要点法人税法 46 条は、出資のない協同組合が賦課金で取得した固定資産の帳簿価額を圧縮限度額まで減額し損金算入できる圧縮記帳を定める。確定申告書への明細記載が適用の絶対条件となる。
Q · 組合員から集めた設備の賦課金、集めた年に全部税金がかかっちゃうんですか?
申告書に明細を書けば圧縮記帳で課税を繰り延べられます
法人税法 46 条により、出資のない協同組合等が組合員から共同設備の取得・改良費として賦課した金額は、その設備の帳簿価額を圧縮限度額まで損金経理で減額するか、確定決算で積立金として積み立てることで損金算入でき、集めた年の課税所得に乗せずに済みます。ただし絶対条件があり、確定申告書に圧縮した金額の明細を記載しなければ 2 項によりこの特例は使えません。制度を知っていても、明細一行の記載を忘れると全額課税に戻ります。なお圧縮記帳は非課税ではなく課税の繰延べで、将来の減価償却費や譲渡益に跳ね返る点に注意が必要です。
出資のない協同組合を運営していて、組合員から「共同の倉庫を建てる」と賦課金を集めたとする。あなたはそれを利益だとは思っていない。すぐ倉庫に消えるお金だからだ。ところが法人税の世界では、集めた賦課金はいったん収益として計上され、そのままでは課税所得を膨らませる。手元に残っていない現金に税がかかる、この不条理を止めるのが 46 条だ。集めた賦課金で取得した固定資産の帳簿価額を、その賦課金の額まで損金経理で減額する(これを圧縮記帳という、収益と損金を相殺して当年の課税所得が膨らまないようにする会計処理)。ただし裏に鉄の条件がある。確定申告書に圧縮した金額の明細を書かなければ、この特例は一切適用されない(2 項)。制度を知っていても、紙一枚の記載を忘れれば全額課税に戻る。
法人税法 46 条は、出資を有しない協同組合等が組合員に賦課して集めた費用で取得・改良した固定資産について、当該賦課に基づき納付された金額のうち取得・改良費に達するまでの金額を圧縮限度額とし、帳簿価額の損金経理による減額または確定決算での積立金方式により損金算入を認める圧縮記帳の規定である。過去に取得した減価償却資産の改良の場合、限度額は政令の計算式による。
AI 輔助整理,以條文原文為準
収益と損金を相殺し、当年の課税所得が膨らまないようにする会計処理です。賦課金や補助金で買った固定資産の帳簿価額を減らし、その分を損金算入して課税を繰り延べます。
原則は賦課に基づき納付された金額のうち固定資産の取得・改良費に達するまでの金額です。過去に取得した減価償却資産の改良の場合は、政令で定める計算式で別途はじきます。
出資金を持たず、事業費を組合員への賦課金でまかなう協同組合等です。法人税法 46 条の圧縮記帳は、この出資を有しない組合に限って適用されます。
なります。すぐ設備に消える資金でも、法人税法上はいったん収益として計上されます。圧縮記帳という積極的な処理をして初めて課税所得から外れます。
非課税ではなく繰延べです。帳簿価額を下げた分、将来の減価償却費が減り、売却時の譲渡益が増えます。今払わない税を未来の組合が払う構造です。
確定申告書に、減額または経理した金額の損金算入に関する明細を添付します。記載がなければ 2 項により特例は適用されません。別表への記載が実務の要です。
3 項の救済要件で、災害など客観的な障害が中心です。単なる記載失念は原則通りませんが、経緯を書面化すると認められる余地が出ます。
使えます。国庫補助金等は 42 条、工事負担金は 45 条、保険金等は 47 条と、圧縮記帳には複数の兄弟制度があります。賦課金型が 46 条です。
46 条は「出資を有しないもの」に限定されており、出資のある協同組合等はこの条文の対象外です。ただし補助金なら 42 条、保険金等なら 47 条など、別の圧縮記帳が使える場面はあります。業界裏話ヒント:出資の有無で使える条文が変わるため、組合設立時の組織設計が後の課税に直結します。集める資金が賦課金中心か出資中心かから逆算して非出資か出資制かを決めるのが実務で、設立後の変更は容易ではありません。
原則アウトですが、3 項に救済があります。記載がなかったことに「やむを得ない事情」があると税務署長が認めれば、1 項を適用できます。業界裏話ヒント:「やむを得ない事情」は災害や客観的な障害が中心で、単なる失念は基本的に通りません。ただし記載漏れの経緯や税理士の関与状況を丁寧に書面化すると認められる余地が出ます。修正申告に走る前に、更正の請求と 3 項適用の主張を同時に組むのが手です。
いいえ、繰延べです。帳簿価額を下げた分、毎年の減価償却費が減り、その分だけ将来の所得と税が増えます。売却時には圧縮した分だけ譲渡益も膨らみます(31 条の償却計算に直結)。業界裏話ヒント:圧縮記帳は今の資金繰りを守る道具で、税の総額を減らすものではありません。だから資金に余裕がある年に無理に使う必要はなく、将来の黒字見通しと今のキャッシュを見比べて使うタイミングを選ぶのが本来の使い方です。
損金経理で帳簿価額を直接減額する方式は簡便ですが、帳簿上の資産額が下がります。確定決算で積立金として積む方式は、会計上の資産額を保ちつつ税務上の損金を確保できます(いずれも 1 項が認める)。業界裏話ヒント:金融機関から融資を受けている組合は、帳簿の資産額が下がると財務指標が悪く見えます。決算書の見栄えを保ちたい場合は積立金方式を選ぶ。税額は同じでも対外的な決算書の姿が変わる交差点で、税理士でも判断が分かれます。
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 資金の性質 | 46 条:非出資組合が組合員に賦課した共同設備費 | — |
| 適用主体 | 出資を有しない協同組合等に限定 | — |
| 圧縮限度額の基準 | 賦課納付額のうち取得・改良費に達するまで(過去取得資産は政令計算) | — |
| 共通の手続要件 | 確定申告書への明細記載(2 項)+損金経理または積立金方式 | — |
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