要点労働施策総合推進法 37 条は、厚生労働大臣の権限の一部を厚生労働省令の定めにより都道府県労働局長へ委任し、その権限をさらに公共職業安定所長へ再委任できると定める。
Q · パワハラや求人のトラブルで行政を動かしたいとき、厚生労働省の本省に言えばいいんですか?
実際に動かせるのは、あなたの県の労働局長です
労働施策総合推進法 37 条 1 項により、同法上の厚生労働大臣の権限は、厚生労働省令の定めるところにより、その一部を都道府県労働局長へ委任できます。さらに 2 項で、委任された権限は省令の定めにより公共職業安定所長へ再委任できます。したがって事業主への報告徴収・助言・指導・勧告といった実際の権限行使は、本省ではなく所轄の都道府県労働局の名義で行われるのが通常です。相談も申告も、まず地元の労働局に持ち込むほうが早く動きます。
パワハラ防止法として知られるこの法律の条文を追うと、事業主に手を突っ込む権限の主語はほぼ全部「厚生労働大臣」になっている。だが霞が関の大臣が、あなたの会社に直接電話をかけてくることはない。37 条がその種明かしである。大臣の権限は厚生労働省令の定めにより都道府県労働局長へ委任でき(1 項)、委任された権限はさらに公共職業安定所長(ハローワークの所長)へ再委任できる(2 項)。つまり、あなたが職場のハラスメントや求人トラブルで行政を動かそうとするとき、実際に案件を握るのは本省ではなく、あなたの県の労働局だ。本省に手紙を書いても、結局は地元に回る。裏を返せば、電車で行ける距離にある建物の中に、事業主へ助言・指導・勧告を出せる人間が座っているということである。行政が遠いのではなく、あなたが遠い窓口を見ていただけだ。
労働施策総合推進法第 37 条は権限の委任を定める規定であり、同法上の厚生労働大臣の権限の一部を、厚生労働省令の定めるところにより都道府県労働局長へ委任し、委任された権限をさらに公共職業安定所長へ再委任することを認める。権限の帰属を大臣に置いたまま、その行使のみを地方支分部局へ下ろす二段階の構造をとる。
法令の定めにより、行政庁の権限を下級の行政機関へ移す仕組みです。委任されると権限の帰属自体が受任者へ移り、受任者の名義で行使されます。
実務上の入口は各都道府県労働局の雇用環境・均等部(室)です。37 条により大臣権限の多くが局長へ委任されているため、本省へ送っても結局は所轄局へ回ります。
委任の範囲は法律本体ではなく厚生労働省令で決まります。省令に列挙されていない権限は局長へ降りておらず、その行使は無権限の行為として争う余地があります。
委任は権限自体が移り受任者名義で行使します。代理は権限を残したまま本人名義で行い、専決は内部的な決裁分担にすぎず対外的な名義は変わりません。
行政不服審査法 4 条により、原則として処分庁の最上級行政庁へ審査請求します。委任の結果、処分庁は大臣ではなく都道府県労働局長となる点が出発点です。
37 条 2 項により、局長へ委任された権限のうち省令が定めたものが公共職業安定所長へ再委任されます。窓口での取扱いはその範囲内で所長名義により行われます。
同法の施行規則の雑則部分に、委任される権限が号ごとに列挙される形で置かれます。条番号は改正で動くため、e-Gov 法令検索で現行版を確認してください。
省令の委任範囲外の行為は無権限の行為となり、その効力を争えます。文書の発出者名義と省令の委任列挙を突き合わせるのが実務上の第一歩です。
軽くありません。37 条 1 項の委任により権限そのものが局長に移るため、効力は大臣が行ったのと同一です。名義が違うことを理由に無効を主張しても通りません。業界裏話ヒント:どの権限がどこまで委任されているかは、法律ではなく厚生労働省令(施行規則)に書いてあります。委任されていない権限を局長が行使すれば、それは無権限の行為として争える。名義を見て反発するのではなく、省令の委任範囲と突き合わせるのが実務家の作法です。
37 条 2 項は、局長に委任された権限のうち、省令が定めた範囲のみを公共職業安定所長へ再委任できると定めます。二段階構造なので、局長に降りていない権限が所長に届くことはありません。業界裏話ヒント:窓口で「できません」と言われたとき、それが権限がないという意味なのか、権限はあるが判断としてやらないという意味なのかを分けて聞くこと。前者なら上位の労働局へ、後者ならその場で理由の説明を求める。この一問で、次に向かう先が変わります。
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 権限の出どころ | 37 条:大臣権限を省令により局長へ委任、さらに所長へ再委任 | — |
| 発動のきっかけ | 委任元の権限規定が定める要件(報告徴収・助言指導勧告など) | — |
| 名義人 | 都道府県労働局長(再委任時は公共職業安定所長) | — |
| 実務上の使い分け | 省令の委任列挙と文書の名義を突き合わせ、無権限行使を争う軸 | — |
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