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出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)e-Gov法令検索出典公布 最終改正 収録時点 令和8年10月9日読了 8 分8 分8 分

民事執行法 第163条(動産の引渡請求権の差押命令の執行)

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  1. 動産の引渡請求権を差し押さえた債権者は、債務者に対して差押命令が送達された日から一週間を経過したときは、第三債務者に対し、差押債権者の申立てを受けた執行官にその動産を引き渡すべきことを請求することができる。
  2. 2.執行官は、動産の引渡しを受けたときは、動産執行の売却の手続によりこれを売却し、その売得金を執行裁判所に提出しなければならない。

この条文の基本情報

動産の引渡請求権の差押命令の執行とは何ですか?

定義動産の引渡請求権の差押命令の執行とは、民事執行法第163条に定められた規定で、「動産の引渡請求権を差し押さえた債権者は、債務者に対して差押命令が送達された日から一週間を経過したときは、第三債務者に対し、差押債権者の申立てを受けた執行官にその…」と規定しています。

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)

  1. 民事執行法第163条(動産の引渡請求権の差押命令の執行)は、日本の民事執行法に含まれる条文です。
  2. 民事執行法第163条の条文原文は「動産の引渡請求権を差し押さえた債権者は、債務者に対して差押命令が送達された日から一週間を経過したときは、第三債務者に対し、差押債権者の申立てを受けた執行官にその…」で始まります。
  3. 民事執行法第163条は第二節 金銭の支払を目的とする債権についての強制執行に置かれています。
  4. 民事執行法の公布日は昭和54年3月30日です。
  5. 民事執行法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月9日時点では廃止情報はありません。
  6. 民事執行法第163条の前の条は民事執行法第162条です。
  7. 民事執行法第163条の次の条は民事執行法第164条です。
  8. 民事執行法第163条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。

この条文を引用する

下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。

  • 正式書式民事執行法(昭和五十四年法律第四号)第163条
  • 官報・e-Gove-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/354AC0000000004
  • 本サイト収録民事執行法(昭和五十四年法律第四号)第163条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月9日)https://lawplayer.com/jp/article/354AC0000000004/163
裁判例 1件に引用されています

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わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です

要点民事執行法163条は、債務者が第三者に持つ動産の引渡請求権を差し押さえ、送達から1週間後に執行官へ引き渡させ、動産執行の売却手続で換価する制度を定める。

Q · 取引先の在庫が他人の倉庫にあるとき、その物を回収に回せますか?

引渡請求権ごと差し押さえて換価できます

民事執行法163条により、債務者が第三者(倉庫業者・修理業者・受寄者・レンタル先など)に対して持つ動産の引渡請求権そのものを差し押さえられます。差押命令が債務者に送達された日から1週間を経過すると、執行官に対しその動産の引渡しを求め、執行官が動産執行の売却手続で競売し、売得金を執行裁判所へ提出します。手に入るのは物そのものではなく、換価された現金です。物理的に相手の手元になくても、返還を求める権利がある限り現金化の射程に入ります。

解説

取引先が代金を払わない。銀行預金を押さえようにも口座は空。だが相手には売れ残った在庫が数千万円分あり、それは自社倉庫ではなく物流会社の倉庫に眠っている。ここで多くの債権者は「他人が保管している物には手が出せない」と諦める。それが取りこぼしの正体だ。民事執行法163条は、債務者が第三者(倉庫業者、修理業者、受寄者、レンタル先)に対して持つ「その動産を返せ」という引渡請求権そのものを差押えの対象にする。差押命令が債務者に送達された日から1週間が過ぎれば、あなたは執行官にその動産を取り立てさせ、執行官が動産執行の競売手続で現金に換え、売得金を執行裁判所へ納める。つまり相手の物理的な持ち物が誰の手元にあろうと、返還を求める権利がある限り、その糸をたどって現金化できる。回収の射程は、あなたが思っているより広い。

法的な位置づけ

民事執行法163条は動産の引渡請求権に対する差押えを定める規定であり、債務者が第三者に対して有する動産の返還・引渡請求権を執行対象とする。差押債権者は差押命令の債務者への送達から1週間経過後に第三債務者へ執行官への引渡しを請求でき、執行官は動産執行の売却手続により換価し、売得金を執行裁判所へ提出する。

