要点著作権法 84 条は、出版権者が出版義務に違反したとき、複製権等保有者が通知で出版権を消滅させられると定める。3 項では著作者が確信変更を理由に、損害賠償を条件として出版を廃絶できる。
Q · 出版社が絶版のまま放置している自分の本、権利を取り戻せる?
はい、84 条の通知で出版権を消滅させて取り戻せます
著作権法 84 条により、出版権者が初版出版義務(81 条イ)に違反すれば催告不要で通知一本、継続出版義務(81 条ロ)に違反すれば 3 か月以上の催告のうえ、複製権等保有者は出版権を消滅させられます。絶版でも権利は自動では戻らず、能動的に消滅通知を出すことが必要です。さらに 3 項では、著作者は内容が自己の確信に適合しなくなった場合、通常生ずべき損害を先に賠償することを条件に出版を廃絶できます。
あなたが書いた本が、出版社の都合で何年も絶版のまま放置されている。電子化もされず、増刷もされず、しかし権利だけは出版社が握ったまま。別の出版社から出し直したくても、自分には何の手立てもないと思っているかもしれない。著作権法 84 条は、その思い込みを覆す。出版権者が「原稿引渡しから 6 か月以内に出す義務」(81 条のイ)を破れば、あなたは通知一本で出版権を消滅させられる。「慣行に従い継続して出版する義務」(81 条のロ)を破った場合は、3 か月以上の催告をしてなお履行されなければ、同じく消滅させられる。さらに 3 項は劇薬だ。あなたの考えが変わり、その本の内容がもう自己の確信に合わなくなったとき、あなたは出版そのものを葬り去れる。条件は、出版社に通常生ずべき損害をあらかじめ賠償すること。一度渡したら戻らないと思っていた作品を、自分の手に取り戻す扉が、ここにある。
著作権法 84 条は出版権の消滅を定める規定であり、出版権者が初版出版義務(81 条イ)や継続出版義務(81 条ロ)に違反した場合の消滅、および著作者の確信変更による消滅(3 項)を規律する。前者は通知または催告を経た通知で、後者は通常生ずべき損害の事前賠償を条件に効力を生じる。
AI 輔助整理,以條文原文為準
出版権者の義務違反や著作者の確信変更を理由に、複製権等保有者が通知で出版権を終了させる制度です。著作権法 84 条が根拠で、絶版でも自動では消えません。
継続出版義務違反(81 条ロ)なら 3 か月以上の催告後に、初版出版義務違反(81 条イ)なら催告不要で、内容証明による消滅通知を出版社へ送ります。
内容証明郵便で出版社に消滅通知を送るのが鉄則です。日付と内容を証拠化しておけば、後から「聞いていない」と争われても消滅の効力が揺るぎません。
出版権者が慣行に従い著作物を継続して出版・公衆送信する義務です(81 条ロ)。増刷も電子化もせず放置すると、この義務違反として消滅事由になります。
原稿など複製に必要な原稿の引渡しを受けた日から起算します。6 か月以内に出版しなければ 81 条イ違反となり、84 条 1 項で催告不要の即時消滅が可能です。
はい。継続出版義務違反の 3 か月催告は内容証明郵便が原則です。口頭の催促だけでは証拠が残らず、期間経過後の消滅通知が揺らぎます。
消滅通知で出版権が消滅したら、文化庁の著作権登録原簿の抹消登録(88 条)を進めます。抹消により他社からの再出版の道が明確に開けます。
設定行為で 81 条の義務を軽減・免除している場合、その範囲では義務違反が成立せず消滅できないことがあります。まず契約書の別段の定めを確認します。
戻りません。絶版でも出版権は出版社に残ります。あなたが 84 条に基づき、継続出版義務違反(81 条のロ)なら 3 か月催告のうえ、初期出版義務違反(81 条のイ)なら直接、消滅通知を出して初めて権利が戻ります。業界裏話ヒント:多くの出版契約には自動更新条項があり、放置すると権利が出版社に残り続けます。絶版に気づいたら能動的に動かない限り、塩漬けのまま他社でも出せません
84 条 3 項で可能です。内容が自己の確信に適合しなくなったとき、著作者は出版を廃絶するため出版権を消滅させられます。ただし出版社に通常生ずべき損害をあらかじめ賠償することが条件です。業界裏話ヒント:この権利は著作者本人(複製権等保有者である著作者)だけが持ち、権利を譲り受けた会社や相続人は使えません。生前に自分の意思で動くかどうかが分かれ目です
2014 年改正後、出版権は紙(80 条 1 項 1 号)と電子配信(同 2 号)に分かれ、それぞれ独立に消滅させられます。紙の継続出版義務違反なら、紙の出版権だけを 84 条で消滅させることが可能です。業界裏話ヒント:契約時に紙と電子をセットで設定したか別々かで戦略が変わります。電子のみ未対応なら、電子の公衆送信義務(81 条 2 号)違反を突いて電子の権利だけ取り戻す手もあります
賠償の前払いが必要なのは 84 条 3 項の確信変更による消滅だけです。在庫廃棄費、初期製作費の未回収分、逸失利益などが対象になります。出版社が義務を怠った 1 項・2 項の消滅では、賠償は不要です。業界裏話ヒント:相手が義務違反をしている 1 項・2 項のケースで賠償を請求されても、応じる必要はありません。どの項を根拠にした消滅なのかを必ず確認し、混同して払わされないことが肝心です
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 規律の対象 | 84 条:義務違反・確信変更による出版権の消滅 | — |
| 終了のきっかけ | 出版権者の義務違反、または著作者の確信変更 | — |
| 手続・条件 | 通知(イ違反)/3 か月催告+通知(ロ違反)/損害の事前賠償(3 項) | — |
ログインすると、他の読者と一緒にこの条文へメモを残せます。
ログインして共同ノートを始める以下は各文が単独で意味の通る客観的事実です。引用は e-Gov法令検索を基準としてください。