要点著作権法 30 条の 2 は、撮影や生配信に付随して写り込んだ著作物が全体で軽微な構成部分にとどまり正当な範囲内であれば、無許諾で利用できると定める。
Q · 動画の背景にポスターやBGMが写り込んだら、著作権侵害になりますか?
背景に軽微に写り込んだ程度なら適法になりえます
著作権法 30 条の 2 により、撮影・録音・生配信などに付随して写り込んだ著作物が、作成伝達物全体で軽微な構成部分にとどまり、正当な範囲内であれば、無許諾で利用できます。判断は占める割合・再現の精度・果たす役割で行い、背景に小さく映る程度はセーフ、画面いっぱいに大きく長く映せばアウトです。営利目的でも 2020 年改正で即侵害とはならず、考慮要素の一つに格下げされました。ただし著作権者の利益を不当に害する場合は除かれます。
街角で自撮り動画を撮る。背後にはアニメのポスター、店内には有線放送の音楽、すれ違う人のTシャツにはキャラクター。これをSNSに上げた瞬間、理屈の上では数十件の著作権侵害が同時に成立しうる。だが現実には誰も訴えられない。その盾が著作権法30条の2、通称「写り込み」の規定だ。撮影や録音、さらに2020年改正で生配信やスクリーンショットまで含む「複製伝達行為」をするとき、メインの被写体に付随して入り込んだ著作物が、全体の中で「軽微な構成部分」にとどまり「正当な範囲内」であれば、許可なく使ってよい。判断の軸は三つ。占める割合、再現の精度、果たす役割。背景にぼんやり映るポスターはセーフ、画面いっぱいにアップで長く映せばアウト。この線引きを握れば、削除要請が来ても、引くか戦うかを自分で決められる。
著作権法 30 条の 2 は付随対象著作物の利用に関する権利制限規定であり、撮影・録音・録画や生配信等の複製伝達行為に際し、主たる対象に付随して写り込んだ著作物が作成伝達物において軽微な構成部分となる場合に、正当な範囲内での無許諾利用を認めるものである。著作権者の利益を不当に害する場合は適用が除外される。
撮影や録音、配信の対象に付随して、背景などに著作物が意図せず入り込むことです。著作権法 30 条の 2 が根拠で、軽微で正当な範囲内なら無許諾利用が認められます。
2012 年改正で新設され、2020 年改正で生配信やスクリーンショットまで対象が拡大しました。古い基準では対象外だった行為も、現在は適法になりえます。
作成伝達物に占める割合、再現の精度、果たす役割の三要素で判断します。小さく短く背景的に映ればセーフ、大きく長く中心的に映せば軽微の枠を外れます。
引用(32 条)は他人の著作物を主目的に取り込む行為で出所明示が必要です。写り込み(30 条の 2)は主目的の対象に付随して入った著作物が軽微な場合の制限です。
適法になりえます。2020 年改正で複製を伴わない伝達行為まで射程が広がり、生配信中に背景へ軽微に写り込んだ著作物も 30 条の 2 の対象になりました。
軽微で正当な範囲内なら消す義務はありません。ただし著作権者の利益を不当に害しうる微妙なケースでは、モザイクやカットの方が争うコストより安いこともあります。
対象です。2020 年改正で複製伝達行為にスクリーンショットが含まれ、画面の隅に軽微に写り込んだ著作物の保存・伝達も適法になりえます。
複製権侵害(21 条)として、差止請求(112 条)や損害賠償請求の対象になります。悪質な場合は刑事罰(119 条)の可能性もあります。
たまたま店内で流れていたBGMが背景に入った程度なら、著作権法30条の2の写り込みで適法になりうる。ただし、あなたが意図的にその曲を選んで流したり、聴かせる目的で大きく入れたなら写り込みを外れる。業界裏話ヒント:YouTubeのContent IDは機械的に音を検知するだけで、写り込みか否かは判断しない。警告イコール違法ではない。異議申立てフォームで「付随的な写り込み」と主張すれば、収益化を維持したまま争える
必ずしも消す必要はない。ポスターが背景にあり、全体の中で小さく、作品の中心でないなら30条の2で適法になりうる。慌てて消すと、適法な投稿の再生数や収益を自ら捨てることになる。業界裏話ヒント:2020年改正で「分離困難性」が要件から考慮要素へ格下げされた。昔は『簡単に避けられたのに映した』とアウトにされやすかったが、今は避けられたかどうかは決め手ではなく、軽微さの方が主軸。古い基準で自主規制しすぎている人が非常に多い
営利目的でも適法になりうる。2020年改正で「利益を得る目的の有無」は複数の考慮要素の一つに格下げされ、営利イコール即アウトではなくなった(著作権法30条の2第1項)。業界裏話ヒント:多くの制作会社の法務マニュアルが、改正前の『営利は厳しめ』基準のまま止まっている。実際の軸は軽微性と正当な範囲。ただし、著作権者の利益を不当に害する場合(同条ただし書)は営利だと認定されやすい傾向はあるので、メイン級に映すのは避けるのが安全
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 対象著作物の位置づけ | 30 条の 2:主たる対象に付随して写り込んだ軽微な著作物 | — |
| 適法の中心要件 | 軽微な構成部分 + 正当な範囲内 | — |
| 利用範囲の制限 | 営利でも可(考慮要素の一つ)/不当に害する場合は除外 | — |
| 出所明示の要否 | 不要 | — |
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