河川法 第65条の3(国土交通大臣の施行する特定河川工事に要する費用)
クイックジャンプ
- 第十六条の四第一項の規定により国土交通大臣が行う特定河川工事(二級河川の修繕を除く。以下この項において同じ。)に要する費用は、政令で定めるところにより、国が負担金等相当額(都道府県知事等が自ら当該特定河川工事を行うこととした場合に国が当該都道府県知事等が統括する都道府県等に交付すべき負担金又は補助金の額に相当する額をいう。以下この項において同じ。)を、当該都道府県等が当該特定河川工事に要する費用の額から負担金等相当額を控除した額を負担する。
- 2.第十六条の四第一項の規定により国土交通大臣が行う二級河川の修繕に要する費用は、政令で定めるところにより、当該都道府県等の負担とする。
- 3.第十六条の四第一項の規定により国土交通大臣が行う特定河川工事により、前二項の費用の全部又は一部を負担する都府県以外の都府県が著しく利益を受ける場合においては、当該費用の全部又は一部を負担する都府県は、その受益の限度において、当該都府県が負担すべき費用の一部を当該利益を受ける都府県に負担させることができる。
- 4.第十六条の四第一項の規定により国土交通大臣が行う特定河川工事について、第一項又は第二項の規定によりその費用を指定都市が負担する場合において、都道府県が当該都道府県の区域(その区域内に当該指定都市が存する都道府県にあつては、当該指定都市の区域を除く。)について著しく利益を受けるときは、当該指定都市は、その受益の限度において、当該指定都市が負担すべき費用の一部を当該利益を受ける都道府県に負担させることができる。
- 5.第六十三条第四項の規定は、前二項の場合について準用する。
- 6.国土交通大臣が第十六条の四第一項の規定により特定河川工事を行う場合においては、まず全額国費をもつてこれを行つた後、都道府県等は、政令で定めるところにより、第一項又は第二項の規定により都道府県等が負担すべき費用について、国庫に納付しなければならない。この場合において、第三項又は第四項の規定により利益を受ける都道府県が負担すべき費用があるときは、当該利益を受ける都道府県は、政令で定めるところにより、当該都道府県等に対してその費用を支出しなければならない。
この条文の基本情報
国土交通大臣の施行する特定河川工事に要する費用とは何ですか?
定義国土交通大臣の施行する特定河川工事に要する費用とは、河川法第65条の3に定められた規定で、「第十六条の四第一項の規定により国土交通大臣が行う特定河川工事(二級河川の修繕を除く。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 河川法第65条の3(国土交通大臣の施行する特定河川工事に要する費用)は、日本の河川法に含まれる条文です。
- 河川法第65条の3の条文原文は「第十六条の四第一項の規定により国土交通大臣が行う特定河川工事(二級河川の修繕を除く。」で始まります。
- 河川法第65条の3は第三章 河川に関する費用に置かれています。
- 河川法の公布日は昭和39年7月10日です。
- 河川法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年4月5日時点では廃止情報はありません。
- 河川法第65条の3の前の条は河川法第65条の2です。
- 河川法第65条の3の次の条は河川法第65条の4です。
- 河川法第65条の3には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
河川法(昭和三十九年法律第百六十七号)第65条の3 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/339AC0000000167 - 本サイト収録
河川法(昭和三十九年法律第百六十七号)第65条の3(LawPlayer 収録、取得日 令和8年4月5日)https://lawplayer.com/jp/article/339AC0000000167/65_3
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点河川法65条の3は、国が都道府県に代わり行う特定河川工事の費用につき、国は県が自ら施工した場合の補助相当額のみを負担し、残額は県が負担すると定める。
Q · 国が県の代わりに河川工事をしたら、費用は国が全部払うの?
