要点所得税法137条の3は、1億円超の有価証券等を非居住者へ贈与・相続した際に課される所得税を、担保提供を条件に原則5年(延長で10年)猶予する制度である。受贈者が帰国すれば課税は取り消される。
Q · 海外に住む子へ1億円超の株を贈与したら、売っていないのに所得税がかかるの?猶予はできる?
かかる。担保を出せば5〜10年猶予でき、子が帰国すれば消える
1億円以上の有価証券等を非居住者へ贈与・相続すると、売却前でも含み益に所得税が課されます(所得税法60条の3)。137条の3は、確定申告期限までに担保を提供すれば、この所得税を贈与・相続の日から原則5年(延長届出で10年)猶予する制度です。受贈者・相続人が満了基準日より前に帰国し資産を保有し続ければ課税自体が取り消され、更正の請求で税が戻ります。ただし毎年3月15日の継続適用届出書を一度でも失念すると、4か月後に猶予税額の全部へ一括で納期限が来ます(9項)。
海外の大学院に進んだ息子へ、含み益をたっぷり抱えた株式を1億円分、生前贈与した。一株も売っていないのに、贈与した年のあなたの所得税に、その含み益への課税がそのまま乗ってくる。これが国外転出時課税の贈与・相続版、60条の3の世界だ。売却益という現金を手にしていないのに税だけが先に来る、この不条理を和らげるのが137条の3。担保を差し出せば、その所得税を5年、延長すれば10年まで猶予できる。しかも猶予期間中に息子が日本へ帰国すれば、課税そのものが取り消され、払うはずだった税は消える。つまり払わずに済むかもしれない時間を買う制度だ。使うか放置するかで、あなたの手元資金は数千万円単位で変わる。ただし毎年3月15日の継続届出を一度でも忘れれば、猶予は崩れ、全額が一括で降りかかる。
所得税法137条の3は、贈与・相続・遺贈により1億円以上の有価証券等が非居住者へ移転した際に60条の3で課される所得税につき、担保提供を条件として納税を猶予する規定である。猶予期限は原則として贈与又は相続開始の日から5年(延長届出により10年)を経過する日等の翌日以後4月を経過する日までとされる。
AI 輔助整理,以條文原文為準
1億円以上の有価証券等を持つ人が国外転出・非居住者への贈与相続をする際、売却前でも含み益をみなし譲渡として所得税を課す制度です(所得税法60条の2・60条の3)。
対象は60条の3の適用を受ける有価証券等で、対象資産の価額が1億円以上の場合です。株式・投資信託・未決済デリバティブ取引などが含まれます。
猶予税額に相当する担保が必要です。特則により非上場株式や合名・合資・合同会社の社員持分も担保にできます(13項2号)。他に不動産や国債なども可能です。
帰国見込みがあるなら最初から10年延長の届出をするのが定石です。5年で組んで帰国が6年目にずれ込むと課税が確定するため、延長届出は無料の保険になります。
毎年12月31日を基準に、翌年3月15日が提出期限です(7項)。一度でも失念すると4か月後に猶予税額の全部へ納期限が来ます(9項)。
全相続人が担保を提供し、かつ対象資産を取得した非居住者の全員が確定申告期限までに納税管理人の届出をする必要があります(2項)。一人でも欠けば猶予不可です。
売却・決済・再贈与などをすると、その対応部分の猶予税額について、その事由が生じた日から4月を経過する日が納期限になります(6項)。
原則として年7.3%の割合で計算した利子税を本税と併せて納付します(14項)。租税特別措置法の特例で軽減される場合があるため最新の改正状況をご確認ください。
来ます。受贈者に贈与税、贈与者であるあなたに60条の3の含み益への所得税が別枠でかかります。課税主体も税目も別物で、所得税分は137条の3で猶予できます。業界裏話ヒント:この所得税は贈与者の所得なのに現金は受贈者に渡っている。払う人と得た人がずれるため担保の用意が最初の難関で、非上場株式や持分会社の持分そのものを担保にできる特則(13項)を使えるかどうかで資金繰りが変わる
意味があります。最大の狙いは受贈者・相続人の帰国です。5年(延長で10年)以内に帰国し資産を持ち続ければ60条の3の課税自体が消え、更正の請求で税が戻ります。猶予はその出口までの時間稼ぎ。業界裏話ヒント:帰国予定があるなら最初から10年延長を選ぶのが定石。5年で組んで帰国が6年目にずれ込むと課税が確定する。延長届出は無料の保険のようなもので、出さない理由がほとんどない
その提出期限から4か月を経過する日に、猶予されていた所得税の全額へ納期限が来ます(9項)。1年分の失念で猶予全体が終わる厳しい設計です。ただし、やむを得ない事情が認められ後から届出を出せば救済される余地もあります(8項)。業界裏話ヒント:うっかり失念に備え、毎年2月には翌月の期限をリマインドする仕組みを税理士と組んでおく。この猶予は届出の連続提出が命綱で、紙1枚が数千万円を左右する
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 課税の引き金 | 137条の3:贈与・相続・遺贈で非居住者へ移転(60条の3) | — |
| 猶予を受ける主体 | 贈与者本人/全相続人(承継人含む) | — |
| 猶予期間 | 原則5年(延長届出で10年)+4月 | — |
| 課税が消える出口 | 受贈者・相続人が満了基準日前に帰国等(更正の請求) | — |
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