要点特定商取引法第58条の26は、適格消費者団体が、訪問購入業者の不実告知・威迫困惑などの行為を不特定多数への被害拡大前に差し止められると定める規定です。
Q · 消費者団体に通報したら、押し買い業者に売ってしまったお金は戻ってきますか?
個人の返金は対象外。業者の手口自体を止める制度です
特定商取引法第58条の26は、適格消費者団体が訪問購入業者に対し、不実告知・故意の事実不告知・威迫困惑などの行為の停止や予防を請求できると定めます。対象は「不特定かつ多数の者」に対する行為であり、通報した本人への返金はこの条の射程外です。返金はクーリングオフ(第58条の14)や取消し、または特定適格消費者団体による集団的被害回復という別制度で動かします。差止めは「現に行い又は行うおそれがある」段階で請求でき、被害が広がる前に止められる点に価値があります。
「着なくなった服を買い取ります」と電話をよこした業者が、家に上がるなり服には目もくれず、母親の金の指輪や仏具を相場のはるか下で持ち去っていく。押し買いと呼ばれるこの手口は、断りきれない高齢者を狙って全国で繰り返されてきた。あなたが泣き寝入りしかけたとき、この条文は別の武器を差し出す。適格消費者団体、つまり国が認定した消費者団体が、そうした業者に対して「その勧誘をやめろ」「威迫をやめろ」と裁判所を通じて差止めを請求できる仕組みだ。あなた個人が取り戻せる金額の話ではない。業者の手口そのものを、不特定多数への被害ごと止める。嘘を告げる、都合の悪い事実を隠す、威迫して困らせる、引渡しを急がせる、これらを現にやっている、あるいはやりそうな段階で止められる。あなたの一本の通報が、次の被害者を丸ごと救う起点になる。
特定商取引法第58条の26は、適格消費者団体による訪問購入に係る差止請求権を定める規定である。購入業者が不特定かつ多数の者に対し、勧誘時の不実告知、故意の事実不告知、威迫困惑等を現に行い又は行うおそれがある場合に、その停止・予防及び必要な措置を請求できる。消費者契約法第12条の一般的差止請求権に対する特別法上の特則にあたる。
業者が自宅を訪ねて物品を買い取る「訪問購入」のうち、不用品買取を装って貴金属などを不当な安値で買い取る手口の通称です。特定商取引法の訪問購入規制の対象になります。
法定書面を受け取った日から8日以内です(第58条の14)。期間中は物品の引渡しを拒める引渡し拒絶権もあり、渡していなければ交渉の余地が残ります。最新の改正状況はご確認ください。
勧誘時や解除妨害のための不実告知、故意の事実不告知、威迫して困惑させる行為、引渡しを受けるための不実告知や威迫、さらにクーリングオフを制限する不利な特約の申込み・承諾です。
まず消費生活センター(局番なし188)に相談し、業者名・名刺・録音などを保全します。手口の情報が集約されると、適格消費者団体が差止めを検討する材料になります。
自動車や大型家電、家具、書籍、有価証券、CD・DVD等は政令で適用除外とされています。金・貴金属・アクセサリーは規制対象の代表格です。個別の該当性は消費生活センターにご確認ください。
訪問の目的や氏名等の明示、不招請勧誘の禁止、契約書面の交付、クーリングオフ期間中に引渡しを受ける際の引渡し拒絶権の告知などです。これらを欠く勧誘は差止めの検討対象になります。
足ります。条文は「現に行い又は行うおそれがあるとき」と定めており、被害が現実化する前の段階でも請求できます。初期の数件の通報が次の被害を止める鍵になります。
適格消費者団体は裁判所に差止訴訟を提起できます。訴訟に至れば業者名や争点が明らかになり、信用の失墜と行政処分の端緒という二重のリスクを負うことになります。
この条文(第58条の26)で団体が止められるのは業者の“手口”であって、あなた個人の返金はこの差止の射程外です。返金は自分のクーリングオフや取消しで動かします。業界裏話ヒント:差止だけの「適格消費者団体」と、金銭回復までできる「特定適格消費者団体」は別物。後者は消費者裁判手続特例法に基づく制度で、担う団体も手続も違う。通報先を間違えると動きが止まる
訪問購入には引渡し拒絶権があり、本来はクーリングオフ期間中なら渡さずに済みました。渡した後でも8日以内ならクーリングオフで返還を求められます。業界裏話ヒント:訪問購入だけに「引渡し拒絶権」がある。業者はクーリングオフ期間中に引渡しを受ける際その旨を告げる義務があるが、多くの人が知らず即日渡してしまう。現物が残っている限り交渉余地は消えていない
訪問購入の定義(第58条の4)にあたれば規制対象で、目的を偽る不実告知は差止・取消しの対象です(第58条の26第1項)。業界裏話ヒント:自動車や書籍、有価証券など一部の物品は訪問購入規制の適用除外になっている。何を買い取られたかで結論が変わる。金・貴金属・アクセサリーは規制対象の代表格なので、そこを狙われたケースは戦える
内閣総理大臣が認定した消費者団体で、消費者契約法に基づき差止請求の当事者適格を持つ点が普通のNPOと違います(消費者契約法第13条)。業界裏話ヒント:通報しても「うちは個別相談は受けない」と言われることがある。差止団体は個別事件の処理機関ではなく、まず消費生活センター(188)経由で被害情報が集約されて動く。この流れを知っておくと初動が速い
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|---|---|---|
| 誰が使う権利か | 第58条の26:適格消費者団体(被害者本人ではない) | — |
| 得られる結果 | 訪問購入業者の勧誘・引渡し要求行為の停止・予防 | — |
| 時間の制約 | 「現に行い又は行うおそれ」がある限り可能 | — |
| 個人へのお金の回復 | 射程外(金銭回復は別制度) | — |
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