要点著作権法 99 条の 2 は、放送事業者が自らの放送を送信可能化する権利を専有すると定める。番組の著作権とは別の著作隣接権で、アップして公衆がアクセスできる状態を作った時点で侵害が成立する。
Q · テレビ番組をネットにアップしたら、番組を作った会社だけじゃなくてテレビ局にも怒られるの?
はい。放送局は 99 条の 2 で独立して止められます
著作権法 99 条の 2 により、放送事業者は自らの放送を送信可能化する権利を専有します。番組の著作権を制作会社や原作者が持っていても、放送局はこれとは別の著作隣接権として本条を独立して行使できます。決定的なのは、サーバーにアップして公衆がアクセスできる状態を作った瞬間に侵害が成立する点で、実際に誰かが視聴したか(再生回数)は成否とは無関係です。再生回数は損害額や悪質性の判断材料にすぎません。
テレビで流れたサッカーの試合を、スマホで撮ってネットにアップした。あなたは「番組を作った会社に怒られるかも」と考える。だが最初にあなたを止めにくるのは、試合を放送したテレビ局だ。著作権法99条の2は、放送事業者に自分の放送を送信可能化する権利を独占的に与えている。送信可能化とは、サーバーにアップして誰でもアクセスできる状態を作ること。ここで決定的なのは、誰かが実際に観たかどうかは関係ないという点。アップして公衆がアクセスできる状態にした瞬間、再生回数ゼロでも侵害は成立している。しかもこの権利は、番組の著作権とは別に放送局そのものが持つ著作隣接権だ。映像そのものに著作権が認められにくいスポーツ中継でさえ、放送局はこの一本で違法配信を止められる。あなたがアップロードボタンを押す指先に、二重三重の権利が重なっている。
著作権法 99 条の 2 は放送事業者の送信可能化権を定める規定であり、放送事業者が自らの放送またはこれを受信して行う有線放送を受信して、その放送をサーバー等にアップして自動公衆送信し得る状態に置く行為を独占する権利を規律する。番組の著作権とは別個に放送事業者自身に帰属する著作隣接権であって、公衆がアクセスできる状態を作出した時点で権利が働く。
AI 輔助整理,以條文原文為準
サーバー等にアップして公衆が自動的にアクセスできる状態を作り出す行為を独占する権利です。放送事業者については著作権法 99 条の 2 が定め、実際の視聴の有無を問わず状態の作出で権利が働きます。
放送局が番組の著作権とは別に、自らの放送について持つ権利です。複製権(99 条)、送信可能化権(99 条の 2)、伝達権(100 条)などがあり、放送への投資を保護します。
原則違法です。録画は複製権、公衆が観られる状態にするのは送信可能化権(99 条の 2)に触れ、さらに番組の著作権や実演家の権利も重なります。私的複製の範囲を超えます。
差止請求(112 条)や損害賠償(民法 709 条・著作権法 114 条で損害額推定)の対象となり、営利目的等では刑事罰(119 条)もあり得ます。一定の侵害は非親告罪化されています。
公衆送信は実際に送る行為まで含む広い概念で、送信可能化はその前段階、サーバーにアップして自動的に送信し得る状態を作ることを指します。侵害は状態の作出時点で成立します。
あります。有線放送事業者の送信可能化権は著作権法 100 条の 4 が別途定めており、放送事業者の 99 条の 2 と並行する権利として位置づけられます。
公衆がアクセスできる状態を作った瞬間に成立します。再生回数がゼロでも、すぐ削除しても侵害自体は成立済みで、再生回数は損害額や悪質性の判断材料にとどまります。
サーバーが海外にあっても、日本向けに違法配信していれば放送局は自社の放送隣接権で動けます。削除請求や発信者情報開示はログ保存期間内に着手するのが鍵です。
制作会社や原作者も訴えられますが、放送したテレビ局も著作権法99条の2の送信可能化権で独立して動けます。放送局は番組の著作権を持っていなくても、自社の放送を無断でネット配信されない権利を持つからです。業界裏話ヒント:実務では複数の権利者が同時に削除請求や発信者情報開示を仕掛けることが多い。配信者からすると、一つの権利者と示談しても別の権利者がまだ生きているので、全員を相手にしないと安心できない
スポーツの試合そのものや単純な実況映像は著作物と認められにくいのは事実です。しかし放送局は著作権とは別に、放送を送信可能化されない権利(著作権法99条の2)を持ちます。試合に著作権がなくても、その放送をネットに上げれば放送隣接権の侵害になります。業界裏話ヒント:だから『著作権フリーの映像だから大丈夫』という理屈は、放送を経由したコンテンツには通用しない。権利の層が一枚多いことを知らない人ほど足をすくわれる
ダメです。録画は複製権(著作権法99条)、ネットにアップして誰でも観られる状態にするのは送信可能化権(99条の2)の侵害です。私的複製(30条)は自分や家族の範囲内に限られ、公衆へのアップロードは含まれません。業界裏話ヒント:侵害はアップした瞬間に成立し、再生回数は関係ない。『すぐ消したから』『誰も観てないから』は侵害の成否ではなく、損害額や悪質性の判断材料にしかならない
放送を受信して再送信することが法令で義務づけられている場合、その送信可能化には99条の2が適用されないという除外規定です。難視聴地域での再送信など、公益目的で法律上やらなければならない場面を想定しています。業界裏話ヒント:これはあくまで法令上の義務がある限定的なケース。一般ユーザーや配信業者が『公共のためだから』と主張しても、この例外には当てはまらない。例外の射程は、条文を読んで想像するより狭い
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 権利の内容 | 99 条の 2:放送を送信可能化する権利(ネットアップ) | — |
| 侵害の成立時点 | 公衆がアクセスできる状態を作出した時点(再生ゼロでも成立) | — |
| 典型的な侵害場面 | 番組をサーバーにアップしてネット配信・違法ミラー配信 | — |
| 並行する権利者 | 有線放送事業者は 100 条の 4 で並行して同種の権利を持つ | — |
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