河川法 第106条
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- 次の各号の一に該当する者は、二十万円以下の罰金に処する。
- 一第四十九条の規定に違反して、記録を作成せず、又は記録の提出を拒み、若しくは虚偽の記録を提出した者
- 二第五十条第一項に規定する管理主任技術者を置かないで、ダムを流水の貯留又は取水の用に供した者
- 三第五十八条の規定により河川区域内の土地とみなされる河川予定地内の土地又は第五十八条の七の規定により河川立体区域内の地下若しくは空間とみなされる河川予定立体区域内の地下若しくは空間において、第二十六条第一項の規定に違反して、工作物の新築、改築又は除却をした者
- 四前号に規定する河川予定地内の土地又は同号に規定する河川予定立体区域内の地下若しくは空間において、第二十七条第一項の規定に違反して、土地の掘削、盛土若しくは切土その他土地の形状を変更する行為をし、又は竹木の栽植若しくは伐採をした者
- 五第三号に規定する河川予定地内の土地又は同号に規定する河川予定立体区域内の地下若しくは空間において新築し、又は改築した工作物を、第三十条第一項の規定に違反して、使用した者
- 六第七十八条第一項の規定に違反して、報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、又は同項の規定による検査を拒み、若しくは妨げた者
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 河川法第106条は、日本の河川法に含まれる条文です。
- 河川法第106条の条文原文は「次の各号の一に該当する者は、二十万円以下の罰金に処する。」で始まります。
- 河川法第106条は第七章に置かれています。
- 河川法の公布日は昭和39年7月10日です。
- 河川法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年4月5日時点では廃止情報はありません。
- 河川法第106条の前の条は河川法第105条です。
- 河川法第106条の次の条は河川法第107条です。
- 河川法第106条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
河川法(昭和三十九年法律第百六十七号)第106条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/339AC0000000167 - 本サイト収録
河川法(昭和三十九年法律第百六十七号)第106条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年4月5日)https://lawplayer.com/jp/article/339AC0000000167/106
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点河川法106条は、ダム記録義務違反、管理主任技術者の不設置、河川予定地等での無許可の工作物設置・盛土等、報告拒否などを二十万円以下の罰金に処すると定める。
Q · 川になる予定の土地に、許可なく倉庫を建てたらどうなるの?
最大20万円の罰金。ただし撤去・原状回復命令は別途ありうる
河川法106条3号により、河川区域内の土地とみなされる河川予定地で、26条1項の許可を得ずに工作物を新築すると、二十万円以下の罰金の対象になります。完成検査を受けずに使用すれば5号も問題になります。さらに河川管理者は75条の監督処分で除却や原状回復を命じることができ、その費用は自己負担です。法人の場合は107条の両罰規定により会社にも罰金が科されうるため、早期の照会と許可申請への切り替えが重要です。
解説
罰金二十万円という数字だけを見て安心するのは早い。河川法106条が罰する六つの行為は、大きく三系統に分かれる。一つ目はダムを持つ者の記録義務違反(49条)と、管理主任技術者を置かずにダムを使う違反(50条1項)。二つ目は「河川予定地」と「河川予定立体区域」での無許可行為である。河川予定地とは、まだ川ではないが、これから河川工事で川になる予定の土地をいう。河川予定立体区域はその地下・空間版である。こうした場所のうち、法律上「河川区域内の土地とみなされる」部分で、許可なく工作物を建てる・壊す(26条1項)、掘る・盛る・木を植える・切る(27条1項)、完成検査(役所が工事の仕上がりを確認する手続)を受けずに工作物を使う(30条1項)行為が対象になる。三つ目は、河川管理者に求められた報告を怠る・偽る、検査を拒む違反(78条1項)である。見落としやすいのは、罰金は入口にすぎないという点だ。河川管理者は別ルートの監督処分(75条)で撤去や原状回復を命じられる。工事費は自腹で、罰金の何十倍にもなりうる。しかも法人の場合は、両罰規定(107条)により会社にも罰金が科されうる。
法的な位置づけ
河川法106条は、河川管理の実効性を担保する罰則規定の一つであり、ダムの記録・管理体制に関する義務違反、河川区域内の土地とみなされる河川予定地等における無許可行為、ならびに河川管理者の報告徴収・検査への非協力を、二十万円以下の罰金刑の対象とする。河川区域本体での違反を罰する102条より一段軽い段階に位置づけられる。
よくある質問 AI による整理
Q1河川予定地とは何ですか?
