河川法 第16条の5(災害が発生した場合における国土交通大臣の実施する維持)
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- 国土交通大臣は、災害が発生した場合において、都道府県知事等から要請があり、かつ、当該都道府県知事等が統括する都道府県等における河川の維持の実施体制その他の地域の実情を勘案して、当該都道府県知事等が管理の一部を行う指定区間内の一級河川又は管理する二級河川に係る維持(河川の埋塞に係るものであつて、高度の技術を要するもの又は高度の機械力を使用して実施することが適当であると認められるものに限る。次項及び第六十五条の四において「特定維持」という。)を当該都道府県知事等に代わつて自ら行うことが適当であると認められる場合においては、第九条第二項及び第五項並びに第十条第一項及び第二項の規定にかかわらず、その事務の遂行に支障のない範囲内で、これを行うことができる。
- 2.国土交通大臣は、前項の規定により特定維持を行う場合においては、政令で定めるところにより、当該都道府県知事等に代わつてその権限を行うものとする。
この条文の基本情報
災害が発生した場合における国土交通大臣の実施する維持とは何ですか?
定義災害が発生した場合における国土交通大臣の実施する維持とは、河川法第16条の5に定められた規定で、「国土交通大臣は、災害が発生した場合において、都道府県知事等から要請があり、かつ、当該都道府県知事等が統括する都道府県等における河川の維持の実施体制その他の地域の…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 河川法第16条の5(災害が発生した場合における国土交通大臣の実施する維持)は、日本の河川法に含まれる条文です。
- 河川法第16条の5の条文原文は「国土交通大臣は、災害が発生した場合において、都道府県知事等から要請があり、かつ、当該都道府県知事等が統括する都道府県等における河川の維持の実施体制その他の地域の…」で始まります。
- 河川法第16条の5は第二節 河川工事等に置かれています。
- 河川法の公布日は昭和39年7月10日です。
- 河川法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年4月5日時点では廃止情報はありません。
- 河川法第16条の5の前の条は河川法第16条の4です。
- 河川法第16条の5の次の条は河川法第17条です。
- 河川法第16条の5には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
河川法(昭和三十九年法律第百六十七号)第16条の5 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/339AC0000000167 - 本サイト収録
河川法(昭和三十九年法律第百六十七号)第16条の5(LawPlayer 収録、取得日 令和8年4月5日)https://lawplayer.com/jp/article/339AC0000000167/16_5
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点河川法16条の5は、災害時に都道府県知事等の要請があれば、国土交通大臣が高度な技術や機械力を要する河川の埋塞対応(特定維持)を代行できると定める。
Q · 災害で県の川が土砂で埋まったら、国が代わりに撤去してくれるの?
県の要請と国の判断がそろえば、国が代わりに撤去できる
河川法16条の5第1項により、災害発生時に都道府県知事等から要請があり、地域の実施体制などを勘案して適当と認められる場合、国土交通大臣は県等に代わって河川の埋塞対応を行えます。対象は高度の技術または高度の機械力を要するもの(特定維持)に限られ、国の事務に支障のない範囲で実施されます。第2項により、代行中は国が知事等の権限を行使するため、処分の名義や不服申立ての相手方が変わる点に注意が必要です。
解説
豪雨のあと、県が管理する川が土砂や流木で埋まった。重機も専門技術者も足りない県の担当課は、手が回らない。河川法16条の5が用意しているのは、県知事などが国に「代わりにやってほしい」と要請できる仕組みである。国土交通大臣は、地域の事情を考えたうえで適当と判断すれば、県に代わって土砂を取り除くなどの維持を自ら行える。ただし対象は「特定維持」に限られる。川の埋塞(川が土砂などで埋まること)への対応のうち、高度な技術が必要なもの、または大型機械の投入が適当なものだけだ。草刈りや護岸の小さな補修は含まれない。さらに第2項によって、国は県知事の「権限」そのものを代わりに行使する。ここが実務の急所である。工事中に出された命令や処分(役所があなたに直接下す具体的な決定、例:立入りの通知や占用許可に関する判断)に不服があるとき、相手方が県なのか国なのかを取り違えると、審査請求も訴訟も入口でつまずく。災害直後の現場で最初に確かめるべきなのは、誰の名前で物事が動いているかだ。
法的な位置づけ
特定維持とは、河川法16条の5第1項が定める、都道府県知事等が管理する指定区間内の一級河川または二級河川の維持のうち、河川の埋塞に係るものであって、高度の技術を要するもの又は高度の機械力を使用して実施することが適当と認められるものをいう。災害時、知事等の要請に基づき国土交通大臣がこれを代行し、その際は知事等の権限を代わって行使する。
よくある質問 AI による整理
Q1河川法16条の5とは何ですか?
災害時、県等が管理する河川の埋塞対応のうち高度な技術や機械力が必要なものを、知事等の要請により国土交通大臣が代行できる規定です。
Q2特定維持とは何ですか?
河川の埋塞に係る維持で、高度の技術を要するか高度の機械力の使用が適当なものです。草刈りや小規模補修は含まれません。
Q3国の権限代行はいつ始まりますか?
災害の発生、都道府県知事等からの要請、国による適当性の判断の三つがそろったときです。要請がなければ国は代行できません。
Q4市町村から国に直接代行を要請できますか?
条文上、要請の主体は都道府県知事等です。市町村や住民は、県に対して国への要請を働きかける形になります。
Q5権限代行中の処分は誰の名義で出ますか?
第2項により国土交通大臣が知事等の権限を代行するため、国の名義で出ることがあります。通知の発出者欄を必ず確認してください。
Q6国が代行した工事の費用は誰が負担しますか?
特定維持の費用負担は河川法65条の4で定められています。負担割合の詳細は最新の条文と政令で確認が必要です。
Q7二級河川でも国が代行できますか?
