河川法 第105条
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- 次の各号のいずれかに該当する者は、三十万円以下の罰金に処する。
- 一第四十四条第一項の規定による指示に従わなかつた者
- 二第四十七条第一項前段に規定する操作規程の承認を受けないで、ダムを流水の貯留又は取水の用に供した者
- 三第四十七条第三項の規定に違反して、ダムを操作した者
- 四詐欺その他不正な手段により、第二十三条、第二十六条第一項、第二十七条第一項、第五十五条第一項若しくは第五十八条の四第一項の許可又は第二十三条の二の登録を受けた者
- 五詐欺その他不正な手段により、第三十条第一項の規定による検査に合格して、工作物を使用した者
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 河川法第105条は、日本の河川法に含まれる条文です。
- 河川法第105条の条文原文は「次の各号のいずれかに該当する者は、三十万円以下の罰金に処する。」で始まります。
- 河川法第105条は第七章に置かれています。
- 河川法の公布日は昭和39年7月10日です。
- 河川法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年4月5日時点では廃止情報はありません。
- 河川法第105条の前の条は河川法第104条です。
- 河川法第105条の次の条は河川法第106条です。
- 河川法第105条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
河川法(昭和三十九年法律第百六十七号)第105条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/339AC0000000167 - 本サイト収録
河川法(昭和三十九年法律第百六十七号)第105条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年4月5日)https://lawplayer.com/jp/article/339AC0000000167/105
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点河川法105条は、ダム操作規程の未承認運用や違反操作、河川管理者の指示違反、不正な手段による許可・登録取得などを三十万円以下の罰金に処す規定。罰金は前科となる。
Q · ダムの操作規程を守らなかったり、河川の許可を不正に取ったりすると、どんな罰がある?
三十万円以下の罰金。刑罰なので前科も残る
河川法105条により、河川管理者の指示(44条1項)に従わない行為、承認を受けていない操作規程でのダム運用、承認済み操作規程に反する操作、詐欺その他不正な手段による許可・登録の取得、不正な手段で完成検査に合格して工作物を使う行為は、三十万円以下の罰金の対象となります。罰金は刑罰であり、前科になります。さらに、不正に得た許可は75条の監督処分で取り消されうるため、事業への影響は罰金額よりはるかに大きくなります。
解説
三十万円。河川法の罰則の中では軽い部類に見える金額だが、この条文の対象は、河川を「使う側」の中でも特に大きな力を持つ者である。具体的にはダムの設置者と、許可という通行証を手にした事業者だ。処罰されるのは五つの行為である。第一に、河川の従前の機能を守るための河川管理者の指示(44条1項)に従わないこと。第二に、操作規程(ダムの貯水・放流の手順書)の承認を受けないまま、ダムで水を貯めたり取水したりすること。第三に、承認された操作規程に反してダムを動かすこと。第四に、うそや不正な手段で水利権・工作物設置などの許可や登録を受けること。第五に、不正な手段で完成検査に合格し、工作物を使用することである。見落とされがちなのは、罰金が刑罰だという点だ。行政上の過料と違い、科されれば前科になる。さらに不正に得た許可は監督処分(75条)で取り消されうる。罰金の額よりも、事業の土台そのものを失うリスクのほうがはるかに重い。発注者から「書類はうまく整えておいて」と頼まれる現場担当者も、この条文が届く範囲にいる。
法的な位置づけ
河川法第105条は、ダム設置者および河川の使用許可等を受ける者を主な対象とする罰則規定である。河川管理者の指示違反、操作規程の未承認運用と規程違反の操作、不正な手段による許可・登録の取得、不正な手段による完成検査の合格と工作物の使用という五類型について、三十万円以下の罰金を法定刑として定める。
よくある質問 AI による整理
Q1河川法105条とは?
ダムの操作規程違反、河川管理者の指示違反、不正な手段による許可・登録の取得、不正な検査合格後の工作物使用を、三十万円以下の罰金に処する罰則規定です。
Q2河川法違反の罰金はいくら?