手順・フロー

AI による整理。効力は条文原文が基準です

手順

  1. 1.動産の保管先と第三債務者を特定 債務者がどこに動産を預けているか(倉庫業者・工場・修理業者・レンタル先・受寄者)を調査し、返還・引渡しを請求できる相手=第三債務者を確定する。預金・不動産だけでなく「どこに物を預けているか」の欄を作って探す
  2. 2.執行裁判所へ引渡請求権の差押命令を申立て 債務名義に基づき、執行裁判所に動産引渡請求権の差押命令を申し立てる。命令は第三債務者と債務者の双方に送達させ、送達日を明確に記録する
  3. 3.送達日から1週間の経過を確認 差押命令が債務者に送達された日から1週間を経過するまで待つ。この間、第三債務者は命令に反して債務者へ物を返してはならず、返せば差押債権者に対抗できない
  4. 4.執行官へ動産の引渡し・売却を申立て 1週間経過後、執行官に対し第三債務者からの動産の引渡しを受けて売却するよう申し立てる。執行官が動産執行の売却手続で換価する
  5. 5.換価・配当で満足を受ける 執行官が売得金を執行裁判所へ提出し、配当手続で満足を受ける。競売落札額は市場価格を下回りやすいため、着手前に他の執行方法との回収見込みを比較しておく

よくある質問 AI による整理

Q1動産引渡請求権の差押えとは何ですか?

債務者が第三者に持つ「動産を返せ」という請求権を執行対象として差し押さえる方法です。物が他人の倉庫や工場にあっても、権利をたどって現金化できます(民事執行法163条)。

Q2民事執行法163条をわかりやすく説明すると?

他人が保管する債務者の動産でも、その引渡請求権を差し押さえれば、送達から1週間後に執行官が引き取り競売にかけ、売得金を回収に回せる制度です。

Q3第三債務者が動産の引き渡しを拒否したらどうなりますか?

差押命令に反して債務者へ返還しても差押債権者に対抗できず、二重弁済のリスクを負います。執行官への引渡しに応じない場合は執行手続で処理されます。

Q4引渡請求権の差押えで1週間待つのはなぜですか?

163条1項が差押命令の債務者への送達から1週間の経過を引渡請求の要件とするためです。債務者に弁済や不服申立ての機会を与える趣旨です。

Q5差し押さえた動産は競売でいくらになりますか?

動産執行の売却手続(競売)は市場価格を下回りやすく、想定より回収額が減ることがあります。物固有の価値がある場合は他の換価方法との比較が有効です。

Q6他人の倉庫にある在庫を差し押さえる方法は?

保管者を第三債務者として特定し、執行裁判所へ引渡請求権の差押命令を申し立てます。現場に立ち入る動産執行(122条)より紙の命令で相手を動かせます。

Q7差押命令の送達はいつ効力を持ちますか?

第三債務者への送達で差押えの効力が生じ、債務者への送達日から1週間経過して初めて執行官への引渡請求が可能になります。

Q8引渡請求権の差押えに差押禁止はありますか?

生活・事業に不可欠な差押禁止動産(131条)の保護が引渡請求権経由の売却でも及ぶかは実務上解釈が分かれ、専門家への確認が必要です。

この条文についての質問 AI による整理

Q1債務者の商品が倉庫にあるなら、その商品を直接差し押さえればいいのでは?

倉庫内の動産を直接差し押さえる動産執行(民事執行法122条)も可能です。ただし執行官が現場に立ち入る必要があり、第三者が占有を主張したり立入りを拒んだりすると難航します。163条は債務者が保管者に持つ引渡請求権を差し押さえる方法で、裁判所の差押命令が保管者を直接拘束します。実務のポイント:保管者が協力的か非協力的かで手段を使い分けるのが実務。非協力的な現場ほど、紙の命令で相手を動かす163条が効く

Q2差し押さえた動産は債権者がそのまま受け取れるんですか?

受け取れません。163条2項により、執行官が引渡しを受けた動産を動産執行の売却手続(競売)で換価し、その売得金を執行裁判所に提出します。債権者が得るのは物そのものではなく、配当される現金です。実務のポイント:競売は市場価格を大きく下回ることが多く、思ったほど回収できないことがある。ブランド品や特殊機械のように物に固有の価値があるなら、譲渡命令など他の換価方法や任意売却の交渉と比較する価値がある

Q3なぜ1週間も待たないといけないんですか?

163条1項が、差押命令の債務者への送達から1週間の経過を引渡請求の要件としているためです。この期間は債務者に弁済や不服申立ての機会を与える趣旨で、経過前は執行官への引渡請求ができません。実務のポイント:この1週間、保管者が命令を無視して債務者に物を返すと、その引渡しは差押債権者に対抗できず、保管者が二重弁済のリスクを負う。保管者側に立つなら、命令受領後は債務者に渡さず執行官の指示を待つのが鉄則

