河川法 第76条(監督処分に伴う損失の補償等)
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- 河川管理者は、前条第二項第四号又は第五号に該当することにより同項の規定による処分をした場合において、当該処分により損失を受けた者があるときは、その者に対して通常生ずべき損失を補償しなければならない。ただし、水利使用に関し第二十三条若しくは第二十六条第一項の許可又は第二十三条の二の登録を受けた者が、第四十一条の規定によりその損失を補償する場合は、この限りでない。
- 2.第二十二条第四項及び第五項の規定は、前項の規定による損失の補償について準用する。
- 3.河川管理者は、第一項の規定により河川管理者が補償すべき損失が、前条第二項第五号に該当するものとして同項の規定による処分があつたことによるものである場合においては、当該補償金額を当該理由を生じさせた者に負担させることができる。
この条文の基本情報
監督処分に伴う損失の補償等とは何ですか?
定義監督処分に伴う損失の補償等とは、河川法第76条に定められた規定で、「河川管理者は、前条第二項第四号又は第五号に該当することにより同項の規定による処分をした場合において、当該処分により損失を受けた者があるときは、その者に対して通常…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 河川法第76条(監督処分に伴う損失の補償等)は、日本の河川法に含まれる条文です。
- 河川法第76条の条文原文は「河川管理者は、前条第二項第四号又は第五号に該当することにより同項の規定による処分をした場合において、当該処分により損失を受けた者があるときは、その者に対して通常…」で始まります。
- 河川法第76条は第四章 監督に置かれています。
- 河川法の公布日は昭和39年7月10日です。
- 河川法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年4月5日時点では廃止情報はありません。
- 河川法第76条の前の条は河川法第75条です。
- 河川法第76条の次の条は河川法第77条です。
- 河川法第76条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
河川法(昭和三十九年法律第百六十七号)第76条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/339AC0000000167 - 本サイト収録
河川法(昭和三十九年法律第百六十七号)第76条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年4月5日)https://lawplayer.com/jp/article/339AC0000000167/76
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点河川法76条は、75条2項4号・5号による許可取消し等の処分で損失を受けた者に、河川管理者が通常生ずべき損失を補償すると定める。41条の補償がある場合は除かれる。
Q · 河川敷の占用許可を取り消されたら、補償は受けられるの?
根拠が75条2項4号・5号なら補償される
河川法76条1項により、河川管理者が75条2項4号または5号を理由に許可の取消し等をした場合、処分で損失を受けた者に「通常生ずべき損失」が補償されます。それ以外の号が根拠なら本条の補償はありません。新たな水利使用者が41条で補償する場合、河川管理者は補償しません。補償額は22条4項・5項の準用により協議で決め、まとまらなければ収用委員会に裁決を申請できます。
解説
河川敷の占用許可、取水の許可、川沿いの工作物の設置許可。行政から受けた許可は、永久に続く権利ではない。河川法75条2項により、河川管理者(一級河川は原則として国土交通大臣、二級河川は都道府県知事)は、許可を受けた者に対して、後から許可を取り消したり条件を変えたりできる。その代わりに置かれた歯止めが本条である。75条2項4号または5号を理由とする処分で損失を受けた場合、河川管理者は「通常生ずべき損失」(その処分を受ければ誰でも普通に被る損失)を補償しなければならない。ここで分かれ目になるのが号の違いだ。同じ「許可取消し」でも、4号・5号以外の号を理由とする処分なら、本条による補償はない。処分通知書の根拠欄に何号と書かれているかで、補償を請求できるかどうかが決まる。さらに補償額で折り合わなければ、22条4項・5項の準用により協議、次いで収用委員会の裁決へ進む道がある。泣き寝入りする前に、決める舞台が用意されている。
法的な位置づけ
河川法76条は、河川管理者が同法75条2項4号または5号に基づいて許可の取消し、変更その他の監督処分を行った場合に、当該処分で損失を受けた者に対し通常生ずべき損失を補償する義務を定める規定である。補償手続には22条4項・5項が準用され、5号処分の補償金は原因者に負担させることができる。
手順
- 1.処分通知書の根拠号を特定する 処分通知書の根拠条文欄を確認し、河川法75条2項の何号による処分かを特定する。4号・5号でなければ本条による補償の対象外となるため、ここが出発点になる
- 2.撤去前に損失の証拠を保全する 撤去・移転に着手する前に、現況写真、設備の取得価格資料、移転・除却の見積もり、売上記録を揃える。撤去後に損失を立証するのは困難になる
- 3.請求先を確認する 新たな水利使用者が河川法41条で補償する場面かどうかを確認する。該当すれば河川管理者ではなく当該水利使用者が請求先になる
- 4.書面で補償協議を申し入れる 河川管理者に76条および22条4項・5項に基づく補償協議を書面で申し入れ、損失を項目別に整理した資料を添付する
- 5.協議不成立なら収用委員会へ裁決申請 協議が成立しない場合、収用委員会に裁決を申請する。裁決の補償額に不服があれば、裁決書正本の送達から6か月以内に訴えを提起できる(土地収用法133条)
よくある質問 AI による整理
Q1河川法76条とは?
