河川法 第33条(許可等に基づく地位の承継)
クイックジャンプ
- 相続人、合併又は分割により設立される法人その他の第二十三条若しくは第二十四条から第二十七条までの許可又は第二十三条の二の登録を受けた者の一般承継人(分割による承継の場合にあつては、第二十三条、第二十四条若しくは第二十五条の許可若しくは第二十三条の二の登録に基づく権利を承継し、又は第二十六条第一項若しくは第二十七条第一項の許可に係る工作物、土地若しくは竹木若しくは当該許可に係る工作物の新築等若しくは竹木の栽植等をすべき土地(以下この条において「許可に係る工作物等」という。)を承継する法人に限る。)は、被承継人が有していたこれらの規定による許可又は登録に基づく地位を承継する。
- 2.第二十六条第一項又は第二十七条第一項の許可を受けた者からその許可に係る工作物等を譲り受けた者は、当該許可を受けた者が有していた当該許可に基づく地位を承継する。当該許可を受けた者から賃貸借その他により当該許可に係る工作物等を使用する権利を取得した者についても、当該工作物等の使用に関しては、同様とする。
- 3.前二項の規定により地位を承継した者は、その承継の日から三十日以内に、河川管理者にその旨を届け出なければならない。
この条文の基本情報
許可等に基づく地位の承継とは何ですか?
定義許可等に基づく地位の承継とは、河川法第33条に定められた規定で、「相続人、合併又は分割により設立される法人その他の第二十三条若しくは第二十四条から第二十七条までの許可又は第二十三条の二の登録を受けた者の一般承継人(分割による承…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 河川法第33条(許可等に基づく地位の承継)は、日本の河川法に含まれる条文です。
- 河川法第33条の条文原文は「相続人、合併又は分割により設立される法人その他の第二十三条若しくは第二十四条から第二十七条までの許可又は第二十三条の二の登録を受けた者の一般承継人(分割による承…」で始まります。
- 河川法第33条は第一款 通則に置かれています。
- 河川法の公布日は昭和39年7月10日です。
- 河川法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年4月5日時点では廃止情報はありません。
- 河川法第33条の前の条は河川法第32条です。
- 河川法第33条の次の条は河川法第34条です。
- 河川法第33条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
河川法(昭和三十九年法律第百六十七号)第33条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/339AC0000000167 - 本サイト収録
河川法(昭和三十九年法律第百六十七号)第33条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年4月5日)https://lawplayer.com/jp/article/339AC0000000167/33
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点河川法33条により、相続・合併では河川の許可の地位が当然に移り、工作物等の譲受けでは26条・27条の許可のみが移る。承継者は30日以内に河川管理者へ届け出る。
Q · 川沿いの施設を相続したり買ったりしたら、河川の許可も一緒に引き継げるの?
相続・合併なら移るが、水利権の売買には承認が要る
河川法33条1項により、相続や合併などの一般承継では、23条から27条までの許可と23条の2の登録に基づく地位が当然に移ります。売買などの譲受けで地位が移るのは、26条・27条の許可に係る工作物等だけです(同条2項)。23条の流水占用や24条の土地占用に基づく権利を譲り受けるには、34条の承認が必要です。どの経路でも、承継の日から30日以内に河川管理者へ届け出なければなりません(同条3項)。
解説
同じ川沿いの施設でも、手に入れ方しだいで川の許可がついてくるかどうかが変わる。河川法33条はそこを分けている。まず相続や合併の場合、親や消滅会社が持っていた許可(流水の占用、河川敷の占用、土石の採取、工作物の新築、掘削など)や登録は、そのままあなたに移る。改めて申請する必要はない。次に売買の場合は、何を買ったかで結論が変わる。26条・27条の許可がついた工作物や土地を買ったり借りたりすれば、許可の地位も一緒に移る。一方、水利権(23条)や河川敷の占用権(24条)は、物を買っても自動では移らない。権利を譲り受けるには34条の承認が要る。そして、どの経路で引き継いだ場合も、承継の日から30日以内に河川管理者(一級河川は原則として国土交通大臣、一部区間と二級河川は都道府県知事)へ届け出なければならない。契約書の名義が変わったことと、役所の台帳の名義が変わったことは、別々の話である。
法的な位置づけ
河川法33条は、河川の使用に関する許可・登録に基づく地位の承継を定める規定である。相続人・合併法人等の一般承継人は23条から27条までの許可及び23条の2の登録に基づく地位を承継し、26条1項・27条1項の許可に係る工作物等の譲受人は当該許可に基づく地位を承継する。承継者はいずれも30日以内に河川管理者へ届け出る義務を負う。
手順
- 1.承継の経路を確定する 相続・合併・会社分割・譲受け・賃借のどれで引き継いだのかを確定する。経路によって、地位が当然に移る範囲(33条1項・2項)と、34条の承認が必要な範囲が変わる
- 2.前の名義人の許可書を条文ごとに仕分ける 許可書の写しを集め、根拠条文(23条・23条の2・24条・25条・26条・27条)、許可期限、許可条件を一覧にする。23条・24条の権利を譲り受けで取得する場合は、承認が必要な項目として印を付ける
- 3.30日以内に地位承継届を提出する 承継の日から30日以内に、河川管理者(一級河川は国の河川事務所等、二級河川は都道府県の土木事務所等)へ地位承継の届出をする。様式と添付書類は事前に窓口で確認する
- 4.承認申請と更新申請を並行して進める 23条・24条・25条の権利を譲受けで取得する場合は34条の承認を申請し、承認が下りるまで使用を始めない。許可期限が近い場合は、更新申請も同時に準備する
よくある質問 AI による整理
Q1河川法の地位承継届とは何ですか?
