要点著作権法 9 条は、日本国民の放送事業者の放送、国内設備からの放送、実演家等保護条約・WTO加盟国の放送に限り著作隣接権の保護を認める。連結点を欠く外国放送は保護されない。
Q · 海外のテレビ局が流した放送は、日本の著作権法で自動的に守られるの?
連結点を満たす放送だけが日本で保護されます
著作権法 9 条により、放送が著作隣接権の保護を受けるのは、①日本国民である放送事業者の放送、②国内にある放送設備から行われる放送、③実演家等保護条約またはWTO加盟国という条約上の連結点を満たす放送に限られます。外国の放送は、事業者の国籍・設備の所在地・条約加盟のいずれの連結点も満たさなければ、日本では放送事業者の権利(放送それ自体の隣接権)が発生していません。ただし番組の中身(脚本・音楽・映像)の著作権は 9 条とは別枠で処理する必要があります。
テレビやラジオの放送には、番組の中身とは別に、放送した事業者自身の権利(著作隣接権)が乗っている。放送という行為そのものを守る権利だ。だが著作権法9条は、その保護に明確な入口を設けている。守られるのは、日本国民である放送事業者の放送か、国内の放送設備から流された放送か、あるいは実演家等保護条約やWTO加盟国という条約の連結点を満たす外国の放送に限られる。つまり、どこかの国の放送局が流したというだけで、日本で自動的に守られるわけではない。外国の放送を扱うとき、あなたがまず問うべきは「その放送は、そもそも日本法の保護対象なのか」だ。この一問を飛ばすと、払う必要のない許諾料を払い、あるいは逆に、守られているはずの自社の放送を無防備にさらすことになる。
著作権法 9 条は保護を受ける放送を定める規定であり、放送が日本の著作権法による著作隣接権の保護対象となるための連結点を限定列挙する。具体的には、放送事業者の国籍(日本国民)、放送設備の所在地(国内)、または実演家等保護条約・世界貿易機関加盟国という条約上の連結点のいずれかを満たす放送のみが保護される。
AI 輔助整理,以條文原文為準
日本の著作権法で放送事業者の隣接権が発生する放送のことです。著作権法 9 条が、放送事業者の国籍・設備の所在地・条約加盟という連結点で保護対象を限定列挙しています。
①日本国民である放送事業者の放送、②国内の放送設備からの放送、③実演家等保護条約またはWTO加盟国の放送の三つです。いずれかを満たす放送だけが保護されます。
保護されます。9 条 4 号によりWTO(世界貿易機関)加盟国の放送は連結点を満たします。TRIPS協定への対応として平成 6 年改正で追加された連結点です。
放送が行われた日の属する年の翌年から 50 年で存続期間が満了します(著作権法 101 条)。番組内の著作物の著作権とは別に計算されます。
実演家・レコード製作者・放送機関を保護する国際条約(ローマ条約、1961 年)です。加盟国の放送は 9 条 3 号により日本で保護対象になります。
放送は 9 条、有線放送は 9 条の 2 が別々に連結点を定めます。対をなす規定ですが、対象が電波による放送か有線かで適用条文が分かれます。
番組の中身の著作権処理は原則必要です。放送それ自体の隣接権は、その放送が 9 条の連結点を満たす場合に限り許諾が必要で、満たさなければ隣接権の許諾は不要です。
複製権(98 条)、再放送権・有線放送権(99 条)、送信可能化権(99 条の 2)、テレビ放送の伝達権(100 条)です。放送という行為に対する隣接権です。
番組の中身(映像・音楽・脚本)の著作権処理は原則必要です。ただし放送事業者の権利(98条以下)については、その放送が9条の連結点を満たす場合に限られます。外国の放送局が条約のいずれにも属さず、設備も国外なら、放送それ自体の隣接権は日本で発生していません。業界裏話ヒント:実務では番組の著作権と放送の隣接権を一括りに全部許諾を取りにいきがちですが、放送の隣接権が保護対象外なら、その分の許諾は本来不要。二つを分けて検討するだけで権利処理コストが下がる。
別物です。番組の脚本家・作曲家・制作会社が持つのが著作権、放送局が放送したという行為に対して持つのが放送事業者の隣接権(98条から100条)。たとえ番組の著作権が切れていても、放送の隣接権は放送後50年(101条)別途生きています。業界裏話ヒント:古い放送のアーカイブを使うとき、番組著作権だけ見て保護期間が切れたと判断すると、放送の隣接権で足をすくわれる。逆に放送が9条で保護対象外なら隣接権の心配は不要。両方の存続を別々に確認するのが鉄則。
日本国民である放送事業者の放送は9条1号で当然に保護されるため、無断の複製・送信可能化は放送事業者の権利侵害(98条・99条の2)になります。番組内の著作物の権利侵害も別途成立しえます。業界裏話ヒント:放送局は切り抜き拡散に対し、放送事業者の隣接権と番組著作権の両方で攻められる。削除請求や発信者情報開示の場面で、どちらの権利を根拠にするかで手続のスピードが変わる。複数の権利を束ねて主張するのが実務の定石。
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 保護対象 | 放送(電波による無線送信) | — |
| 連結点①(国籍) | 日本国民である放送事業者の放送 | — |
| 連結点②(所在地) | 国内にある放送設備からの放送 | — |
| 条約連結点 | 実演家等保護条約・WTO加盟国の放送 | — |
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