受講中の講座ブックマーク無料で登録

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)e-Gov法令検索出典公布 収録時点 令和8年7月4日読了 8 分8 分8 分

雇用保険法 第37条の5(高年齢被保険者の特例)

クイックジャンプ
  1. 次に掲げる要件のいずれにも該当する者は、厚生労働省令で定めるところにより、厚生労働大臣に申し出て、当該申出を行つた日から高年齢被保険者となることができる。
  2. 一二以上の事業主の適用事業に雇用される六十五歳以上の者であること。
  3. 二一の事業主の適用事業における一週間の所定労働時間が二十時間未満であること。
  4. 三二の事業主の適用事業(申出を行う労働者の一の事業主の適用事業における一週間の所定労働時間が厚生労働省令で定める時間数以上であるものに限る。)における一週間の所定労働時間の合計が二十時間以上であること。
  5. 2.前項の規定により高年齢被保険者となつた者は、同項各号の要件を満たさなくなつたときは、厚生労働省令で定めるところにより、厚生労働大臣に申し出なければならない。
  6. 3.前二項の規定による申出を行つた労働者については、第九条第一項の規定による確認が行われたものとみなす。
  7. 4.厚生労働大臣は、第一項又は第二項の規定による申出があつたときは、第一項第三号の二の事業主に対し、当該労働者が被保険者となつたこと又は被保険者でなくなつたことを通知しなければならない。

この条文の基本情報

高年齢被保険者の特例とは何ですか?

定義高年齢被保険者の特例とは、雇用保険法第37条の5に定められた規定で、「次に掲げる要件のいずれにも該当する者は、厚生労働省令で定めるところにより、厚生労働大臣に申し出て、当該申出を行つた日から高年齢被保険者となることができる。」と規定しています。

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)

  1. 雇用保険法第37条の5(高年齢被保険者の特例)は、日本の雇用保険法に含まれる条文です。
  2. 雇用保険法第37条の5の条文原文は「次に掲げる要件のいずれにも該当する者は、厚生労働省令で定めるところにより、厚生労働大臣に申し出て、当該申出を行つた日から高年齢被保険者となることができる。」で始まります。
  3. 雇用保険法第37条の5は第二節の二 高年齢被保険者の求職者給付に置かれています。
  4. 雇用保険法の公布日は昭和49年12月28日です。
  5. 雇用保険法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
  6. 雇用保険法第37条の5の前の条は雇用保険法第37条の4です。
  7. 雇用保険法第37条の5の次の条は雇用保険法第37条の6です。
  8. 雇用保険法第37条の5には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。

この条文を引用する

下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。

  • 正式書式雇用保険法(昭和四十九年法律第百十六号)第37条の5
  • 官報・e-Gove-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/349AC0000000116
  • 本サイト収録雇用保険法(昭和四十九年法律第百十六号)第37条の5(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/349AC0000000116/37_5

わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です

要点雇用保険法37条の5は、65歳以上で二つの事業所に雇用される者が、週の所定労働時間の合計20時間以上なら、本人の申出で雇用保険に加入できると定める。

Q · 週15時間と週10時間の掛け持ち、雇用保険には入れないの?

65歳以上なら二つの職場を合算して加入できる

雇用保険法37条の5により、65歳以上で二つの事業所に雇用され、それぞれの週所定労働時間が20時間未満でも合計が20時間以上なら、本人がハローワーク(厚生労働大臣)に申し出ることで、申出日から高年齢被保険者になれます。通常の雇用保険と違い、届け出るのは会社ではなく本人です。効力は申出日からで過去に遡らないため、二つ目の仕事を始めた時点で動くことが重要です。合算できるのは二事業所までで、一方の所定労働時間が厚生労働省令で定める時間数以上であることも要件です。

解説

週15時間のスーパーのレジと、週10時間のビル清掃。どちらも単独では雇用保険に入れない。週20時間未満だからだ。ところが2022年1月1日、この壁に一箇所だけ穴が開いた。65歳以上に限り、二つの事業所の所定労働時間を合算して週20時間以上になれば、雇用保険の被保険者になれる。決定的に違うのは手続の主語である。通常の雇用保険は事業主が届け出る。だがこの特例だけは、あなた本人が厚生労働大臣(窓口はハローワーク)に申し出る。会社は自分から動かないし、動く義務もない。つまり、あなたが知らなければ一生適用されない制度だということだ。しかも効力は申出日から発生し、過去には遡らない。知った日の差が、そのまま将来の給付の有無になる。

