河川法 第69条(河川管理者以外の者が行なう工事等に要する費用)
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第二十条の規定により河川管理者以外の者が行なう河川工事又は河川の維持に要する費用は、当該河川工事又は河川の維持を行なう者が負担しなければならない。
この条文の基本情報
河川管理者以外の者が行なう工事等に要する費用とは何ですか?
定義河川管理者以外の者が行なう工事等に要する費用とは、河川法第69条に定められた規定で、「第二十条の規定により河川管理者以外の者が行なう河川工事又は河川の維持に要する費用は、当該河川工事又は河川の維持を行なう者が負担しなければならない。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 河川法第69条(河川管理者以外の者が行なう工事等に要する費用)は、日本の河川法に含まれる条文です。
- 河川法第69条の条文原文は「第二十条の規定により河川管理者以外の者が行なう河川工事又は河川の維持に要する費用は、当該河川工事又は河川の維持を行なう者が負担しなければならない。」で始まります。
- 河川法第69条は第三章 河川に関する費用に置かれています。
- 河川法の公布日は昭和39年7月10日です。
- 河川法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年4月5日時点では廃止情報はありません。
- 河川法第69条の前の条は河川法第68条です。
- 河川法第69条の次の条は河川法第70条です。
- 河川法第69条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
河川法(昭和三十九年法律第百六十七号)第69条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/339AC0000000167 - 本サイト収録
河川法(昭和三十九年法律第百六十七号)第69条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年4月5日)https://lawplayer.com/jp/article/339AC0000000167/69
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点河川法69条は、河川管理者以外の者が20条の承認を受けて行う河川工事・河川の維持の費用を、その工事等を行う者自身が負担すると定める。
Q · 河川管理者の承認をもらって自分で護岸工事をしたら、費用は誰が払うの?
承認を受けて自ら行った工事・維持は全額自己負担です
河川法69条により、20条の承認を受けて河川管理者以外の者が行う河川工事や河川の維持の費用は、その工事等を行う者が負担します。工事の効果が下流の住宅地など地域全体に及んでも、本条には公費で補填する規定がありません。また対象は工事費だけでなく、完成後の点検・補修・土砂撤去といった維持費にも及びます。自治体の補助制度が使える場合もありますが、それは河川法とは別の予算措置です。
解説
堤防のすぐ脇に工場を持つ会社が、自社の敷地を守るために護岸を補強したいとする。工事は河川管理者(一級河川なら国土交通大臣、指定区間なら都道府県知事、二級河川なら都道府県知事)の承認を受ければ実施できる(河川法20条)。ただし費用は全額、工事をする側の自己負担になる。それを定めているのが69条だ。完成した護岸が下流の住宅地まで守ることになっても、「公共のためにもなったのだから役所が一部を持つべきだ」という理屈は、本条の上では通らない。しかも対象は「河川工事」だけでなく「河川の維持」も含む。工事費の見積もりだけ見て承認申請を出すと、その後の維持費が帳簿の外で積み上がっていく。押さえるべき問いは、費用を誰が払うかではない。その工事を20条の自主工事として申請するのか、河川管理者の整備計画に組み込んでもらうのか、という入口の選択である。承認申請書を出した時点で、財布はほぼ決まっている。
法的な位置づけ
河川法69条は、河川管理者以外の者が同法20条の承認を受けて行う河川工事又は河川の維持について、その費用を当該工事又は維持を行う者が負担すべきことを定める規定である。河川の管理費用を原則として国又は都道府県の負担とする59条以下の体系に対し、承認工事については施行者負担とすることを明確にしている。
手順
- 1.工事の類型を確定する 予定している工事が、河川管理者が自ら行う工事、他の工事等が原因で必要になった工事(67条)、承認を受けて自ら行う工事(20条)のどれに当たるかを河川管理者に確認し、記録を残す。類型が決まれば負担者もほぼ決まる
- 2.河川整備計画との関係を確認する 管理者側の河川整備計画に同種の事業が位置付けられていないかを確認し、組み込みの余地があるかを事前相談で打診する。承認申請後に同じ交渉をしても、自主工事という扱いは変わらない
- 3.共同受益者と費用分担契約を結ぶ 工事によって利益を受ける近隣事業者や土地改良区などがいる場合、承認申請の前に費用分担契約を書面で締結する。69条が負担者とするのは施行者だけで、後から分担を求める根拠は本条にない
- 4.承認条件の維持範囲を限定して申請する 承認条件案に維持義務の範囲と期間を明記するよう求め、文案をこちらから提示したうえで20条の承認申請を行う。見積もりには工事費に加え、十年程度の維持管理費を計上しておく
よくある質問 AI による整理
Q1河川法69条とは何ですか?
