要点労働施策総合推進法第三十六条は、厚生労働大臣が事業主にパワハラ防止措置の実施状況の報告を求める権限を定める。報告をせず、または虚偽の報告をすれば二十万円以下の過料が科される。
Q · パワハラ防止法に罰則がないなら、会社は放置しても何も起きないの?
罰則はないが、国は会社に報告させ、社名公表まで進められる
労働施策総合推進法第三十六条第一項により、厚生労働大臣は事業主に対し、パワハラ防止措置義務(第三十条の二第一項)と相談を理由とする不利益取扱いの禁止(同条第二項)の施行状況について報告を求めることができます。措置義務そのものに罰則はありませんが、報告をしない、または虚偽の報告をした場合は二十万円以下の過料(第四十一条)が科されます。報告で実態が把握されれば助言・指導・勧告へ進み、勧告に従わない企業は社名を公表されます(第三十三条第二項)。
パワハラ防止法には、違反した企業を罰する条文がない。措置義務を定めた第三十条の二には罰則が付いていないからだ。では会社が相談窓口を形だけ置いて放置したとき、国は何ができるのか。その答えがここにある。厚生労働大臣は、事業主に対してパワハラ防止措置と不利益取扱い禁止の実施状況について報告を求めることができる。求められた企業が報告しない、あるいは嘘の報告をすれば二十万円以下の過料(第四十一条)。そして報告で実態が見えれば助言・指導・勧告へ進み、勧告に従わなければ社名が公表される(第三十三条第二項)。あなたが労働局に入れた一本の申告が、この階段の一段目を動かす。罰則なき義務が動く仕組みは、罰ではなく「説明させる権限」の側に埋め込まれている。
労働施策総合推進法第三十六条は、行政による報告徴収の権限を定める規定である。第一項は、厚生労働大臣が事業主からパワーハラスメント防止措置義務およびその相談を理由とする不利益取扱い禁止の施行に関し必要な事項について報告を求める権限を規定する。第二項は、都道府県知事または公共職業安定所長が職業転換給付金の受給者から必要な事項の報告を求める権限を定める。
AI 輔助整理,以條文原文為準
行政の報告徴収権を定めた条文です。第一項で厚生労働大臣が事業主にパワハラ防止措置の施行状況の報告を求められ、第二項で都道府県知事等が職業転換給付金の受給者に報告を求められます。
都道府県労働局の雇用環境・均等部(室)です。労働基準監督署は賃金・労働時間・安全衛生の管轄で、パワハラ防止措置義務は扱えません。窓口を間違えると回されて時間を失います。
任意の依頼ではなく第三十六条第一項に基づく権限行使です。就業規則の該当規定、窓口の周知資料、研修記録、相談対応記録の実物を揃え、事実と突き合わせて期限内に回答してください。
第三十条の二の措置義務自体に罰則はありません。ただし第三十六条第一項の報告要求に応じない、または虚偽報告をした場合は二十万円以下の過料が科されます。義務違反ではなく説明拒否が罰せられる構造です。
あります。報告徴収で実態が把握され、助言・指導を経て勧告に至り、その勧告に従わなかった場合、厚生労働大臣は企業名を公表できます(第三十三条第二項)。
二十万円以下の過料(第四十一条)の対象となるほか、相談者側の記録と食い違えば虚偽報告という別の争点が生じ、その後の勧告・社名公表の判断材料になります。
第三十六条第二項により、都道府県知事または公共職業安定所長が、給付金を受給中または受給した者に対し、支給に関し必要な事項の報告を求められる仕組みです。虚偽報告は不正受給の端緒になります。
不法行為は損害と加害者を知った時から三年、生命・身体を害する場合は五年(民法七百二十四条、七百二十四条の二)。会社の安全配慮義務違反は債権の一般消滅時効五年(民法百六十六条)が目安です。
労働局は原則として相談者を特定せずに動きますが、事案が具体的なほど会社は推測できます。だからこそ第三十条の二第二項が相談を理由とする不利益取扱いを禁止し、第三十六条第一項の報告要求はその第二項の実施状況も対象に含めています。業界裏話ヒント:申告時に「完全匿名」を選ぶと会社への個別指導が難しくなり、一般的な啓発で終わりがちです。担当官は聞かれない限り、この分岐を自分から説明しないことがある
つきません。過料は行政上の秩序罰であり、刑罰である罰金とは別物です。非訟事件手続法に基づき裁判所が科すもので、前科として記録されず、会社役員の欠格事由にもなりません。業界裏話ヒント:金額の軽さから軽視されがちですが、本当の代償は過料そのものではなく、報告を拒んだという事実が第三十三条の勧告と社名公表へ進むかどうかの判断材料になる点にある
対象です。パワハラ防止措置義務は中小企業にも二〇二二年四月一日から全面適用されており、第三十六条第一項の報告要求に企業規模による除外はありません。業界裏話ヒント:猶予期間中に整備を後回しにした企業ほど、就業規則の規定と実際の相談対応記録が食い違いやすい。報告を求められてから慌てて作った書類は、作成日やファイルの版管理から後付けが見抜かれる
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 条文の役割 | 第三十六条:報告を求める権限(事実を把握する段階) | — |
| 権限の主体 | 厚生労働大臣(第一項)/都道府県知事・公共職業安定所長(第二項) | — |
| 企業への効果 | 文書での説明義務が生じ、社内処理の記録が外部に残る | — |
| 労働者側の使い方 | 労働局への申告が発動の端緒。条番号を名指しして申告する | — |
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