出版権は、複製権等保有者の承諾を得た場合に限り、その全部又は一部を譲渡し、又は質権の目的とすることができる。
要点著作権法 87 条は、出版権の譲渡と質権設定について複製権等保有者の承諾を必要とする。承諾を欠く処分は効力を生じず、第三者に対抗するには出版権の登録(88 条)を要する。
Q · 出版社は、私の本の出版権を勝手に他社へ売ったり、借金の担保に入れたりできるんですか?
著者の承諾がなければ譲渡も質入れもできません
著作権法 87 条により、出版権の全部または一部の譲渡、および質権設定は、複製権等保有者(原則として著者)の承諾を得た場合に限り行うことができます。承諾を欠く処分は効力を生じないため、出版社が単独で出版権を他社へ売却したり、融資の担保に入れたりすることはできません。ただし出版契約に「将来の譲渡につきあらかじめ承諾する」という事前包括承諾条項があれば、契約締結の時点で個別の拒否権は失われている可能性があります。また第三者に対抗するには出版権の登録(同法 88 条)が必要です。
あなたが小説を書き上げ、ある出版社に出版権を設定したとする。数年後、その出版社が経営難に陥り、事業を大手に売却した。あなたの本の出版権も、その取引に紛れて勝手に他社へ流れていく、そう諦めかけていないだろうか。著作権法87条はそれを許さない。出版権は、複製権等保有者、つまり原則として著者であるあなたの承諾を得た場合に限り、その全部または一部を譲渡し、または質権の目的とすることができる。出版権は確かに売買も担保化もできる財産権だが、その処分にはあなたが首を縦に振る必要がある。なぜか。誰が出すかで、本の売られ方も扱われ方も変わるからだ。あなたが信頼して託した相手と、その出版権を買い取る相手は別人である。この承諾要件は、著者が自分の作品の出し手を最後まで選び続けるための拒否権なのだ。
著作権法 87 条は、出版権の処分要件を定める規定であり、出版権はその全部または一部を譲渡し、または質権の目的とすることができるが、いずれも複製権等保有者の承諾を得た場合に限られる旨を規定する。出版権の設定(同法 79 条)により発生した権利の移転および担保化を、著作者側の意思にかからしめる制約規範として機能する。
出版社が保有する出版権を、その全部または一部を第三者へ移転することです。著作権法 87 条により、複製権等保有者(原則として著者)の承諾を得た場合に限り行えます。
できます。著作権法 87 条が明文で認めています。ただし設定には複製権等保有者の承諾が必要で、第三者に対抗するには出版権の登録(88 条)を備える必要があります。
87 条は承諾を得た場合に限り譲渡できると定めるため、承諾を欠く譲渡は効力を生じません。譲受人は出版権者として第三者に権利を主張できない立場に置かれます。
複製権または公衆送信権を有する者を指し、原則として著者です。ただし著作権を出版社や第三者に譲渡していれば、その譲受人が複製権等保有者になります。
87 条は書面を要件としていませんが、後日の紛争で承諾の存否が争点になります。実務では承諾書を書面で取得し、承諾の範囲と対象作品を特定するのが標準です。
出版権は財産として破産財団に属しますが、破産管財人が第三者へ売却する場合も 87 条の承諾が必要です。著者は交渉テーブルに着く立場を持ちます。
譲渡の効力自体に登録は不要ですが、第三者に対抗するには文化庁への出版権の移転登録(88 条)が必要です。登録を怠ると二重譲渡で負けるリスクがあります。
出版契約に将来の譲渡を包括的に承諾する条項があれば、87 条の個別拒否権は制限され得ます。契約段階で個別承諾制へ修正できるかが分岐点です。
87条は、複製権等保有者(著者)の承諾がなければ出版権の譲渡は効力を生じないと定めています。ただし合併などの包括承継の場合に、なお個別の承諾が必要かどうかは実務上、解釈が分かれています。業界裏話ヒント:争いを避けたい出版社は、合併時に念のため著者へ承諾を求めてくることが多い。逆に通知だけで済まされそうになったら、それは承諾を取らずに移管しようとしているサインです。届いた書面が「ご報告」なのか「ご承諾のお願い」なのか、その一語を読み分けるだけで立場が変わる
できます。87条は出版権を「質権の目的とすることができる」と明記しており、出版権は財産的価値のある権利として担保化が可能です。ただし設定には複製権等保有者の承諾が要り、第三者に対抗するには出版権の登録(88条)が必要です。業界裏話ヒント:人気シリーズの出版権は出版社の資金調達の隠れた原資になっています。著者の側からすれば、自分の承諾なしに作品が質に入ることはないという歯止めがある。経営の傾いた出版社と契約しているなら、自分の出版権が担保に組み込まれていないか確認する価値がある
承諾するかどうかは原則として著者の権限であり、承諾を拒むこと自体が当然に違法になるわけではありません。ただし出版契約に将来の譲渡を予め承諾する条項があれば、話は別です。業界裏話ヒント:出版契約書には「本出版権の譲渡につき著者はあらかじめ承諾する」という事前承諾条項が紛れ込んでいることがある。これにサインしていると、いざというとき87条の拒否権はすでに手放した後。契約段階でこの一文を削るか、個別承諾制へ修正できるかが、後の自由を決める
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 規律の対象 | 著作権法 87 条:出版権の譲渡・質権設定の要件 | — |
| 誰の意思が必要か | 複製権等保有者の承諾(処分ごと) | — |
| 欠けたときの効果 | 承諾なき譲渡・質権設定は効力を生じない | — |
| 著者の対抗手段 | 承諾を拒否し、処分そのものを止める | — |
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