間違えやすい点 AI による整理

  • 「自分の物を他人に預けておけば差押えを逃れられる」という発想そのものが誤っている。預けた物への返還請求権は独立した財産権であり、163条の差押対象になる。隠したつもりの保管場所が、かえって権利という形で可視化される
  • 債権者は差し押さえた動産そのものを自分の物にできると思われがちだが、そうではない。執行官がその動産を『動産執行の売却手続』(競売)で換価し、その代金が配当の原資になる。手に入るのは物ではなく、換価された現金だ
  • 1週間の猶予期間を単なる通知期間だと軽く見る人が多い。実はこの経過が引渡請求権を行使できる時期を画する起算点で、ここを過ぎて初めて執行官への取立てが可能になる。裏を返せば、保管者はこの1週間、債務者へ物を返してはならないリスクを負う。日付一つが手続全体の進行を決める
比較の観点この条文ほかの条文
対象163条:債務者が第三者に持つ動産の引渡請求権122条:債務者が占有する動産そのもの
155条:債務者が第三者に持つ金銭債権
手続の入口執行裁判所の差押命令(紙の力で第三債務者を拘束)執行官が現場へ立入り差押え
執行裁判所の差押命令
回収の形執行官が動産を引取り競売で換価→現金差押動産を競売で換価→現金
差押債権者が直接取立て→現金
向く場面物が他人の倉庫・工場にあり保管者が非協力的物が債務者の占有下にあり現場立入りが可能
回収対象が現金債権(売掛金・預金等)

他国ではどう定めているか 4 か国

台湾
中華民国 強制執行法第116条

台湾も債務者が第三者に対して有する動産の交付・移転請求権を執行対象とする点で日本163条と同型。執行法院の扣押命令で第三人を拘束する構造が共通する

韓国
대한민국 민사집행법 제243조

韓国も有体物の引渡請求権に対する押留(差押え)を認め、集行官による引取り・換価を予定する。日本法の継受色が強く手続が近似する

ドイツ
ZPO §§ 846–847

ドイツは債務者の動産引渡請求権(Herausgabeanspruch)への強制執行を明文で規律し、第三債務者から Gerichtsvollzieher へ引き渡させる。日本163条の直接の系譜上の母法にあたる

アメリカ
州の garnishment / execution 制度

米国は統一的条文ではなく州法の garnishment・replevin 系統で第三者占有の動産や引渡請求に対応。裁判所の令状で第三者を拘束する点は機能的に類似する

AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です

想定される場面と対応 AI による整理

こんなときに使う

  • もし取引先が代金を踏み倒したまま、資産をすべて物流倉庫へ移していたらどうする? 倉庫内の在庫は債務者の物だが、物理的にはあなたの手が届かない。だが債務者が倉庫業者に持つ引渡請求権を差し押さえれば、執行官がその在庫を引き取って競売にかける。他人の倉庫は隠し場所にならない
  • あなたが借入返済に行き詰まり、稼働中の機械設備を修理工場に預けたまま資金繰りを回していたとする。ある日、債権者があなたの『設備を返せ』という請求権を差し押さえた。修理工場は今後、あなたにではなく執行官に設備を引き渡す義務を負う。事業の心臓部が、あなたの意思と無関係に売却へ進む
  • レンタルに出していた高級機材。借主の手元にあるその機材の返還請求権を、あなたの債権者が差し押さえた。物はレンタル先、権利はもう執行の網の中
  • 差押命令が届いてから執行官の引取りまで、債務者に残された猶予はわずか1週間。その間に保管者へ『渡すな』と頼んでも、命令に反した引渡しは差押債権者に対抗できない。動けるとすれば執行異議か弁済、選択の窓は数日しかない

取るべき行動

被害を受けた側:1. 債務者がどこに動産を預けているか(倉庫、工場、修理業者、レンタル先)を調査し、保管者=第三債務者を特定2. 執行裁判所に引渡請求権の差押命令を申し立て、第三債務者と債務者に送達3. 債務者への送達日から1週間経過後、執行官に対し動産の引渡しを受けて売却するよう申し立てる4. 執行官が動産執行の売却手続で換価し、売得金を執行裁判所へ提出5. 配当手続で満足を受ける。競売落札額は市場価格を下回りやすいので、他の執行方法との回収見込みを最初に比較する

訴えられた側:1. 差押命令を受け取ったら、対象の引渡請求権が本当に存在するか、第三債務者が実際にその物を保管しているかを確認2. 執行の基礎となる債務名義に不服があれば請求異議、執行手続自体の瑕疵には執行異議を検討3. 売却対象が生活・事業に不可欠な差押禁止動産(民事執行法131条)に該当しないか精査(引渡請求権経由でも売却は動産執行の手続によるため同条の保護が及ぶかは実務上、解釈が分かれる点があり専門家に確認) 4. 1週間の猶予内に弁済や分割和解の交渉余地があれば動く

時効(請求できる期限):差押命令が債務者に送達された日から1週間を経過して初めて、執行官への引渡請求が可能(民事執行法163条1項)。手続自体に固有の時効はないが、執行の基礎となる債務名義上の債権には消滅時効(確定判決で確定した権利は10年、民法169条)が及ぶため、債務名義取得後の放置に注意(最新の改正状況をご確認ください)

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民事執行法の全文を見る所属する編章節を開く:第二節 金銭の支払を目的とする債権についての強制執行

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)。AI による解説は理解の補助であり、法的効力は条文原文が基準です。

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