要点著作権法104条の2は、私的録音録画補償金を受ける権利を、録音・録画の区分ごとに全国で一個だけ文化庁長官が指定する指定管理団体によってのみ行使できると定める規定である。
Q · 私的録音録画補償金って、誰がまとめて集めているの?
録音・録画ごとに全国一個の指定管理団体だけが行使できます
著作権法104条の2により、私的録音録画補償金を受ける権利は、私的録音・私的録画の区分ごとに、全国を通じて一個に限り文化庁長官が指定する団体(指定管理団体)によってのみ行使できます。指定管理団体は権利者に代わり、自己の名で裁判上・裁判外の権利行使を行います。録音分はSARAH、録画分はかつてSARVHが担いましたが、SARVHはメーカーとの訴訟に敗れて2015年に解散し、以降テレビ録画の補償金は事実上徴収されていません。
音楽をCDやMDに焼く、テレビ番組をBlu-rayに録る。その「私的な複製」のために、あなたは知らないうちに著作権者へお金を払っている。著作権法104条の2が組み立てたのが私的録音録画補償金制度だ。仕組みはこうなっている。政令で指定された録音録画機器や記録媒体の販売価格に、あらかじめ補償金が上乗せされ、メーカーが回収する。あなたが個別に著作権者へ振り込むのではない。文化庁長官が全国で「録音」「録画」それぞれ一つだけ指定した団体(指定管理団体)が、権利者全員に代わってまとめて受け取り、分配する。一個に限るのがミソだ。だがこの条文の本当の見どころは、その制度が半分崩れている事実にある。録音側はSARAHが指定団体として残るがMDの衰退で徴収はわずか。録画側はSARVHという団体が機器メーカーとの裁判に敗れて2015年に解散し、以来、テレビ録画の補償金は事実上徴収されていない。あなたがレコーダーを買っても、録画分の補償金は誰の手にも渡っていない。
著作権法104条の2は、私的録音録画補償金請求権の行使主体を定める規定である。同権利は、私的録音・私的録画の区分ごとに、全国を通じて一個に限り文化庁長官が指定する団体(指定管理団体)によってのみ行使され、当該団体は権利者のために自己の名で裁判上・裁判外の行為を行う権限を有する。
録音分はSARAHを通じて限定的に徴収されるが、録画分はSARVH解散(2015年)以降、事実上徴収されていない。制度は半分空洞化している。
私的録画補償金の徴収をめぐりメーカー(東芝)との訴訟に敗れ、協力義務が否定された結果、徴収基盤が崩れて2015年に解散した。
録画分の指定管理団体SARVHが解散したため、現在テレビ録画の補償金は事実上誰にも徴収・分配されていない。
政令(施行令)で指定された特定機器・特定記録媒体に限られる。MDやDVD等が指定され、汎用PCやスマホは指定外である。
かからない。スマホ・PCは政令の特定機器に指定されていないため、私的録音録画補償金の対象外である。
本当。受け取った補償金の一部は個別分配されず、著作権思想の普及等の共通目的事業(104条の8)に充てられる。
平成4年(1992年)の著作権法改正で新設された。デジタル録音技術の普及に対応するために導入された制度である。
録音分はSARAHが指定管理団体として存続し徴収を続けているが、MDの衰退により徴収額はごくわずかにとどまる。
制度上は、政令で指定された特定記録媒体に補償金が上乗せされる建付けです(著作権法104条の2、施行令の特定記録媒体指定)。ただし録画用については、SARVHという指定管理団体がメーカーとの裁判に敗れて2015年に解散して以降、事実上徴収されていません。業界裏話ヒント:店頭価格に「補償金が乗っている」と思い込んでいる人は多いですが、録画分は実態として誰も集めていない時期が長く続いています。気になるなら、その商品が現に補償金の徴収対象かは販売店ではなく制度の運用状況で判断するしかありません(最新の改正状況をご確認ください)
録音分については、指定管理団体(SARAH)が権利者全体のために一括して受け取り、分配する仕組みです(著作権法104条の2第2項)。ただし個々の権利者が自動的に受け取れるわけではなく、団体を通じた分配の枠組みに入っている必要があります。しかも受け取った補償金の一部は共通目的事業に充てられます(104条の8)。業界裏話ヒント:「自分の曲がコピーされた分が直接振り込まれる」イメージを持つ人が多いですが、実際は統計的・包括的な分配で、個別の複製を追いかけて精算する制度ではありません。少額の権利者ほど、制度の存在自体を知らずに取りこぼしています
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 条文の役割 | 104条の2:補償金請求権の行使主体(指定管理団体)を集約 | — |
| 規律の対象 | 補償金請求権を誰が行使するか | — |
| 実務上の争点 | 全国一個への集約による権利者の自己決定制限 | — |
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