要点法人税法 50 条は、一年以上保有した同種の固定資産を交換し同一用途に供した場合、交換差益金の範囲内で帳簿価額を減額でき、含み益への課税を繰り延べられると定める。
Q · 土地を交換しただけで、現金が動いてなくても法人税がかかるの?
免税ではなく課税の繰延べで、20% 制限など要件がある
含み益がある固定資産を交換すると、現金が動かなくても時価での譲渡とみなされ法人税が生じます。法人税法 50 条の圧縮記帳を使えば、同一種類・同一用途・一年以上保有・時価差 20% 以内・確定申告書への明細記載という要件を満たすことで、交換差益金の範囲内で新資産の帳簿価額を減額し、課税を将来へ繰り延べられます。ただしこれは免税ではなく繰延べで、新資産を将来売却すれば抑えた益が表面化します。
会社が持つ土地を、隣の会社の土地とそっくり交換した。現金は一円も動いていない。ならば税金の話も無縁だろう、そう構えるのが人情だ。だが税務署の目には、その交換は「時価で売り、時価で買い直した」二つの取引として映る。含み益があれば、手元に現金が入らなくても法人税が課される。法人税法 50 条は、この現金なき課税からあなたを逃がす数少ない出口だ。ただし通行証の条件は細かい。土地は土地、建物は建物と同じ種類の資産を、双方が一年以上持っていたもの同士で交換し、交換後も譲渡直前と同じ用途に使う。そのうえで交換差益金の範囲内で新資産の帳簿価額を損金経理で減額する。ここまで揃えて初めて、その減額分が損金に落ち、課税が未来へ先送りされる。
法人税法 50 条は交換の圧縮記帳を定める規定であり、内国法人が一年以上保有する固定資産を他者が一年以上保有する同種の固定資産と交換し、取得資産を譲渡直前と同一の用途に供したとき、交換差益金の範囲内で帳簿価額を損金経理により減額し、その額を損金算入できる旨を規定する。
AI 輔助整理,以條文原文為準
含み益のある資産を取得したとき、その益に相当する額だけ帳簿価額を引き下げ、当期の課税を将来へ繰り延べる会計・税務処理です。法人税法 50 条は交換の場合を規律します。
同一種類(土地対土地等)、双方が一年以上保有、譲渡直前と同一用途に供する、時価差が高い方の 20% 以内、確定申告書に圧縮額の明細を記載、の五点をすべて満たす必要があります。
交換する取得資産と譲渡資産の時価差が、いずれか高い方の価額の 20% を超えると、圧縮記帳は全額不適用になります。超過分だけ課税ではなく、特例そのものが消える点が要注意です。
譲渡直前の用途と同一の用途に供することが明文の要件です。宅地を交換して駐車場に転用するなど用途が変わると、同じ土地同士でも 50 条を使えなくなります。
個人は法人税法ではなく所得税法 58 条の固定資産の交換特例を使います。一年以上保有・同一種類・同一用途という骨格は 50 条とほぼ同じです。
農地上の耕作に関する権利は 50 条一号の土地に含まれ、要件を満たせば圧縮記帳の対象になります。農家同士の耕作地集約でも課税繰延べを検討できます。
法人税法施行令 92 条の定めに従い、交換により生じた差益金の額を計算します。この差益金の額が損金経理で減額できる帳簿価額の上限になります。
原則不適用ですが、50 条 4 項により、記載しなかったことにやむを得ない事情があると税務署長が認めれば適用できます。ただし門は狭く、単なる失念はまず通りません。
ゼロにはならない。50 条の圧縮記帳は免税ではなく課税の繰延べだ。交換で得た新しい土地の帳簿価額を含み益の分だけ引き下げるので、その土地を将来売れば、抑えていた益が一気に表面化する。業界裏話ヒント:圧縮記帳は税の借金と同じで、いつか返す日が来る。数年後に売却や再開発を予定しているなら、繰延べた益がその事業年度に集中し、かえって不利になることもある。出口まで描いてから使うのが玄人だ
多少の差なら平気だが、限界がある。50 条 2 項は、交換する資産の時価の差が「高い方の価額の 20%」を超えると特例を全額不適用にする。差が 21% なら、超えた分だけ課税ではなく、繰延べそのものが吹き飛ぶ。業界裏話ヒント:この 20% は交換差金(調整金)を含めて判定される。現金を足して帳尻を合わせたつもりが、その現金のせいで 20% を超え、逆に特例を潰す例がある。差金は諸刃の剣だ
原則は不適用だ。50 条 3 項は、確定申告書に圧縮額の明細を記載した場合に限り特例を認める。ただし 4 項に救済があり、記載しなかったことにやむを得ない事情があると税務署長が認めれば適用できる。業界裏話ヒント:この「やむを得ない事情」の門はかなり狭い。税理士の失念や単なる書き忘れはまず通らない。天災など客観的に記載不能だった事情でないと厳しく、実務では最初から書く以外の保険はないと考えるべきだ
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 圧縮記帳の発生原因 | 50 条:同種固定資産の交換(現金収入なし) | — |
| 適用の核心要件 | 同一種類・同一用途・双方一年以上保有・時価差 20% 以内 | — |
| 経理・申告要件 | 損金経理で減額+確定申告書に明細記載 | — |
| 共通する本質 | 免税ではなく課税繰延べ(将来売却で益が表面化) | — |
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