要点著作権法42条の2は、特許・意匠・商標や薬事などの審査手続に必要と認められる限度で、他人の著作物を許諾なく複製できると定める。ただし著作権者の利益を不当に害する複製は認められない。
Q · 特許や新薬の審査に他人の論文をコピーして出すのに、著作権者の許可はいるの?
審査に必要な限度なら許可は不要です
著作権法42条の2により、特許・意匠・商標の審査や薬事審査などの行政手続に必要と認められる限度であれば、他人の著作物を許諾なく複製できます。2項では電子申請やオンライン審査のための公衆送信も認められます。ただし、著作物の種類・用途やコピーの部数・態様に照らして著作権者の利益を不当に害する場合は対象外です。また審査終了後に宣伝など別目的で使うと、著作権法49条の目的外使用として新たな侵害になります。
あなたが特許を出願するとき、先行技術として他人の論文や競合製品のカタログを添付する。新薬の承認申請なら、海外の臨床論文を山ほどコピーして提出する。これらはすべて他人の著作物だ。本来なら複製権者の許可が要る。だが著作権法42条の2は、特許・意匠・商標の審査、品種登録、地理的表示の登録、そして薬事の審査といった行政手続のために「必要と認められる限度で」複製してよいと定める。さらに2項では、電子申請やオンライン審査のために公衆送信や受信装置での伝達も認めた。落とし穴はただし書にある。著作物の種類・用途、コピーの部数・態様が著作権者の利益を不当に害する場合は、この自由は消える。つまり「審査のため」という看板さえあれば何でもコピーし放題ではない。必要な限度を超えた瞬間、あなたは侵害者に戻る。
著作権法42条の2は、行政庁等が行う特許・意匠・商標・実用新案・品種・地理的表示・薬事に関する審査等の手続のために必要と認められる限度において、著作物の複製及び公衆送信を許容する権利制限規定である。複製権及び公衆送信権に対する目的限定的な例外として機能し、著作権者の利益を不当に害する場合には適用されない。
特許・薬事など行政審査の手続に必要な限度で他人の著作物を複製・公衆送信できる権利制限規定です。許諾なく審査資料に添付できますが、利益を不当に害する複製は除かれます。
著作権者の許可なく著作物を利用できる法定の例外の総称です。私的複製や引用、審査手続のための複製など、公益や利用実態に応じて法が個別に定めています。
特許審査に必要な限度の複製は42条の2で適法です。先行技術として審査官に示す文献の複製は許諾不要ですが、社内での大量回覧など別用途は対象外です。
地理的表示の登録手続に必要な限度なら、産地の歴史資料や第三者の調査報告を42条の2第1項3号で複製できます。担当者が見落としやすい根拠です。
PMDA等への薬事審査・報告に必要な限度なら許諾不要です(1項4号)。医療機器・再生医療等製品も明示的に含まれます。ただし審査枠外の利用は保護されません。
権利制限で作った複製物を、認められた目的以外に使うことです。著作権法49条により新たな複製とみなされ、その時点で侵害が成立します。
原則ダメです。42条の2は手続のための複製までで、審査後に宣伝目的でサイト転載すると49条の目的外使用となり侵害になります。
明確な部数上限はありませんが「必要と認められる限度」に絞られます。必要を超える大量複製や有料データベースの丸写しは、利益を不当に害するとして対象外です。
特許審査の手続に必要と認められる限度であれば、42条の2第1項により許諾は不要です。先行技術文献として審査官に示す複製はまさにこの典型です。ただし必要を超える部数や審査と無関係な流用は対象外です。業界裏話ヒント:実務では「審査のため」を口実に有料論文DBを社内で広く回覧する例がありますが、これは必要な限度を超え、サービス契約違反にもなりうる。本条が守るのは審査官に出す分までで、社内共有まではカバーしないと理解しておくと安全です
原則ダメです。42条の2は手続のための複製・公衆送信を認めるだけで、審査が終わった後に宣伝目的で使うのは著作権法49条の目的外使用にあたり、新たな複製とみなされて侵害になります。業界裏話ヒント:「特許庁に認められた技術」と称して証拠資料を自社サイトに転載し、警告を受ける例は珍しくない。手続が終わった瞬間、その資料は「ただの他人の著作物」に戻ると覚えておくこと
日本国内で行う複製・公衆送信には日本の著作権法が適用され、薬事審査のための複製は42条の2第1項4号で許容されます。独立行政法人(PMDA)に対する報告手続も明文で含まれます。業界裏話ヒント:この4号は医療機器・再生医療等製品まで明示的に射程に入れており、機器メーカーやバイオ企業の申請実務を静かに支えている。逆に審査・報告の枠を外れた社内資料化や宣伝利用は保護外なので、用途ごとに根拠を分けて管理するのが玄人の処理です
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 適用場面 | 42条の2:特許・意匠・商標・品種・GI・薬事の審査手続 | — |
| 制限される権利 | 複製権(1項)+公衆送信権(2項) | — |
| 主な要件 | 手続に必要と認められる限度+ただし書 | — |
| 目的外使用の扱い | 49条で新たな複製=侵害 | — |
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