本条の五類型は三十万円以下の罰金です。無許可の占用など、より根本的な違反は別の条文でさらに重い刑が定められており、違反内容によって刑の重さが段階的に分かれています。
Q3河川管理者の指示に従わないとどうなる?
44条1項の指示に従わなければ本条により三十万円以下の罰金の対象です。不服がある場合は、放置せずに審査請求などの正式な手続で争うことを検討します。
Q4ダムの緊急放流は違法?
違法ではありません。異常洪水時防災操作は各ダムの承認済み操作規程に定められた手順です。問題になるのは、規程に定められた手順から外れて操作した場合です。
Q5河川法違反の時効はいつまで?
罰金刑のみの罪の公訴時効は3年です(刑事訴訟法250条2項6号)。起算点は犯罪行為が終わった時で、不正取得した許可で使用が続く場合は個別判断となります。
Q6小水力発電の登録で虚偽申請するとどうなる?
23条の2の登録を詐欺その他不正な手段で受けると、本条の罰金刑の対象です。登録制は手続が簡素ですが、申請内容の真実性に対する責任は許可制と同じく重いものです。
Q7河川法違反で会社も罰せられる?
違反行為をした個人が処罰されるうえ、法人にも罰金を科す両罰規定が河川法に置かれています。担当者個人の問題として片付けることはできません。
Q8完成検査を不正に通すと何罪?
30条1項の完成検査に不正な手段で合格し、工作物を使用すると本条違反で三十万円以下の罰金です。供用を開始した時点で違反が成立しうる点に注意が必要です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1ダムの操作規程って、承認を取ったあとは会社の判断で書き換えていいの?
書き換えられない。操作規程は設置者が定めて河川管理者の承認を受けるもので(47条1項)、変更するときも改めて承認が必要になる。承認のない規程のままダムで貯水・取水すれば本条の対象である。実務のポイント:見落とされやすいのは、現場が実際に使っている運用マニュアルと、承認済みの規程とのずれだ。人事異動のタイミングで両者を突き合わせるだけで、違反の芽の多くは摘める
Q2申請書の数字をちょっと盛ったくらいでも『詐欺』になるんですか?
本条の「詐欺その他不正な手段」は刑法の詐欺罪と同じ意味ではない。虚偽の記載や資料で許可を得れば該当しうる(該当するかは個別判断)。不正に得た許可は75条の監督処分で取り消されうる。実務のポイント:刑事と行政は別々のルートで進む。刑事事件が不起訴で終わっても、許可取消の手続は止まらない。「起訴されなかったから大丈夫」と考えるのは危険である
Q3三十万円以下の罰金でも前科ってつくの?
つく。罰金は刑法9条に定める刑罰であり、行政上の過料とは別物である。この規模の事件は略式手続で処理されることが多い。実務のポイント:略式手続では、事前に「略式でよいか」の同意書を求められる。サインすれば公開の法廷を経ずに罰金が確定し、前科として残る。争う余地があるなら、サインする前に弁護士に相談すべきである
間違えやすい点 AI による整理
- 「三十万円払えば終わり」と考えるのは深刻度の読み違いである。罰金は刑法上の刑罰なので前科として残る。不正に得た許可は75条の監督処分で取り消されうるし、公共工事に関わる会社であれば、自治体の指名停止の判断材料にもなりうる。罰金の額は、連鎖して失うものの入口でしかない
- 経営者から見れば「担当者が勝手にやった書類ミス」でも、法律から見れば話は違う。実際に虚偽の書類を作って提出した個人が行為者として処罰対象になる。そのうえで、法人も両罰規定によって罰金を科されうる。会社が責任を引き取ってくれるという前提は成り立たない
- 現場では「ダムを安全に操作したか」が問われていると思いがちだが、問いの立て方がずれている。本条が問うのは「承認された操作規程どおりに操作したか」である。結果的に被害が出なかったとしても、規程を外れた操作は違反になりうる。安全かどうかの判断基準は、現場の勘ではなく承認済みの手順書に置かれている
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規定の性質 | 河川法105条:刑事罰(三十万円以下の罰金) | 河川法47条:操作規程の承認・遵守義務(行為規範) 河川法75条:許可取消等の監督処分(行政処分) |