国の負担は補助相当額だけで、残りは県が払う
河川法65条の3第1項により、国が負担するのは、都道府県等が自ら特定河川工事を行った場合に国から交付されたはずの負担金・補助金に相当する額だけです。残額は都道府県等の負担となり、二級河川の修繕は第2項により全額が都道府県等の負担です。第6項により国が全額を立て替えた後、都道府県等が負担分を国庫に納付します。
解説
国の名前で着工した堤防工事でも、請求書の大半は県に届く。河川法65条の3は、国土交通大臣が16条の4第1項に基づき、都道府県知事等に代わって行う「特定河川工事」の費用を、誰がいくら負担するかを決めている。第1項によれば、国が負担するのは「負担金等相当額」だけである。これは、県が自分で工事をした場合に国から受け取れたはずの負担金・補助金と同じ額をいう。残りは県(または指定都市)が負担する。つまり、国が代わりに工事をしても、費用の割合は県が自分で工事をした場合と変わらない。変わるのは、施工する技術力と工事の速さである。二級河川の修繕にいたっては、第2項により全額が県の負担になる。第6項は支払いの順番を定めている。まず国が全額を立て替え、後から県が負担分を国庫に納付する。県の財布から先にお金が出ていかないのは、被災直後の自治体にとって大きな意味を持つ。ただし請求は必ず後から来る。県議会の資料で「国が施工」とあるのを見て、県の負担はないと考えるのは早合点である
法的な位置づけ
河川法65条の3は、国土交通大臣が同法16条の4第1項に基づき都道府県知事等に代わって施行する特定河川工事の費用負担を定める規定である。国の負担を負担金等相当額に限定し、残額を都道府県等の負担とするほか、二級河川の修繕費用の全額地方負担、他の都府県等への受益者負担、国による全額立替後の国庫納付の手続を定める。
よくある質問 AI による整理
Q1特定河川工事とは何ですか?
河川法16条の4第1項に基づき、国土交通大臣が都道府県知事等に代わって行う河川工事です。高度な技術や機械力が必要な工事が想定されています。
Q2権限代行の費用は誰が負担する?
国は都道府県等が自ら施工した場合の補助相当額のみを負担し、残額は都道府県等が負担します(河川法65条の3第1項)。
Q3二級河川の修繕を国が代行したら費用はどうなる?
河川法65条の3第2項により、二級河川の修繕に要する費用は全額が都道府県等の負担となります。国の負担はありません。
Q4国庫納付金はいつ支払う?
国がまず全額国費で工事を行い、その後に都道府県等が政令の定めるところにより負担分を国庫に納付します(第6項)。時期・方法は河川法施行令によります。
Q5指定都市も費用を負担する?
負担します。第1項・第2項の「都道府県等」には指定都市が含まれ、第4項は指定都市が県に受益分の負担を求める仕組みも定めています。
Q6他県に河川工事費用を負担させることはできる?
他の都府県が著しく利益を受ける場合に限り、受益の限度で費用の一部を負担させることができます(第3項)。手続は63条4項が準用されます。
Q7河川法の権限代行で県の負担は減る?
原則として減りません。国の負担は県が自ら施工した場合の補助相当額に固定されており、代行で変わるのは施工の主体と技術力です。
Q8受益者負担の「著しく利益を受ける」とは?
わずかな受益では足りず、相当程度の利益が必要と解されます。実務では浸水想定区域の縮小などの数値で受益を示すことが鍵になります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1国が代わりに工事したのに、なんで県がお金を払うんですか?
第1項の考え方は、施工者が変わっても費用の割合は変えないというものだからである。国が負担するのは、県が自分で工事をした場合に受け取れたはずの負担金や補助金と同じ額に限られる。実務のポイント:県が代行を要請するのは、お金を節約するためではなく、高度な技術と速さを借りるためである。そこを住民に説明できない議会答弁は、たいてい炎上する
Q2隣の県も得してるのに、うちの県だけ払うのは不公平じゃないですか?