相続・合併・譲受けなどで河川の許可や登録に基づく地位を引き継いだ人が、承継の日から30日以内に河川管理者へ出す届出です(河川法33条3項)。
Q2河川占用許可の名義変更の方法は?
承継の経路を示す書類(戸籍謄本、登記事項証明書、売買契約書など)を添えて、河川管理者の窓口に地位承継届を出します。ただし23条・24条の権利を売買で取得するときは、34条の承認申請が別に必要です。
Q3河川法の地位承継届はいつまでに出す?
承継の日から30日以内です。起算点は、相続なら相続開始日、合併・分割なら効力発生日、譲受け・賃借なら権利を取得した日です。
Q4水利権は売買できる?
23条の流水占用許可に基づく権利は、河川管理者の承認がなければ譲渡できません(河川法34条)。取水設備を売っても、承認がない限り権利は移りません。
Q5河川敷の占用許可は相続できる?
できます。河川法33条1項により、相続人は被相続人が持っていた占用許可の地位を当然に承継します。ただし30日以内の届出は必要です。
Q6会社分割で河川の許可は移る?
許可や登録に基づく権利、または許可に係る工作物等を承継する法人にだけ移ります。分割で生まれた法人すべてに移るわけではありません。
Q7河川区域内の建物を貸したら許可はどうなる?
26条・27条の許可に係る工作物等を借りた人は、その使用に関して許可の地位を承継します。借り手も許可条件を守る立場になります(33条2項後段)。
Q8承継した河川許可の期限はリセットされる?
リセットされません。承継するのは前の名義人の地位そのものなので、許可期間と許可条件もそのまま引き継がれます。期限が近ければ、すぐ更新手続が必要です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1親から相続した河川敷の占用許可、届出を忘れてたら許可って消えちゃうんですか?
消えない。33条1項により、相続人は被相続人の許可の地位を法律上当然に承継する。届出は承継の条件ではなく、承継した後に果たす義務である。ただし、届出がないと行政からの通知や更新の案内は前の名義人宛てに送られ続ける。実務のポイント:本当に怖いのは届出の遅れよりも、許可期限が切れていることに気付かないまま使い続け、無許可占用の状態になることである
Q2取水設備ごと工場を売りたいんですけど、水利権も一緒に売れますか?
設備を売るだけでは水利権は移らない。23条の流水占用許可に基づく権利の譲渡には、34条による河川管理者の承認が必要である。実務のポイント:合併であれば、33条1項により承認なしで地位が移る。会社分割でも、分割承継法人が許可に基づく権利を引き継げば移る。スキームを一つ変えるだけで、承認待ちの期間が丸ごとなくなることがある
Q3引き継いだ許可の期限って、承継した日からまたカウントし直しになりますか?
ならない。33条で承継するのは被承継人が持っていた地位そのものなので、許可期間も許可条件も以前のまま引き継がれる。期限が近ければ、すぐに更新の手続が必要になる。実務のポイント:水利権のように許可期間が長い権利は、承継した時点で更新時期が迫っていることがあり、更新のときに使用実績を細かく確認される。前の名義人の取水量の記録も一緒に引き継いでおくこと
間違えやすい点 AI による整理
- 「工場を丸ごと買えば、取水の権利もついてくる」と考えがちだが、そうはならない。33条2項で譲受人に地位が移るのは、26条・27条の許可に係る工作物等に限られる。23条の流水占用や24条の土地占用に基づく権利は、34条の承認を受けなければ譲渡できない。事業譲渡と合併では、川の権利について結論が正反対になる
- 買い手から見れば、30日以内の届出は書類を一枚出すだけの事務作業である。しかし河川管理者から見れば、届出がない限り、許可条件の遵守や監督処分(75条)の相手方として台帳に載っているのは前の名義人のままである。行政からの連絡が届かないまま、知らないうちに是正命令の宛先からも外れている。この認識の差が、後で一番高くつく
- 「許可を引き継いだのだから、期限も新しく始まる」という問いの立て方そのものが誤っている。33条で承継されるのは被承継人が持っていた地位そのものなので、許可期間も許可条件も前の名義人のものをそのまま引き継ぐ。承継の3か月後に許可期限が切れることもありうる。承継したらすぐに許可書の期限欄を確認すべきである
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律する場面 | 河川法33条:一般承継と、工作物等の譲受け・賃借による地位の承継 | 河川法34条:23条から25条までの許可に基づく権利の譲渡 河川法23条・24条:流水・土地の占用許可そのもの |
| 行政の関与 | 地位は法律上当然に移り、事後30日以内に届出 | 事前に河川管理者の承認がなければ譲渡できない 新規取得には河川管理者の許可が必要 |