法的な位置づけ

雇用保険法37条の5は、複数就業者に対する雇用保険適用の特例を定める規定である。二以上の事業主に雇用される65歳以上の者につき、一の事業所の週所定労働時間が20時間未満で、二の事業所の合計が20時間以上となる場合に、本人の申出により申出日から高年齢被保険者資格を取得させる。通称マルチジョブホルダー制度と呼ばれる。

手順・フロー

AI による整理。効力は条文原文が基準です

手順

  1. 1.二つの職場の週所定労働時間を並べて要件を判定する 二社分の労働条件通知書または雇用契約書を並べ、週所定労働時間を確認する。それぞれが20時間未満、合計が20時間以上、かつ一方が厚生労働省令で定める時間数以上であれば要件を満たす。残業時間ではなく契約上の所定労働時間で判定する点に注意する
  2. 2.両方の事業主に記入と証明を依頼する 申出には二つの事業所それぞれの記載欄がある。各社の人事担当に制度を説明し、賃金台帳・出勤簿に基づく所定労働時間の証明を依頼する。一方が非協力でも申出自体は可能なので、その事実をハローワークに伝える
  3. 3.住所地管轄のハローワークに申出書を提出する 本人の住所地を管轄するハローワークに、申出書と添付書類を提出する。効力は申出日からで遡らないため、書類が完全に揃うのを待つより、先に窓口で受付の段取りと不足書類の扱いを相談したほうが有利になる
  4. 4.資格取得後の保険料控除と喪失申出の段取りを決めておく 資格取得後は両社の給与から雇用保険料が控除される。片方を離職するなど第1項各号の要件を満たさなくなったときは、第2項により本人が喪失の申出を行う義務がある。離職票の受領と喪失申出をセットで動く手順にしておく

よくある質問 AI による整理

Q1マルチジョブホルダー制度とは?

雇用保険法37条の5に基づく特例の通称です。65歳以上で二つの事業所に雇用される人が、週所定労働時間を合算して20時間以上になれば、本人の申出で雇用保険に加入できる仕組みです。

Q2雇用保険65歳以上 ダブルワーク 加入条件は?

①二以上の事業主に雇用される65歳以上、②一の事業所が週20時間未満、③二事業所の合計が週20時間以上(一方が省令の下限時間数以上)、この三つをすべて満たすことが要件です。

Q3マルチジョブホルダー制度 申請はどこ?

本人の住所地を管轄するハローワークが窓口です。条文上は厚生労働大臣への申出ですが、実務上はハローワークに申出書と両事業所の証明書類を提出します。

Q4マルチジョブホルダー 保険料はいくら引かれる?

加入後は両方の事業所の賃金から労働者負担分の雇用保険料が控除されます。65歳以上の保険料免除は令和2年度で廃止済みのため、通常どおり徴収されます。

Q565歳未満でもダブルワークで雇用保険に入れる?

入れません。37条の5の合算特例は65歳以上限定です。65歳未満は事業所ごとに週20時間以上あるかで判定され、どちらも20時間未満なら適用除外のままです。

Q6会社に知られずに申出できる?

できません。第4項により、申出があると厚生労働大臣が二つの事業主へ通知します。さらに所定労働時間の証明を両社に依頼する必要があるため、事前の説明が実務上必須です。

Q7マルチジョブホルダー 必要書類は?

申出書のほか、二つの事業所それぞれの労働条件通知書や雇用契約書、賃金台帳・出勤簿など所定労働時間と雇用実態を確認できる書類、本人確認書類が必要になります。

Q8申出はいつから効力が発生する?

申出を行った日からです。過去に遡って被保険者になることはできません。したがって離職が見えてから申し出ても、被保険者期間の要件を満たせない場合があります。

この条文についての質問 AI による整理

Q1保険料が思ったより高くて、途中でやめたくなったら抜けられますか?

