要点所得税法 57 条は、青色申告者が事前届出のうえ家族へ払った給与を、相当な範囲で必要経費に算入できると定める規定。白色申告は配偶者 86 万円・親族 50 万円まで控除される。
Q · 家業を手伝う妻や親に給料を払ったら、その分は自分の経費にできるの?
青色申告と事前の届出があれば経費にできる
所得税法 57 条により、青色申告の承認を受け、事前に『青色事業専従者給与に関する届出書』を提出していれば、生計を一にする家族へ払った給与を相当な範囲で全額必要経費にできます。白色申告でも配偶者 86 万円・その他の親族 50 万円までは控除されます。ただし専従者給与を取った家族は配偶者控除も扶養控除も受けられなくなるため、控除と給与算入のどちらが世帯全体で得かを先に試算する必要があります。
家業を手伝う妻に給料を払っても、原則その給料は経費にならない。所得税法56条が、生計を一にする家族への対価を必要経費から締め出しているからだ。ところが57条は、その壁に一つだけ鍵付きの扉を用意した。青色申告の承認を受け、事前に届出をしておけば、家族へ払った給与を「相当な範囲」で全額必要経費にできる。青色でない白色申告でも、配偶者なら年86万円、その他の親族なら50万円までは自動で控除される(最新の改正状況をご確認ください)。あなた一人に集まっていた事業所得が、家族という別人格へ分散され、世帯全体の税率が下がる。ただし代償がある。専従者給与を取った家族は、配偶者控除も扶養控除も一切受けられなくなる。この足し算と引き算を間違えると、節税のつもりが増税に化ける。扉の存在を知っている自営業者と、知らずに壁の前で税金を払い続ける自営業者。同じ売上、同じ家族構成で、手元に残る金額が年に数十万円変わる。
所得税法 57 条は、青色事業専従者給与および事業専従者控除を定める規定である。原則として生計を一にする家族への対価を必要経費から除外する 56 条の特則として、青色申告の承認と事前届出を条件に相当な範囲の給与を経費算入する扉と、白色申告者向けの定額控除を用意する。
AI 輔助整理,以條文原文為準
青色申告の承認を受けた事業主が、生計を一にする 15 歳以上の家族に払う給与を、相当な範囲で全額必要経費にできる制度です。事前の届出が必要で、白色の定額控除より有利になる場合があります。
白色申告者の場合、配偶者は 86 万円、その他の親族は 50 万円が上限です。ただし事業所得を専従者の数に 1 を加えた数で割った金額が低ければ、そちらが上限になります(57 条 3 項)。
必要です。専従者給与も給与所得に該当するため、事業主は源泉徴収義務を負います。金額によっては年末調整も必要で、給与支払事務所等の開設届出も提出します。
給与額が配偶者控除 38 万円を大きく上回るなら給与算入が有利ですが、月 8 万円程度なら控除の方が得な場合があります。両方を試算して世帯全体の手取りで比較するのが確実です。
払えません。57 条は年齢 15 歳未満の親族を専従者から除外しています。判定はその年 12 月 31 日の年齢が基準です(57 条 7 項)。
労務の対価として『相当』な範囲までです。従事期間・仕事の性質・同業同規模の給与水準に照らして判断され、実態に見合わない過大部分は税務調査で否認されます(57 条 1 項)。
青色は届出をすれば相当額を全額経費にできます。白色は届出不要ですが、配偶者 86 万円・親族 50 万円の定額控除に限られ、全額算入はできません。
届出済みの金額を変えるには、変更届出書を所轄税務署に提出します。届出の範囲を超えて払った給与は経費算入できないため、増額前に手続きが必要です(57 条 8 項)。
青色申告の承認を受け、事前に『青色事業専従者給与に関する届出書』を出していれば本当です(57条1項・2項)。相当な範囲なら全額が必要経費になります。白色申告でも配偶者86万円・その他の親族50万円までは自動で控除されます(同3項、最新の改正状況をご確認ください)。業界裏話ヒント:ただし給与を払った妻は配偶者控除の対象から外れる。控除38万円と給与の経費算入、どちらが世帯全体で得かを先に電卓で叩かないと、節税のつもりで逆に損をする
原則としてその年の従事可能期間の半分、つまり6か月を超えて専ら従事する必要があります(所得税法施行令165条)。他に本業やパートがある、学生で学業が本分、といった場合は『専ら』とは認められず専従者になれません。業界裏話ヒント:ここが税務調査で最も突かれる急所。妻が別のパート先で働いていた事実が源泉徴収票から発覚し、専従者給与が丸ごと否認されるケースは多い。掛け持ちさせるなら専従者給与は諦めるのが安全
青色事業専従者給与は、その年3月15日まで(1月16日以後の新規開業なら開業から2か月以内)の届出が必要です(57条2項)。期限を過ぎると、その年は青色専従者給与を一円も経費算入できません。しかも青色申告者は白色の事業専従者控除(86万円等)も使えません(3項が第1項の居住者を除外)。業界裏話ヒント:ただし専従者給与を経費にしなかった年は、その家族を配偶者控除・扶養控除の対象に戻せる。届出を逃したら、せめて38万円の控除を取り切るのが次善策。来年分の届出は今すぐ出しておく
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 経費算入・控除の額 | 相当な範囲で全額算入(上限なし、ただし過大部分は否認) | — |
| 必要な手続 | 青色申告の承認+事前届出(3 月 15 日まで) | — |
| 家族の他の控除との併用 | 配偶者控除・扶養控除は一切不可 | — |
| 根拠条文 | 所得税法 57 条 1・2 項 | — |
ログインすると、他の読者と一緒にこの条文へメモを残せます。
ログインして共同ノートを始める以下は各文が単独で意味の通る客観的事実です。引用は e-Gov法令検索を基準としてください。