できます。対象は知事等が管理の一部を行う指定区間内の一級河川と、知事等が管理する二級河川の双方です。
Q8国が代行すれば県の責任はなくなりますか?
一概には言えません。国家賠償法3条は費用負担者の責任も定めるため、損害賠償では国と県の双方を検討する必要があります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1県の川なのに、国が勝手に工事に入ってくることってあるんですか?
勝手にはできない。16条の5第1項は、災害の発生と県知事などからの要請を前提にしており、国はそのうえで地域の実施体制などを考えて適当なときに限って代行できる。対象も高度な技術や機械力を要する埋塞対応に絞られている。実務のポイント:要請を出すかどうかは県側の判断に左右される。住民や市町村が早く声を上げた地域ほど、要請の検討も早く進みやすい
Q2国が代わりに工事した川で、そのあと浸水したら誰を訴えればいいの?
第2項により、代行中は国が県知事の権限を行使する。河川の管理の不備による損害は国家賠償法2条の問題になり、同法3条では費用負担者も責任を負いうる。費用負担は河川法65条の4などで定められている。実務のポイント:未改修の河川の管理の不備は、大東水害判決(最判昭和59.1.26)以来、認められるハードルが高い。被告選びと同じくらい、工事前後の状況を写した写真が勝負を分ける
間違えやすい点 AI による整理
- 「大災害なら国が当然すべての川を直してくれる」と思われがちだが、16条の5は自動では発動しない。県知事などからの要請、地域の実施体制を踏まえた国の判断、さらに対象は高度な技術や機械力を要する埋塞対応に限られる。要件がそろわなければ、作業は県が担い続ける
- 国が出てきてくれれば安心、という受け止め方は半分しか正しくない。住民から見れば、作業する主体が強くなっただけに見える。法律上は、県知事の権限を国が代わって行使する状態に変わっている。処分への不服や損害の請求で相手を誤れば、期限内に正しい手続を取れないまま権利を失うおそれがある
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 管理・実施の主体 | 河川法16条の5:災害時に国土交通大臣が知事等に代わって特定維持を実施 | 河川法9条:一級河川は大臣管理、指定区間は知事が管理の一部を行う 河川法10条:二級河川は都道府県知事が管理 |
| 発動要件 | 災害発生+知事等の要請+地域実情を勘案した適当性の判断 | 平時の役割分担として常時適用 平時の役割分担として常時適用 |
| 対象となる行為 | 埋塞に係る維持のうち高度の技術・機械力を要するもの(特定維持)に限定 | 河川管理全般(指定区間は政令の範囲で知事が実施) 二級河川の管理全般 |
| 処分の名義・相手方 | 代行中は大臣が知事等の権限を行使(第2項) | 指定区間内は原則として知事 原則として知事 |
他国ではどう定めているか 3 か国
台湾では中央管河川と県市管河川が分かれ、災害時は地方政府が上級機関に支援を求める枠組みがあるが、権限ごと代行する明文構造は本条と異なる
ドイツでは河川維持は州法と地方の主体が担い、連邦が州の権限を代行する仕組みは置かれていない
米国では非連邦の管理者の要請を受けて陸軍工兵隊が緊急の洪水対応や復旧を支援する制度があり、要請を起点とする点が本条と近い
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 台風の翌週、自宅裏の県管理河川に流木と土砂が積み上がり、次の雨で溢れそうだ。県に電話すると「国に代行を要請中」と言われた。工事は誰が、いつ始めるのか。窓口は県のままなのか、国の河川事務所に移るのか?
- あなたは地元の建設会社の社長で、国の河川事務所から土砂撤去工事の緊急発注を受けた。これまで県相手に結んできた契約書式や占用手続の感覚で動くと、書類の提出先も検査を受ける相手も違っていることに後から気付く。
- 国が代行した撤去工事のあとも、川沿いの田んぼにまた水が入った。国家賠償を考えるなら、損害を知った日から時効が進んでいる(民法724条により3年)。
取るべき行動
被害を受けた側:1. 埋塞の状況を日付入りの写真と動画で記録し、県の河川担当課に通報する2. 自治会単位で、国への特定維持の要請を検討しているか県に照会する3. 代行が始まったら、工事の主体と窓口が国の河川事務所に移ったかを確認する4. 浸水被害が出た場合は、管理者と費用負担者の両方を視野に入れて国家賠償法2条・3条に基づく請求を検討し、被害額の証拠を整理する
訴えられた側:1. 河川占用者や工事の受注者として処分や指示を受けたときは、発出者が国土交通大臣(代行)か県知事かを文書で確認する2. 不服があれば、処分庁を正しく特定したうえで審査請求または取消訴訟を検討する(取消訴訟の被告は行政事件訴訟法11条により処分庁の所属する国または公共団体) 3. 工事による損失は、補償規定の有無を河川事務所に照会し、記録を残す
時効(請求できる期限):処分への審査請求は、処分を知った日の翌日から3か月以内(行政不服審査法18条)。取消訴訟は処分を知った日から6か月以内(行政事件訴訟法14条)。国家賠償は、損害と加害者を知った時から3年、不法行為の時から20年(国家賠償法4条により民法724条を準用。人の生命・身体の侵害は5年、民法724条の2)。(最新の改正状況をご確認ください)
- 河川法 第9条一級河川の管理と指定区間の知事管理
- 河川法 第10条二級河川の知事等による管理
- 河川法 第16条の3国による改良工事の代行(現行効力を要確認)
- 河川法 第65条の4特定維持の費用負担(現行効力を要確認)
- 国家賠償法 第2条河川の管理の不備による賠償責任
- 国家賠償法 第3条費用負担者の賠償責任
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