抜けられない。第2項は要件を満たさなくなったときに申し出る義務を定めているだけで、本人都合の任意脱退は認めていない。片方を辞めるなど実態が変わって初めて資格を失う。実務のポイント:だからこそ申出の前に、二つの職場で毎月いくら引かれるかを試算しておく。65歳以上の雇用保険料免除は令和2年度で廃止済みで、今は普通に控除される

Q2片方を辞めても、もう片方では働き続けています。それでも失業給付はもらえますか?

制度上は対象になりうる。要件を満たさなくなった時点で資格を喪失し、離職前1年間に被保険者期間6か月以上あれば高年齢求職者給付金を請求できる(雇用保険法37条の3)。ただし求職の申込みと失業の認定が前提で、残った職場の就労状況によっては認定に影響しうる。実務上、判断が分かれる場面がある。実務のポイント:辞めた側の事業主から離職票を必ず受け取り、残った職場の勤務日数と時間は認定日に正確に申告する。これが後の返還請求を防ぐ

Q3三つの職場で働いています。全部足して計算できますか?

できない。第1項第3号は「二の事業主の適用事業」における合計と定めており、合算できるのは二つまでである。三つ以上ある場合は、本人がどの二つを選ぶかを決めることになる。実務のポイント:選び方で保険料も、離職時の賃金日額の基礎になる賃金も変わる。時間の長いほうを選ぶのが素直だが、契約期間が安定していて離職の可能性が低いほうを選ぶという視点もある

間違えやすい点 AI による整理

  • 「会社が手続きしてくれるはずだ」という前提そのものが誤っている。通常の雇用保険は事業主に届出義務があるが(雇用保険法7条)、この特例だけは労働者本人の申出が起点である。会社に悪意がなくても、誰も動かなければ何も起きない。問うべきは「なぜ会社は入れてくれないのか」ではなく「自分はいつ申し出るのか」だ
  • 申出が遅れると損をする、とは何となく分かる。だがその損の構造までは知られていない。効力は申出日から発生し、過去に遡らない。そして高年齢求職者給付金には離職前1年間に被保険者期間6か月以上という要件がある。つまり申出の遅れは「半年分の保険料を払わずに済んだ」話ではなく、いざ離職したときに受給資格そのものが成立しないという結末になりうる
  • 本人から見れば、二つの職場を合わせてやっと生計が立つ「一つの働き方」である。だが雇用保険法から見れば、あくまで別個の適用事業が二つ並んでいるにすぎない。だから片方を辞めた瞬間に合算が崩れ、資格を失う。この落差を知らない人は「もう片方で働いているのだから失業ではない」と自己判断して、請求せずに終わる
比較の観点この条文ほかの条文
手続の主語37条の5:労働者本人が厚生労働大臣に申し出る6条:適用除外者であり手続の余地がない
7条:事業主が資格取得・喪失を届け出る義務を負う
週20時間要件の判定単位二の事業所の所定労働時間を合計して判定一の事業主ごとに判定し、20時間未満は適用除外
一の事業主との雇用関係ごとに届出
対象者65歳以上に限定(二事業所まで)年齢を問わず短時間労働者一般
全被保険者
資格確認の方法申出をもって9条1項の確認があったとみなす(第3項)確認の対象外
事業主の届出に基づき行政が確認

他国ではどう定めているか 4 か国

台湾
就業保険法第5条・労働者保険条例第6条

台湾の就業保険は被保険者を15歳以上65歳以下とし、65歳以上は原則として対象外。二以上の雇用主に雇用される場合の取扱いはあるが、労働時間を合算して加入資格を作る特例は存在しない

韓国
고용보험법 제18조・제10조

韓国は二以上の事業に雇用される者の被保険者資格を主たる事業を基準に決める方式で、労働時間の合算方式ではない。65歳以後に雇用された者は失業給付の適用除外となる点が日本と大きく異なる

ドイツ
SGB IV § 8 Abs. 2、SGB III § 27

ドイツは複数の僅少労働(Minijob)を法律上自動的に合算し、限度を超えれば保険義務が発生する。本人の申出を要件とせず、使用者の報告義務で回る点が日本の本条と対照的である

アメリカ
連邦失業税法26 U.S.C. § 3301以下、州別失業保険法

米国は基準期間中の全使用者からの賃金を自動的に合算して受給資格と給付額を算定する。労働時間の閾値ではなく賃金額基準であり、本人の加入申出という概念自体が存在しない

AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です

想定される場面と対応 AI による整理

こんなときに使う

  • もし、週12時間のビル清掃と週9時間の学童保育を掛け持ちする67歳のあなたが、清掃のほうを打ち切られたらどうなる? 合計21時間が9時間に落ちる。この特例で加入していれば、片方の離職でも高年齢求職者給付金の対象になりうる。加入していなければ、何年働いていても一円も出ない
  • あなたが小さな飲食店の経営者で、68歳のパート従業員から「雇用保険の申出をするので勤務時間を証明してほしい」と言われた。週10時間しか働いていないのに、と戸惑うかもしれない。だが第4項により、申出があれば厚生労働大臣からあなたの店にも通知が届く。知らないふりはできず、証明を渋る、それを理由にシフトを削るといった対応は指導の対象になる
  • 三つの職場を掛け持ちしている66歳。申し出られるのは、そのうち二つだけである。どの二つを選ぶかで、合算時間も、毎月引かれる保険料も、離職時の給付額も変わってくる。
  • 今月末で片方の契約が終わる。申出の効力は申出日からで遡らず、給付には離職前1年間に被保険者期間6か月以上が必要になる。残り10日で駆け込んでも、給付の要件には届かない。逆算すれば、動くべきだったのは半年前だった
  • 老齢厚生年金を受け取りながら二つの職場で働いている。65歳未満なら失業給付と年金は調整されて片方が止まるが、65歳以上の高年齢求職者給付金は年金と併給できる。この一点を知らないまま、保険料が惜しいという理由だけで申出をしない人が多い

取るべき行動

被害を受けた側:1. 二つの職場の労働条件通知書を並べ、週所定労働時間を確認する。それぞれが20時間未満、一方が省令の下限時間数以上、合計20時間以上なら要件を満たす2. 住所地を管轄するハローワークに申出書を提出し、両方の事業主に勤務時間の証明を依頼する3. 効力は申出日から。書類が全部揃うのを待つ前に、まず窓口で受付の段取りを相談する4. 事業主が証明を拒む場合は、その事実をハローワークに伝える。行政から事業主へ働きかけが入る

訴えられた側:1. 従業員から申出の申告を受けたら、賃金台帳と出勤簿で所定労働時間を確認し、証明欄に事実をそのまま記入する。拒否は不利益取扱いとして指導対象になる2. 資格取得後は自社分の雇用保険料の事業主負担が発生するので、労働保険の年度更新に反映させる3. 申出を理由に契約更新を拒む、シフトを削るといった対応が最も危険で、後の紛争で決定的な証拠になる4. 第4項により行政から通知が届く。自社が把握していない申出が存在する前提で労務管理を組む

時効(請求できる期限):申出そのものに法定の期限はないが、効力は申出日からで遡及しない。離職後の高年齢求職者給付金は、離職の日以前1年間に被保険者期間が通算6か月以上あることが要件で(雇用保険法37条の3)、受給には離職日の翌日から起算する期限がある(同37条の4)。実質的な期限は「二つ目の仕事を始めてから6か月以内に申し出たか」である(最新の改正状況をご確認ください)

改正沿革 AI による整理

  • 令和2年(2020年)改正・令和4年(2022年)1月1日施行 雇用保険法等の一部を改正する法律により新設。65歳以上の複数就業者について、二事業所の所定労働時間を合算して雇用保険を適用する特例(通称マルチジョブホルダー制度)を創設し、事業主の届出ではなく労働者本人の申出を起点とする例外的な手続を導入した

改正の年表

  1. 1.令和2年(2020年) 新設:雇用保険法等の一部を改正する法律により新設。65歳以上の複数就業者について二事業所の所定労働時間を合算して雇用保険を適用する特例を創設し、事業主の届出ではなく労働者本人の申出を起点とする例外的手続を導入した。施行は令和4年1月1日

ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。

雇用保険法の全文を見る所属する編章節を開く:第二節の二 高年齢被保険者の求職者給付

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)。AI による解説は理解の補助であり、法的効力は条文原文が基準です。

次に調べる

判例を探す:条文単位の判例の紐づけは準備中です。上のカードから法令名で検索できます。裁判所「裁判例検索」で探す ›