要点所得税法137条の2は、出国税の納税を最長10年猶予する規定。国外転出の時までの納税管理人の届出と、確定申告期限までの担保提供が条件となる。
Q · 1億円以上の株を持ったまま海外に移住すると出国税がかかると聞きました。すぐ払わずに済む方法はありますか?
納税管理人の届出と担保提供で最長10年猶予できます
所得税法137条の2により、国外転出時課税(出国税)の対象となった人は、国外転出の時までに納税管理人の届出をし、確定申告期限までに猶予税額と同額の担保を供すれば、納税が5年間猶予されます。5年を経過する日までに届出をすれば、さらに10年まで延長できます。猶予期間中は毎年3月15日までに継続適用届出書の提出が必要で、怠るとその期限から4月を経過する日に全額の納期限が到来します。猶予期間内に対象資産を売らずに帰国すれば、所得税法60条の2第6項によりみなし譲渡が取り消され、更正の請求で税額そのものが消滅します。
創業した会社の株や長年積み上げた有価証券の時価が1億円を超えた。その状態で生活の拠点を海外へ移そうとした瞬間、国税はあなたに『その資産を全部売ったものとみなす』と告げ、1円も現金化していない含み益に所得税を課す。国外転出時課税、通称『出国税』である(所得税法60条の2)。売ってもいないのに税金だけ先に来る。この理不尽を和らげる唯一の安全弁が137条の2だ。出国の時までに納税管理人を届け出て、猶予税額と同額の担保を差し出せば、納付を5年、届出でさらに10年まで猶予できる。担保は現金でなくてよく、自社の非上場株式でも供せる。そして核心はここにある。猶予期間内に株を売らずに日本へ帰国すれば、みなし課税そのものが取り消され、税額はゼロに戻る。ただし毎年3月15日までの継続適用届出書を一度でも忘れると、猶予は崩れ、全額が4月後に襲ってくる。
所得税法137条の2は、国外転出時課税(所得税法60条の2)の適用を受けた居住者に対する納税猶予を定める規定である。国外転出の時までに納税管理人の届出をし、確定申告期限までに納税猶予分の所得税額に相当する担保を供した場合に限り、国外転出の日から5年(延長の届出により10年)を経過する日等の翌日以後4月を経過する日まで、その納税が猶予される。
AI 輔助整理,以條文原文為準
所得税法60条の2に基づき、対象資産1億円以上の一定の居住者が国外転出する時、その資産を譲渡したものとみなして含み益に所得税を課す制度です。実際に売却する必要はありません。
有価証券等、未決済信用取引等、未決済デリバティブ取引の3種類です(60条の2第1項〜第3項)。137条の2の猶予も、これらのうち確定申告期限まで引き続き保有・未決済のものが対象です。
国外転出の時までです。国税通則法117条2項の届出を出国後に行っても137条の2の猶予は受けられません。担保提供の期限(確定申告期限)とは別の、より早い期限である点が要注意です。
国外転出の日から5年を経過する日までに、期限の延長を受けたい旨を記載した届出書を納税地の所轄税務署長に提出します(2項)。この届出により「五年」が「十年」に読み替えられます。
5項により、譲渡・決済・贈与による移転をした適用資産に対応する部分の税額は、その事由が生じた日から4月を経過する日が納期限となります。売却代金から納税資金を確保する必要があります。
非居住者となる国外転出であり、対象資産が1億円以上なら赴任でも対象です。ただし猶予を選び、対象資産を売らずに帰国すれば60条の2第6項でみなし譲渡が取り消されます。
国税通則法50条の担保に加え、11項2号により非上場株式等(合名・合資・合同会社の社員持分を含む)も供せます。手元の現金を凍結せずに猶予を受けられる実務上の要所です。
12項により、本来の納付期限の翌日から猶予期限までの期間に応じ、条文上は年7.3パーセントの割合で計算した利子税を本税と併せて納付します(特例基準割合による軽減の適用関係は要確認)。
本当だ。所得税法60条の2は、対象資産が1億円以上ある一定の居住者が国外転出する時、その資産を譲渡したものとみなして含み益に課税する。実際に売る必要はない。137条の2はこの税を5年から10年猶予する制度だ。業界裏話ヒント:この1億円判定は有価証券・信用取引・デリバティブだけが対象で、不動産や暗号資産は含まれない。ポートフォリオの株比率が高い人ほど直撃する
戻る予定があるなら意味は絶大だ。猶予期間内に対象資産を売らずに帰国すれば、60条の2第6項でみなし譲渡が取り消され、更正の請求で税額そのものが消える。払うのは実際に売った時だけ。業界裏話ヒント:数年で戻る海外赴任者は、猶予を選んで株を握ったまま帰国するのが定石。『いつか払う先延ばし』ではなく『払わずに終わらせる』ための制度だと知る人は驚くほど少ない
継続適用届出書を3月15日の提出期限までに出さないと、8項によりその期限から4月を経過する日に猶予が打ち切られ、猶予税額の全額と利子税が一気に納期限を迎える。7項にやむを得ない事情の救済はあるが、頼るものではない。業界裏話ヒント:この一枚の届出こそ猶予制度の急所だ。実務家は顧客に毎年3月15日の自動リマインドを設定させる。非上場株を担保に入れていると、失念の代償は換価処分にまで及ぶ
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|---|---|---|
| 条文の役割 | 所得税法137条の2:国外転出による出国税の納税猶予 | — |
| 発動のきっかけ | 本人が居住者から非居住者になる国外転出 | — |
| 手続要件 | 国外転出の時までの納税管理人の届出+確定申告期限までの担保提供+申告書への記載・明細添付 | — |
| 結末を覆す手段 | 猶予期間内に対象資産を売らず帰国し、更正の請求で税額を消す | — |
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