要点特定商取引法8条の2は、業務停止命令と同時に、その原因を作った役員や使用人個人に対し、同一期間の業務新規開始を禁止し、その旨を公表することを定める。
Q · 会社が業務停止命令を受けたら、役員や社員個人まで名指しで処分されるの?
はい、役員や使用人個人にも禁止命令が及び、氏名が公表されます
特定商取引法8条の2により、主務大臣は会社への業務停止命令と同時に、その原因を作った役員・使用人個人に対して、同一期間、同一範囲の業務を新たに開始すること(他社でその業務を担当する役員になることを含む)を禁止できます。対象には命令の日前一年以内に退職した元役員・元使用人も含まれます。さらにその人物が特定関係法人で同一の業務を行っていれば、その業務にも停止命令が及び、命令をしたときは第3項により必ず公表されます。
訪問販売でトラブルを起こした会社に、業務停止命令が出た。多くの人はそれで一件落着だと思う。ところが、その会社の役員や幹部従業員は、翌週には別の社名で会社を立ち上げ、同じ手口の商売を再開する。かつての特定商取引に関する法律には、この「使い捨て法人」を止める手立てがなかった。第8条の2はその穴を塞ぐ。主務大臣は、業務停止命令と同時に、その原因を作った役員や従業員個人に対して、同じ期間、同じ業務を新しく始めること(別会社の担当役員になることも含む)を禁止できる。しかも命令の日から遡って一年以内に辞めた元役員・元従業員まで射程に入る。さらにその人物が別の関係会社(特定関係法人)で同じ商売をしていれば、そこにも停止命令が飛ぶ。会社という盾の裏に隠れていた「人」を、法律が名指しで追いかける仕組みだ。あなたが営業幹部なら、会社が処分されたとき、自分の氏名も公表される側にいる。
特定商取引に関する法律第8条の2は、役員等の業務禁止命令を定める規定である。主務大臣が販売業者又は役務提供事業者に業務停止命令を課す際、命令の原因となった事実への関与と責任の程度から主務省令で定める者に該当する役員・使用人(命令の日前一年以内の元役員・元使用人を含む)に対し、停止と同一期間の業務新規開始の禁止を命じ、その旨を公表する制度を規律する。
特定商取引法8条の2に基づき、業務停止命令の原因を作った役員や使用人個人に対して、同一期間、同一範囲の業務を新たに開始することを禁じる行政処分です。他社でその業務を担当する役員になることも禁止されます。
会社に出された業務停止命令と同一の期間です。第8条の2第1項が「当該停止を命ずる期間と同一の期間」と定めるため、個人の禁止期間は会社の停止期間に連動します。
第8条の2第3項により、主務大臣は命令をしたときは公表しなければなりません。義務規定であり、行政庁の裁量で伏せることはできません。公表情報は与信や再就職の場面で参照されます。
なります。命令の日前一年以内に役員または使用人であった者も明文で対象です。処分を察知して先に退任しても、一年以内であれば射程から外れません。
法人の場合は役員と使用人、および命令の日前一年以内にその地位にあった者です。個人事業者の場合は使用人と一年以内の元使用人。そのうち主務省令で定める要件に該当する者が名宛人になります。
行政不服審査法による審査請求、または行政事件訴訟法に基づく取消訴訟を検討します。いずれも期間制限があるため、命令書を受け取った日から日数を管理する必要があります。
その人物が禁止された業務を担当する役員に就任すること自体が命令違反となります。招聘側の企業も事業の適法性やレピュテーションに直接影響を受けるため、就任前の確認が欠かせません。
取引自体が直ちに違法になるわけではありませんが、禁止された業務を継続させる取引は加担と評価されかねません。公表情報を確認し、契約前に処分歴を調べるのが安全です。
第8条の2は『罰』ではなく行政上の禁止命令ですが、実質は個人を狙い撃ちます。役員や幹部従業員が命令の原因を作り責任があると判断されれば、同じ期間、同じ商売の新規開始を個人として禁じられ、氏名も公表されます(第8条の2第1項・第3項)。業界裏話ヒント:肝は『命令の日前一年以内に辞めた元役員・元従業員』まで対象になること。処分の気配を察して先に退任しても逃げ切れない設計だ。この一年ルールを知らずに駆け込み退任する人は多い
行政上の禁止にとどまらず、刑事罰の対象になります。禁止命令違反は懲役や罰金が科されうる犯罪です(特商法70条、現行効力を要確認)。命令の実効性を担保するための重い制裁です。業界裏話ヒント:第8条の2第2項は、あなたが『特定関係法人』で同じ業務をしている場合、その業務自体にも停止命令を飛ばせる。別会社に移って役員でなく現場担当になっても、業務単位で追いかけられる。肩書きを変えるだけの回避は通用しない
唯一の反論機会を自ら放棄することになります。聴聞(行政手続法13条)で関与の度合いや責任の程度を主張しなければ、行政の認定がそのまま通り、命令が確定します。業界裏話ヒント:聴聞に弁護士を代理人として立てられることは意外に知られていない。ここで職務分掌や指示系統の証拠を出して『自分は主務省令で定める対象者に当たらない』と争う方が、命令後の取消訴訟より圧倒的に負担が軽い。勝負は聴聞で決まる
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 処分の名宛人 | 第8条の2:役員・使用人個人(命令の日前一年以内の元役員・元使用人を含む) | — |
| 処分の内容 | 同一期間の業務新規開始の禁止(他社でその業務を担当する役員就任も含む)+特定関係法人等での同一業務の停止 | — |
| 発動の前提 | 第8条第1項前段の業務停止命令を発する場合であり、命令の原因事実への関与と責任の程度から主務省令で定める者に該当すること | — |
| 命令に従わない場合 | 禁止命令違反は刑事罰の対象(特定商取引法70条、現行効力を要確認) | — |
ログインすると、他の読者と一緒にこの条文へメモを残せます。
ログインして共同ノートを始める以下は各文が単独で意味の通る客観的事実です。引用は e-Gov法令検索を基準としてください。