要点所得税法 214 条は、恒久的施設を持つ非居住者が税務署長の免除証明書を支払者に提示すれば、有効期間中は源泉徴収が免除されると定める。対象所得は限定される。
Q · 免除証明書をもらえば、非居住者への支払は源泉徴収しなくていいの?
有効な証明書の提示があれば天引き不要
所得税法 214 条により、恒久的施設を持つ非居住者が政令の要件を満たし、税務署長から免除証明書の交付を受けて支払者に提示すると、その証明書が有効な間は 212 条の源泉徴収が免除されます。ただし対象は 161 条 1 項の特定の号(不動産賃料・貸付金利子・使用料など)で恒久的施設に帰せられる所得に限られ、給与部分は除外されます。要件を失えば遅滞なく届出・通知が必要で、期限切れや公示で証明書は失効し、以後の徴収漏れは支払者の責任となります。
日本に支店や事業所(恒久的施設、いわゆる PE)を構える外国企業や外国人が、日本国内で使用料、不動産賃料、貸付金利子などを受け取る。この支払、実は原則として支払う側が受取額からおおむね 20.42% を問答無用で天引きし、税務署へ納める義務を負う(212 条)。受け取る非居住者からすれば、正規に日本で確定申告して納税しているのに、支払のたびに資金を塩漬けにされ、還付は翌年まで待たされる。214 条は、この二重負担を断ち切る仕組みだ。政令の要件を満たす非居住者が納税地の税務署長から「免除証明書」の交付を受け、支払者に提示すれば、その証明書が有効な間、支払者は天引きせずに満額を払える。ただし、要件を満たさなくなったり PE を失えば、遅滞なく税務署への届出と支払先への通知が必要で、放置すれば公示され、証明書はその効力を失う。
所得税法 214 条は源泉徴収の免除を定める規定であり、恒久的施設を有する一定の非居住者が政令の要件を備え、税務署長の証明書を支払者に提示した場合に、212 条の源泉徴収義務を証明書の有効期間中に限り解除する仕組みを規律する。対象所得の範囲と失効事由は法定される。
恒久的施設を持つ非居住者が税務署長から交付を受ける証明書で、支払者に提示すると源泉徴収が免除されます。所得税法 214 条が根拠です。
納税地の所轄税務署長に、政令で定める方法で申請します。要件を備えていることと対象国内源泉所得に該当することの証明を受けます。
使用料や利子などは原則 20.42%(復興特別所得税込み)が天引きされます。免除証明書が有効なら天引きされません。
161 条 1 項の不動産賃料・貸付金利子・使用料などで、恒久的施設に帰せられるものです。給与に係る部分は除かれます。
税務署長が定めた有効期限を経過したとき、または要件喪失の届出・通知に伴う公示があったときに効力を失います(6 項)。
非居住者が日本国内に持つ支店・事務所などの事業拠点で、そこに帰属する所得が日本で総合課税の対象となります。
その日以後遅滞なく税務署へ届け出(2 項)、証明書の提示先すべてに通知します。放置すると公示され証明書が失効します。
外国法人には所得税法 180 条が対応する免除証明書制度を定めます。214 条は非居住者(個人)向けの規定で、根拠条文が分かれます。
支払者であるあなたです。証明書が失効した後は 212 条の源泉徴収義務が復活し、天引きして納付すべきだった税額の納付義務は支払者に残ります。受取人に求償はできますが、税務署に対する一次責任は支払者側です。業界裏話ヒント:免除証明書には有効期限があり、公示(5 項、6 項)によって期限前でも突然失効します。実務では証明書を受け取った時点で期限をカレンダー管理し、国税庁の公示を定期チェックする経理は追徴されず、鵜呑みにする経理だけが痛い目を見る。証明書は「一度もらえば安心」ではなく「生き物」だと扱う
別物です。租税条約による源泉徴収の減免は、条約相手国の居住者が対象で、租税条約等実施特例法に基づき届出書を出して税率を下げる仕組み。214 条の免除証明書は、日本に恒久的施設を持ち日本で正規申告する非居住者が、そもそも源泉徴収自体を止めてもらう制度で、根拠も要件も違います。業界裏話ヒント:条約の減免と 214 条の免除は排他ではなく、どちらが有利かは所得の種類と条約内容で変わる。国際税務に強い税理士は両方を並べて比較し、資金繰りが最も軽くなる方を選ぶ。片方しか知らない担当者は、より有利な選択肢を取りこぼしている
いいえ。対象は 161 条 1 項の特定の号に掲げる国内源泉所得(不動産賃料、貸付金利子、使用料など)で、かつその恒久的施設に帰せられるものに限られ、給与に係る部分などは除かれます。すべての収入が自動的に対象になるわけではありません。業界裏話ヒント:どの所得が「PE に帰せられる」かは、平成 26 年改正で導入された帰属主義(OECD の AOA)の考え方で判定され、ここが実務の勝負どころ。同じ支店でも、本社が直接稼いだ所得と支店に帰属する所得を分ける必要があり、線引きを誤ると証明書の効力範囲を取り違える
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 制度の役割 | 214 条:源泉徴収の免除(証明書提示で天引き停止) | — |
| 対象者 | 恒久的施設を持つ非居住者(個人) | — |
| 効果 | 証明書が有効な間は徴収・納付不要 | — |
| 失効・復活 | 有効期限経過・公示で失効し 212 条に復帰 | — |
ログインすると、他の読者と一緒にこの条文へメモを残せます。
ログインして共同ノートを始める以下は各文が単独で意味の通る客観的事実です。引用は e-Gov法令検索を基準としてください。