国税通則法 第116条(原告が行うべき証拠の申出)
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- 国税に関する法律に基づく処分(更正決定等及び納税の告知に限る。以下この項において「課税処分」という。)に係る行政事件訴訟法第三条第二項(処分の取消しの訴え)に規定する処分の取消しの訴えにおいては、その訴えを提起した者が必要経費又は損金の額の存在その他これに類する自己に有利な事実につき課税処分の基礎とされた事実と異なる旨を主張しようとするときは、相手方当事者である国が当該課税処分の基礎となつた事実を主張した日以後遅滞なくその異なる事実を具体的に主張し、併せてその事実を証明すべき証拠の申出をしなければならない。ただし、当該訴えを提起した者が、その責めに帰することができない理由によりその主張又は証拠の申出を遅滞なくすることができなかつたことを証明したときは、この限りでない。
- 2.前項の訴えを提起した者が同項の規定に違反して行つた主張又は証拠の申出は、民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第百五十七条第一項(時機に後れた攻撃防御方法の却下)の規定の適用に関しては、同項に規定する時機に後れて提出した攻撃又は防御の方法とみなす。
この条文の基本情報
原告が行うべき証拠の申出とは何ですか?
定義原告が行うべき証拠の申出とは、国税通則法第116条に定められた規定で、「国税に関する法律に基づく処分(更正決定等及び納税の告知に限る。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 国税通則法第116条(原告が行うべき証拠の申出)は、日本の国税通則法に含まれる条文です。
- 国税通則法第116条の条文原文は「国税に関する法律に基づく処分(更正決定等及び納税の告知に限る。」で始まります。
- 国税通則法第116条は第二節 訴訟に置かれています。
- 国税通則法の公布日は昭和37年4月2日です。
- 国税通則法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月9日時点では廃止情報はありません。
- 国税通則法第116条の前の条は国税通則法第115条です。
- 国税通則法第116条の次の条は国税通則法第117条です。
- 国税通則法第116条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
国税通則法(昭和三十七年法律第六十六号)第116条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/337AC0000000066 - 本サイト収録
国税通則法(昭和三十七年法律第六十六号)第116条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月9日)https://lawplayer.com/jp/article/337AC0000000066/116
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点国税通則法116条は、税務訴訟で納税者が必要経費・損金など有利な事実を主張する際、国の主張日以後は遅滞なく反論と証拠を出す義務を課し、後出しは却下されうると定める規定である。
Q · 税務裁判で、とっておきの領収書を審理の後半まで温存する作戦はアリ?
後出しは却下されうる、有利な証拠は早期に全部出すのが安全
国税通則法116条により、税務訴訟で必要経費・損金など自己に有利な事実を主張するときは、国が課税の基礎事実を主張した日以後、遅滞なく具体的に反論し、同時に証拠の申出をしなければなりません。これを怠ると、その主張と証拠は「時機に後れた攻撃防御方法」(民事訴訟法157条)とみなされ、たとえ真実でも却下されうる。ただし、責めに帰することができない理由(海外資料の遅延など)を証明できれば、1項ただし書で救済される余地があります。
解説
税務署から更正処分を受け、経費が過大だと否認された。あなたは裁判で戦うと決め、とっておきの領収書を「決め手」として審理の後半まで温存する作戦を立てる。その瞬間、あなたは116条という落とし穴を踏んでいる。この条文は、必要経費や損金といった「あなたに有利で、あなたしか資料を持っていない事実」について、国が課税の根拠事実を主張したら、その日以後は遅滞なく具体的に反論し、同時に証拠まで出せと命じる。守らなければ、その主張と証拠は「時機に後れた攻撃防御方法」(民事訴訟法157条)とみなされ、たとえ真実でも裁判所に却下されうる。相手方の国は課税庁として資料を握っている。だからこそ、情報を独占するあなたの側にだけ、この後出し禁止の縛りがかかる。
法的な位置づけ
国税通則法116条は、課税処分の取消訴訟における証拠提出時期の特則である。納税者が必要経費・損金その他自己に有利な事実を課税処分の基礎事実と異なる旨主張する場合、国の主張日以後、遅滞なく具体的な反対事実の主張と証拠の申出を義務づけ、これに違反した主張・証拠を時機に後れた攻撃防御方法とみなすと規定する。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.提訴前に有利事実の証拠を全リスト化 訴訟提起を決めた最初の段階で、必要経費・損金など自己に有利な事実の証拠を一つ残らずリスト化する。温存の誘惑を捨て、先に全部出す前提で棚卸しすることで116条の罠を無力化する
- 2.取寄せに時間を要する証拠を早期に予告 海外資料や第三者保管の帳簿など入手に時間がかかる証拠があれば、国の主張を待たず「この証拠は入手に時間を要する」と裁判所と相手方に予告しておく。後でただし書の帰責事由なしを使う布石になる
- 3.国の主張日を起算点として即座に反論準備 国の答弁書・準備書面で課税の根拠事実が主張されたら、その日を起算点に「遅滞なく」具体的な反対事実の主張と証拠申出を準備する。準備の都合は考慮されないため放置しない
- 4.税理士と証拠情報を密に連携 税務訴訟の経験がある弁護士を選び、税理士と証拠情報を密に連携させる。訴訟は弁護士任せ・情報連携の怠りが証拠提出の遅れを生み、その証拠は審理の俎上にすら載らない
よくある質問 AI による整理
Q1国税通則法116条とは何ですか?
