 第69条行政機関等による保有個人情報の提供制限
- 個人情報の保護に関する法律 第70条提供先への安全管理措置の要求
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