要点所得税法5条は納税義務者を居住者・非居住者等に区分し、居住者は全世界所得、非居住者は国内源泉所得のみ課税されると定める。判定基準は住民票でなく生活の本拠である。
Q · 海外に引っ越したら、日本の所得税は払わなくてよくなるの?
住民票ではなく生活の本拠で居住者か決まります
所得税法5条は納税義務者を居住者・非居住者等に区分し、居住者には全世界所得課税を、非居住者には国内源泉所得(161条)のみの課税を及ぼします。判定の軸は国籍でも住民票でもなく「住所(生活の本拠)」の事実です。家族・仕事・資産が日本に残っていれば、住民票を抜いて海外に住んでも居住者扱いになることがあります。さらに1億円以上の有価証券を持って出国すると、売っていない含み益に出国税(60条の2)がかかる点も見落とせません。
海外赴任の辞令が出た、フリーランスとして拠点をタイに移した、外国籍で日本の企業に就職した。この三人の税金の運命は、所得税法5条が定める「居住者か、非居住者か」というたった一語で分岐する。居住者なら、世界中どこで稼いだ所得も日本が課税する(全世界所得課税)。非居住者なら、日本国内で生じた所得(国内源泉所得、161条)だけが対象だ。あなたが誤解しやすいのは、この区別が国籍でも住民票でもないという点。判定の軸は「住所」、つまり生活の本拠が事実として日本にあるかどうかであり、住民票を抜いても家族や仕事や資産が日本に残っていれば、居住者のまま扱われる。さらに条文は法人課税信託を通じた法人の所得税納税義務まで射程に収める。身分の一本の線引きが、あなたの手取りの桁を左右する入口になっている。
所得税法5条は、所得税の納税義務者を定める規定である。居住者・非居住者・内国法人・外国法人の四区分を設け、居住者には全世界所得課税を、非居住者には国内源泉所得課税を及ぼす。区分の基準は国籍や住民登録ではなく、生活の本拠たる住所の事実認定によって決せられる。
AI 輔助整理,以條文原文為準
国内に住所を有し、または現在まで引き続き1年以上居所を有する個人です(所得税法2条1項3号・5条)。居住者は全世界所得が日本の課税対象になります。
生活の本拠を国外へ移す必要があります。住民票を抜くだけでは足りず、家族の居所・職業・資産の所在など客観的事実で住所が国外にあると判断されて初めて非居住者になります。
国内法の居住者判定に183日基準は存在しません。183日はあくまで租税条約上の短期滞在者免税の目安で、国内法は「住所(生活の本拠)」の事実で判定します。
居住者が世界中どこで稼いだ所得も日本が課税する原則です(5条1項)。二重課税は外国税額控除(95条)や租税条約で調整されます。
1億円以上の有価証券等を持つ人が国外転出して非居住者になる際、売却していない含み益をみなし譲渡として課税する制度です(60条の2)。納税猶予もあります。
非居住者に代わって日本での申告・納税手続を行う者です。国内に不動産所得等がある非居住者は納税管理人を選任し届け出る必要があり、漏れると加算税の対象になります。
住居、家族の居所、職業、資産の所在などを総合して客観的に判断されます。住民票の有無は数ある判断材料の一つにすぎません。
住所は生活の本拠、居所は生活の本拠とまではいえないが現実に居住する場所です。国内に住所がなくても引き続き1年以上居所があれば居住者になります。
単純にそうとは限らない。所得税法5条・2条では「居住者か非居住者か」が課税範囲を決め、その判定は住民票ではなく「住所(生活の本拠)」の事実で行う。家族や仕事や資産が日本にあれば、海外に住んでも居住者扱いのことがある。業界裏話ヒント:税務署は住民票の異動より、家族の居所・帰国頻度・資産の所在を重く見る。「住民票を抜いたから非居住者」は通用しないと、争われて初めて知る人が多い
あなたが非永住者(過去10年で国内に住所・居所を持つ期間が5年以下の外国籍者)なら、国外源泉所得は原則として日本で課税されない(所得税法7条1項2号)。ただし国外源泉所得を日本国内で受け取るか、日本へ送金した分は課税対象になる。業界裏話ヒント:母国から日本の口座へ生活費を送金すると、その金額の範囲で国外所得が課税されうる。送金のタイミングと金額の設計を知る人と知らない人で、税額が変わる
有価証券等が1億円以上ある人が非居住者になる(国外転出する)と、売っていない含み益をみなし譲渡として課税する「出国税」がある(所得税法60条の2)。ただし暗号資産(仮想通貨)はこの対象資産に含まれない。業界裏話ヒント:株には出国税がかかるが仮想通貨は対象外という非対称がある(最新の改正状況をご確認ください)。さらに出国税には納税猶予の制度があり、担保を立てれば課税を先送りできる
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 課税される所得の範囲 | 居住者(永住者):全世界所得(5条1項) | — |
| 判定の基準 | 住所(生活の本拠)が国内、または1年以上の居所 | — |
| 国外移転時の論点 | 出国税(60条の2)・外国税額控除(95条) | — |
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