税務訴訟で納税者が必要経費・損金など有利な事実を主張する際、国の主張日以後は遅滞なく反論と証拠を出す義務を定めた規定です。後出しは却下されうる特則です。
Q2税務訴訟で証拠はいつまでに出すべきですか?
国が課税の基礎事実を主張した日以後「遅滞なく」です。日数制限ではなく規範的期限で、放置して後の期日でまとめて出すと却下されうるため、早期一括提出が安全です。
Q3時機に後れた攻撃防御方法とは?
審理の進行に照らし遅れて提出された主張・証拠で、相手や裁判所に負担を与えるものです。民訴157条で却下でき、116条は税の有利事実を最初からこれとみなします。
Q4税務裁判で証拠を後出しするとどうなりますか?
時機に後れた攻撃防御方法とみなされ、審理の対象にすら載らず却下されうる。真実かどうか以前に、提出のタイミングで結果が左右されます。
Q5海外資料が間に合わないときはどうすればいいですか?
116条1項ただし書の「責めに帰することができない理由」を証明すれば救済されます。遅れそうな段階で裁判所に事前予告しておくと通りやすくなります。
Q6この後出し禁止は国にも適用されますか?
適用されません。116条は必要経費・損金など納税者側に資料が偏在する有利事実が対象で、義務は訴えを提起した納税者側だけに課されます。
Q7副業やメルカリの経費否認でも116条は関係ありますか?
金額が大きく訴訟に発展すれば射程に入ります。「会社の税務部の話」ではなく、副業の領収書一枚の運命も左右しうる規定です。
Q8相続税の債務控除を争う裁判でも後出し禁止は効きますか?
効きます。債務控除や葬式費用など自己に有利な事実の主張には、遅滞なく反論と証拠を出す義務が及びます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1証拠って、裁判の最後までとっておいた方が有利じゃないんですか?
民事一般ならその戦法もありますが、税務訴訟の必要経費・損金では逆です。国税通則法116条は、有利な事実の後出しを最初から「時機に後れた攻撃防御方法」(民事訴訟法157条)とみなし、却下の対象にします。実務のポイント:ベテランの税務訴訟弁護士は、勝てる事件ほど証拠を温存せず冒頭で全部出す。後出しリスクをゼロにした方が心証形成でも有利に働くと知っているからです
Q2うっかり証拠を出すのが遅れたら、もう終わりですか?
