要点所得税法 57 条の 4 は、株式交換・株式移転で対価が相手会社の株式のみの場合、旧株の譲渡はなかったものとみなし譲渡益課税を繰り延べる。現金など株式以外が交付されると適用されない。
Q · 会社の買収で持ち株が相手の株に変わったら、その年に税金がかかりますか?
対価が全部株式なら繰延べ、現金が混じると即課税です
所得税法 57 条の 4 により、株式交換・株式移転で対価が相手会社の株式のみの場合、旧株の譲渡はなかったものとみなされ、その年は譲渡益課税が繰り延べられます(事業所得 27 条・譲渡所得 33 条・雑所得 35 条のいずれでも同じ)。ただし剰余金の配当や買取請求対価を除いて、現金など株式以外の資産が一円でも交付されると、この金銭等不交付要件を満たさず繰延べは適用されません。さらに繰延べは免除ではなく先送りで、新株には旧株の取得価額が引き継がれ、将来の売却時に含み益がまとめて課税されます。
勤め先や投資先の会社が買収され、持っていた株が買収先の株に置き換わった。売った覚えはないのに、確定申告で譲渡益を取られるのではと身構える人は多い。所得税法57条の4は、その不安に一本の線を引く。株式交換や株式移転で、対価として受け取ったのが相手会社の株式「だけ」なら、旧株の譲渡はなかったものとみなされ、課税はその場では発生しない。転換社債の株式への転換、取得請求権付株式の行使なども同じ扱いになる。だが、ここに落とし穴がある。剰余金の配当や買取請求の対価を除いて、株式以外の資産、つまり現金が一円でも交付されると、この繰延べは崩れる。しかも「繰延べ」は「免除」ではない。新株にはあなたが昔払った安い取得価額が引き継がれ、将来その株を売った瞬間、眠っていた含み益がまとめて課税される。今課税されないことと、永遠に課税されないことは、まったく違う。
所得税法 57 条の 4 は、株式交換・株式移転および取得請求権付株式等の一定の事由による有価証券の移転について、課税繰延べを定める規定である。対価が相手会社の株式のみで、剰余金の配当・買取請求対価を除く株式以外の資産が交付されない場合に、旧株の譲渡がなかったものとみなす。新株には旧株の取得価額が引き継がれ、課税は将来の売却時まで先送りされる。
AI 輔助整理,以條文原文為準
対価が株式のみなら交換時は課税されず、繰り延べられます。旧株の取得価額を引き継いだ新株を将来売却したとき、その譲渡益にまとめて課税されます(所得税法 57 条の 4)。
課税を免除するのではなく、支払いのタイミングを将来へ先送りする仕組みです。新株には旧株の取得価額が引き継がれ、眠っていた含み益は売却時に復活して課税されます。
課税繰延べの適用条件で、対価が相手会社の株式のみであることを求めます。剰余金の配当と買取請求対価を除き、現金など株式以外が一円でも交付されると要件を満たしません。
株式交換は既存の会社を完全親会社にする再編、株式移転は新設会社を完全親会社にする再編です。所得税法 57 条の 4 では 1 項が株式交換、2 項が株式移転を規律します。
新株予約権付社債の新株予約権行使で発行会社の株式が交付される場合、社債の譲渡はなかったものとみなされ、その時点では課税されません(同条 3 項)。
新株の取得価額は原則として旧株の取得価額を引き継ぎます。計算の細目は所得税法施行令に委任されており、時価で買い直したことにはなりません(同条 4 項)。
金額の多寡は関係ありません。剰余金の配当と買取請求対価を除き、株式以外の資産が一円でも交付されれば繰延べは崩れます。端数調整の少額現金でも要件を崩しえます。
全部取得条項付種類株式などで締め出され現金を受け取った場合、その現金部分は課税繰延べの対象外で譲渡所得として課税されます(同条 3 項の株式のみ交付要件を満たさないため)。
対価が買収先の株式だけなら、所得税法57条の4により旧株の譲渡はなかったものとみなされ、その時点では課税されません。事業所得・譲渡所得・雑所得(27条・33条・35条)のいずれの適用でも同じ扱いです。業界裏話ヒント:ここで安心して取得価額の記録を捨ててしまう人がいますが、それが命取り。新株の取得価額は旧株の値段を引き継ぐので、将来売るときに昔の購入代金を証明できないと、含み益の計算で不利な推計をされ、余計な税金を払う羽目になります
原則としてなりません。57条の4は対価が株式「だけ」であることを要件とし、剰余金の配当や買取請求の対価を除いて、株式以外の資産が交付されていれば繰延べは適用されません。業界裏話ヒント:この「金銭等不交付要件」は実務で最も足をすくわれる点です。端数調整のわずかな現金交付でも要件を崩しうるので、M&Aの現場では対価に現金を混ぜる設計かどうかを、契約の詰めの段階で税理士が真っ先に確認します
新株の取得価額は、原則として旧株の取得価額を引き継ぎます。計算の細目は政令(所得税法施行令)に委任されています(57条の4第4項)。つまり、いま新株を時価で買い直したことにはなりません。業界裏話ヒント:この引継ぎこそが「繰延べ=先送り」の正体です。旧株を10万円で買っていれば、交換後の新株もその10万円が原価。将来100万円で売れば差額90万円がまとめて課税される。税金が消えたのではなく、支払いの日が動いただけだと理解しておくと、後で慌てません
全部取得条項付種類株式などで締め出され、対価として現金を受け取った場合は、その現金部分は課税繰延べの対象外で、譲渡所得として課税されます(57条の4第3項は株式のみが交付される場合を要件とします)。業界裏話ヒント:ただし取得価格の決定を裁判所に申し立て、その申立てに基づいて交付される金銭は、繰延べを崩す「それ以外の資産」から除かれる扱いがあります。価格に不満があるなら、価格決定の申立てという道が課税の面でも意味を持つことを、知る人だけが使っています
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 課税のタイミング | 57 条の 4:対価が株式のみなら譲渡なしとみなし繰延べ | — |
| 適用の前提 | 株式交換・株式移転等 + 金銭等不交付要件(株式以外の資産不交付) | — |
| 取得価額の扱い | 旧株の取得価額を新株へ引き継ぐ(同条 4 項) | — |
| 繰延べが崩れる場合 | 現金など株式以外の資産の交付、要件不備 | — |
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