要点特定商取引法第58条の25は、適格消費者団体が、内職商法など業務提供誘引販売業者の不実告知・誇大広告・断定的判断の提供を差し止めるよう請求できると定める。個人への返金機能はない。
Q · 「必ず稼げる内職」を売っている業者を、被害者じゃなくても止めてもらえるんですか?
業者の勧誘や広告は止められるが、返金は別制度
特定商取引法58条の25により、適格消費者団体は、業務提供誘引販売業を行う者が不特定かつ多数の者に対して不実告知・威迫困惑・誇大広告・断定的判断の提供を現に行い又は行うおそれがあるとき、その行為の停止や予防に必要な措置を請求できます。対象は将来の被害防止であり、個人への返金機能はありません。自分が支払った代金は、クーリング・オフ(58条)や取消し(58条の2)で別途取り戻すことになります。
「教材を買えば在宅ワークを紹介する、初月から稼げる」。そう言われて数十万円のキットを買ったが、紹介された仕事は雀の涙だった。これが業務提供誘引販売取引、俗にいう内職商法・モニター商法だ。あなたがクーリング・オフ(第58条、20日間)や取消し(第58条の2)で自分の被害を取り戻せることは、別の条文が定めている。第58条の25が定めるのは、もっと射程の広い仕組みだ。国が認定した適格消費者団体が、あなた個人ではなく「不特定かつ多数の消費者」を守るため、その業者の勧誘や広告そのものを止めさせる差止請求ができる。嘘の説明、威迫、誇大広告、必ず儲かるという断定的判断、これらを現に行っている、または行うおそれがあるだけで請求の対象になる。あなたが泣き寝入りしても、次の被害者を生まない別系統の歯車が回る。
特定商取引法第58条の25は、業務提供誘引販売取引における適格消費者団体の差止請求権を定める規定である。業務提供誘引販売業を行う者が、不特定かつ多数の者に対し不実告知・威迫困惑・誇大広告・断定的判断の提供を現に行い又は行うおそれがある場合、また第58条第4項等に反する特約を用いる場合にも、その停止又は予防に必要な措置を請求できる。
商品やサービスを購入させたうえで、その商品を使う仕事を提供・あっせんすると誘って契約させる取引です。内職商法・モニター商法が典型で、特定商取引法51条以下が規律します。
消費者被害の防止を目的とし、内閣総理大臣の認定を受けた消費者団体です。裁判所に差止めの訴えを起こす権限を持ち、一覧は消費者庁が公表しています。
取引形態そのものが直ちに違法なわけではありません。違法になるのは不実告知、威迫困惑、誇大広告、断定的判断の提供などで、これらが58条の25の差止対象になります。
消費者庁が公表する適格消費者団体の一覧から、扱う分野が近い団体を選んで直接情報提供します。並行して消費者ホットライン188への相談も有効です。
請求を起こすのは団体であり、情報提供した消費者が訴訟費用を負担する仕組みではありません。個人の返金請求とは費用構造が分かれています。
行為が完全に終了し再発のおそれもなければ、請求の利益が失われます。差止は「現に行い又は行うおそれ」が前提のため、行為が進行中の段階での情報提供が効果的です。
教材やツールの購入など特定負担を条件に仕事を紹介する形なら、業務提供誘引販売取引に当たり得ます。広告の著しい優良誤認表示は58条の25第1項第3号の差止対象です。
確定判決により、その勧誘行為や広告を止める義務を負います。差止めは将来の被害防止が目的で、既存の被害者への返金が自動的に行われるわけではありません。
差止請求(第58条の25)では戻りません。これは業者の悪質な勧誘や広告を将来に向けて止める制度で、個人への返金機能はないからです。あなたの返金はクーリング・オフ(第58条)や取消し(第58条の2)で別に進めます。業界裏話ヒント:ただし特定適格消費者団体が起こす被害回復裁判手続に乗れば、団体があなたの代わりに集団で返金を求めてくれる。差止と被害回復は別制度で、後者を扱える団体は限られる。相談時に「被害回復もやっていますか」と一言聞くと道が変わる。
本当です。業務提供誘引販売取引のクーリング・オフは契約書面を受け取った日から20日間(第58条)で、訪問販売の8日より長い。仕組みが複雑で被害に気づくのが遅いからです。業界裏話ヒント:業者が嘘の説明でクーリング・オフを妨害したり、法定書面を渡さなかった場合、20日を過ぎてもできる。書面不交付なら期間はそもそも進行しない。「もう20日過ぎたから無理」と諦めた人ほど、実は権利が生きていることが多い。
引っかかります。利益が確実だと誤解させる断定的判断の提供(第58条の25第1項第4号、実体規制は第52条)に該当し、団体差止の対象です。あなた個人はその誤認を理由に契約を取り消せる可能性があります(第58条の2)。業界裏話ヒント:この手の口約束は後で「言った言わない」になりがち。だから勧誘の場では会話をこっそり録音しておく。日本では相手に無断でも、自分が会話の当事者なら民事の証拠として原則有効に使える。この一手が取消しでも差止情報提供でも効く。
まず業者へ書面で是正を申し入れ、応じなければ裁判所に差止めの訴えを起こします(第58条の25)。勝訴判決が確定すれば、業者はその勧誘や広告を止めなければならない。業界裏話ヒント:多くの業者は訴訟前の事前申入れの段階で行為をこっそり修正する。表沙汰の判決を嫌うからだ。だから団体に寄せられた情報は、訴訟に至らなくても水面下で業者の手口を変えさせている。あなたの情報提供は無駄骨になりにくい。
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 誰が使う制度か | 58条の25:適格消費者団体(内閣総理大臣の認定) | — |
| 目的 | 不特定多数への将来の被害を予防し、勧誘や広告を止める | — |
| 行使できる期間 | 業者が行為を現に行い、又は行うおそれがある間 | — |
| 得られる結果 | 行為の停止・予防、物の廃棄除去。返金は伴わない | — |
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