| 誰が科すか | 裁判所(略式手続を含む刑事手続) | 河川管理者が規程を承認 河川管理者 |
| 違反した場合の帰結 | 罰金刑が確定すると前科となる | 違反操作は105条の処罰対象となる 許可を失い、事業の継続が困難になりうる |
| 手続の独立性 | 不起訴でも行政処分は別途進みうる | 規程変更にも改めて承認が必要 刑事手続の結果を待たずに行われうる |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も水利事業・水庫の運用を許可制で管理し、違反には罰則を置く。日本と同様、行政上の許可制度の実効性を罰則で担保する構造である
韓国の河川法も河川の占用許可等を定め、不正な許可取得などに罰則を置く。日本の河川法と制度設計が類似する
ドイツでは水管理法上の違反の多くを秩序違反(Bußgeld)として扱う。日本の罰金刑(刑罰)とは法的性質が異なる点に注意が必要
米国は航行可能水域での無許可の構造物設置を禁止し、違反に刑事罰を科す。許可は陸軍工兵隊が所管する
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 台風の接近で下流の水位が上がるなか、管理所長が操作規程の手順を飛ばしてゲートを開けたらどうなるか? 承認された規程に反する操作は47条3項違反として本条の対象になる。判断が正しかったかどうかは、後から操作記録と規程を突き合わせて検証される
- 建設コンサルタントのあなたは、河川区域内の工作物設置許可(26条1項)の申請書を作成している。発注者に急かされ、流下能力の計算値を都合よく丸めた。許可が下りた時点で「不正な手段により許可を受けた」状態が完成し、申請者側だけでなく書類を作ったあなた自身も責任を問われうる
- 既存の水利権の水を使う小水力発電の登録(23条の2)。手続が簡素だからこそ、申請内容の虚偽はそのまま本条の罰金刑につながる
- 樋門の竣工式まであと三日。完成検査(30条1項)の指摘事項が直っていないのに、検査日に仮設の部材で体裁だけ整えて合格させた。供用を開始した瞬間に、不正な手段で検査に合格して工作物を使用した者になる。式典の日程は言い訳にならない
取るべき行動
被害を受けた側:1. 下流の浸水や漁業被害がダム操作に起因すると疑われる場合、まず被害状況を写真と日時で記録する。2. 情報公開請求などで、操作記録と承認済み操作規程の開示を早めに求める。3. 規程からの逸脱が見つかれば、刑事告発を検討すると同時に、損害賠償(国家賠償法1条・2条、民法709条)の請求ルートを弁護士と組み立てる。4. 漁協や自治会など、被害者が集団で動ける窓口を確保する
訴えられた側:1. 操作記録、申請書の作成経緯、社内メールを直ちに保全し、改ざんと疑われる修正は一切しない。2. 規程から逸脱した操作が緊急時のやむを得ない判断だったのであれば、その時点の水位・雨量データで必要性を説明する。3. 虚偽記載を疑われた場合は、過誤なのか故意なのかを根拠資料で区別して示す。4. 許可取消(75条)という行政ルートは刑事手続とは別に進むため、弁護士と並行して対応する
時効(請求できる期限):罰金刑のみの罪の公訴時効は3年(刑事訴訟法250条2項6号)で、起算点は犯罪行為が終わった時(同253条)。被害者の民事請求は、損害および加害者を知った時から3年(人の生命・身体の侵害は5年、民法724条・724条の2)
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和39年(1964年) 新設:旧河川法を全部改正して現行河川法が制定され、河川管理の実効性を確保する罰則の一つとして本条が置かれた
- 2.平成25年(2013年) 改正:従属発電(既存の水利権の水を利用する小水力発電)の登録制(23条の2)が導入され、不正な手段による登録の取得も処罰対象に加わった
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