事業主は、労働者がその有する能力を有効に発揮するために必要であると認められるときとして厚生労働省令で定めるときは、労働者の募集及び採用について、厚生労働省令で定めるところにより、その年齢にかかわりなく均等な機会を与えなければならない。
要点労働施策総合推進法 9 条は、事業主に募集及び採用で年齢にかかわりない均等な機会を与えるよう義務付ける。ただし厚生労働省令が定める六つの例外に当たる場合は年齢制限が認められる。
Q · 求人票の「35歳以下」って、法律的にアウトなんですか?
原則違法。ただし省令の六つの例外に当たれば適法です
労働施策総合推進法 9 条により、事業主は労働者の募集及び採用について年齢にかかわりない均等な機会を与える義務を負います。したがって「35歳以下」といった年齢制限は原則として違法です。ただし同法施行規則第 1 条の 3 が定める六類型(長期勤続によるキャリア形成、技能・ノウハウの継承、芸術・芸能の表現上の必要、定年年齢を上限とする無期雇用、法令上の年齢制限、国の雇用促進施策の対象者)に当たる場合は認められます。本条自体に罰則はなく、求人の不受理と都道府県労働局の助言・指導・勧告で実効性が確保されます。
転職サイトで「35歳以下歓迎」「若手が活躍中」という求人を見て、そっと画面を閉じた経験があるだろうか。その求人は、原則として違法である。本条は事業主に対し、労働者の募集及び採用について年齢にかかわりなく均等な機会を与えることを義務付けている。2007年に努力義務から義務へ格上げされた条文だ。ただし、ここからが本題である。条文をよく読むと「厚生労働省令で定めるとき」「厚生労働省令で定めるところにより」と二度も書いてある。つまり中身は法律本体になく、施行規則第1条の3に置かれた例外六類型がすべてを決める。長期勤続によるキャリア形成(いわゆる新卒枠)、技能・ノウハウの継承、芸術・芸能の表現上の必要、定年年齢を上限とする無期雇用、法令上の年齢制限、国の雇用促進施策の対象者。あなたが見た求人がこの六つのどれにも当てはまらないなら、それは違法な求人だ。そして罰則はない。あるのは求人の受理拒否と労働局の助言・指導・勧告だけである。だから違法な年齢制限は、今日も堂々と流通している。
労働施策総合推進法第 9 条は、事業主に対し、労働者の募集及び採用について年齢にかかわりなく均等な機会を与える義務を定める規定である。禁止の範囲および例外事由は厚生労働省令に委任されており、同法施行規則第 1 条の 3 が長期勤続によるキャリア形成など限定列挙の例外を定める。平成 19 年改正により努力義務から法的義務へ格上げされた。
事業主に対し、労働者の募集及び採用について年齢にかかわりない均等な機会を与えることを義務付ける規定です。旧雇用対策法 10 条が 2018 年の改称で 9 条へ移りました。
施行規則第 1 条の 3 の六類型です。長期勤続によるキャリア形成、技能継承、芸術・芸能の表現上の必要、定年を上限とする無期雇用、法令上の年齢制限、国の雇用促進施策の対象者に限られます。
年齢そのものを書かない表現は直ちに違法とは言い切れません。ただし実質的に年齢で選別していれば本条の趣旨に反し、行政指導の材料になります。求人媒体の掲載審査でも問題視されます。
あります。高年齢者等の雇用の安定等に関する法律第 20 条は、年齢制限を付す事業主に求職者への理由提示を義務付けています。メールなど文字で受け取ると後の資料になります。
都道府県労働局とハローワークです。助言・指導・勧告のほか、公的職業紹介では法令違反の求人を受理しない仕組みで流通を止めます。刑罰ではなく経路遮断型の設計です。
矛盾しません。施行規則の例外に「定年年齢を上限として、それ未満の労働者を期間の定めなく募集・採用する場合」が置かれており、定年制の存在を前提に組み立てられています。
適用されます。本条は雇用形態を限定せず、事業主が行う労働者の募集及び採用全般に及びます。派遣元が派遣労働者を募集する場面も対象です。
本条違反そのものに刑罰はありません。実効性は求人の不受理と都道府県労働局の助言・指導・勧告で確保されます。行政的な是正手段の根拠条番号は最新の改正状況をご確認ください。
無駄とは限りません。本条は年齢にかかわりない均等な機会を与える義務を課しており、施行規則第1条の3の例外に当たらない年齢制限は違法です。年齢を理由に断られたら、高年齢者等の雇用の安定等に関する法律第20条により理由の提示を求められます。業界裏話ヒント:求人媒体は掲載審査で年齢表記を弾くため、企業は「若手が活躍」「20代中心の職場」という表現に置き換えます。この言い換え自体は直ちに違法とは言えませんが、実質的な選別を示す材料として申告時に効きます
施行規則第1条の3が定める長期勤続によるキャリア形成の例外に当たります。ただし条件は厳格で、期間の定めのない労働契約であること、職業経験を不問とすること、新規学卒者と同等の処遇であること、この三つを同時に満たす必要があります。業界裏話ヒント:この例外を使う以上「職業経験を問わない」ことが縛りになるので、「実務経験3年以上、30歳以下」という求人は例外を主張できず違法になります。街の求人で最も見つけやすい違反パターンがこれです
本条に民事の損害賠償規定はありません。採用の自由には限界があるとして、公序良俗違反(民法90条)や不法行為(民法709条)を構成すると主張する余地はありますが、採用段階の損害立証は難しく、実務上、解釈が分かれている領域です。業界裏話ヒント:金銭回収を狙うより、労働局への申告で求人票そのものを是正させる方が現実的で速い。是正されればあなたがその求人に応募できるようになる、というのが最も実利のある着地点です
動きます。本条の義務は事業主に課されており、募集の経路を問いません。都道府県労働局は助言・指導・勧告ができ、報告徴収の仕組みもあります(根拠条番号と過料の額は最新の改正状況をご確認ください)。業界裏話ヒント:申告は匿名でも受け付けられますが、求人番号・掲載URL・スクリーンショットの日付が揃っているかで行政が動く速度が変わります。求人は数日で消えるので、見つけた日のうちに撮っておくのが分水嶺です
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 規律の対象場面 | 第 9 条:労働者の募集及び採用(入口のみ) | — |
| 義務の名宛人と性質 | 事業主の法的義務(平成 19 年に努力義務から格上げ) | — |
| 例外・詳細の所在 | 厚生労働省令(施行規則第 1 条の 3)の六類型+平成 19 年告示第 141 号 | — |
| 違反時の帰結 | 罰則なし。求人の不受理+助言・指導・勧告 | — |
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