要点著作権法 95 条の 3 は、実演家が商業用レコードの貸与を差し止められる専有権を定め、発売から最長 12 か月の範囲の期間経過後は、貸レコード業者への相当な額の報酬請求権に切り替わる。
Q · 新作 CD がしばらくレンタル店に並ばないのは、法律で決まっているの?
はい。実演家が発売後一定期間レンタルを止められるからです
著作権法 95 条の 3 により、実演家はその実演が録音された商業用レコードの貸与を専有します。発売から政令で定める期間(最長 12 か月の範囲)内は貸与を差し止められますが、この期間を過ぎると専有権は失われ、代わりに貸レコード業者へ相当な額の報酬を請求できる権利に切り替わります。報酬は指定管理団体を通じて一括で徴収・分配される仕組みです。
TSUTAYA や GEO の棚に、発売されたばかりの新譜 CD が並んでいないのを不思議に思ったことはないか。あれは在庫切れでも仕入れの遅れでもない。法律が、発売から一定期間はレンタルを止める権利を実演家、つまり歌手や演奏者本人に与えているからだ。著作権法 95 条の 3 は二段構えになっている。発売から政令で定める期間(最長 12 か月)の間、実演家は「貸すな」と言える専有権を握る。この期間を過ぎた CD は止められなくなるが、今度は貸レコード業者が実演家に相当な額の報酬を払う義務を負う。つまり前半は「拒否できる権利」、後半は「お金を取れる権利」。あなたが演者なら、自分の実演が録音された CD がレンタルされるたび、本来お金が入る仕組みがここにある。受け取れていないなら、それは権利を行使していないだけだ。
著作権法 95 条の 3 は、実演家の貸与権を定める規定である。実演家は、その実演が録音された商業用レコードの貸与により公衆へ提供する権利を専有し、発売から政令で定める期間の経過後は、この専有権が貸レコード業者に対する報酬請求権へと転化する。著作隣接権に属する経済的権利の一つとして位置づけられる。
実演家が、自分の実演が録音された商業用レコードの貸与により公衆へ提供する権利を専有する著作隣接権上の権利です。著作権法 95 条の 3 が根拠で、発売直後は差止め、期間経過後は報酬請求権となります。
発売日から政令で定める期間(最長 12 か月の範囲内)を過ぎると、貸レコード業者は貸与できます。この期間は作品や政令改正で異なるため一律ではありません。
期間経過後のレンタルにつき「相当な額」と定められ、具体額は指定管理団体と貸レコード業者の取り決めで決まります。個別交渉ではなく団体経由で一括徴収・分配されます。
報酬請求権は著作隣接権の存続期間内の実演に限られます。差止められる専有権自体は、発売から政令で定める期間(最長 12 か月の範囲)に限定されます。
問題ありません。95 条の 3 は営業として行う貸レコード業者を対象とし、非営利・無料の貸与は権利制限(38 条 4 項、102 条で準用)で外れます。
売却は譲渡権が最初の販売で消尽するため自由ですが、貸与にした瞬間 95 条の 3 の貸与権が立ち上がります。同じ CD でも売ると貸すで適用される権利が違います。
その国の法律と条約次第で、日本の 95 条の 3 がそのまま及ぶわけではありません。国内のレンタルとは扱いが大きく変わるため、個別に確認が必要です。
報酬を受ける権利は指定された管理団体を通じて行使されます(95 条 5 項を準用)。委任・登録していないと徴収されても本人に届かないため、登録状況の確認が重要です。
実演家とレコード製作者が、発売から一定期間レンタルを禁止できる専有権を持っているからです(95 条の 3 第 1 項、97 条の 3)。その期間は政令で定められ、最長 12 か月の範囲内です。期間を過ぎれば貸せますが、今度は報酬支払い義務に切り替わります。業界裏話ヒント:この禁止期間は邦盤と洋盤で扱いが異なってきた歴史があり、政令改正で動くことがある。「いつから借りられるか」は作品ごとに違うので、一律ではない
もらえます。期間経過後のレンタルについて、貸レコード業者は実演家に相当な額の報酬を払う義務があります(95 条の 3 第 3 項)。ただし請求は実演家個人ではなく、指定された権利管理団体を通じて一括で行われます(95 条 5 項を準用)。業界裏話ヒント:この報酬は団体に委任・登録していないと、徴収はされても自分の口座まで届かない。受け取れていない演者の多くは、権利がないのではなく登録していないだけだ
95 条の 3 は「貸す」行為に関する条文なので、コピーそのものはこの条文の問題ではありません。私的使用目的の複製は別の条文(30 条、著作隣接権には 102 条で準用)で扱われ、目的を超えれば複製権の侵害になります。業界裏話ヒント:問いの立て方を間違えやすい論点。貸与権・複製権・公衆送信権はそれぞれ別の権利として走っており、一つの行為が複数を同時に侵害することもある
関係ありません。95 条の 3 の貸与は CD という物理的なレコードの貸し借りを対象とします。配信は「公衆送信」にあたり、実演家の送信可能化権(92 条の 2)という別の権利で規律されます。業界裏話ヒント:レンタルとサブスクは収益の入口がまったく別系統。レンタルが減ってもサブスクの権利は別建てで動くので、自分の収入源がどの条文に紐づくかを分けて把握しておくと取りこぼしが減る
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 権利の主体 | 95 条の 3:実演家(歌手・演奏者) | — |
| 対象 | 実演が録音された商業用レコードの貸与 | — |
| 期間内(発売直後)の効力 | 貸与を差し止められる専有権 | — |
| 期間経過後の効力 | 相当な額の報酬請求権に転化 | — |
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