河川管理者が75条2項4号・5号を理由に許可取消し等の処分をしたとき、処分で生じた通常の損失を補償する義務を定めた条文です。
Q2河川占用許可の取消し 補償される?
処分の根拠が75条2項4号または5号なら補償対象です。それ以外の号が根拠の場合、本条による補償はありません。通知書の根拠欄の確認が第一歩です。
Q3通常生ずべき損失とは何ですか?
その処分を受ければ誰でも普通に被る損失をいいます。設備の移転費・除却費などが典型で、特殊な事情による損失や将来の期待利益は当然には含まれません。
Q4河川の補償額 協議がまとまらないときは?
76条2項が準用する22条4項・5項により、協議が成立しなければ収用委員会に裁決を申請できます。行政の提示額が最終決定ではありません。
Q5河川管理者 補償しない場合はある?
水利使用の許可や登録を受けた者が41条により損失を補償する場合、河川管理者は本条の補償義務を負いません(76条1項ただし書)。
Q6補償金を原因者に負担させることはできる?
できます。75条2項5号の処分による補償金は、河川管理者がその理由を生じさせた者に負担させることができます(76条3項)。
Q7河川法の損失補償 請求期限はいつまで?
本条に請求期限の定めはありません。ただし補償請求権の消滅時効(会計法30条・地方自治法236条の5年)が問題となりうるため早めの請求が安全です。
Q8一級河川と二級河川で補償の相手は違う?
補償義務者は河川管理者です。一級河川は原則として国土交通大臣、二級河川は都道府県知事が河川管理者となるため、請求先が異なります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1河川敷の占用許可を取り消されたんですが、撤去費用って出してもらえるんですか?
処分の根拠が河川法75条2項4号または5号であれば、河川管理者は76条1項により「通常生ずべき損失」を補償しなければなりません。撤去や移転の費用はその典型です。それ以外の号を根拠とする処分なら、本条による補償はありません。実務のポイント:許可書には「原状回復は占用者の負担」といった条件が付されていることが多く、まず許可書の条件と処分の根拠号の両方を突き合わせることが、交渉の出発点になります
Q2役所が出してきた補償額が安すぎます。言われた額をのむしかないんですか?
のむ必要はありません。76条2項が22条4項・5項を準用しているので、補償額はまず協議で決め、協議が成立しなければ収用委員会に裁決を申請できます。実務のポイント:収用委員会という第三者の土俵があることを示したうえで交渉すると、担当者は上席に説明できる根拠資料を求めるようになります。損失の資料を項目ごとに整理して出した側が、最終額で有利になりやすい
Q3うちの工事のせいで他人の許可が取り消されたらしく、補償金を払えと言われました。本当に払う義務がありますか?
76条3項により、75条2項5号の処分で河川管理者が補償した場合、その補償金額を処分の理由を生じさせた者に負担させることができます。根拠号が5号か、自社の事業が本当にその理由を生じさせたのかを確認しましょう。実務のポイント:負担を求められるのは「河川管理者が補償すべき損失」の金額です。補償の内訳を開示してもらい、通常損失を超える項目が混ざっていないかを確かめる価値があります
間違えやすい点 AI による整理
- 「許可を取り消されたら必ず補償される」と思われがちだが、本条が補償を義務付けるのは75条2項4号・5号の処分に限られる。それ以外の号を根拠とする処分では、本条による補償は発生しない。結果が同じ取消しでも、根拠の号で結論が真逆になる
- 補償があることは知っていても、その範囲が「通常生ずべき損失」に限られる重みは見落とされやすい。設備の移転費や除却費のように処分から普通に生じる損失が中心で、許可を受けていた地位そのものの価値や将来の期待利益まで当然に補償されるわけではない。行政財産の使用許可撤回について、使用権自体の対価は原則として補償不要とした判例(最判昭和49.2.5)の考え方が河川占用許可にどこまで及ぶかは、実務上、解釈が分かれている
- 「補償額は役所が決めるもの」という問いの立て方が誤っている。本条2項が準用する22条4項・5項により、補償額は協議で決めるのが出発点であり、協議が成立しなければ収用委員会の裁決を申請できる。提示額は交渉の最初の数字にすぎない
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律する場面 | 河川法76条:75条2項4号・5号の監督処分による損失の補償 | 河川法22条:洪水時等の緊急措置による損失の補償 河川法41条:水利使用の許可に伴う既存使用者への損失補償 |