河川管理者以外の者が20条の承認を受けて行う河川工事や河川の維持の費用を、その工事等を行う者が負担すると定めた規定です。
Q2河川法20条の承認工事とは?
国や都道府県などの河川管理者以外の者が、管理者の承認を受けて河川管理施設に関する工事などを行う制度です。費用負担は69条が定めます。
Q3護岸工事 個人でできる?
河川区域内で行う工事は、河川管理者の承認や許可が前提です。承認を受ければ実施できますが、費用は69条により自己負担になります。
Q4川の護岸 修理費 誰が払う?
河川管理者が自ら行う工事なら原則として国・都道府県が負担します。承認を受けて私人や市町村が行った工事なら、その施行者の負担です。
Q5承認なしで川に石積み 違法?
河川管理者の承認や許可を得ずに河川区域で工事をすると、75条の監督処分で撤去や原状回復を命じられることがあり、その費用も自己負担になります。
Q6河川工事 費用負担 いつまで続く?
69条自体に期限はありません。維持義務の範囲と期間は承認の内容や条件で決まるため、申請前の事前協議で限定しておくことが重要です。
Q7河川の維持 とは何を含む?
完成した施設の点検、補修、除草、堆積した土砂の撤去などです。承認に基づいて自ら行う限り、これらの費用も69条により施行者の負担です。
Q8河川法69条 罰則はある?
69条は費用負担を定める規定で、直接の罰則はありません。無承認工事や承認条件違反は監督処分や別条の罰則の対象となりえます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1県の川を市がお金を出して直すって、法律上アリなんですか?
アリです。市町村は河川管理者ではないので、河川法20条の承認を受ければ県管理の河川で工事ができ、費用は69条によって市の負担になります。実務のポイント:県の整備の順番を待つか、市が自前で先にやるかは、実際には政治判断で決まります。市が先行すると、その区間は県の優先順位から外れやすくなる。先行するかどうかは、維持費まで含めて計算してから決めるべきです
Q2自分の土地を守るための護岸工事、補助金は出ないんですか?
河川法69条の上では、承認を受けた施行者が全額負担し、補填の規定はありません。ただ、自治体によっては防災や農地保全の名目で独自の補助制度を設けていることがあり、それは別の制度です。実務のポイント:補助金の多くは工事の着手前に申請しないと対象外になります。河川の承認申請と補助金の申請は窓口が違うので、両方を同時に動かさないと、承認だけ下りて補助は受けられないという結果になります
Q3工事が終わった後の維持も、ずっとうちの負担ですか?
20条の承認に基づいて維持を行う限り、69条で施行者の負担になります。その範囲と期間は承認の内容と条件によって決まります。実務のポイント:承認条件の文言は、申請前の事前協議の段階でかなり固まってしまいます。「維持は○年まで」「この範囲に限る」といった限定は、協議の段階でこちらから文案を出しておくと通りやすい。承認後に変更を求めるのは格段に難しくなります
間違えやすい点 AI による整理
- 「公共性の高い工事なら、施工者が民間でも役所が費用を補填してくれる」と思われがちだが、本条には補填の規定がない。工事の効果が地域全体に及んでも、20条に基づいて自分で実施した以上は自分で払う。補助制度があるとしても、それは河川法69条とは別の予算措置の話である
- 工事費は覚悟していても、「維持」まで本条に含まれていることを軽く見ている人が多い。完成後の点検、補修、堆積した土砂の撤去も、承認に基づき自分で行う限り自分の負担になる。一度の工事が、何十年も続く固定費の始まりになりうる
- 「この工事費は誰が払うべきか」という問いの立て方そのものがずれている。河川法は工事の発生原因ごとに負担者を変えている(管理者が自ら行う工事、他の工事が原因で必要になった工事、承認を受けて私人が行う工事など)。最初に確かめるべきは、その工事がどの類型に当たるかだ
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 費用負担の類型 | 河川法69条:承認を受けて自ら行う工事・維持の施行者負担 | 河川法67条:他の工事・行為が原因で必要になった工事の原因者負担 河川法70条:河川工事で利益を受ける者の受益者負担 |