河川工事の実施によって将来河川区域になる予定の土地として、河川管理者が指定した土地です。工事完了前でも、一定の行為に許可が必要になります。
Q2河川予定立体区域とは?
将来河川立体区域となる予定の地下または空間の範囲です。地上に川がなくても、その地下・空間での工作物の新築等には許可が必要になりえます。
Q3河川法違反の罰金は前科になる?
なります。罰金も刑法上の刑罰であり、略式命令で確定した場合も前科として扱われます。行政上の過料とは性質が異なります。
Q4河川予定地で木を切るのは違法?
河川区域内の土地とみなされる河川予定地では、竹木の栽植・伐採に27条1項の許可が必要です。無許可なら106条4号の罰金の対象になりえます。
Q5完成検査の前に工作物を使ったら違法?
河川予定地等で新築・改築した工作物を、30条1項の完成検査を受けずに使用すると106条5号の対象です。許可を得ていても検査前の使用は違反になります。
Q6河川管理者の報告要求を無視したら?
78条1項に基づく報告をしない、虚偽の報告をする、検査を拒む・妨げると、106条6号により二十万円以下の罰金の対象になりえます。
Q7河川法106条の公訴時効は何年?
罰金刑のみの罪のため、公訴時効は3年です(刑事訴訟法250条2項6号)。起算点は犯罪行為が終わった時です。
Q8河川法違反は誰が取り締まる?
区域の監督や是正命令は河川管理者(国土交通大臣や都道府県知事など)が行います。刑事罰を科すには、警察・検察による捜査と起訴を経ます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1自分の土地が河川予定地かどうか、どこで調べればいいんですか?
河川予定地は河川管理者が指定し、公示される(河川法56条)。所管する国土交通省の河川事務所、または都道府県の河川担当課に地番を示して照会するのが確実である。実務のポイント:重要事項説明書の「河川法」欄に記載がなくても安心はできない。仲介業者が照会を省いているケースがあるため、高額な取引では買主側でも直接照会する価値がある
Q2罰金を払ったら、建てた倉庫はそのまま使っていいんですか?
使ってよいことにはならない。罰金は過去の違反に対する刑罰である。工作物を残してよいかどうかは、別に許可(26条1項)と完成検査(30条1項)の問題として残る。河川管理者は75条で除却を命じられる。実務のポイント:実務では、罰金より先に原状回復命令が出ることのほうが多い。是正に応じて許可を取り直せば、刑事告発まで進まない例も少なくない
Q3会社の現場監督がやったことで、会社まで罰せられますか?
罰せられる可能性がある。河川法107条の両罰規定により、従業員が業務に関して本条の違反をすれば、行為者本人に加えて法人にも罰金が科されうる(現行規定を要確認)。実務のポイント:会社が責任を免れる余地は、違反を防ぐために必要な注意を尽くしたと証明できる場合に限られる。区域照会や許可確認の社内手順を文書で残しているかどうかが、そこで効いてくる
間違えやすい点 AI による整理
- 「まだ川になっていない土地なら自由に使える」と考えるのは誤りである。河川予定地や河川予定立体区域のうち、河川区域とみなされる部分では、工事が終わっていなくても26条・27条・30条の許可制が及ぶ。本条はまさにその空白期間を狙った罰則である
- 「罰金二十万円なら払えば終わり」という発想は、リスクの大きさを読み違えている。罰金も刑罰であり、前科になる。さらに河川管理者は75条の監督処分で、工作物の除却や原状回復を命じられる。そちらの費用負担のほうが、罰金よりはるかに重くなりやすい
- 「報告書の数字を少し丸めた程度は、行政上の書類ミスにすぎない」と受け止める人がいる。しかし役所から見れば、78条1項の虚偽報告やダム記録の虚偽提出(49条)は、河川管理の前提となる情報そのものを汚す行為である。悪意の有無にかかわらず、刑事罰の構成要件として扱われる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 対象となる場所・行為 | 河川法106条:河川予定地・河川予定立体区域(みなし部分)での無許可行為、ダム管理義務違反、報告拒否等 | 河川法102条:河川区域本体での無許可の工作物新築・土地形状変更等 河川法75条:区域を問わず、河川法違反の工作物や行為全般 |