| 補償義務者 | 河川管理者(5号処分は原因者に負担させうる) | 河川管理者 許可・登録を受けた水利使用者 |
| 補償額の決め方 | 22条4項・5項を準用:協議、不成立なら収用委員会の裁決 | 協議、不成立なら収用委員会の裁決(22条4項・5項) 当事者間の協議が基本(条文の手続規定を要確認) |
他国ではどう定めているか 3 か国
台湾では合法な授益的行政処分を公益上の理由で廃止した場合、受益者の信頼に基づく財産上の損失に合理的補償を与える一般規定がある。日本は河川法など個別法で補償を定める点が異なる
公共利益のために行政許可を変更・撤回して損失を与えた場合、行政機関が補償すると定める
ドイツでは適法な授益的行政行為の撤回について、信頼保護に値する場合に財産上の不利益を補償する一般規定を置く
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 河川敷でバーベキュー場とカフェを営業してきた。ある日、堤防の改修工事を理由に占用許可の取消し通知が届く。撤去費用、移転費用、仮営業の費用。通知書の根拠条文が75条2項何号なのか、まずそこを確認する
- 水力発電の取水許可を持つ事業者が、許可内容の変更処分を受けた。ところが同じ川で新たに水利使用の許可を受けた者が、41条に基づいて損失を補償するという。その場合、河川管理者は本条による補償を負わない。誰に請求すべきかを間違えると、時間だけが過ぎていく
- 補償額の提示が低すぎると感じたら、どうなる? 本条2項が22条4項・5項を準用しているので、まず河川管理者との協議になる。まとまらなければ収用委員会に裁決を申請する道がある
- あなたは別の公共事業を進める側だ。その事業のために他人の河川占用許可が取り消され、河川管理者が補償金を支払った。本条3項により、その補償金はあなたに負担させられることがある。事業費の見積もりに入っていなかった数字が、後から請求書になって届く
- 撤去命令の期限まで残り30日。撤去してしまう前に、現況の写真、設備の取得価格の資料、売上の記録を残しておく。撤去後では損失の立証材料が消える
取るべき行動
被害を受けた側:1. 処分通知書の根拠条文を確認し、75条2項4号・5号かどうかを特定する2. 撤去前に現況写真、設備の取得価格、移転見積もり、売上資料を保全する3. 新たな水利使用者が41条で補償する場面かどうかも確認し、請求先を誤らない4. 河川管理者に補償の協議を書面で申し入れ、提示額に納得できなければ収用委員会への裁決申請を検討する5. 処分自体の違法性を争うなら、審査請求や取消訴訟の期限を並行して管理する
訴えられた側:1. 自分の事業が処分の原因となった側なら、本条3項により補償金の負担を求められる可能性を事業計画の段階で見込む2. 負担額の算定根拠の開示を求め、「通常生ずべき損失」を超える項目が含まれていないかを精査する3. 河川管理者側の担当であれば、根拠号の記載と補償協議の手順を処分時に明示し、後の紛争を防ぐ
時効(請求できる期限):本条自体に補償請求の期限は定められていない。処分そのものを争う場合は、審査請求は処分を知った日の翌日から3か月以内(行政不服審査法18条)、取消訴訟は処分を知った日から6か月以内(行政事件訴訟法14条)。収用委員会の裁決に不服がある場合の補償額に関する訴えは裁決書の正本の送達を受けた日から6か月以内(土地収用法133条)。補償請求権そのものの消滅時効は、国に対しては会計法30条、地方公共団体に対しては地方自治法236条の5年が問題となりうる(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説的理解:「通常生ずべき損失」は処分と相当因果関係のある客観的な損失をいい、移転費・除却費などが中心となる。許可は撤回可能性を内在するため、許可上の地位そのものの価値は当然には補償対象とならないと解されている。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和39年(1964年) 新設:現行河川法の制定に伴い、監督処分による損失補償規定として設けられた。
- 河川法 第75条補償の前提となる監督処分の根拠
- 河川法 第22条補償協議と裁決申請の手続を準用
- 河川法 第41条水利使用者による損失補償との調整
- 河川法 第23条流水の占用許可、ただし書の対象
- 河川法 第26条工作物の新築等の許可、ただし書の対象
- 土地収用法 第94条収用委員会への損失補償裁決申請の手続
- 土地収用法 第133条裁決の補償額を争う訴えと出訴期間
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