| 売買で移るもの | 26条・27条の許可に係る工作物等に結びついた許可の地位 | 承認を受けた流水占用権・土地占用権・土石採取権 売買だけでは移らない(34条の承認が必要) |
| 手続を怠った場合 | 地位は失われないが、台帳上の名義人は前の者のまま | 承認のない譲渡は効力を生じず、無許可使用になりうる 無許可占用として監督処分(75条)の対象になりうる |
他国ではどう定めているか 2 か国
台湾では水権は登記制度で管理され、移転には登記手続が必要である。河川区域の使用許可も名義変更の手続を要し、相続か売買かで手続が分かれる点は日本と共通する
ドイツでは、水利用の許可は原則として施設や土地とともに権利承継人へ移るとされ、物に結びついた許可という考え方がより明確である
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 父が亡くなった。家業の砂利会社は河川敷を資材置き場として占用する許可を持っていた。相続によって許可の地位は自動的にあなたへ移る。ただし届出の期限は承継の日から30日で、四十九日の法要より先に来る。葬儀と相続手続に追われているうちに、この30日は簡単に過ぎてしまう
- 事業譲渡で川沿いの工場を買い取った場合、工場が使っていた取水の権利(流水の占用許可)も一緒についてくるのか? 答えは否である。23条の許可に基づく権利は、33条2項の「譲受けで地位が移る」対象に入っていない。34条により河川管理者の承認を受けない限り、権利は譲渡できない。取水ポンプを買っても、水を取る権利は買えていない
- あなたは河川区域内に許可を得て建てた艇庫を、ボート部の OB 会に貸している。貸した時点で、借り手は艇庫の使用について許可の地位を承継する。つまり許可条件を守る義務も、使用に関しては借り手が負うことになる。賃貸借契約に許可条件を書き込んでいなければ、借り手はその義務を知らないまま使い続ける
- 会社分割で、本社機能は新会社 A に、川沿いの船着場は新会社 B に移した。許可の地位が移るのは、船着場そのもの、またはその許可に基づく権利を引き継いだ B だけである
- 友人が、川へ降りる石段がついた古民家を買って喜んでいる。その石段が26条の許可を得た工作物なら、許可の地位は売買と同時に友人へ移る。ただし30日以内に届け出る義務も一緒に移る。不動産屋も司法書士も、そこまでは教えてくれないことが多い
取るべき行動
被害を受けた側:1. 相続、合併、分割、譲受け、賃借のどれで承継したのかを確定させる。地位が移る範囲は経路ごとに違う2. 前の名義人の許可書を入手し、根拠条文、許可期限、許可条件を確認する3. 承継の日から30日以内に、河川管理者(国の事務所または都道府県の土木事務所)へ地位承継の届出をする4. 23条・24条の権利を譲受けで取得しようとしている場合は、別途34条の承認申請が必要になる。承認が下りるまでは使用を始めない
訴えられた側:1. 届出を忘れていたことに気付いたら、ただちに届け出る。地位そのものは33条によって法律上当然に移っているので、届出が遅れても許可が消えるわけではない。ただし届出義務違反への制裁規定は確認しておく(最新の改正状況をご確認ください) 2. 承認なしで水利権や占用権を使っていると指摘された場合は、承継の経路(合併か事業譲渡か)を示す登記や契約書をそろえ、33条1項による承継なのかを説明する3. 承継の経路として説明できない部分は、34条の承認申請や新規の許可申請で手当てする
時効(請求できる期限):地位を承継した日から30日以内に河川管理者へ届け出る(河川法33条3項)。相続の場合は相続開始日、合併・分割の場合は効力発生日、譲受け・賃借の場合は権利を取得した日が起算点になる。あわせて、承継した許可そのものの期限を必ず確認すること
学説
通説(対人的許可・対物的許可の区別):許可は人の資格に着目するものと物の状態に着目するものに分かれ、後者は物とともに移転しうる。河川法33条は、一般承継では全面的に、特定承継では26条・27条の工作物等についてのみ承継を認め、公共財の利用権そのものの移転は34条の承認に委ねている
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和39年(1964年) 新設:現行河川法の制定とともに、許可に基づく地位の承継と届出義務を定める規定として設けられた
- 河川法 第23条流水の占用許可、承継対象の地位
- 河川法 第24条河川区域内の土地の占用許可
- 河川法 第26条工作物新築等の許可、譲受けで承継
- 河川法 第34条許可に基づく権利の譲渡には承認が必要
- 河川法 第75条承継人も対象となる監督処分
- 民法 第896条相続による包括承継の一般原則
- 会社法 第750条吸収合併による権利義務の承継
ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。
ログインして共同ノートを始める