要点徴収法 39 条は、都道府県・市町村の行う事業などについて労災保険と雇用保険を別個の事業とみなす二元適用の規定で、申告・納付は系統別に必要となる。
Q · 市役所や自治体って、なんで労働保険番号が二つあるんですか?
徴収法 39 条で労災と雇用保険が別扱いだからです
徴収法 39 条 1 項は、都道府県及び市町村の行う事業その他厚生労働省令で定める事業について、労災保険に係る保険関係と雇用保険に係る保険関係を別個の事業とみなすと定めています。これが二元適用事業で、保険関係成立届も年度更新の申告・納付も労災分と雇用保険分の二系統に分かれ、窓口も労働基準監督署とハローワークに分かれます。さらに同条 2 項は、国の行う事業と 1 項の事業について、労働者の範囲や一般保険料の納付を厚生労働省令で別段に定めることを認めています。
労働保険料の世界には「一つの事業所=一つの保険関係」という大原則がある。ところが、あなたが県庁や市役所、あるいは特定の官公需事業の総務担当だとすると、その原則がここで折れる。本条 1 項は、都道府県・市町村が行う事業などについて、労災保険の保険関係と雇用保険の保険関係を「別個の事業」とみなすと定める。つまり労災は労災で、雇用保険は雇用保険で、それぞれ独立に保険関係が成立し、独立に申告・納付する。これが実務用語でいう「二元適用事業」だ。民間企業のように労災と雇用保険をひとまとめにして一枚の申告書で済ませる「一元適用」は使えない。年度更新のたびに申告書が二枚になり、労働保険番号も二つ持つことになる。2 項はさらに踏み込み、国の事業とこれらの事業について、誰を「労働者」として数えるか、一般保険料をどう納めるかを厚生労働省令で別扱いにできるとする。あなたが払う保険料の計算対象そのものが、省令一本で通常のルールから外れる構造になっている。
徴収法 39 条は適用の特例を定める規定であり、都道府県及び市町村の行う事業その他厚生労働省令で定める事業について、労災保険と雇用保険の保険関係ごとに別個の事業とみなす。2 項は国の行う事業及び 1 項の事業につき、労働者の範囲並びに一般保険料の納付に関して厚生労働省令で別段の定めを置くことを認める。
労災保険と雇用保険の保険関係を別個の事業として扱う事業のことです。徴収法 39 条 1 項が根拠で、労働保険番号も申告書も二系統になります。
都道府県及び市町村の行う事業と、その他厚生労働省令で定める事業です。実務上は農林水産業、建設業、港湾関係の一部が省令で指定されています。
毎年 6 月 1 日から 7 月 10 日までに前年度の確定保険料と当年度の概算保険料を申告・納付します(徴収法 15 条、19 条)。二元適用では二系統分が必要です。
保険関係成立届の控え、労働保険料の納付書、年度更新申告書で確認できます。番号が二つあれば二元適用事業である可能性が高いといえます。
保険関係が成立した日の翌日から起算して 10 日以内です。二元適用事業では労災分と雇用保険分をそれぞれ別に提出する必要があります。
労災保険分は所轄の労働基準監督署、雇用保険分は所轄の公共職業安定所(ハローワーク)です。系統ごとに窓口が分かれる点が一元適用との大きな違いです。
政府による保険料の認定決定(徴収法 15 条 3 項)を受け、追徴金(同 21 条)が課される場合があります。未成立中の労災事故は費用徴収の問題も生じます。
保険料その他徴収金の徴収・還付を受ける権利は 2 年で時効消滅します(徴収法 41 条)。遡って請求される期間の目安にもなります。
あります。徴収法 39 条 1 項は「その他厚生労働省令で定める事業」も対象にしており、実務上は農林水産業、建設業、港湾関係の一部が指定されています。業界裏話ヒント:建設業は元請が現場労災を一括して負う一方、雇用保険は各社が自社の労働者について適用するという構造上のねじれがあり、これが二元適用の実質的な理由です。建設業の総務に配属されたら、まず自社の労働保険番号を数えるところから始める人と、そうでない人とで初年度の事故率がまったく違う
保険関係成立届、年度更新の申告書、納付、そして窓口対応がそれぞれ二系統になります。労災は労働基準監督署、雇用保険はハローワークと管轄も分かれます(徴収法 39 条 1 項)。業界裏話ヒント:納付書も別々なので、片方だけ納付して片方を失念する事故が実際に多い。金融機関の窓口で二枚同時に処理してもらい、領収済通知書を並べて保管するのが現場の定番の防御策です
職員の身分によります。国家公務員災害補償法・地方公務員災害補償法という別系統の補償制度があり、そちらが適用される職員は労災保険の対象外です。本条 2 項は、この境界を厚生労働省令で調整する根拠を置いています。業界裏話ヒント:問題は自治体で働く非常勤職員・会計年度任用職員です。身分と勤務形態によってどちらの制度が適用されるかが変わり、境界にいる人ほど、事故が起きてから初めて自分がどちらの制度の対象かを知ることになる(最新の改正状況をご確認ください)
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|---|---|---|
| 保険関係の単位 | 徴収法 39 条 1 項:労災保険と雇用保険ごとに別個の事業とみなす(二元適用) | — |
| 申告・納付の枚数 | 労災分・雇用保険分で二系統の申告書と納付書 | — |
| 労働者の範囲 | 徴収法 39 条 2 項:国の事業と 1 項の事業は厚生労働省令で別段の定めが可能 | — |
| 手続の窓口 | 労災は労働基準監督署、雇用保険はハローワークに分離 | — |
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