第3項により、他の都府県が「著しく」利益を受けていれば、受益の限度でその県に負担させることができる。手続は第5項で63条4項を準用する。実務のポイント:この種の分担は、条文上は可能でも実際に使われる例は多くない。理由は受益を定量的に示すのが難しいことと、隣県との関係を気にすることにある。浸水想定区域図の変化を数値で用意できるかどうかが分かれ目になる
間違えやすい点 AI による整理
- 「国が代わりに工事をするのだから、費用も国持ち」と思われがちだが、第1項で国が負担するのは、県が自分で工事をした場合の国庫補助と同じ額だけである。残りは県が負担する。国による代行は、県の財政負担を減らす制度ではない
- 立替払い(第6項)があることは知られていても、その意味の大きさはあまり知られていない。被災直後の県は、税収が減り、災害対応の支出が膨らみ、資金繰りが最も苦しい時期にある。国が全額を先に出すことで工事を止めずに済む。一方で、負担が消えるわけではなく、支払いの時期が後ろにずれるだけである
- 「上流で工事をしたのだから、下流の県が払うのが公平だ」という議論は、問いの立て方がずれている。条文が求めているのは「上流か下流か」ではなく、「著しい利益」があるかどうかと、その利益の範囲である。利益が数値で示せなければ、方角の議論をしても誰も負担しない
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律対象 | 河川法65条の3:国が代行する特定河川工事の費用 | 河川法59条:河川管理費用一般(管理者負担の原則) 河川法63条:他の都府県が受益する場合の費用負担 |
| 負担の基本ルール | 国は負担金等相当額のみ、残額は都道府県等(二級河川修繕は全額都道府県等) | 一級河川は国、二級河川は管理する都道府県が負担(特別の定めがある場合を除く) 著しく利益を受ける都府県に受益の限度で負担させる |
| 本条との関係 | 代行工事について管理者負担原則の特則を置く | 原則規定(本条はその例外的調整) 第4項が本条第3項・第4項に準用される |
他国ではどう定めているか 3 か国
台湾も河川を中央管と県市管に区分し、事務の性質に応じて中央・地方の支出を分ける。国の代行工事に特化した負担割合固定の規定は日本ほど明確ではない
ドイツは連邦と州がそれぞれの任務に係る経費を負担する原則を憲法で定め、治水は主に州の任務とされる
米国は陸軍工兵隊の治水事業で連邦と非連邦スポンサー(州・地方)の費用分担割合を法定している
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 豪雨で県管理河川の堤防が切れ、高度な技術が必要だとして国が代行工事に入った。地元紙は「国が全面支援」と書いた。だが翌年度、県の補正予算に数十億円の国庫納付金が計上される。県議会で「国がやると言ったのに、なぜ払うのか」と聞かれたら、答えは本条第1項と第6項にある
- 上流の A 県で国が代行した工事のおかげで、下流の B 県の浸水リスクが大きく下がった。A 県は B 県に費用の一部を求められるか? 第3項は「著しく利益を受ける場合」に限り、受益の限度で負担させることができると定める。「著しく」をどう立証するかが交渉の中心になる
- あなたは指定都市の財政課の職員である。市が管理する二級河川で国が修繕を代行した。第2項により、費用は全額が市の負担になる。修繕は国の補助の対象外であり、それがそのまま反映されている
- 上流の工事で県の他の地域まで洪水リスクが下がったのに、負担は市だけが負っている。あと2か月で県との予算協議が締め切られる。第4項を根拠に県へ費用の分担を求める資料を、今週中に作り始めないと間に合わない
取るべき行動
被害を受けた側:負担割合や他県の受益に不満がある自治体の担当者向けの道筋である。1. 第1項の「負担金等相当額」が、県が自分で工事をした場合の補助率で正しく計算されているかを、国の通知と照合する2. 他の都府県や県内の他地域が受益している場合は、浸水想定などで受益を数値化し、第3項・第4項による分担を求める3. 第5項で準用される63条4項の手続(関係都府県の協議等)を確認し、議会日程から逆算して協議の時期を決める
訴えられた側:他の自治体から受益者として負担を求められた側の道筋である。1. 要件は「著しく利益を受ける」ことであり、わずかな受益では負担義務は生じない。相手の受益算定の根拠資料を出してもらう2. 負担は「受益の限度」までにとどまるため、範囲や金額が過大であれば数値で反論する3. 協議の経過を記録に残し、議会への説明に備える
時効(請求できる期限):本条自体に特定の期限はない。国庫への納付時期と方法は政令(河川法施行令)による。金銭債権の消滅時効は、国の債権なら会計法30条、地方公共団体の債権なら地方自治法236条で、いずれも原則5年である(最新の改正状況をご確認ください)
- 河川法 第16条の4大臣による特定河川工事の代行の根拠
- 河川法 第63条他都府県の受益者負担、第4項を準用
- 河川法 第59条河川管理費用は管理者負担の原則
- 河川法 第60条都道府県の費用負担の一般規定(現行効力を要確認)
- 公共土木施設災害復旧事業費国庫負担法 第3条河川の災害復旧に対する国庫負担の特則
- 地方財政法 第10条の2国が負担する建設事業経費の区分(現行効力を要確認)
ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。
ログインして共同ノートを始める