必ずしも終わりではありません。116条1項ただし書は「責めに帰することができない理由」を証明できれば救済します。海外資料の遅延や第三者の非協力など、あなたのせいでない事情なら、後出しでも採用されうる。実務のポイント:この帰責事由なしの証明は、遅れてから慌てて言うより、遅れそうな段階で裁判所に事前予告しておくと格段に通りやすい。予告の有無が却下と採用を分けます
間違えやすい点 AI による整理
- 「証拠は真実でありさえすれば、いつ出しても採用される」という前提そのものが、税務訴訟では崩れる。民事一般なら時機に後れても事情次第で採用の余地があるが、116条は必要経費・損金の後出しを最初から「時機に後れた」とみなす特則。あなたが立てた「真実だから大丈夫」という問いが、そもそも的外れになっている
- 「後出しは何となく不利になる」ことは知っていても、その効果が「却下されて、存在しないものとして扱われる」ほど重いとは知られていない。不利な心証で済む話ではなく、証拠として審理の対象にすら載らない。深刻度が一段違う
- あなたから見れば「まだ準備中、整い次第に出す」だが、条文から見れば「国が根拠事実を主張した日以後、遅滞なく」が起算点。あなたの「準備の都合」は考慮されず、帰責事由なき理由を証明しない限り、この時間感覚の落差があなたの証拠を葬る
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規定の性質 | 116条:有利事実の証拠提出時期の特則(後出し禁止) | 115条:不服申立て前置の要件 民訴157条:時機に後れた攻撃防御方法の一般規定 |
| 義務を負う主体 | 訴えを提起した納税者側のみ | 訴えを提起しようとする者 当事者一般(原告・被告双方) |
| 違反の効果 | 時機に後れた攻撃防御方法とみなされ却下されうる | 訴え却下(不適法) 裁判所の裁量で却下しうる |
| 救済・除外 | 1項ただし書:責めに帰することができない理由の証明 | 審査請求前置の例外事由 故意・重過失がない等の事情 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も逾時提出の攻撃防御方法に失権効を認めるが、税務訴訟固有の納税者限定の非対称規定は持たず、一般規定で処理する点が日本と異なる
韓国も失機した攻撃防御方法の却下制度を持つが、税務事件に特化した納税者側限定の後出し禁止条項は日本の特徴
ドイツは遅延した攻撃防御方法の却下を裁判所裁量で広く認めるが、対象は当事者双方で、税の有利事実を最初からみなす特則ではない
米国は開示義務違反の証拠を自動排除しうるが、租税事件は US Tax Court の独自手続で審理され、証拠偏在の是正構造は日本と設計が異なる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 国が「あなたが申告した外注費800万円は架空だ」という主張書面を出してきた。反論と領収書の証拠申出は、いつまでにすれば間に合う? 答えは条文上「遅滞なく」。数か月放置して次回期日で一気に出そうとすれば、真実でも却下されうる。起算点は国が主張した日、そこから時計は動き出している
- フリーランスのあなたが経費を否認され提訴した。証拠は手元にある。だが「準備が整ってから一気に出そう」と構えた瞬間、後出しの罠が発動する。
- 会社が法人税の更正を受け、損金算入した貸倒れを否認された。国が「その貸倒れの事実はなかった」と主張したら、あなたの会社は遅滞なく反対事実を具体的に述べ、帳簿・稟議書・回収不能の証拠を同時に出さねばならない。顧問税理士が「訴訟は弁護士任せ」と情報連携を怠り、証拠提出が遅れれば、その証拠は審理の俎上にすら載らない
- 海外にある取引先の資料が入手できず、証拠提出が間に合わなかった。あなたに帰責事由がないことを証明できれば、ただし書によって後出し禁止から外れる。この一文を知らずに「もう遅い」と諦める納税者が、実は救われる側だった
取るべき行動
被害を受けた側:1. 提訴を決めたら、必要経費・損金など自分に有利な事実の証拠を最初にすべてリスト化する2. 国の答弁書・準備書面で課税の根拠事実が主張されたら、その日を起算点に「遅滞なく」具体的な反対事実の主張と証拠申出を準備3. 温存作戦は捨てる、一括早期提出が最も安全4. 税務訴訟の経験がある弁護士を選び、税理士と証拠情報を密に連携させる
訴えられた側:1. すでに提出が遅れ、国から「時機に後れた」と却下を求められたら、1項ただし書の「責めに帰することができない理由」を主張2. 海外資料の取り寄せ遅延、第三者の非協力、想定外の争点化など、遅れた具体的事情を証明3. その理由がやむを得ないものだったことを、時系列と客観資料で裏付ける4. 却下は裁判所の判断に委ねられる、審理の遅延を招かない旨も併せて説得する
時効(請求できる期限):起算点は「国が課税処分の基礎となった事実を主張した日以後」、そこから「遅滞なく」主張と証拠申出をする義務。特定の日数制限ではなく「遅滞なく」という規範的期限であり、責めに帰することができない理由の証明があればただし書で除外される(最新の改正状況をご確認ください)
- 国税通則法 第115条訴訟提起前の不服申立て前置の要件
- 国税通則法 第24条課税処分の一類型である更正
- 国税通則法 第25条課税処分の一類型である決定
- 国税通則法 第36条課税処分に含まれる納税の告知
- 行政事件訴訟法 第3条取消訴訟の対象となる処分の定義を提供
- 民事訴訟法 第157条却下効果の準用元となる一般規定
- 行政事件訴訟法 第7条行政訴訟の一般手続を民訴に委ねる規定
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