| 法的性質 | 刑罰(罰金刑のみ) | 刑罰(拘禁刑を含む、本条より重い刑) 行政処分(監督処分) |
| 主な帰結 | 二十万円以下の罰金 | より重い刑事罰 工作物の除却・原状回復等の命令(費用は原則自己負担) |
| 法人への波及 | 107条の両罰規定で法人にも罰金 | 107条の両罰規定で法人にも罰金 処分の名宛人である法人に直接命令 |
他国ではどう定めているか 3 か国
台湾でも河川区域内の使用行為は許可制とされ、無許可行為には罰則が設けられている。予定地を河川区域とみなす構造の有無は個別確認を要する
ドイツでは水管理法上の多くの違反が刑罰ではなく秩序違反(過料)として処理される点で、罰金刑を用いる日本と異なる
米国では航行可能水域での無許可の構造物設置を連邦法で禁止し、刑事罰と撤去命令を併用する
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 造成業者として、川沿いの買収予定地に資材置き場をつくった。登記簿上は普通の私有地だったが、実は河川予定地の指定がかかっていた。整地の盛土だけで27条1項違反になる余地があり、撤去命令が出ればやり直しの費用は数百万円にのぼる
- 農業用の小さなダムを管理する土地改良区で、ベテランの管理主任技術者が急に退職した。後任が見つからないまま「いつも通り」取水を続けたら、どうなるか? 50条1項違反として106条2号の罰金の対象になりうる
- 河川管理者から「三日以内に施設の状況を報告せよ」という文書が届いた。担当者が不在で放置すると、78条1項の報告拒否にあたりうる。間に合わないなら、期限前に延長を申し出る一報を入れるべきだ
- 友人が「川のそばの実家の土地に倉庫を建てたら、市役所から電話が来た」と相談してきた。最初に確かめるべきは、その土地が河川区域か、河川予定地か、そのどちらでもないかである。河川区域なら102条で拘禁刑もありうる。予定地なら本条で罰金。区分しだいで、受けるリスクの重さがまるで違う
取るべき行動
被害を受けた側:1. 近隣の河川予定地で無許可の盛土や工作物を見つけたら、日付入りの写真と位置情報を残す2. 浸水や排水不良などの被害が出ていれば、その記録も添える3. 所管の河川管理者(国の河川事務所または都道府県)に通報し、監督処分(75条)の発動を求める4. 損害が生じていれば、民法709条による賠償請求を別途検討する
訴えられた側:1. まず問題の場所が河川区域か、河川予定地等か、どちらでもないかを河川管理者に書面で確認する。区分しだいで適用条文が102条か本条かに分かれる2. 工事や使用を直ちに止め、許可申請や完成検査を受ける準備に入る3. 報告・記録の不備は、正確な内容で速やかに出し直す4. 法人なら107条の両罰規定を見込んで社内記録を整え、早い段階で弁護士に相談する
時効(請求できる期限):本条の罪は罰金刑のみなので、公訴時効は3年である(刑事訴訟法250条2項6号)。起算点は犯罪行為が終わった時(同253条1項)。無許可工作物の使用を続けている場合は、使用をやめるまで時効が進まないと解される余地がある(実務上の扱いは事案ごとに要確認)。監督処分(75条)には時効の定めがない
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和39年(1964年) 新設:旧河川法(明治29年)を全面的に改めた新河川法の制定に伴い、罰則章の一条として設けられた。
- 河川法 第26条工作物の新築等の許可、3号の前提
- 河川法 第27条土地の掘削・竹木伐採等の許可
- 河川法 第102条河川区域本体での違反の重い罰則
- 河川法 第75条除却・原状回復を命じる監督処分
- 河川法 第107条法人にも罰金を科す両罰規定(現行効力を要確認)
- 宅地造成及び特定盛土等規制法 第12条盛土工事の許可制が並行して及ぶ(現行効力を要確認)
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