| 負担の発生のしかた | 施行者が自ら承認を求めた時点で負担が確定する | 河川管理者が原因者に負担させることができる 河川管理者が受益者に費用の一部を負担させることができる |
| 負担の範囲 | 工事・維持に要する費用の全額 | 必要を生じた限度で全部又は一部 利益を受ける限度で一部 |
| 工事の実施主体 | 河川管理者以外の者(私人・市町村など) | 河川管理者又は原因者 河川管理者 |
他国ではどう定めているか 3 か国
台湾も河川区域内の施設設置等を主管機関の許可制としており、許可を受けた者が自ら施設を設置・維持する構造は日本と近い
ドイツでは河川改修(Gewässerausbau)に計画確定手続が必要で、費用負担の詳細は各州水法に委ねられている
米国では陸軍工兵隊が管理する連邦施設を第三者が改変する場合に許可が必要で、その費用は申請者が負担する運用である
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 市の土木課で働くあなた。県が管理する川の護岸が古く、地元から何度も陳情が来ている。県の整備計画では順番が十年先なので、市が20条の承認を受けて自前で工事することになった。議会で「県の川なのになぜ市の予算なのか」と聞かれたら、答えの根拠は69条である
- もし、自分の田んぼを守るために川沿いに石積みを足したら、費用は誰が持つのか? 承認を受けた工事なら自己負担で、承認を受けずに積んだなら、そもそも撤去を命じられる側に回る(河川法75条)
- 宅地開発を進めているデベロッパーのあなたは、県との協議で「排水を受ける区間の河道を拡幅してほしい」と言われた。これが開発の原因で必要になった工事(原因者負担)なのか、自社が承認を得て行う20条工事なのかで、交渉の土台が変わる。どちらも結局は自社持ちになりやすいが、工事の範囲と、維持の義務がいつまで続くかは協議で動かせる
- 来月の取締役会までに、川沿い倉庫の浸水対策案を固めなければならない。残り三週間。護岸のかさ上げを自社でやるなら、見積もりに工事費だけでなく、承認条件で課されうる維持管理費を十年分入れておかないと、後で予算が足りなくなる
- 住民団体が川の除草と土砂の撤去を続けてきた。善意の活動でも、承認が要る規模の維持作業なら費用は自分たちで持つ。補助金の有無は別の制度の話だ
取るべき行動
被害を受けた側:1. 河川管理者から自主工事として進めるよう勧められたら、まず事前相談の記録を残し、その工事が20条工事か、原因者負担(67条)など他の類型かを書面で確かめる2. 管理者側の河川整備計画に同種の事業が位置付けられていないか確認する3. 承認条件の案に維持義務の範囲と期間が入っていれば、その場で修正を求める4. 利益を受ける第三者がいるなら、申請前に費用分担の契約を結ぶ
訴えられた側:1. 承認を受けずに河川区域で工事や作業をしてしまった場合は、自分から河川管理者に連絡し、後追いで承認や許可を取れるか相談する2. 監督処分(75条)による原状回復命令が出ると費用は全額自己負担になるうえ、罰則の対象にもなりうる(最新の改正状況をご確認ください)。命令が出る前に動くのが一番安い3. 承認を受けて工事した後に維持を怠ると、承認条件違反を問われる。維持の記録を残しておく
時効(請求できる期限):本条そのものに特定の期限はない。共同受益者との費用分担契約に基づく請求には、一般消滅時効(民法166条:権利を行使できることを知った時から5年、行使できる時から10年)が適用される。承認条件に工期や維持の期間が定められている場合は、その期間が実質的な期限になる
学説
通説:69条は、管理者以外の者に河川工事の道を開く20条の承認制度と一体の規定であり、承認による統制と施行者の費用負担を組み合わせることで、公費投入の優先順位を崩さずに自助的な工事を認める趣旨と理解される
改正沿革 AI による整理
- 昭和39年(1964年) 新河川法の制定時に置かれた条文。旧送り仮名の「行なう」が残っていることから、制定以来、文言の改正は受けていないとみられる
改正の年表
- 1.昭和39年(1964年) 新設:新河川法の制定に伴い置かれた条文。旧送り仮名「行なう」が残っており、制定以来文言の改正は受けていないとみられる
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