第三十二条第四項の規定に違反した者は、六月以下の拘禁刑又は五十万円以下の罰金に処する。
要点労働施策総合推進法39条は、同法32条4項の秘密保持義務に違反した者を六月以下の拘禁刑又は五十万円以下の罰金に処す。対象は意見を求められた学識経験者で、両罰規定はない。
Q · 国から意見を聞かれた専門家が、その話を外で喋ったらどうなるの?
労働施策総合推進法39条で、拘禁刑または罰金の対象になる
労働施策総合推進法第32条第4項は、地方公共団体の長による大量離職への措置要請について厚生労働大臣が意見を聴いた学識経験者等に、秘密保持義務を課しています。これに違反して秘密を漏らした場合、同法第39条により六月以下の拘禁刑又は五十万円以下の罰金に処せられます。同法で身体の自由を奪う刑罰が定められているのは本条のみであり、事業主向けの第40条と異なり両罰規定がないため、責任は漏示した個人一人に帰属します。
六月以下の拘禁刑。この法律全体を見渡しても、人の身体の自由を奪う刑罰が用意されているのは、この一条だけである。しかも名指しされているのは会社ではない。第32条は、地元で多数の離職が発生しそうなとき、市長や知事が厚生労働大臣に必要な措置の実施を要請できると定め、その第3項で、大臣は判断の前に学識経験者などの意見を聴かなければならないとする。第4項が、その意見を求められた側に秘密保持義務を課す。つまりあなたが地域経済の専門家として役所から声をかけられ、Y社で数百人規模の離職が起きそうだという説明を受けた瞬間、あなたは刑罰付きの秘密を抱えたことになる。ゼミで漏らしても、家族に話しても、記者に匂わせても構成要件は満たす。他の罰則である第40条は上限30万円の罰金で、しかも両罰規定があり法人も一緒に罰せられる。第39条に両罰規定はない。背負うのはあなた一人である。
本条は、労働施策総合推進法第32条第4項が定める秘密保持義務の違反に対する罰則規定である。同法第32条は、地方公共団体の長が大量の離職に関し国へ必要な措置を要請する手続を定め、厚生労働大臣は判断に先立ち学識経験者等の意見を聴くものとする。その意見を求められた者が知り得た秘密を漏らした場合、六月以下の拘禁刑又は五十万円以下の罰金が科される。
同法32条4項の秘密保持義務に違反した者を、六月以下の拘禁刑又は五十万円以下の罰金に処する罰則規定です。同法で拘禁刑が定められた唯一の条文です。
上限五十万円です。刑法134条の秘密漏示罪の罰金上限十万円の5倍にあたり、拘禁刑との選択刑になっています。裁判所が事案に応じてどちらかを選びます。
2022年公布の刑法改正で懲役と禁錮を一本化した刑罰で、2025年6月1日に施行されました。本条も六月以下の懲役から六月以下の拘禁刑に改められています。
39条は意見を求められた個人の秘密漏示に対する拘禁刑つき罰則、40条は事業主の届出義務違反等に対する三十万円以下の罰金で、40条には両罰規定があります。
本条に親告罪の定めはありません。刑法134条の秘密漏示罪と異なり、企業や自治体の告訴がなくても捜査・起訴が可能で、第三者による告発も成り立ちます。
法定刑の長期が5年未満のため3年です(刑事訴訟法250条2項)。起算点は秘密を漏らした時点で、継続的に語っていた場合は最後の漏示時が問題になります。
労働施策総合推進法32条に基づき、地域で多数の離職が発生しそうなとき、市町村長や都道府県知事が厚生労働大臣に必要な措置の実施を求める手続です。
断ることは可能です。応諾を強制する規定はありません。ただし引き受けた後は秘密保持義務が発生するため、受任前に守秘の範囲を確認するのが安全です。
あります。第32条第3項で厚生労働大臣は意見を聴く義務を負い、同条第4項が意見を求められた側に秘密保持義務を課します。破れば第39条で六月以下の拘禁刑または五十万円以下の罰金です。業界裏話ヒント:依頼文書に守秘の範囲が具体的に書かれていないことがある。引き受ける前に、どこまでが秘密かを書面でもらえるかどうかで、後の身の安全がまるで違う
漏らすとは、その秘密を知らない他人に告げることを指し、家族も他人に含まれます。争点になるのは、その情報が秘密といえるか。判例は非公知かつ実質的に保護に値するものを秘密と捉えます(最決昭和53.5.31)。業界裏話ヒント:この罪は親告罪ではないため、企業の告訴がなくても起訴できる。しかも意見聴取の出席者は数名、出所は即座に絞られる
社名を伏せても、地域と規模から特定できるなら漏示に当たりえます。第32条第4項には刑法134条のような正当な理由がないのにという留保がなく、研究目的なら当然に許されるとは読めません(刑法35条による違法性阻却の余地はあるが、実務上解釈が分かれる)。業界裏話ヒント:公表可否は事後に交渉しても遅い。受任時の合意文書に研究利用の条件を一行入れておく
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 処罰対象者 | 第39条:意見を求められた学識経験者等の個人 | — |
| 制裁の重さ | 六月以下の拘禁刑又は五十万円以下の罰金 | — |
| 両罰規定 | なし。法人は処罰されず個人のみ | — |
| 前科の有無 | 刑事罰のため前科が残る | — |
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